2019年のゴールデンウィークは10連休! この機会に旅行をと考えている方は多いと思いますが、JR各社の割引きっぷ・フリーきっぷは、ゴールデンウィークに利用できないものが多くあります。とはいえ、よく探せば、ゴールデンウィークにも利用できるフリーきっぷはあります。この記事では、ゴールデンウィークでも利用できるJR各社の主要な割引きっぷ・フリーきっぷをご紹介します。
※JR各社のフリーきっぷはものすごくたくさんあるので、ここでは、比較的フリーエリアの広いきっぷを中心に、主要なものだけをご紹介します。
※2019.04.26更新(JR九州「平成から令和へ!記念★乗り放題きっぷ」を追加)
JR北海道
JR北海道の割引きっぷ、フリーきっぷは、一部を除き、大半のものがゴールデンウィークも利用できます。その中でも、フリーエリアが広いフリーきっぷ、特急列車での旅行に便利な割引きっぷをご紹介します。
LCC利用者限定! ひがし北海道フリーきっぷ・きた北海道フリーきっぷ
LCC(Peach、バニラエア)及びAIRDOを利用して北海道内の空港に到着した利用者限定のフリーきっぷです。「ひがし北海道フリーきっぷ」は札幌を含む道央から道東までのエリアで特急自由席に乗り放題です(5日間有効、15,500円)。「きた北海道フリーきっぷ」は道央~道北の広い範囲がフリーエリアで、同じく特急自由席に乗り放題です(4日間有効、12,500円)。
ゴールデンウィークに道北、道東を旅行しようと考えている方には最適のフリーきっぷです。
ゴールデンウィークでも、特に制限なく利用できます。ただし、LCC(Peach、バニラエア)利用者、AIRDO利用者限定ですので、これらの航空会社の北海道内の空港着の便を予約できないと、 「ひがし北海道フリーきっぷ」「きた北海道フリーきっぷ」も利用できないことになります。早めに航空券を押さえましょう。
「ひがし北海道フリーきっぷ」「きた北海道フリーきっぷ」については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
札幌・旭川からの特急列車往復利用ならSきっぷ・Rきっぷ
札幌・旭川~稚内・網走(函館本線・宗谷本線・石北本線)の特急列車の往復利用であれば、往復割引きっぷ「Sきっぷ」「Rきっぷ」がおトクです。通年で利用可能で、もちろんゴールデンウィークでも利用できます。
区間によって割引率がかなり異なりますが、例えば、札幌~旭川往復の「Sきっぷ」は約40%引き、札幌~稚内往復の「Rきっぷ」も約40%引きと、割引率が高い区間ではかなりおトクになります。
詳しくは、以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」も利用可能!
特急列車の片道利用であれば、乗車券と特急券がセットになった割引きっぷ「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」があります。ゴールデンウィークにも設定されている区間が多く、2週間前までに予約・購入が必要な「お先にトクだ値」では、割引率が45%以上になる区間もあります。
注意点としては、インターネット予約サービス「えきねっと」限定のきっぷであるという点です。駅の窓口では購入できませんので、「えきねっと」で購入しましょう。
また、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」は、いわゆる早期割引きっぷですので、乗車当日の購入はできません。「えきねっとトクだ値」は前日まで、「お先にトクだ値」は2週間前の購入が必要です。
「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」については、以下の記事で詳しく解説しています。購入方法、注意点についても触れていますので、まだ利用したことがない!という方は、まず以下の記事を読んでみてください。
北海道フリーパスは利用不可!
JR北海道のフリーきっぷで、ゴールデンウィークに利用できないのは「北海道フリーパス」です。JR北海道の在来線全線の特急列車に7日間乗り放題というフリーきっぷですが、ゴールデンウィークを含む繁忙期は利用できません。
「北海道フリーパス」が利用できないため、JR北海道の広範囲を鉄道で移動したい場合には、前述の「ひがし北海道フリーきっぷ」「きた北海道フリーきっぷ」が便利です。
JR北海道のフリーきっぷについては、以下の記事でまとめて紹介しています。
JR東日本
JR東日本のフリーきっぷでは、「週末パス」「三連休パス」などの広範囲がフリーエリアとなるものが利用できません。一方で、地域限定のフリーきっぷや、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」などの割引きっぷは利用できます。
ゴールデンウィークに東日本エリアを旅行する場合には、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」を早めに購入したうえで、必要であれば地域限定のフリーきっぷを組み合わせるといった方法がよさそうです。
定番フリーきっぷ「週末パス」「三連休東日本・函館パス」は利用できないので注意!
JR東日本のフリーきっぷといえば、週末の土日に利用できる「週末パス」、三連休に設定される「三連休東日本・函館パス」は、いずれもゴールデンウィークには利用できません。
そのため、ゴールデンウィークにおトクに新幹線や特急列車を利用しようとすると、まずは「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」を利用することになります。
「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」を早めに押さえよう!
JR北海道のところでも述べましたが、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」はゴールデンウィークでも設定があります。
ただし、特に首都圏発着の新幹線・特急列車は、ゴールデンウィーク期間の指定席が発売されると、あっという間に満席になってしまいます。そのうえ、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」は席数限定ですので、とにかく早めに押さえることが重要です。
「お先にトクだ値」は2週間前までの購入が必要ですが、ゴールデンウィーク期間中に関していえば、発売直後に売り切れてしまうと思いますので、できれば発売当日(1か月前の10時から発売)に購入するのが望ましいです。
使い勝手の良い地域限定フリーきっぷ
ゴールデンウィークでも利用できる地域限定フリーきっぷのうち、比較的フリーエリアが広く、使い勝手のよいものをご紹介しましょう。
フリーきっぷの名称がリンクになっているものは、当ブログの記事で詳しく紹介していますので、クリックしてご覧ください。
フリーきっぷ | フリーエリア | 有効期間 | おねだん | 備考 |
---|---|---|---|---|
いわてホリデーパス | 主に岩手県内のJR線 | 1日 | 2,460円 | ※1 |
小さな旅ホリデー・パス | 主に南東北のJR線 | 1日 | 2,670円 | ※1 |
休日おでかけパス | 主に首都圏のJR線 | 1日 | 2,670円 | ※2 |
ぐんまワンデー世界遺産パス | 群馬県内のJR線 ・主要な私鉄線 |
1日 | 2,200円 | ※3 |
信州ワンデーパス | 長野県内のJR線 | 1日 | 2,640円 | ※4 |
えちごツーデーパス | 新潟県内のJR線 ・主な三セク路線 |
2日 | 2,690円 | ※5 |
※1: 別途特急券を購入すればフリーエリア内の在来線特急列車に乗車可能(東北新幹線には乗車不可)
※2: 別途特急券を購入すればフリーエリア内の新幹線(東海道新幹線を除く)、在来線特急列車に乗車可能
※3: 別途特急券を購入すればフリーエリア内の上越・北陸新幹線、JRの在来線特急列車、東武特急りょうもう号に乗車可能
※4: 別途特急券を購入すればフリーエリア内の北陸新幹線、JRの在来線特急列車に乗車可能
※5: 別途特急券を購入すればフリーエリア内の上越新幹線、JRの在来線特急列車に乗車可能
いずれも、フリーエリアが一つの県かそれ以上となっていて、各県の主要都市や温泉地などを起点に観光する場合には便利です。値段も2千円台のものが多く、気軽に利用できますし、特急券を購入すればフリーエリア内の新幹線や特急列車にも乗車できますので、使い勝手も良いものになっています。
首都圏に在住の方が日帰り旅を楽しむ場合や、東京へ飛行機や新幹線でやってきて移動手段に鉄道を利用する場合には、「休日おでかけパス」がおすすめです。西は小田原や大月、北は熊谷、東は土浦や成田など、フリーエリアがかなり広くなっています。また、フリーエリアから少しはみ出しますが、高崎や宇都宮への移動でもお得になる場合があります。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
JR東日本のフリーきっぷについては、以下の記事でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。
JR東海
JR東海が発売するフリーきっぷのうち、新幹線や特急列車での往復+フリーエリアのタイプのきっぷは、ゴールデンウィークにはほとんど利用できません。乗り鉄の方には定番の「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」も残念ながら利用できません。
一方、数は少ないですが、エリア限定のフリーきっぷは、ゴールデンウィークに利用できるものもあります。
「青空フリーパス」「休日乗り放題きっぷ」「富士山満喫きっぷ」はゴールデンウィークも利用可能!
JR東海のフリーきっぷのうち、ゴールデンウィークも利用できる数少ないフリーきっぷが、「青空フリーパス」「休日乗り放題きっぷ」「富士山満喫きっぷ」です。
「青空フリーパス」(有効期間1日、土休日のみ、2,570円)は、名古屋・伊勢・飯田エリアなど、名古屋を中心に比較的広いエリアで利用できるフリーきっぷです。新幹線には乗れませんが、特急券を購入すれば在来線特急には乗車できます。
「休日乗り放題きっぷ」(有効期間1日、土休日のみ、2,670円)は、主に静岡エリアの東海道本線(熱海~豊橋)・身延線(全線)・御殿場線(全線)に乗車できるフリーきっぷです。こちらもエリアが比較的広いので、日帰りのおでかけに便利です。
「富士山満喫きっぷ」(有効期間1日、通年利用可能、3,070円)は、富士山周辺(主に南麓)のJR線・伊豆箱根鉄道(三島~修善寺)・路線バス等に乗車できるフリーきっぷです。沼津や富士宮、御殿場などを起点に観光する場合に便利です。
JR西日本
JR西日本は、地域限定のフリーきっぷや、出発地からの往復+地域内でのフリーエリアというフリーきっぷが多いのですが、大半のフリーきっぷは、ゴールデンウィークでも利用できます。
家族でのおでかけにおすすめ!「北陸乗り放題きっぷ」
JR西日本のフリーきっぷの中でも、エリアが比較的広いのが「北陸乗り放題きっぷ」です。
京阪神地区~北陸エリアまでの特急サンダーバードの往復と、北陸のフリーエリア内の新幹線や特急列車(普通車自由席)に3日間乗り放題の往復+フリータイプのきっぷです。
2名以上の利用が条件なので、一人旅には利用できません。その代わり、こども用の価格が安く設定されていますので、家族でのおでかけに最適です。
大阪市内発の「北陸乗り放題きっぷ」(普通車用)は、おとな用15,560円、こども用3,000円です。こども用は出発地によらず3,000円です。
JR四国
JR四国の定番フリーきっぷ「四国フリーきっぷ」「四国グリーン紀行」は、ゴールデンウィークの利用できます。が、JR四国は、今年の10連休のゴールデンウィークに合わせて、破格のフリーきっぷ「10連休四国満喫きっぷ」を発売します。
4日間特急自由席に乗り放題で13,000円! 「10連休四国満喫きっぷ」
2019年のゴールデンウィークに四国へ旅行に行くのであれば、間違いなくおすすめのフリーきっぷが「10連休四国満喫きっぷ」です。4日間も特急列車の普通車自由席に乗り放題で、13,000円と破格です。土佐くろしお鉄道線、阿佐海岸鉄道線の全線にも乗車できるので、四国を公共交通機関で旅行するのであれば、このきっぷを活用するとよいでしょう。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
「四国フリーきっぷ」「四国グリーン紀行」「バースデイきっぷ」はいずれも利用可能!
JR四国の定番フリーきっぷ「四国フリーきっぷ」(普通車自由席用)、「四国グリーン紀行」(グリーン車・普通車指定席用)、「バースデイきっぷ」は、いずれもゴールデンウィークに利用できます。
ただ、「四国フリーきっぷ」を利用するのであれば、上で紹介した「10連休四国満喫きっぷ」のほうが、有効期間も長く、フリーエリアも広いのでおすすめです。
どうしてもグリーン車・普通車指定席に乗車したい場合には、「四国グリーン紀行」を利用しましょう。
また、誕生月にだけ利用できる「バースデイきっぷ」は、有効期間が3日間ですが、普通車自由席用が9,500円と安くなっています。「バースデイきっぷ」を利用できる方は、旅行期間を考慮して、「バースデイきっぷ」にするか、「10連休四国満喫きっぷ」にするかを決めるとよいと思います。
JR九州
JR九州の主要なフリーきっぷは、利用制限期間がないため、ゴールデンウィークでも利用できます。
定番フリーきっぷ「ぐるっと九州きっぷ」「旅名人の九州満喫きっぷ」はゴールデンウィークも利用可能!
JR九州全線に乗車でき、特急券を購入すれば新幹線や特急列車にも乗車できる定番フリーきっぷ「ぐるっと九州きっぷ」は、ゴールデンウィークも利用できます。
利用可能期間は3日間、お値段は14,000円ということで、普通列車だけで元を取るのは難しいですが、新幹線、特急列車を組み合わせて、九州を周遊する旅で活用すれば、かなりおトクになるでしょう。九州各地を走る観光列車に乗車するのもよいかもしれませんね。
また、普通列車のみにしか乗車できませんが、その代わり、JR九州だけでなく、九州のすべての鉄道に乗車できる「旅名人の九州満喫きっぷ」も、ゴールデンウィークに利用できます。青春18きっぷの九州版のようなきっぷですので、こちらは乗り鉄向けかもしれません。
4月30日~5月1日の二日間限定で乗り放題!「平成から令和へ!記念★乗り放題きっぷ」
平成最後の日と、令和最初の日の2日間限定で、JR九州の普通列車・快速列車に乗り放題となる「平成から令和へ!記念★乗り放題きっぷ」が発売されます。2日間有効で3,000円という格安のフリーきっぷです。ゴールデンウィークに九州の乗り鉄を楽しみたい方にはおすすめのきっぷです。
JR九州の割引きっぷ・フリーきっぷについては、以下の記事もご覧ください。
以上、『ゴールデンウィークに利用できるJR各社の割引きっぷ・フリーきっぷまとめ! 10連休も鉄道での旅行をおトクに楽しもう!』でした。JR各社でゴールデンウィークに利用できるフリーきっぷはまちまちですが、JR北海道・JR四国・JR九州の三社は、比較的多くのフリーきっぷが利用できます。ゴールデンウィークは安いきっぷは購入できないとあきらめず、おでかけしたいエリアのフリーきっぷが使えないかを確認してみましょう。