JR6社の中ではもっとも路線網が小さなJR四国。そんなJR四国を鉄道で旅するときの定番が「四国フリーきっぷ」「四国グリーン紀行」です。前者は特急列車の自由席に、後者は指定席・グリーン席に乗り放題になります。繁忙期も含めて、通年利用可能という使い勝手の良いフリーきっぷです。この記事では、「四国フリーきっぷ」「四国グリーン紀行」の概要と、購入方法、おすすめの利用方法などをご紹介します。
※2021.02.26更新
- 【まとめ】四国フリーきっぷ・四国グリーン紀行
- 「四国フリーきっぷ」「四国グリーン紀行」とは?
- 「四国フリーきっぷ」「四国グリーン紀行」の購入場所・購入方法
- 「四国フリーきっぷ」「四国グリーン紀行」おすすめの利用法
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【まとめ】四国フリーきっぷ・四国グリーン紀行
- 四国フリーきっぷ: JR四国全線の特急列車の普通車自由席に3日間乗り放題
- 四国グリーン紀行: JR四国全線の特急列車のグリーン車・普通車指定席に4日間乗り放題
- 繁忙期(お正月・GW・お盆休み)も含めて通年利用可能
- おすすめはグリーン車にも乗り放題なのに割安な「四国グリーン紀行」
なお、誕生日の月限定ですが、「バースデイきっぷ」(3日間有効、フリーエリアは「四国グリーン紀行」とほぼ同じ、普通車用 9,680円・グリーン車用 13,240円) もあり、これが利用できるのであればかなりおトクです。
「四国フリーきっぷ」「四国グリーン紀行」とは?
「四国フリーきっぷ」「四国グリーン紀行」は、JR四国が発売しているフリーきっぷです。いずれもJR四国全線の特急列車に乗り放題となるきっぷで、四国での鉄道旅行にピッタリです。
- | 四国フリーきっぷ | 四国グリーン紀行 |
---|---|---|
発売期間 | 通年 ※1 | 通年 |
利用期間 | 通年 ※1 | 通年 |
有効期間 | 3日間 | 4日間 |
フリーエリア |
JR四国全線 土佐くろしお鉄道 (窪川~若井) JR四国の路線バス (大栃線、久万高原線) |
JR四国全線 土佐くろしお鉄道全線 JR四国の路線バス (大栃線、久万高原線) |
きっぷの効力 |
特急・普通列車の 普通車自由席 に乗り放題 |
特急・普通列車の グリーン車 普通車指定席 普通車自由席 に乗り放題 |
おねだん |
大人 16,440円 小児 8,220円 若者限定 9,980円 |
20,950円 |
※1: 「若者限定 四国フリーきっぷ」は期間限定です。
フリーエリアは以下の通りです。
(出典)四国フリーきっぷ |四国旅行 JR四国ツアー(駅コミ) 四国グリーン紀行 |四国旅行 JR四国ツアー(駅コミ)
フリーエリアは、「四国グリーン紀行」のほうが若干広く、土佐くろしお鉄道の御免~奈半利間と、若井~宿毛間が加わっています。
また、「四国フリーきっぷ」では特急列車の指定席には乗車できません。特急列車の指定席に乗車する場合には、特急券+指定席券を別途購入する必要があります。(「四国フリーきっぷ」は乗車券としては有効)
詳しくは、「JR四国ツアー」のサイトをご覧ください。
25歳以下限定「若者限定四国フリーきっぷ」
25歳以下限定で、年に3回、「若者限定四国フリーきっぷ」(有効期間:3日間)が発売されます。きっぷの効力は「四国フリーきっぷ」と全く同じで、おねだんが9,980円 とかなりお安くなっています。
2021~22年の利用可能期間は、以下のとおりです。
- 〔春季用〕 2021年3月1日~2021年4月12日(4月10日出発分まで)
- 〔夏季用〕 2021年7月20日~2021年9月12日(9月10日出発分まで)
- 〔冬季用〕 2021年12月10日~2022年1月12日(1月10日出発分まで)
おおむね、青春18きっぷと同じく、春休み、夏休み、冬休みの期間に利用できます。
「四国フリーきっぷ」の16,440円と比べると、約4割もお得になっています。学生の方にはおすすめです。
おすすめはグリーン車に4日間乗り放題の「四国グリーン紀行」
特急列車の自由席に乗車できる「四国フリーきっぷ」、グリーン車にも乗車できる「四国グリーン紀行」という2種類のフリーきっぷがあるわけですが、おすすめは断然「四国グリーン紀行」 です。
1日あたりの料金で比べると、
- 四国フリーきっぷ(特急 普通車自由席用): 5,480円/日
- 四国グリーン紀行(特急 グリーン車用): 5,238円/日
となり、特急列車の指定席やグリーン車に乗り放題の「四国グリーン紀行」のほうが割安 です。
グリーン車が連結されていない特急列車もありますが、「四国グリーン紀行」であれば普通車指定席にも乗車できますので、指定券を予め確保しておけば、混雑している時期でも座れないという心配がありません。
さらに、JR四国全線というエリアは同じですが、「四国グリーン紀行」のほうは土佐くろしお鉄道線にも乗り放題 です。「四国フリーきっぷ」では、土讃線と予土線をつなぐ窪川~若井の一駅間しか乗車できません。事実上、フリーエリアは、
- 四国フリーきっぷ: JR四国全線
- 四国グリーン紀行: JR四国全線・土佐くろしお鉄道全線
と考えて良いでしょう。
観光シーズンに発売される「四国満喫きっぷ」も候補に!
JR四国は、2019年から、観光シーズンに「四国満喫きっぷ」(4日間有効、特急自由席乗り放題、13,000円)を発売しています。
「四国フリーきっぷ」の4日間有効バージョンと考えればわかりやすいですが、フリーエリアには土佐くろしお鉄道全線が含まれるため、「四国グリーン紀行」の自由席バージョンといったほうが正しかもしれません。
期間限定ですので、いつでも利用できるわけではありませんが、観光シーズンを中心に発売されています。
2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ観光需要を喚起するために、さらにお得なきっぷを発売していました。
- 2020年1月18日~3月1日: 「冬の四国満喫きっぷ」(4日間、13,000円)
- 2020年7月1日~9月29日: 「四国満喫きっぷスペシャル」(3日間、8,000円)
- 2020年10月8日~2021年1月31日: 「四国満喫きっぷスペシャルプラス」(3日間、10,500円)
「四国満喫きっぷ」については、詳しくは、以下の記事をご覧ください。
「四国フリーきっぷ」「四国グリーン紀行」の購入場所・購入方法
「四国フリーきっぷ」「四国グリーン紀行」の発売箇所は以下のとおりです。
きっぷ | 発売箇所 |
---|---|
四国フリーきっぷ |
JR四国の駅の指定席券売機 JR四国ツアーWeb申込み JR四国の主な駅・ワープ支店・駅ワーププラザ JR北海道の主な駅のみどりの窓口・旅行センター 四国内とJR北海道管内の主な旅行会社 |
若者限定 四国フリーきっぷ |
JR四国の主な駅・ワープ支店・駅ワーププラザ JR四国ツアーWeb申込み 四国内主な旅行会社 |
四国グリーン紀行 |
JR四国の駅の指定席券売機 JR四国ツアーWeb申込み JR四国の主な駅・ワープ支店・駅ワーププラザ 四国内の主な旅行会社 |
窓口や指定席券売機で購入する場合には、四国でしか購入できません。例外は、四国フリーきっぷがJR北海道の窓口で購入できることくらいです。
一方、「JR四国ツアー」のサイトから「JR四国ツアーWeb申込み」で申し込むと、送料負担となりますが、四国以外でも郵送で受け取ることができます。
また、「若者限定四国フリーきっぷ」は、年齢を証明する公的証明書を提示する必要があることから、指定席券売機での購入はできません。「JR四国ツアー」での申し込みは可能ですが、48時間以内に公的証明書をメールまたはFAX等で送付する必要があります。
以下、四国以外から四国へ旅行する場合に、どのような方法で購入するとよいかを解説します。
「四国グリーン紀行」は郵送がおすすめ!
指定席・グリーン席に乗車できる「四国グリーン紀行」は、「JR四国ツアーWeb申込み」で申し込み、郵送してもらうのがおすすめです。
その理由は、「JR四国ツアーWeb申込み」での申込時に、指定席券・グリーン券を合わせて予約できるから です。
混雑する時期でなければ、四国に入ってから、駅の窓口や指定席券売機で指定席券やグリーン券を確保してもよいのですが、夏休みや年末年始などの繁忙期には、出発前に予約しておいたほうが安心です。
指定席券・グリーン券の予約方法は以下のとおりです。
- JR四国ツアーの「おトクなきっぷ」>「四国グリーン紀行」のページへ
- ページ最下部の「お申し込み」ボタンから申し込む
- 使用開始日、人数、郵送の手配などの画面を進んでいくと、「料金確認・申込確定」のページに「ご希望など」の記入欄が出てくる
- 「ご希望など」の記入欄に、指定席券・グリーン券の希望列車(日時・列車名・発駅・着駅)を入力
フリー入力欄になりますので、時刻表などを見ながら、間違えないように入力しましょう。なお、座席位置の希望は受け付けられないそうです。
岡山から鉄道で四国入りする場合にも郵送がおすすめ!
「四国フリーきっぷ」は、特急列車の指定席やグリーン席が利用できません。自由席のみの利用となるため、事前に指定を受けておく必要はありません。
そのため、四国に入ってから購入してもよいのですが、岡山から瀬戸大橋線で四国に入る場合には、郵送で事前にきっぷを入手しておくのがおすすめ です。
岡山から瀬戸大橋線経由で四国へ向かうと、途中の児島駅がJR西日本とJR四国の境界駅となります。ところが、児島駅はJR西日本の管轄のため、JR四国のフリーきっぷを購入できません。
瀬戸大橋線を通る主要な列車「快速マリンライナー」「特急しおかぜ」「特急南風」では、児島駅の次の停車駅は、坂出駅か宇多津駅。
- 児島~坂出: 運賃530円
- 児島~宇多津: 運賃440円
この区間は「四国フリーきっぷ」のフリーエリアになりますので、事前にこれらのフリーきっぷを入手できていれば、運賃を支払う必要はありません。
郵送代金420円を払うほうが安上がりですし、わざわざ坂出や宇多津で途中下車して「四国フリーきっぷ」を購入する必要もありません。
事前にフリーきっぷを入手できていれば、岡山から乗車する際に、以下のきっぷを用意しておけばOKです。
- 快速マリンライナー: 岡山~児島(JR西日本区間)の乗車券(510円)
- 特急しおかぜ・特急南風: 岡山~児島の乗車券(510円)+自由席特急券(560円)
「四国フリーきっぷ」「四国グリーン紀行」おすすめの利用法
JR四国全線の特急列車に乗車できるフリーきっぷなので、使い方はいろいろ。四国を巡る観光メインでの利用も良いでしょうし、ひたすら特急に乗りまくる乗り鉄的な活用もアリでしょう。
「四国グリーン紀行」を観光列車の旅に活用!
指定席・グリーン席に乗車できる「四国グリーン紀行」ならではの利用法として、JR四国自慢の豪華観光列車に乗車する のがおすすめです。
JR土讃線の多度津~琴平~大歩危間を運行している「四国まんなか千年ものがたり」 は、高級レストランのようなゆったりとしたテーブル配置で、車窓を楽しみながら豪華な食事がいただける観光列車です。
「四国まんなか千年ものがたり」は特急列車で、全席グリーン車としての運転です。「四国グリーン紀行」なら、追加料金なしで乗車可能です。(グリーン席の予約は必要、食事料金は別途必要)
「四国まんなか千年ものがたり」の乗車記は、以下の記事をご覧ください。
JR予讃線の松山~伊予大洲・八幡浜を走る「伊予灘ものがたり」 は、車窓から伊予灘を眺めながら、食事がいただける観光列車です。運転日には2往復運転され、それぞれの便で提供される食事内容が異なります。
「伊予灘ものがたり」は普通列車ですが、全車グリーン席での運転です。「四国グリーン紀行」であれば、こちらも追加料金なしで乗車できます(グリーン席の予約は必要、食事料金は別途必要)。「四国フリーきっぷ」の場合には、グリーン券を別途購入すれば乗車できます。
「四国フリーきっぷ」でJR四国を完乗!
特急列車の自由席に3日間乗り放題の「四国フリーきっぷ」。こちらも四国周遊の旅に使いやすいきっぷですが、このきっぷ1枚でJR四国の全線を乗ってしまうという乗り鉄の旅 もおすすめです。
JR四国の主要路線では特急列車が多く運転されています。普通列車の本数が少ないので、青春18きっぷなど、特急列車に乗車できないフリーきっぷでは大変ですが、「四国フリーきっぷ」であれば、多少観光をしながらでも、3日間で全線乗車も可能でしょう。
JR四国の路線は、予土線の多度津~高知と徳島線を除くと、基本的に四国の外周に沿っているので、四国一周の旅をしながら乗り鉄もすることができます。
以上、JR四国の鉄道旅行に利用したい「四国フリーきっぷ」「四国グリーン紀行」をご紹介しました。観光にも乗り鉄にも使えるオールマイティなフリーきっぷですので、自分なりの使い方を考えてみるのも楽しそうです。
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JR四国のフリーきっぷ・割引きっぷのまとめ記事です。四国を鉄道で旅行するときに、どんなフリーきっぷを使ったらよいかわからない!という方は、ぜひご覧ください。
鉄道旅行、乗り鉄におすすめのフリーきっぷの記事をまとめた目次です。JR各社のフリーきっぷのまとめ記事もあります。