南東北の広い範囲がフリーエリアとなるJR東日本のフリーきっぷ「小さな旅ホリデー・パス」。特急券を購入すれば、山形新幹線の福島~新庄間にも乗車できます。この記事では、「小さな旅ホリデー・パス」の詳細に加えて、おすすめの列車や路線、日帰り旅のプランについて紹介します。
「小さな旅ホリデー・パス」とは?
「小さな旅ホリデー・パス」は、南東北(主に福島・山形・宮城県内)のJR線に1日乗り放題 となるJR東日本のフリーきっぷです。土休日のみ利用できますが、ゴールデンウィークや夏休み、年末年始などの繁忙期には、毎日利用できるようになります。
「小さな旅ホリデー・パス」の詳細は以下のとおりです。
きっぷ名 | 小さな旅ホリデー・パス |
---|---|
利用期間 | 通年の土休日 ゴールデンウィーク(4月29日~5月5日) 夏休み(7月20日~8月31日) 年末年始(12月23日~1月7日) |
備考 | |
発売期間 | 通年(当日の購入も可能) |
有効期間 | 1日間 |
フリーエリア | 東北本線(平泉~新白河,岩切~利府) 陸羽東線(小牛田~新庄) 石巻線(小牛田~女川) 気仙沼線(前谷地~気仙沼) 仙石線(あおば通り・仙台~石巻) 仙山線(仙台~山形) 常磐線(名取~山下) 奥羽本線(福島~新庄) 左沢線(山形~左沢) 米坂線(米沢~今泉) 磐越東線(郡山~小野新町) 磐越西線(郡山~喜多方) 只見線(会津若松~只見) |
フリーエリア (図) | |
出典 | https://www.jreast.co.jp/tickets/info.aspx?GoodsCd=2520 |
効用 | フリーエリア内の快速・普通列車の普通車自由席に1日乗り放題 別に特急券等を購入すれば在来線特急にも乗車可能 山形新幹線(福島~新庄間)は特急券を購入すれば乗車可能 |
発売会社 | JR東日本 |
発売箇所 | フリーエリア内のJR東日本の駅の指定席券売機、みどりの窓口、JR EAST Travel Service Center(JR東日本 駅たびコンシェルジュ) 主な旅行会社 |
価格(大人) | 2,720円 |
価格(小児) | 1,350円 |
「小さな旅ホリデー・パス」の購入方法・発売期間は?
「小さな旅ホリデー・パス」の購入場所・発売期間は以下のとおりです。
- 購入場所: フリーエリア内の指定席券売機、みどりの窓口
- 発売期間: 通年(利用当日の購入も可能)
「小さな旅ホリデー・パス」は、上記のフリーエリア内の指定席券売機やみどりの窓口などで購入できます。仙台や山形、福島などの新幹線・特急停車駅であれば、指定席券売機が必ずありますから、指定席券売機での購入がおすすめです。
また、発売期間は「通年」ですので、いつでも購入可能です。購入時に利用日を指定して購入します。利用当日の購入も可能ですので、新幹線などでフリーエリア内に到着したあと、「小さな旅ホリデー・パス」を購入してすぐに使い始めることができます。
「小さな旅ホリデー・パス」はフリーエリアが広いのが特徴
この「小さな旅ホリデー・パス」の特徴は、南東北3県(福島県、宮城県、山形県)のJR線に乗り放題というフリーエリアの広さ です。1日ではとても回り切れないほどの広さです。
青春18きっぷ1日あたり(2,410円)よりも少し高いですが、元を取るのはそれほど難しくありません。特急券を購入すれば、在来線の特急列車にも乗車できるのはうれしいです。このフリーエリア内で、定期列車として走っている在来線の特急列車は、山形新幹線「つばさ」(福島~山形~新庄)だけですが、運転本数が多いので、有効に利用できます。
フリーエリア内には東北新幹線も走っていますが、「小さな旅ホリデー・パス」では、別途特急券を購入したとしても、東北新幹線には乗車できません。
- 山形新幹線(福島~山形~新庄): 別途、特急券を購入すれば乗車できる
- 東北新幹線: 特急券を購入しても乗車できない
東北新幹線には乗車できない点に注意しましょう。
「小さな旅ホリデー・パス」、どれくらい乗ればお得?
「小さな旅ホリデー・パス」は1日有効のフリーきっぷです。2,720円と比較的購入しやすい値段ではありますが、どのくらい乗車すればお得になるのか、目安を知っておくとよいでしょう。
ここでは、仙台駅を起点として「小さな旅ホリデー・パス」を利用する場合、フリーエリア内の主要駅のどこまで乗車すればお得になるのかを考えてみます。
乗車区間 | 片道 | 往復 |
---|---|---|
仙台~山形 | 1,166円 | 2,332円 |
仙台~新庄 | 1,980円 | 3,960円 |
仙台~女川 | 1,170円 | 2,340円 |
仙台~福島 | 1,342円 | 2,684円 |
仙台~郡山 | 2,310円 | 4,620円 |
仙台~会津若松 | 3,410円 | 6,820円 |
太字が「小さな旅ホリデー・パス」がお得になる区間です。仙台から主要駅の片道では元が取れないところが多いですが、新庄や郡山まで往復すればお得になります。
仙台からの単純往復でもよいのですが、おすすめは周遊の旅です。「小さな旅ホリデー・パス」のエリアは、南北に走る東北本線と奥羽本線の間を、仙山線や陸羽東線が結んでいますので、周遊ルートが作りやすいのです。後ほど、おすすめのルートをご紹介します。
「小さな旅ホリデー・パス」おすすめの利用法
「小さな旅ホリデー・パス」で鉄道の旅を楽しむのであれば、おすすめは「周遊の旅」です。
「小さな旅ホリデー・パス」のフリーエリア内では、仙台駅を起点として、ぐるっと一周できるルートがあります。このぐるっと一周できるルートを、観光地で途中下車したり、観光列車に乗車したりしながら、旅をするのがおすすめです。
仙台発、陸羽東線・鳴子温泉の旅
「小さな旅ホリデー・パス」を利用して、仙台駅発着で南東北を周遊するルートです。
- 仙台 09:37発 → 鳴子温泉 11:30着(快速「湯けむり」,指定席券530円が必要)
- 鳴子温泉で日帰り温泉+ランチ
- 鳴子温泉 13:08発 → 新庄 14:12着 (陸羽東線 普通列車)
- 新庄 15:17発 → 山形 16:04着(特急「つばさ150号」 ※特急券が必要)
- 山形 17:06発 → 仙台 18:37着(仙山線 普通列車)
仙台駅から、東北本線~陸羽東線~奥羽本線~仙山線と一周してくるルートです。快速「湯けむり」は、基本的に土休日の運転ですが、運転されない日もあるので、時刻表やJR東日本のWebサイトにある時刻表でご確認ください。また、いずれも全車指定席での運転ですので、あらかじめ指定席を予約しておきましょう。
陸羽東線は、小牛田駅と新庄駅を結ぶローカル線です。沿線に温泉地が多いことが特徴で、「奥の細道湯けむりライン」という愛称がついています。
駅名でも、温泉が多いことがわかります。川渡温泉、鳴子御殿湯、鳴子温泉、中山平温泉、赤倉温泉、瀬見温泉と、温泉に関係する駅名をもつ駅が6つもあります。
代表格は鳴子温泉です。駅から徒歩圏内に温泉街がありますし、駅構内にも足湯があります。仙台からは普通列車の乗り継ぎで2時間半ほど。片道1,690円ですので、仙台~鳴子温泉間を単純に往復するだけでも「小さな旅ホリデー・パス」がおトクになります。
また、秋は紅葉も楽しめます。陸羽東線は、奥羽山脈を横切って、太平洋側と内陸を結ぶ路線ですので、途中で山間部を走行します。車窓のハイライトは、鳴子トンネルを抜けたあとにある「鳴子峡」という深い渓谷でしょう。この渓谷を渡る際に、断崖絶壁に紅葉した木々が迫りくる絶景を堪能できると思います。
陸羽東線の旅を楽しむなら、週末を中心に仙台~新庄を乗り換えなしで結ぶ快速「湯けむり」の利用がおすすめです。全車指定席ですので、あらかじめ「えきねっと」などで指定席券を購入しておきましょう。
快速「湯けむり」については、以下の記事で、乗車記に加えて、指定席の予約方法などを詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。
仙台発、山寺と温泉を訪ねる旅
仙台駅から、仙山線で山寺駅に立ち寄って山形駅へ、山形駅から沿線の温泉を楽しみつつ、奥羽本線で福島駅へ。福島駅から東北本線で仙台駅に戻る周遊ルートです。
- 仙台 08:18発 → 山寺 09:26着(仙山線 普通列車)
- 山寺(立石寺)観光
- 山寺 12:08発 → 山形 12:26着(仙山線 快速列車)
- 山形 13:04発 → 赤湯 13:26着(山形新幹線 つばさ142号 ※特急料金760円)
- 赤湯で日帰り温泉
- 赤湯 16:12発 → 福島 17:00着(山形新幹線 つばさ148号 ※特急料金1,130円)
- 福島 17:40発 → 仙台 19:07着(東北本線 普通列車)
仙山線は、その名称のとおり、仙台と山形を結ぶ路線です。仙山線の全線が、仙台市内と山形市内という県庁がある市のみを走る路線ですが、とてもそうは思えない山深い区間を走る路線です。
車窓のハイライトは、作並~山寺の奥羽山脈を横切る区間です。初夏には新緑が、秋には鮮やかな紅葉が、そして冬は静寂の銀世界が車窓いっぱいに広がります。本当に山の中を走るので、眺望がきくところはそれほど多くありませんが、山岳路線の雰囲気を味わうことができます。
途中の山寺駅で下車して、山寺(正式名称は立石寺)を散策するのもおすすめです。「山寺」というくらいなので、山の斜面にさまざまな御堂が建っています。一番上まで登るとそれなりに大変ですが、秋には紅葉の山に挟まれたように佇む山寺の町が一望できますので、天気が良ければおすすめです。
仙山線で山形駅に到着したら、奥羽本線に乗り換えます。普通列車でもいいのですが、特急券を購入して山形新幹線「つばさ」に乗車してもよいでしょう。
上のプランでは、赤湯で途中下車して日帰り温泉を楽しむことにしましたが、かみのやま温泉駅や高畠駅などでも良いでしょう。沿線には温泉地がたくさんありますので、好きなところで下車して温泉を楽しみましょう。
以上、『【小さな旅ホリデー・パス】JR東日本の南東北エリアが1日乗り放題のフリーきっぷ! おすすめの使い方や、乗りたい路線・列車を紹介します!』でした。「ホリデー・パス」ですので土休日のみ利用可能なのですが、観光には使いやすいフリーきっぷです。この記事で紹介したように、このエリアには温泉地が多くありますので、日帰り温泉を楽しむ旅もいいですね。
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JR東日本のフリーきっぷ・割引きっぷのまとめ記事です。使い分けについても解説していますので、他にどんなフリーきっぷがあるのか、どのフリーきっぷを使うとお得なのかを知りたい方は、ぜひご覧ください。
鉄道旅行や乗り鉄に利用できる、おすすめのフリーきっぷ・割引きっぷをまとめたページです。フリーエリアが比較的広いものをまとめていますので、鉄道で広範囲に移動したい方にはおすすめです。
コメント
とても参考になりました♪
ありがとうございます。
訪問者さん、ご覧いただきありがとうございます。
役に立てたようでよかったです。
こんにちは~(^^♪
灯りと闇にブックマーク有難うございました。はてなブログの初心者でブックマークが?失礼していると思いますが、お許しを・・・。一時期憧れた《18キップ》自宅付近の撮り鉄で終わりそうです。今後も宜しくお願い致します。
eiri (id:eiri0557)さん、コメントありがとうございます。
とても印象的な写真を撮られていたので、ブックマークさせていただきました(*^-^*)
またお邪魔させていただきます。
よろしくお願いします!