JR九州が発売する「旅名人の九州満喫きっぷ」は、JR九州全線に加えて、九州のすべての鉄道、モノレール、路面電車などに乗車できるフリーきっぷです。普通列車・快速列車にしか乗れませんが、九州の鉄道を満喫したい方にはおすすめのフリーきっぷです。この記事では、「旅名人の九州満喫きっぷ」のおすすめの使い方を紹介します。
「旅名人の九州満喫きっぷ」とは?
「旅名人の九州満喫きっぷ」は、JR九州が発売するフリーきっぷです。
- 利用期間:通年 ※利用制限日なし
- 発売期間:通年
- 有効期間:3回分 ※購入日から3か月間有効
- 有効期限の3か月以内であれば、1回分ずつ日にちを決めて利用可能
- 1枚の「旅名人の九州満喫きっぷ」を複数人で利用することも可能(同一行程に限る)
- 発売箇所:JR九州の主な駅、九州内の主な旅行会社
- フリーエリア
- JR九州全線(新幹線・特急列車・博多南線を除く)
- 北九州モノレール
- 平成筑豊鉄道(北九州銀行レトロライン含む)
- 福岡市営地下鉄
- 西日本鉄道
- 甘木鉄道
- 松浦鉄道
- 長崎電気軌道
- 島原鉄道
- 熊本電気鉄道
- 熊本市電
- 南阿蘇鉄道
- くま川鉄道
- 肥薩おれんじ鉄道
- 鹿児島市電
- きっぷの効力
- フリーエリア内の普通列車・快速列車の普通車自由席に乗り放題
- JR九州、肥薩おれんじ鉄道の普通列車の指定席は、別途、指定席券を購入すれば乗車可能
- おねだん: 11,000円(こども用の設定なし)
フリーエリアは以下の図のとおりです。
詳しくは、JR九州のWebサイトをご確認ください。
「旅名人の九州満喫きっぷ」は本当にお得か?
このフリーきっぷの特徴は、JR九州だけでなく、九州内のすべての鉄道に乗車できる 点にあります。九州北部を走る大手私鉄から、九州内の各地を走るローカル私鉄、路面電車、モノレールなどに乗車することができます。九州で鉄道の旅を楽しむなら、これ一枚でOK!というくらいのフリーエリアの広さです。
一方で、普通列車・快速列車にしか乗車できず、特急券を購入しても、新幹線や特急列車には一切乗車できません。
青春18きっぷの九州版といった感じのフリーきっぷですが、3回分(3日分)で11,000円、1日あたり約3,670円という値段をどう見るかで評価が変わってくるでしょう。青春18きっぷは、JR線のみですが、1日あたり2,410円ですので、「旅名人の九州満喫きっぷ」は1日あたり約1,260円も高いことになります。
これをふまえて、おすすめの活用を紹介します。
「旅名人の九州満喫きっぷ」おすすめの活用法
「旅名人の九州満喫きっぷ」のおすすめの活用法をご紹介します。
青春18きっぷが使えない時期にJR九州の乗り鉄に利用
九州内のすべての鉄道に乗車できるとはいえ、路線網で見るとJR九州が圧倒的です。つまり、「たくさん乗って元を取る」という考え方からすると、JR九州の路線に乗車すると元が取りやすい、ということになります。
青春18きっぷと比較してみると、以下のようになります。
旅名人の九州 満喫きっぷ | 青春18きっぷ | |
---|---|---|
利用可能時期 | 通年 | 春夏冬の3季 |
フリーエリア | 九州内の 全鉄道路線 | JR全線 |
有効期間 | 3回分 (3日分) | 5回分 (5日分) |
お値段 (1回あたり) | 11,000円 (3,670円) | 12,050円 (2,410円) |
前述のように、「旅名人の九州満喫きっぷ」は1回あたりの料金が青春18きっぷよりも1,000円以上高くなりますが、青春18きっぷが利用できない時期も含めて、いつでも利用できる というメリットがあります。
つまり、JR九州の乗り鉄をする場合には、青春18きっぷが利用できる時期であれば、青春18きっぷのほうがお得ですが、それ以外の時期であれば「旅名人の九州満喫きっぷ」が候補になります。
それでは、「旅名人の九州満喫きっぷ」で、どれくらい乗れば元を取れるでしょうか?
- 博多~小倉: 片道1,310円
- 博多~熊本: 片道2,170円
- 博多~大分: 片道3,740円
- 博多~長崎: 片道2,860円
博多から九州北部の主要都市へのJRの普通運賃はこのようになります。「旅名人の九州満喫きっぷ」は1日あたり3,670円ですので、博多~大分なら片道だけでも元が取れますし、博多~熊本・長崎であれば往復すれば十分元が取れます。
九州新幹線や特急列車に乗車できないため、時間はかかりますが、青春18きっぷを利用できない時期に、JR九州の乗り鉄を楽しみたい方には、十分に選択肢になるフリーきっぷです。
都市間移動+観光(路面電車・地下鉄1日乗車券代わり)に利用
乗り鉄ではなく観光メインの場合はどうでしょうか?
「旅名人の九州満喫きっぷ」は路面電車や地下鉄、モノレールに乗車できますので、都市間を移動した後、その都市での観光にも使うことができます。
各都市で観光に使える路面電車・モノレール・地下鉄の1日乗車券の価格は以下の通りです。
路線 | 1日乗車券 | 名称 |
---|---|---|
福岡市地下鉄 | 640円 | 1日乗車券 |
熊本市電 | 500円 | 熊本市電 1日乗車券 |
鹿児島市電 | 600円 | 一日乗車券 (市バスも乗車可) |
長崎電気軌道 | 500円 | 電車一日乗車券 |
各都市の路面電車や地下鉄は、観光にも活用できます。1日乗車券がおおよそ500円~600円くらいなので、「旅名人の九州満喫きっぷ」で都市間移動(おもにJR九州)+1日乗車券の代わりに利用という使い方をすれば、お得になる可能性が高そうです。
ただし、「旅名人の九州満喫きっぷ」では、路線バスには乗車できない点は注意が必要です。路面電車(市電)や地下鉄は、市営であることが多いので、市バスにも乗車できる一日乗車券が販売されていることがあります。観光に路線バスも利用する場合には、「旅名人の九州満喫きっぷ」がよいのか、よく調べたほうがよいでしょう。
肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」に乗車
「旅名人の九州満喫きっぷ」では、八代~川内間の肥薩おれんじ鉄道にも乗車できます。九州新幹線開業時に、いわゆる並行在来線としてJR九州から経営分離された区間で、現在は第三セクターの肥薩おれんじ鉄道が運行しています。
八代~川内間は116.7kmもあり、この区間を乗り通すだけで2,670円かかります。この区間を含む、熊本~鹿児島中央の片道運賃は合計4,380円ですので、片道を移動するだけで「旅名人の九州満喫きっぷ」1回分の元が取れます。
そして、おすすめは、元祖レストラン列車「おれんじ食堂」への乗車です。豪華な食事が提供されるプランは、旅行商品の扱いとなるので、「旅名人の九州満喫きっぷ」では乗車できませんが、乗車券+指定席券(1,400円)の「乗車のみ」のプランで乗車することができます。

九州新幹線・特急列車に乗車するなら「ぐるっと九州きっぷ」を使おう
JR九州全線に乗車できるフリーきっぷとしては、「ぐるっと九州きっぷ」(14,260円、連続する3日間有効)があります。

こちらは、JR九州の路線にしか乗車できない代わりに、特急券を別途購入すれば、九州新幹線や在来線の特急列車にも乗車できるきっぷです。
九州新幹線や特急列車に乗車する旅ならば、「ぐるっと九州きっぷ」のほうが使い勝手がよいでしょう。また、JR九州が各地で運転している観光列車は、大半が特急列車として運転されています。観光列車への乗車を目的にするならば、特急券の追加で特急列車にも乗車できる「ぐるっと九州きっぷ」がよいでしょう。
JR九州のフリーきっぷについては、以下の記事でまとめていますので、どちらを使ったらよいか迷っている方は、ぜひご覧ください。

以上、「【旅名人の九州満喫きっぷ】九州の全ての鉄道に3日間乗り放題のフリーきっぷ! おすすめの使い方も紹介します!」でした。青春18きっぷの九州版として使うもよし、都市間移動+観光に使うもよし、いろいろな使い方ができるフリーきっぷです。
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