東武鉄道の下今市~鬼怒川温泉間を走るSL列車「SL大樹」。鬼怒川温泉・日光の観光の際に気軽に乗車することができます。この記事では、SL大樹の概要をはじめ、SL座席指定券の予約方法や、座席表、おすすめの座席やおすすめのきっぷなどを、実際に利用した際の体験談を交えながらご紹介します。これから「SL大樹」に乗車しようとされている方は、参考にしてみてください。
※2020.11.26更新
- 「SL大樹」とは?
- 「SL大樹」「DL大樹」の運転日・運転時刻
- 2021年から「SL大樹」はSL2編成での運転を開始!
- 「SL大樹」「DL大樹」のお楽しみ! 転車台の入線時刻
- 「SL大樹」「DL大樹」座席指定券の予約・購入方法
- 「SL大樹」「DL大樹」の座席表 おすすめの座席は?
- 「SL大樹」の乗車に便利! 鬼怒川観光・温泉旅行にもつかえる「まるごと鬼怒川 東武フリーパス」
- 関連記事
↓「SL大樹」の乗車レポートを読みたい方はこちら!
「SL大樹」とは?
「SL大樹」(SLたいじゅ)は、2017年8月に東武鉄道が運行を開始したSL列車です。
JRなど各社から貸与、譲渡された車両を利用して運行しています。
- 蒸気機関車
- C11形207号機: JR北海道から借受
- C11形325号機: 真岡鉄道より譲渡
- 12系・14系客車: JR四国・JR北海道より譲渡
- 補助ディーゼル機関車 DE10: JR東日本より譲渡
- 下今市駅・鬼怒川温泉駅の転車台: JR西日本より譲渡
各社の協力があって、実現したプロジェクトだということですね。
「SL大樹」「DL大樹」の運転日・運転時刻
2020年11月現在、蒸気機関車牽引の「SL大樹」と、ディーゼル機関車牽引の「DL大樹」が、週末を中心に運転されています。
土休日には「SL大樹」「DL大樹」それぞれが下今市~鬼怒川温泉間を2往復、あわせて4往復(8本)が運転されます。平日(主に金曜日と月曜日)に運転される場合には、「SL大樹」のみの2往復4本となります。土休日でも2往復運転となる日があります。途中停車駅は、東武ワールドスクエアの最寄り駅、東武ワールドスクエア駅のみです。
なお、詳しい運転日は、東武鉄道の「SL大樹」のWebサイトをご確認ください。
また、2021年の「SL大樹」の運転日も発表されています。
「SL大樹」「DL大樹」の2020年11月時点のダイヤは以下のとおりです。なお、運転日により、「SL大樹」「DL大樹」がそれぞれ以下のように運転されます。
- SL/DLによる4往復運転の日
- 「SL大樹」として運転: 1号,2号,5号,6号
- 「DL大樹」として運転: 3号,4号,7号,8号
- SLによる2往復運転の日
- 「SL大樹」として運転: 1号,2号,5号,6号
- SL2編成による4往復運転の日
- 1~8号全列車を「SL大樹」として運転
「SL大樹」「DL大樹」下り(下今市 → 鬼怒川温泉)ダイヤ
1号 | 3号 | 5号 | 7号 | |
---|---|---|---|---|
下今市 | 09:33発 | 10:29発 | 13:00発 | 14:55発 |
東武ワールド スクウェア |
10:03着 | 10:59着 | 13:41着 | 15:25着 |
鬼怒川温泉 | 10:09着 | 11:05着 | 13:48着 | 15:32着 |
「SL大樹」「DL大樹」上り(鬼怒川温泉 → 下今市)ダイヤ
2号 | 4号 | 6号 | 8号 | |
---|---|---|---|---|
鬼怒川温泉 | 11:10発 | 12:54発 | 15:37発 | 16:43発 |
東武ワールド スクウェア |
11:15発 | 12:59発 | 15:42発 | 16:48発 |
下今市 | 11:45着 | 13:29着 | 16:14着 | 17:18着 |
下今市駅は、東武日光方面と、鬼怒川温泉や会津方面への分岐駅です。
その下今市駅から鬼怒川温泉駅までは、わずか12.4km。各駅に停車する普通列車でも25分程度で走る区間ですが、SL列車はとてもゆっくりと走るので、35分程度を要します。
2021年から「SL大樹」はSL2編成での運転を開始!
「SL大樹」は、JR北海道から借り受けている蒸気機関車「C11形207号機」で運行されていますが、東武鉄道は、2020年、真岡鉄道から「C11形325号機」を譲受しました。
真岡鉄道から譲受した「C11形325号機」は、2020年12月26日に「SL大樹」としてデビューする予定になっていますが、これによって、「SL大樹」はSL2編成での運行が可能になります。
2020年11月時点の計画では、以下のようになっています。
- 2020~21年の年末年始に「SL大樹」2編成での運行を実施
- 2021年1月中旬~7月末までは、「C11形207号機」が検査のため、「C11形325号機」1機での運行
- 2021年8月以降、本格的にSL2機体制での運行を開始
- 週末を中心にSL2編成での「SL大樹」を運転
- 平日も常に「SL大樹」を運転(平日は主にSL1編成での運転)
「SL大樹」がSL2機体制となることで、SL列車同士の行き違いや、鬼怒川温泉駅、下今市駅でのSL同士の並びを見ることもできるようになります。
「SL大樹」「DL大樹」のお楽しみ! 転車台の入線時刻
始発駅・終着駅となる下今市駅、鬼怒川温泉駅では、「SL大樹」「DL大樹」が転車台に入り、向きを変える様子を間近で見学することができます。
「SL大樹」「DL大樹」は、下今市駅~鬼怒川温泉駅間で1日に2往復ずつ(SLのみ1往復の日もあり)運転されます。そのため、終着駅に到着したあと、機関車を客車から切り離し、転車台で回転させて向きを変えたあと、再び客車に連結されます。
「SL大樹」「DL大樹」の乗車前や乗車後に、転車台に入線して回転する様子を、ぜひ眺めてみましょう。
転車台の入線時刻は以下の通りです。
下今市駅 転車台 |
鬼怒川温泉駅 転車台 |
---|---|
2号 12:05 |
1号 10:30 |
4号 13:55 |
3号 11:30 |
6号 16:35 |
5号 14:05 |
8号 17:40 |
7号 16:00 |
※SL/DLによる4往復運転の日は 1号,2号,5号,6号が「SL大樹」、それ以外が「DL大樹」
※SLによる2往復運転の日は 1号,2号,5号,6号の「SL大樹」のみ運転
※SL2編成による4往復運転の日は、全列車が「SL大樹」として運転
「SL大樹」「DL大樹」座席指定券の予約・購入方法
「SL大樹」(または「DL」大樹)に乗車するには、以下のきっぷが必要です。
- 普通乗車券(下今市~鬼怒川温泉がエリアに含まれるフリーきっぷでもOK)
- 座席指定券
- SL大樹(大人760円 小児380円)
- DL大樹(大人520円 小児260円)
普通乗車券は、いわゆる普通の「きっぷ」です。駅の券売機や窓口で購入できるものです。あとで紹介しますが、東武線の沿線からであれば、SL大樹の運転区間がフリーエリアに含まれるフリーきっぷも利用できます。
重要なのは「座席指定券」が必要であること。「SL大樹」「DL大樹」は、全列車、全車指定席で運転されていますので、座席指定券を事前に購入しておかないと乗車できません。
また、「SL大樹」「DL大樹」の座席指定券の発売期間は以下の通りです。
- 乗車日の1ヶ月前の9時から
いつまで予約や購入ができるかは、購入方法によって異なります。
「SL大樹」「DL大樹」座席指定券の購入方法
「SL大樹」「DL大樹」の座席指定券を購入する方法はいくつかあります。
- 東武線各駅、東武トップツアーズ、主要旅行会社の窓口で購入
- インターネットで購入(東武鉄道のインターネット購入・予約サービス)
- インターネットで予約後に東武線各駅、東武トップツアーズの窓口で購入
インターネットでの「購入」と「予約」の違いは以下の通りです。
- | インターネットで購入 | インターネットで予約 |
---|---|---|
支払い方法 | クレジットカード | 現金 |
購入・予約期限 |
当日 発車時刻5分前まで |
前日まで |
座席指定 | 可 | 不可 |
座席指定券 の引き換え |
不要 |
必要 予約後7日以内 |
クレジットカードを使えるのであれば、座席指定ができたり、座席指定券の引き換えが不要なインターネットでの「購入」がおすすめです。
インターネットでの「購入」方法
インターネットでの購入方法を説明します。
インターネットでの列車の予約をしたことがある方なら簡単にできると思います。おおまかな手順は以下のようになります。
- SL大樹・DL大樹座席指定券 インターネット購入・予約サービス にアクセスし、「空席照会/購入」をタップ
- 以下の内容を入力・選択して「空席照会」ボタンをタップ
- 乗車日: 年月日を数字で入力、または、カレンダーから選択
- 出発時刻・到着時刻: 乗車したい列車の出発時刻または到着時刻を入力
- 出発駅・到着駅: 乗車したい駅(出発駅)と下車したい駅(到着駅)を選択
- 人数: 大人、小児の人数を選択(合計8名まで)
- 乗車日: 年月日を数字で入力、または、カレンダーから選択
- 対象の列車の一覧が表示されるので、乗車したい列車を選択してタップ
- 「座席指定」の画面が表示されるので、「座席表から選択」を選択し、「次へ」をタップ
- 座席表が表示されるので、好きな座席を人数分選択して、「次へ」をタップ
- 上のほうにある「号車」の「1」「2」「3」をタップすると、1号車、2号車、3号車を選ぶことができます
- 「座席指定券内容確認」の画面で、乗車日、乗車する列車と時刻、人数、座席を確認
- 「クレジットカード・お客様情報入力」で、クレジットカード情報とお客様情報(電話番号・メールアドレス)を入力
正常に完了すると、お客様情報で登録したメールアドレス宛てにメールが届きますので、そのメールを大切に保存しておきましょう。
紙の座席指定券を受け取る必要はなく、このメールが座席指定券の代わりになります。乗車する際に、いつでも表示できるように、スマートフォンで見られるようにしておくとよいですね。
「SL大樹」「DL大樹」の座席表 おすすめの座席は?
各地のSL列車では、客車の座席はボックスシート(二人がけのシートが2組向かい合ったもの)が圧倒的に多いのです。ところが、SL大樹の客車の座席は、新幹線や特急列車の座席のように、二人がけのシートが進行方向に向いた「クロスシート」と呼ばれる座席になっています。
「SL大樹」「DL大樹」の座席表
座席の配置は以下のようになっています。
※下り(下今市→鬼怒川温泉)は1号車の前(上の座席表では1号車の右側)に、上り(鬼怒川温泉→下今市)は3号車の前(上の座席表では3号車の左側)に蒸気機関車が連結されます。
※2号車は、通常の客車か「ドリームカー」のどちらかが連結されます(「SL大樹」「DL大樹」は客車3両での運転です)。
特急列車などと同じように、1~16列のそれぞれに、通路を挟んでA席~D席があります。窓側はA席とD席です。客車は3両ありますので、全部で200弱の座席があることになります。
注意点は、1号車だけは、2号車・3号車と席番号が逆になっていることです。1~16の列番号、A席~D席の並び順も、全て逆になっています。1号車だけは、車両の向き自体が逆になっているようですね。トイレの配置等を考慮した結果なのでしょうか。
なお、2号車は「ドリームカー」と呼ばれる客車で運転される場合があります。元JR北海道の夜行急行「はまなす」に使われていた車両で、グリーン車並みにゆったりとした座席になっています。車端部にはラウンジもあります。
「ドリームカー」については、以下の記事もご覧ください。
「ドリームカー」を連結して運転される日は決まっていて、東武鉄道のWebサイトで確認することができます。
「SL大樹」「DL大樹」おすすめの座席は?
窓側はA席とD席ですので、窓側を確保したい場合は、A席もしくはD席を選択しましょう。
SL大樹が走る下今市~鬼怒川温泉間は、左右どちらかの車窓が絶対的に良いということはないため、A席・D席のどちらでも問題はないでしょう。どうしても、どちらかの窓側に座りたい!ということであれば、上の座席表を見て、インターネットで購入する際に座席を指定するとよいでしょう。
「SL大樹」の乗車に便利! 鬼怒川観光・温泉旅行にもつかえる「まるごと鬼怒川 東武フリーパス」
「SL大樹」に乗車する場合、東武スカイツリーラインの各駅から鬼怒川温泉までの乗車券を購入するのが最も安いです。例えば、浅草~鬼怒川温泉間の片道乗車券は1,580円ですので、往復で3,160円です。
ただ、鬼怒川温泉周辺で観光したり、鬼怒川温泉より先、龍王峡、川治温泉、湯西川温泉まで足を延ばすのであれば、「まるごと鬼怒川 東武フリーパス」がおすすめ です。
- 利用期間:通年
- 有効期間:4日間
- 発売期間:通年(利用当日の購入可能)
- きっぷの効力
- 発駅(東武線各駅)~下今市までの往復の普通列車
- 下今市~湯西川温泉までのフリー区間の普通列車に乗り降り自由
- 別途、特急券を購入することで特急列車に、SL座席指定券を購入することでSL大樹にも乗車可能
- 鬼怒川温泉駅~東武ワールドスクエア~日光江戸村の循環バス、鬼怒川温泉駅~鬼怒川公園駅の路線バス、鬼怒川温泉駅~龍王峡~川治温泉駅~湯西川温泉駅の路線バス(日光交通バス)に乗車可能
- おねだん(浅草発着の場合)
- 大人 4,820円,小児 2,430円(4~11月)
- 大人 4,450円,小児 2,230円(12~3月)
「SL大樹」に乗車する場合には、浅草などから「けごん」「きぬ」「リバティけごん」「リバティ会津」などの特急列車に乗車して、下今市で下車。下今市から鬼怒川温泉までSL大樹に乗車することができます。特急券、SL座席指定券は別途購入しましょう。
前述のように、鬼怒川温泉までの往復だけでは元が取れませんが、鬼怒川温泉周辺の観光スポットへ路線バスでアクセスしたり、川治温泉・湯西川温泉へバスや鉄道(東武鬼怒川線・野岩鉄道線)でアクセスしたりする場合には、おトクになることが多くなります。
東武ワールドスクエアや日光江戸村、鬼怒川温泉ロープウェイなどの入場料・料金が割引になる特典もあります。
筆者は実際に「SL大樹」に乗車する際に、「まるごと鬼怒川 東武フリーパス」を利用しました。
浅草~鬼怒川温泉~龍王峡~川治温泉~鬼怒川温泉~下今市~浅草 というルートで旅行をしました。路線バスにも乗車しましたが、金額的に元が取れたかということよりも、バスや電車に乗車するときにいちいち小銭を出す必要がない というところが一番ありがたかったですね。
なお、東武線各駅から発着のきっぷが設定されています。詳しくは、以下の東武鉄道のサイトをご覧ください。
以上、「SL大樹」の概要、SL座席指定券の予約方法、おすすめの座席やおすすめのきっぷについてご紹介しました。運行開始したばかりの「SL大樹」。SLへの乗車も楽しいですが、転車台でのSLの回転など、前後のイベントも充実しています。日光・鬼怒川方面へ旅行される際には、ぜひ「SL大樹」にも乗車してみてください。
関連記事
ゴールデンウィークに「SL大樹」に乗車したときのレポートです。乗車時の様子だけでなく、前後の転車台のイベント、機回しの様子なども詳しく紹介しています。