新潟県内のJR線や第三セクター路線のほぼすべてに二日間乗り放題となる「えちごツーデーパス」。エリアがかなり広いため、新潟県内の鉄道旅行や乗り鉄にはもちろんのこと、「越乃Shu*kura」や「現美新幹線」などの観光列車の乗車にも利用できます。
この記事では、「えちごツーデーパス」の概要と、おすすめの利用法をご紹介します。
※2020.10.04更新
- 「えちごツーデーパス」の概要
- 「えちごツーデーパス」+特急券で上越新幹線や特急列車にも乗車可能!
- 「えちごツーデーパス」でどのくらい乗れば元が取れるの?
- フリーエリア外から「えちごツーデーパス」を使うにはどうしたらいいの?
- 「えちごツーデーパス」おすすめの活用法
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「えちごツーデーパス」の概要
「えちごツーデーパス」は、その名のとおり、新潟県内の主要路線に二日間乗り放題となるフリーきっぷ です。JR線だけでなく、北越急行ほくほく線、えちごトキめき鉄道線などの路線にも乗車できます。
- 利用期間: 2021年3月28日までの以下の期間の連続する2日間
- 金・土・日・祝日
- ゴールデンウィーク(4月27日~5月7日)
- 夏休み(7月20日~8月30日)
- 年末年始(12月28日~1月7日)
- 大人の休日倶楽部会員用は以下の期間のみ利用可能
- 2020年10月2日(金)~11月23日(月)の金・土・日・祝日
- 2021年2月26日(金)~3月28日(日)の金・土・日・祝日
- 詳しくは、JR東日本の「おトクなきっぷ」をご参照ください
- 有効期間: 連続する2日間
- 発売期間: 2021年3月27日まで(利用開始日の1か月前から発売)
- 発売箇所
- フリーエリア内のJR東日本の駅の指定席券売機、みどりの窓口、びゅうプラザ、主な旅行会社
- えちごトキめき鉄道 春日山駅、高田駅、新井駅、妙高高原駅、糸魚川駅(大人の休日倶楽部会員用の発売はなし)
- フリーエリア: おおむね新潟県内の全路線
- 上越線(越後中里~長岡)
- 飯山線(越後川口~津南)
- 只見線(小出~大白川)
- 信越本線(新潟~直江津)
- 越後線(新潟~柏崎)
- 弥彦線(東三条~弥彦)
- 白新線(新潟~新発田)
- 羽越本線(新津~府屋)
- 磐越西線(新津~野沢)
- 米坂線(坂町~小国)
- 上越新幹線(越後湯沢~新潟) ※別途、特急券が必要
- 北越急行 ほくほく線(六日町~犀潟)
- えちごトキめき鉄道線(妙高高原~直江津~市振)
- きっぷの効力:
- 「えちごツーデーパス」単体でフリーエリア内の普通列車(快速含む)の普通車自由席に乗車可能
- 別に特急券を購入すれば、新幹線や特急列車にも乗車可能
- 別に指定席券を購入すれば、普通列車(快速含む)の指定席にも乗車可能
- おねだん
- おとな 2,740円
- 小児 1,370円
- 大人の休日倶楽部会員用 1,690円
「えちごツーデーパス」のフリーエリアは以下の通りです。
(出典)おトクなきっぷ:JR東日本
注意点としては、利用開始日と発売期間が決まっていることです。例えば、9月1日(土)~2日(日)に有効な「えちごツーデーパス」は、9月1日までの発売となり、9月2日には購入できません。1日でも十分に元が取れるほどエリアが広いきっぷであるだけに、そのような使い方をする場合には発売期間に注意しましょう。
「えちごツーデーパス」+特急券で上越新幹線や特急列車にも乗車可能!
「えちごツーデーパス」単体では、普通列車や快速列車にしか乗車できませんが、特急券を組み合わせれば、上越新幹線(越後湯沢~新潟)や在来線の特急列車にも乗車することができます。
「えちごツーデーパス」のフリーエリア内で運転されている特急列車は、以下の通りです。カッコ内は、「えちごツーデーパス」のフリーエリア内の区間です。
- 上越新幹線(越後湯沢~新潟,※現美新幹線含む)
- 特急いなほ(新潟~府屋)
- 特急しらゆき(新潟~上越妙高)
特に、上越新幹線に乗車できるのは大きなメリットです。越後湯沢と新潟の間は、在来線で移動するとかなり時間がかかりますし、長岡~新潟間などの短距離の利用でも移動時間短縮に大きな効果があります。
それなりの本数の列車が運転されていますので、上越新幹線や特急列車を上手に使って旅をしたいところです。
「えちごツーデーパス」でどのくらい乗れば元が取れるの?
この「えちごツーデーパス」、どのくらい乗れば元が取れるのでしょうか?
結論から言うと、
- エリアの端から端までなら片道で十分に元が取れる
- 新潟駅から主要駅までの往復でも元が取れる
ということになります。
下の表に、新潟駅を中心とした主要区間の普通運賃をまとめておきます。
区間 | 普通運賃 | 備考 |
---|---|---|
新潟~越後湯沢 | 2,310円 | 上越新幹線または 上越線・信越本線経由 (現美新幹線の運転区間) |
新潟~直江津 | 2,310円 | 信越本線経由 |
新潟~上越妙高 | 2,560円 | 信越本線・えちごトキめき線経由 |
上越妙高~十日町 | 2,230円 | えちごトキめき鉄道線・信越本線 上越線・飯山線経由 (越乃Shu*Kuraの運転区間) |
越後湯沢~直江津 | 1,510円 | ほくほく線・信越本線経由 |
「えちごツーデーパス」は2,740円ですから、上記の区間の往復で十分におトクになります。二日間有効ですので、首都圏など新潟県外から新潟への1泊旅行などでも十分に利用できますね。
また、えちごトキめき鉄道全線(妙高高原~直江津~市振)と、北越急行ほくほく線全線(六日町~犀潟)に乗車できる点も見逃せません。特に、越後湯沢から上越地方に移動したい場合には、ほくほく線に乗車できる点はありがたいですね。
フリーエリア外から「えちごツーデーパス」を使うにはどうしたらいいの?
「えちごツーデーパス」は、フリーエリア内のみでの発売となっているため、フリーエリア外、つまりは、新潟県外から新潟県内へ旅行をする方が「えちごツーデーパス」を利用するには、少しコツが必要です。
フリーエリア外から新潟県内へ旅行する場合
フリーエリア外の方が「えちごツーデーパス」を利用するには、フリーエリア内の駅でいったん下車して、「えちごツーデーパス」を購入する必要があります。
フリーエリアの末端の駅で途中下車して、「えちごツーデーパス」を購入するのが最もお得になりますが、現実的には、新幹線や特急列車の下車駅や、普通列車の乗換駅となるでしょう。
- 関東方面からは上越新幹線の下車駅(越後湯沢など)
- 東北方面からは普通列車の乗換駅(村上駅など)、または、特急列車の下車駅(新潟駅・村上駅など)
- 北陸方面からは普通列車・特急列車の下車駅・乗換駅(糸魚川駅・直江津駅など)
前述のように、二日間活用すれば、十分に元がとれるフリーきっぷですので、数百円のためにエリア末端の駅でわざわざ下車して、貴重な時間を無駄にする必要はないでしょう。
フリーエリア内からフリーエリア外への乗り越しは?
一方、「えちごツーデーパス」を購入後、フリーエリア内からフリーエリア外の駅へ移動する場合には、フリーエリア内の区間の乗車券として「えちごツーデーパス」を利用できます。
その場合には、フリーエリア末端の駅から、フリーエリア外の目的地までの乗車券(きっぷ)をあらかじめ購入しておくか、下車後に乗り越しとして清算するようにすればOKです。
例えば、えちごツーデーパスを利用して旅行後、新潟から東京へ帰宅するとします。そのときに、新潟駅から東京駅まで、上越新幹線に乗車する場合には、
- えちごツーデーパス(新潟駅→越後湯沢駅の乗車券として利用)
- 越後湯沢駅 → 東京駅の乗車券
- 新潟駅 → 東京駅の新幹線の特急券
を用意すればOKです。
新幹線、特急列車に乗車するときに必要な特急券は「1列車1乗車につき1枚」と決められています。つまり、乗車券を分割して購入するからといって、特急券まで分割して購入する必要はありません。
上記の例では、特急券は、新潟→東京の1枚でOKです。
「えちごツーデーパス」おすすめの活用法
エリアの広いフリーきっぷですので、活用方法はいろいろ考えられますが、ここでは、新潟地区で運転されている、少し変わった観光列車に乗車する使い方をご紹介します。
日本酒が飲める観光列車「越乃Shu*Kura」
お酒が好きな方におすすめしたいのが「越乃Shu*Kura」です。
新潟の「酒」をコンセプトにした観光列車で、車内では地酒がふるまわれたり、利き酒コーナーがあったりと、お酒を楽しむことができます。また、お酒を飲みながらジャズの生演奏を楽しめるイベントもあります。
この「越乃Shu*Kura」の運転区間・経路は以下の通りです。
- 上越妙高~(えちごトキめき鉄道線)~直江津~(信越本線)~長岡~(上越線)~越後川口~(飯山線)~十日町
ちょっと変わったルートですが、「えちごツーデーパス」なら、全区間がフリーエリアに入っています。
「越乃Shu*Kura」は全車指定席の快速列車ですので、「えちごツーデーパス」と座席指定券(530円)で乗車できます。
「越乃Shu*Kura」の車内やイベントの様子については、以下の乗車レポートをご覧ください。見てしまうと乗りたくなってしまうと思いますが(笑)
走る美術館「現美新幹線」
もう一つは、既存の新幹線の内部を美術館のようにしてしまった「現美新幹線」です。
上記のリンク先(当ブログの乗車記)を見ていただければわかりますが、外観からして、これが鉄道車両かと思うほど圧倒されてしまいます。車内は11号車が指定席となっていますが、残りの12号車~16号車は、1両ごとに異なるアーティストが手掛けた作品が展示されています。展示というより、内装そのものがアートといったほうがよいかもしれません。
この「現美新幹線」、週末を中心に、上越新幹線の越後湯沢~新潟間を1日3往復しています。12号車~16号車は自由席として開放されているため、「えちごツーデーパス」に加えて、新幹線の自由席特急券(越後湯沢~新潟で2,640円)を購入すれば乗車することができます。
以上、新潟県の主要路線に二日間乗り放題となる「えちごツーデーパス」をご紹介しました。エリア限定のフリーきっぷの一つですが、エリアが広いうえに、二日間有効で2,740円と比較的安いため、新潟への旅行や乗り鉄にもってこいのきっぷになっています。
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JR東日本のフリーきっぷのまとめ記事です。フリーエリアが広い主要なフリーきっぷの使い分けについても解説しています。