新潟県内のJR線や第三セクター路線のほぼすべてに2日間乗り放題となる「えちごツーデーパス」。エリアがかなり広いため、新潟県内の鉄道旅行や乗り鉄にはもちろんのこと、「越乃Shu*kura」などの観光列車の乗車にも利用できます。この記事では、「えちごツーデーパス」の概要と、おすすめの活用法をご紹介します。
「えちごツーデーパス」の概要
「えちごツーデーパス」は、その名のとおり、新潟県内の主要路線に二日間乗り放題となるフリーきっぷ です。JR線だけでなく、北越急行ほくほく線、えちごトキめき鉄道線などの路線にも乗車できます。
- 利用期間: 2023年4月2日までの以下の期間の連続する2日間
- 金・土・日・祝日
- ゴールデンウィーク(4月29日~5月8日)
- 夏休み(7月15日~8月31日)
- 年末年始(12月23日~1月9日)
- 利用期間(大人の休日倶楽部会員用)
- 2022年3月4日(金)~3月27日(日)の金・土・日・祝日
- 2022年9月16日(金)~11月20日(日)の金・土・日・祝日
- 2023年3月3日(金)~3月26日(日)の金・土・日・祝日
- 有効期間: 連続する2日間
- 発売期間: 2023年4月1日まで(利用開始日の1か月前から発売)
- 発売箇所
- フリーエリア内のJR東日本の駅の指定席券売機、みどりの窓口、主な旅行会社
- えちごトキめき鉄道 春日山駅、高田駅、新井駅、妙高高原駅、糸魚川駅(大人の休日倶楽部会員用の発売はなし)
- フリーエリア: おおむね新潟県内の全路線
- 上越線(越後中里~長岡)
- 飯山線(越後川口~津南)
- 只見線(小出~大白川)
- 信越本線(新潟~直江津)
- 越後線(新潟~柏崎)
- 弥彦線(東三条~弥彦)
- 白新線(新潟~新発田)
- 羽越本線(新津~府屋)
- 磐越西線(新津~野沢)
- 米坂線(坂町~小国)
- 上越新幹線(越後湯沢~新潟) ※別途、特急券が必要
- 北越急行 ほくほく線(六日町~犀潟)
- えちごトキめき鉄道線(妙高高原~直江津~市振)
- きっぷの効力:
- 「えちごツーデーパス」単体でフリーエリア内の普通列車(快速含む)の普通車自由席に乗車可能
- 別に特急券を購入すれば、新幹線や特急列車にも乗車可能
- 別に指定席券を購入すれば、普通列車(快速含む)の指定席にも乗車可能
- おねだん
- おとな 2,740円
- 小児 1,370円
- 大人の休日倶楽部会員用 1,690円
「えちごツーデーパス」のフリーエリアは以下の通りです。
注意点としては、利用開始日と発売期間が決まっていることです。例えば、9月4日(土)~5日(日)に有効な「えちごツーデーパス」は、9月4日までの発売となり、9月5日には購入できません。1日でも十分に元が取れるほどエリアが広いきっぷであるだけに、そのような使い方をする場合には発売期間に注意しましょう。
「えちごツーデーパス」+特急券で上越新幹線や特急列車にも乗車可能!
「えちごツーデーパス」単体では、普通列車や快速列車にしか乗車できませんが、特急券を組み合わせれば、上越新幹線(越後湯沢~新潟)や在来線の特急列車にも乗車することができます。
「えちごツーデーパス」のフリーエリア内で運転されている特急列車は、以下の通りです。カッコ内は、「えちごツーデーパス」のフリーエリア内の区間です。
- 上越新幹線(越後湯沢~新潟)
- 特急いなほ(新潟~府屋)
- 特急しらゆき(新潟~上越妙高)
特に、上越新幹線に乗車できるのは大きなメリットです。越後湯沢と新潟の間は、在来線で移動するとかなり時間がかかりますし、長岡~新潟間などの短距離の利用でも移動時間短縮に大きな効果があります。
それなりの本数の列車が運転されていますので、上越新幹線や特急列車を上手に使って旅をしたいところです。
「えちごツーデーパス」でどのくらい乗れば元が取れるの?
この「えちごツーデーパス」、どのくらい乗れば元が取れるのでしょうか?
結論から言うと、
- エリアの端から端までなら片道で十分に元が取れる
- 新潟駅から主要駅までの往復でも元が取れる
ということになります。
下の表に、新潟駅を中心とした主要区間の普通運賃をまとめておきます。
区間 | 普通運賃 | 備考 |
---|---|---|
新潟~越後湯沢 | 2,310円 | 上越新幹線または 上越線・信越本線経由 |
新潟~直江津 | 2,310円 | 信越本線経由 |
新潟~上越妙高 | 2,560円 | 信越本線・えちごトキめき線経由 |
上越妙高~十日町 | 2,230円 | えちごトキめき鉄道線・信越本線 上越線・飯山線経由 (越乃Shu*Kuraの運転区間) |
越後湯沢~直江津 | 1,510円 | ほくほく線・信越本線経由 |
「えちごツーデーパス」は2,740円ですから、上記の区間の往復で十分におトクになります。二日間有効ですので、首都圏など新潟県外から新潟への1泊旅行などでも十分に利用できますね。
また、えちごトキめき鉄道全線(妙高高原~直江津~市振)と、北越急行ほくほく線全線(六日町~犀潟)に乗車できる点も見逃せません。特に、越後湯沢から上越地方に移動したい場合には、ほくほく線に乗車できる点はありがたいですね。
フリーエリア外から「えちごツーデーパス」を使うにはどうしたらいいの?
「えちごツーデーパス」は、フリーエリア内のみでの発売となっているため、フリーエリア外、つまりは、新潟県外から新潟県内へ旅行をする方が「えちごツーデーパス」を利用するには、少しコツが必要です。
フリーエリア外から新潟県内へ旅行する場合
フリーエリア外の方が「えちごツーデーパス」を利用するには、フリーエリア内の駅でいったん下車して、「えちごツーデーパス」を購入する必要があります。
フリーエリアの末端の駅で途中下車して、「えちごツーデーパス」を購入するのが最もお得になりますが、現実的には、新幹線や特急列車の下車駅や、普通列車の乗換駅となるでしょう。
- 関東方面からは上越新幹線の下車駅(越後湯沢など)
- 東北方面からは普通列車の乗換駅(村上駅など)、または、特急列車の下車駅(新潟駅・村上駅など)
- 北陸方面からは普通列車・特急列車の下車駅・乗換駅(糸魚川駅・直江津駅など)
前述のように、二日間活用すれば、十分に元がとれるフリーきっぷですので、数百円のためにエリア末端の駅でわざわざ下車して、貴重な時間を無駄にする必要はないでしょう。
フリーエリア内からフリーエリア外への乗り越しは?
一方、「えちごツーデーパス」を購入後、フリーエリア内からフリーエリア外の駅へ移動する場合には、フリーエリア内の区間の乗車券として「えちごツーデーパス」を利用できます。
その場合には、フリーエリア末端の駅から、フリーエリア外の目的地までの乗車券(きっぷ)をあらかじめ購入しておくか、下車後に乗り越しとして清算するようにすればOKです。
例えば、えちごツーデーパスを利用して旅行後、新潟から東京へ帰宅するとします。そのときに、新潟駅から東京駅まで、上越新幹線に乗車する場合には、
- えちごツーデーパス(新潟駅→越後湯沢駅の乗車券として利用)
- 越後湯沢駅 → 東京駅の乗車券
- 新潟駅 → 東京駅の新幹線の特急券
を用意すればOKです。
新幹線、特急列車に乗車するときに必要な特急券は「1列車1乗車につき1枚」と決められています。つまり、乗車券を分割して購入するからといって、特急券まで分割して購入する必要はありません。
上記の例では、特急券は、新潟→東京の1枚でOKです。
「えちごツーデーパス」おすすめの活用法
エリアの広いフリーきっぷですので、活用方法はいろいろ考えられます。そのうちのいくつかをここでご紹介します。
日本酒が飲める観光列車「越乃Shu*Kura」
お酒が好きな方におすすめしたいのが観光列車「越乃Shu*Kura」への乗車です。

新潟の「酒」をコンセプトにした観光列車で、車内では地酒がふるまわれたり、利き酒コーナーがあったりと、お酒を楽しむことができます。また、お酒を飲みながらジャズの生演奏を楽しめるイベントもあります。
この「越乃Shu*Kura」の運転区間・経路は以下の通りです。
- 上越妙高~(えちごトキめき鉄道線)~直江津~(信越本線)~長岡~(上越線)~越後川口~(飯山線)~十日町
ちょっと変わったルートですが、「えちごツーデーパス」なら、全区間がフリーエリアに入っています。
「越乃Shu*Kura」は全車指定席の快速列車ですので、「えちごツーデーパス」と座席指定券(530円)で乗車できます。
「越乃Shu*Kura」の車内やイベントの様子については、以下の乗車レポートをご覧ください。見てしまうと乗りたくなってしまうと思いますが(笑)

日本海の絶景とスイッチバックの「えちごトキめき鉄道」

えちごトキめき鉄道の気動車
北陸新幹線の金沢延伸開業時に、JR北陸本線・信越本線から第三セクターに移管されたのが「えちごトキめき鉄道」です。「えちごツーデーパス」を使えば、えちごトキめき鉄道の全線(市振~直江津~妙高高原)に乗車することができます。

えちごトキめき鉄道「日本海ひすいライン」の日本海の車窓
市振~直江津間の「日本海ひすいライン」の見どころは、車窓に広がる日本海です。この区間、ずっと日本海の海岸線に沿って走ります。そして、ところどころで海岸のすぐ近くを走るため、車窓いっぱいに日本海が広がります。

えちごトキめき鉄道「妙高はねうまライン」の車窓
直江津~妙高高原間の「妙高はねうまライン」は、「日本海ひすいライン」とは対象的に、内陸部の田園風景や妙高エリアの山が車窓の主役です。
そして、途中の二本木駅では、今では珍しいスイッチバックを体験できます。直江津側から二本木駅に到着すると、いったん駅を行き過ぎて停車。その後、バックして二本木駅のホームに入ります。
「えちごトキめき鉄道」については、以下の乗車記もご覧ください。日本海の車窓や二本木駅のスイッチバックを、写真や動画で紹介しています。

以上、新潟県の主要路線に二日間乗り放題となる「えちごツーデーパス」をご紹介しました。エリア限定のフリーきっぷの一つですが、エリアが広いうえに、二日間有効で2,740円と比較的安いため、新潟への旅行や乗り鉄にもってこいのきっぷになっています。
関連記事
JR東日本のフリーきっぷのまとめ記事です。フリーエリアが広い主要なフリーきっぷの使い分けについても解説しています。

フリーきっぷや割引きっぷに関する記事の目次です。

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