「ひがし北海道フリーパス」は、道央・道東エリアの広いフリーエリアで4日間も特急列車に乗り放題となるフリーきっぷです。富良野・美瑛、釧路湿原、摩周湖など、北海道の大自然を満喫できるエリアが、特急列車を含めて乗り放題となります。有効期間は4日間ありますので、道東方面への旅行や乗り鉄に活用してみましょう!
この記事では、「ひがし北海道フリーパス」の概要、購入方法、おすすめの利用法を紹介します。
「ひがし北海道フリーパス」とは?
「ひがし北海道フリーパス」は、道央・道東の広い範囲がフリーエリアとなるフリーきっぷです。特急列車の自由席に乗り放題となり、有効期間は4日間で、大人17,380円となかなかお得なフリーきっぷです。
「ひがし北海道フリーパス」の概要は以下のとおりです。
きっぷ名 | ひがし北海道フリーパス(2023年度) |
---|---|
利用期間 | 2023年4月8日(土)~2023年10月4日(水) |
備考 | |
発売期間 | 2023年4月8日(土)~2023年9月30日(土) ・10月1日利用開始分まで発売 ・有効期限の開始日は購入当日または翌日 |
有効期間 | 4日間 |
フリーエリア | 函館本線(小樽~札幌~旭川) 石北本線(旭川~網走) 石勝線(南千歳~新得) 根室本線(滝川~釧路~根室) 富良野線(旭川~富良野) 千歳線(札幌~南千歳・新千歳空港) 室蘭本線(岩見沢~追分) 釧網本線(釧路~網走) |
フリーエリア (図) | ![]() |
出典 | https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Otoku/006892/ |
効用 | ・フリーエリア内の特急列車・普通列車(快速含む)の普通車自由席に乗り降り自由 ・帰りのAIRDO便、Peach便で利用できる機内ご利用券(1,000円分)付き |
発売会社 | JR北海道 |
発売箇所 | ・新千歳空港駅の指定席券売機・話せる券売機 ・U25用は新千歳空港駅の話せる券売機のみで発売(年齢を確認できる公的証明書の提示が必要、13,680円で発売) |
価格(大人) | 17,380円 |
価格(小児) | 9,190円 |
2022年度版(~2023年4月5日)の内容は以下のとおりです。
ひがし北海道フリーパス(2022年度版)
きっぷ名 | ひがし北海道フリーパス |
---|---|
利用期間 | 2022年4月1日(金)~2023年4月5日(水) |
備考 | |
発売期間 | 2022年4月1日(金)~2023年3月31日(金) ・搭乗当日かつ発売箇所の営業時間内の発売 ・有効期間の開始日は搭乗当日もしくは翌日 ・U25用(25歳以下)は12,680円で発売(年齢を確認できる公的証明書の提示が必要) |
有効期間 | 5日間 |
フリーエリア | 函館本線(小樽~札幌~旭川) 石北本線(旭川~網走) 石勝線(南千歳~新得) 根室本線(滝川~釧路~根室) 富良野線(旭川~富良野) 千歳線(札幌~南千歳・新千歳空港) 室蘭本線(岩見沢~追分) 釧網本線(釧路~網走) |
フリーエリア (図) | ![]() |
出典 | https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Otoku/006817/ |
効用 | フリーエリア内の特急列車・普通列車(快速含む)の普通車自由席に乗り降り自由 |
発売会社 | JR北海道 |
発売箇所 | PeachまたはAIRDOの以下の空港到着便を利用した場合にのみ発売 ・新千歳空港駅(新千歳空港到着便) ・旭川駅(旭川空港到着便) ・北見駅・網走駅(女満別空港到着便) ・帯広駅(帯広空港到着便) ・釧路駅(釧路空港到着便) |
価格(大人) | 16,380円 |
価格(小児) | 8,190円 |
詳しくは、JR北海道のニュースリリースをご覧ください。
- 「AIRDO ひがし北海道フリーパス」、「AIRDO きた北海道フリーパス」をリニューアルします!(JR北海道ニュースリリース 2023年3月24日 PDF)
- 「Peach ひがし北海道フリーパス」、「Peach きた北海道フリーパス」をリニューアルします!(JR北海道ニュースリリース 2023年3月24日 PDF)
2023年度版「ひがし北海道フリーパス」は大幅にリニューアル!
「ひがし北海道フリーパス」は毎年発売されてきたフリーきっぷですが、2023年度からは大幅にリニューアルされます。2022年度版までの「ひがし北海道フリーパス」と比較してみます。
2023年度版 | ~2022年度版 | |
---|---|---|
購入条件 | なし | PeachまたはAIRDO便 利用者限定 |
発売箇所 | 新千歳空港駅 | 新千歳空港駅 旭川駅 北見駅・網走駅 帯広駅 釧路駅 |
有効期間 | 4日間 | 5日間 |
価格 | 17,380円 | 16,380円 |
2022年度版までは、Peach便またはAIRDO便で指定された北海道の空港へやってきた方に限定して発売されていましたが、2023年度版からはその制限がなくなります。代わりに、帰りのPeach便またはAIRDO便の機内で利用できる「機内ご利用券(1,000円分)」が付属します。
一方、発売箇所は、2022年度版までは、Peach便またはAIRDO便の到着空港の最寄り駅で購入することができましたが、2023年度版からは新千歳空港駅のみでの発売となります。
また、有効期間が5日間から4日間に短くなり、価格は16,380円から17,380円へと値上げとなります。
PeachまたはAIRDO便利用者限定という制限がなくなり、別の航空会社で北海道にやってくる方や、北海道在住の方も利用しやすくなる一方、有効期間が短くなり、実質的に大幅な値上げとなっています。
「ひがし北海道フリーパス」は新千歳空港駅の指定席券売機・話せる券売機のみで発売!
「ひがし北海道フリーパス」(2023年度版)は、以下の場所のみでの発売となります。
- 新千歳空港駅の指定席券売機・話せる券売機
- U25用は新千歳空港駅の話せる券売機のみで発売
フリーきっぷを購入できる駅が1か所のみというのもなかなか珍しいのですが、2023年度版からは新千歳空港駅でしか購入することができません。
道外から北海道へ旅行にやってくる方で、「ひがし北海道フリーパス」を利用したい場合には、新千歳空港に到着する航空便を利用するようにしましょう。道内の他の空港に到着してしまうと、「ひがし北海道フリーパス」を購入することができません。
「ひがし北海道フリーパス」には、北海道からの帰りのAIRO便またはPeach便の機内で利用できる「機内ご利用券」が1,000円分ついてきます。この「機内ご利用券」を利用できる便は、以下の空港の出発便となります。
- AIRDO便
- 新千歳空港、旭川空港、女満別空港、帯広空港、釧路空港を出発する便
- Peach便
- 新千歳空港、釧路空港、女満別空港を出発する便
新千歳空港だけでなく、「ひがし北海道フリーパス」のフリーエリアに含まれる空港を出発する便で利用できます。往路は新千歳空港に到着する必要がありますが、復路は別の空港でも良いというわけです。
もっとも、「機内ご利用券」はおまけのようなものですので、無理して利用する必要はありません。
「ひがし北海道フリーパス」どれくらいお得なの?
新千歳空港からの道東の主要駅への特急列車での通常往復料金と、札幌からの主要な割引きっぷの料金は以下のとおりです。
区間 | きっぷ種別 | 往復の値段 |
---|---|---|
新千歳空港~釧路 | 運賃+特急自由席 | 17,860円 |
札幌~釧路 | 乗車券往復割引きっぷ +特急自由席 | 16,870円 |
新千歳空港~網走 | 運賃+特急自由席 | 21,160円 |
札幌~網走 | Rきっぷ(特急指定席) | 17,500円 |
これに対して、「ひがし北海道フリーパス」は17,380円ですので、札幌から釧路や網走への単純往復だけで、ほぼ元が取れてしまいます。
「ひがし北海道フリーパス」はフリーきっぷですので、単純往復ではなく、あちこち移動したり周遊ルートで旅をしたりすれば、さらにお得感は増していきます。あとで紹介するように、道央~道東方面は周遊ルートが組みやすいため、主要都市への単純往復ではなく、ぜひ周遊ルートでの旅をおすすめします。
北海道全体を周遊するなら「北海道フリーパス」を利用しよう!
「ひがし北海道フリーパス」のフリーエリアはかなり広いのですが、それでも稚内などの道北方面や、函館などの道南方面はエリアに含まれません。
北海道全体を鉄道で周遊したいということであれば、JR北海道全線が7日間乗り放題となる「北海道フリーパス」を利用することも検討しましょう。JR北海道の在来線特急列車に乗り放題(指定席も6回まで利用可能)となります。
- 北海道フリーパス
- 効力: JR北海道全線(普通・快速・在来線特急)に7日間乗り放題(指定席は6回まで)
- 利用期間: 通年(4月27日~5月6日、8月10日~19日、12月28日~1月6日を除く)
- 有効期間: 7日間
- おねだん: 27,430円(こども用の設定なし)
おねだんは「ひがし北海道フリーパス」に比べると1万円以上高いので、旅行の行程にあわせて、「北海道フリーパス」を使うのか、「ひがし北海道フリーパス」+エリア外のきっぷにするのか、比較検討するとよいと思います。
「北海道フリーパス」については、以下の記事をご覧ください。

また、「北海道フリーパス」を含むJR北海道のフリーきっぷ全般については、以下の記事でまとめています。おおまかな使い分けについても、わかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。

「ひがし北海道フリーパス」 のおすすめ利用法は?
このフリーきっぷの特徴は、フリーエリアがかなり広いことです。新千歳空港から東側のJR北海道の路線にほとんど乗車できます。そこで、この「ひがし北海道フリーパス」のおすすめの利用方法を紹介します。
おすすめの周遊観光ルート
この広いフリーエリアと、特急列車にも乗車できる特徴を生かして、北海道の大自然を巡る周遊ルートがおすすめです。例えば、以下のようなルートが考えられます。
- 1日目:各地の空港~新千歳空港~(特急おおぞら)~釧路泊
- 2日目:釧路観光、釧路~(くしろ湿原ノロッコ号 ※運転日注意)~塘路(釧路湿原観光)~(釧網本線)~網走泊
- 3日目:網走観光、網走~(特急オホーツク・大雪)~旭川~(富良野線)~美瑛観光~富良野泊
- 4日目:富良野観光、富良野~(富良野線)~旭川~(特急ライラック・カムイ)~新千歳空港~各地の空港
新千歳空港から、釧路、網走、美瑛・富良野、札幌と、観光しながら道東を一周してくるルートです。これだけ乗って17,380円ですから、かなりおトクです。
途中で、「くしろ湿原ノロッコ号」などの観光列車を入れると、列車での移動も観光そのものになります。「くしろ湿原ノロッコ号」は、釧路湿原の東端に沿っている釧網本線の釧路~塘路を往復します。車窓からは、雄大な釧路湿原を眺めることができます。
終点の塘路で釧路湿原の散策ができますが、個人的なおすすめは途中の釧路湿原駅から徒歩15分ほどの「細岡展望台」です。高台から釧路湿原を一望できるポイントです。
くしろ湿原ノロッコ号は運転日が限られていますので、詳しくは、下記のJR北海道のサイトで確認しましょう。
2018年8月下旬に「ひがし北海道フリーパス」を利用して、道東を旅してきました。利用してみてわかった「ひがし北海道フリーパス」の使い勝手や、特急列車自由席の混雑状況などをまとめていますので、ぜひご覧ください。

そのときの旅行記を掲載しています。新千歳空港から、釧路、根室、釧網本線沿線、旭川、美瑛と旅行して、札幌経由で新千歳空港から帰京しました。「ひがし北海道フリーパス」をフル活用した旅程です。「ひがし北海道フリーパス」の利用を検討されている方は、ぜひご覧ください。

「ひがし北海道フリーパス」を青春18きっぷの代替に
青春18きっぷが使えない期間には青春18きっぷの代替としても「ひがし北海道フリーパス」を活用できます。
また、青春18きっぷが利用できる時期でも、広大な北海道を普通列車だけで周るのはかなり難しいです。それに、普通列車がほとんど走っていない区間が結構あります。前述の周遊ルートを青春18きっぷだけで周ろうとすると、観光の時間をとることは不可能でしょう。青春18きっぷの価格(12,050円)に少し足すだけで「ひがし北海道フリーパス」(17,380円)を購入できますので、乗り鉄だけでなく、道東をしっかり観光したい場合には「ひがし北海道フリーパス」をおすすめします。
以上、JR北海道のお得なきっぷ「ひがし北海道フリーパス」をご紹介しました。自由席限定ながらフリーエリア内では特急列車にも乗り放題ですので、使い勝手がよいフリーきっぷになっています。有効期間も4日間ありますので、途中で観光やグルメを楽しみながらの鉄道旅行にぴったりです。
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道北がフリーエリアになる「きた北海道フリーパス」の情報はこちらです。道北をメインで旅をするのであれば「きた北海道フリーパス」を検討しましょう。

当ブログで紹介しているフリーきっぷ・割引きっぷの目次ページです。

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