北海道内空港着のPeach、AIRDO利用者限定の「ひがし北海道フリーパス」は、道央・道東エリアの広いフリーエリアで5日間も特急列車に乗り放題となるフリーきっぷです。富良野・美瑛、釧路湿原、摩周湖など、北海道の大自然を満喫できるエリアが、特急列車を含めて乗り放題となります。有効期間も5日間とたっぷりありますので、道東方面への旅行や乗り鉄に活用してみましょう!
この記事では、「ひがし北海道フリーパス」の概要、利用できる航空便の発着空港、買い方・使い方、おすすめの利用法を紹介します。
「ひがし北海道フリーパス」とは?
「ひがし北海道フリーパス」は、Peach及びAIRDOで、北海道の各空港到着便(函館を除く)に搭乗したときに限り利用できるフリーきっぷです。フリーエリアはかなり広く、特急列車の自由席に5日間も乗り放題で16,380円と、かなりおトクなきっぷです。
「ひがし北海道フリーパス」の概要は以下のとおりです。
きっぷ名 | ひがし北海道フリーパス |
---|---|
利用期間 | 2022年4月1日(金)~2023年4月5日(水) |
備考 | |
発売期間 | 2022年4月1日(金)~2023年3月31日(金) ・搭乗当日かつ発売箇所の営業時間内の発売 ・有効期間の開始日は搭乗当日もしくは翌日 ・U25用(25歳以下)は12,680円で発売(年齢を確認できる公的証明書の提示が必要) |
有効期間 | 5日間 |
フリーエリア | 函館本線(小樽~札幌~旭川) 石北本線(旭川~網走) 石勝線(南千歳~新得) 根室本線(滝川~釧路~根室) 富良野線(旭川~富良野) 千歳線(札幌~南千歳・新千歳空港) 室蘭本線(岩見沢~追分) 釧網本線(釧路~網走) |
フリーエリア (図) | ![]() |
出典 | https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Otoku/006817/ |
効用 | フリーエリア内の特急列車・普通列車(快速含む)の普通車自由席に乗り降り自由 |
発売会社 | JR北海道 |
発売箇所 | PeachまたはAIRDOの以下の空港到着便を利用した場合にのみ発売 ・新千歳空港駅(新千歳空港到着便) ・旭川駅(旭川空港到着便) ・北見駅・網走駅(女満別空港到着便) ・帯広駅(帯広空港到着便) ・釧路駅(釧路空港到着便) |
価格(大人) | 16,380円 |
価格(小児) | 8,190円 |
詳しくは、JR北海道のニュースリリースをご覧ください。
- 「AIRDOひがし北海道フリーパス」及び「AIRDOきた北海道フリーパス」を2022年度も発売します!(JR北海道ニュースリリース 2022年3月24日 PDF)
- 「Peachひがし北海道フリーパス」及び「Peachきた北海道フリーパス」を2022年度も発売します!(JR北海道ニュースリリース 2022年3月18日 PDF)
「ひがし北海道フリーパス」を利用できるPeach、AIRDOの発着空港は?
このフリーきっぷの特徴的なところは、Peach及びAIRDO利用者限定というところです。北海道の各空港に就航しているPeach、AIRDOの航空便は、2023年2月時点のダイヤ(2023年1月~3月のダイヤ)では以下の通りです。(新型コロナウイルス感染症の影響で運休となっている便もありますので、各航空会社のWebサイトをご確認ください。)
航空会社 | 出発空港 | 到着空港 | 1日の便数 | 備考 |
---|---|---|---|---|
Peach | 大阪(関西) | 札幌(新千歳) | 5~6往復 | 日によって便数が異なる |
女満別 | 1往復 | 運行がない日もある | ||
釧路 | 1往復 | 運行がない日もある | ||
東京(成田) | 札幌(新千歳) | 6~10往復 | 日によって便数が異なる | |
釧路 | 1往復 | 運行日限定 | ||
女満別 | 1往復 | 運行日限定 | ||
名古屋(中部) | 札幌(新千歳) | 3~4往復 | 日によって便数が異なる | |
福岡 | 札幌(新千歳) | 1~2往復 | 日によって便数が異なる | |
仙台 | 札幌(新千歳) | 3往復 | - | |
沖縄(那覇) | 札幌(新千歳) | 1往復 | - | |
AIRDO | 東京(羽田) | 札幌(新千歳) | 12往復 | - |
旭川 | 3往復 | - | ||
女満別 | 3往復 | - | ||
釧路 | 2往復 | - | ||
帯広 | 3往復 | - | ||
仙台 | 札幌(新千歳) | 2往復 | - | |
名古屋 | 札幌(新千歳) | 1往復 | - | |
神戸 | 札幌(新千歳) | 2往復 | - | |
福岡 | 札幌(新千歳) | 1往復 | - |
当初は、Peach(と現在はPeachと合併したバニラエア)のみでしたが、2018年11月からAIRDOが加わりました。これにより、新たに名古屋・神戸発の便でも新たに「ひがし北海道フリーパス」を利用できるようになりました。
さらに、首都圏では、羽田空港を利用できるようになりましたし、羽田~札幌便はAIRDOの主力路線で1日12往復も飛んでいますので、大幅に利便性が向上しました。
新千歳空港だけでなく、旭川、女満別、釧路、帯広の各空港到着便でも利用できるようになりましたので、旅程の自由度もかなり広がります。
「ひがし北海道フリーパス」、購入は北海道便到着日のみ、有効開始は到着日か翌日
フリーエリアがかなり広く、5日間も特急列車に乗り放題という使い勝手の良い「ひがし北海道フリーパス」ですが、購入できる日と、有効期間の開始日には制限があります。
- 購入できるのは北海道便到着の搭乗日当日のみ(かつ、販売箇所の営業時間内)
- 有効期間の開始日は、搭乗日、もしくは、搭乗日の翌日
北海道便で北海道の指定された空港に到着した日にしか購入できない 点には注意しましょう。夜間の到着になる場合には、窓口の営業時間にも注意したほうがよいでしょう。
一方、「ひがし北海道フリーパス」の利用開始日(有効期間の開始日)は、到着した当日、または、翌日のどちらか を選ぶことができます。
例えば、夕方や夜の便で(ただし、販売箇所の営業時間内)に北海道に到着し、翌日から5日間「ひがし北海道フリーパス」を利用できるようになります。この場合は、早朝からフルに利用できます。
「ひがし北海道フリーパス」どれくらいお得なの?
新千歳空港からの道東の主要駅への特急列車での通常往復料金と、札幌からの主要な割引きっぷの料金は以下の通りです。
区間 | きっぷ種別 | 往復の値段 |
---|---|---|
新千歳空港~釧路 | 運賃+特急自由席 | 17,860円 |
札幌~釧路 | 乗車券往復割引きっぷ +特急自由席 | 16,870円 |
新千歳空港~網走 | 運賃+特急自由席 | 21,160円 |
札幌~網走 | Rきっぷ(特急指定席) | 17,500円 |
これに対して、「ひがし北海道フリーパス」は16,380円ですので、札幌から釧路や網走への単純往復でも十分に元が取れそうです。しかも、主要な割引乗車券よりもお得です。
フリーきっぷですので、単純往復ではなく、あちこち移動したり周遊ルートで旅をしたりすれば、さらにお得感は増すと思います。
北海道全体を周遊するなら「北海道フリーパス」を利用しよう!
「ひがし北海道フリーパス」のフリーエリアはかなり広いのですが、それでも稚内などの道北方面や、函館などの道南方面はエリアに含まれません。
北海道全体を鉄道で周遊したいということであれば、JR北海道全が7日間乗り放題となる「北海道フリーパス」を利用することも検討しましょう。JR北海道の在来線特急列車に乗り放題(指定席も6回まで利用可能)となります。
- 北海道フリーパス
- 効力: JR北海道全線(普通・快速・在来線特急)に7日間乗り放題(指定席は6回まで)
- 利用期間: 通年(4月27日~5月6日、8月10日~19日、12月28日~1月6日を除く)
- 有効期間: 7日間
- おねだん: 27,430円(こども用の設定なし)
おねだんは「ひがし北海道フリーパス」に比べると1万円以上高いので、旅行の行程にあわせて、「北海道フリーパス」を使うのか、「ひがし北海道フリーパス」+エリア外のきっぷにするのか、比較検討するとよいと思います。
「北海道フリーパス」については、以下の記事をご覧ください。

また、「北海道フリーパス」を含むJR北海道のフリーきっぷ全般については、以下の記事でまとめています。おおまかな使い分けについても、わかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。

「ひがし北海道フリーパス」の買い方・使い方は?
「ひがし北海道フリーパス」の購入方法は、他のきっぷと少し変わっています。
- Peachの北海道到着便利用の場合は、搭乗時の半券を提示して購入
- AIRDOの北海道到着便利用の場合は、「ご搭乗案内」を提示して購入
いずれも、購入当日の到着便の搭乗券(半券)もしくはご搭乗案内 の提示が必要です。「ひがし北海道フリーパス」を購入する予定なら、半券などをなくさないように注意しましょう。
また、前述のとおり、発売箇所が限られています。新千歳空港は、新千歳空港駅の窓口、それ以外の空港着の場合は、最寄りの駅の窓口か、駅構内のツインクルプラザでの購入となります。
一方、「ひがし北海道フリーパス」の使い方は簡単です。「ひがし北海道フリーパス」だけをもって改札を通り、列車に乗るだけです。特急列車は自由席に乗車しましょう。指定席には乗車できません。
「ひがし北海道フリーパス」 のおすすめ利用法は?
このフリーきっぷの特徴は、フリーエリアがかなり広いことです。新千歳空港から東側のJR北海道の路線にほとんど乗車可能です。
おすすめの周遊観光ルート
この広いフリーエリアと、特急にも乗車できる特徴を生かして、北海道の大自然を巡る周遊ルートがおすすめです。例えば、こんなルートが考えられます。
- 1日目:成田/関西国際空港~(LCC)~新千歳空港~(特急おおぞら)~釧路泊
- 2日目:釧路観光、釧路~(くしろ湿原ノロッコ号 ※運転日注意)~塘路(釧路湿原観光)~(釧網本線)~網走泊
- 3日目:網走観光、網走~(特急オホーツク・大雪)~旭川~(富良野線)~美瑛観光~富良野泊
- 4日目:富良野観光、富良野~(根室本線)~旭川~(特急ライラック・カムイ)~札幌泊
- 5日目:札幌観光、札幌~(快速エアポート)~新千歳空港~(LCC)~成田/関西国際空港
新千歳空港から、釧路、網走、美瑛・富良野、札幌と、観光しながら道東を一周してくるルートです。これだけ乗って16,380円ですから、かなりおトクです。
途中で、「くしろ湿原ノロッコ号」などの観光列車を入れると、列車での移動も観光そのものになります。「くしろ湿原ノロッコ号」は、釧路湿原の東端に沿っている釧網本線の釧路~塘路を往復します。車窓からは、雄大な釧路湿原を眺めることができます。
終点の塘路で釧路湿原の散策ができますが、個人的なおすすめは途中の釧路湿原駅から徒歩15分ほどの「細岡展望台」です。高台から釧路湿原を一望できるポイントです。
くしろ湿原ノロッコ号は運転日が限られていますので、詳しくは、下記のJR北海道のサイトで確認しましょう。
2018年8月下旬に「ひがし北海道フリーパス」を利用して、道東を旅してきました。利用してみてわかった「ひがし北海道フリーパス」の使い勝手や、特急列車自由席の混雑状況などをまとめていますので、ぜひご覧ください。

そのときの旅行記を掲載しています。新千歳空港から、釧路、根室、釧網本線沿線、旭川、美瑛と旅行して、札幌経由で新千歳空港から帰京しました。「ひがし北海道フリーパス」をフル活用した旅程です。「ひがし北海道フリーパス」の利用を検討されている方は、ぜひご覧ください。

「ひがし北海道フリーパス」を青春18きっぷの代替に
青春18きっぷが使えない期間には*青春18きっぷの代替としても「ひがし北海道フリーパス」を活用できます**。
また、青春18きっぷが利用できる時期でも、広大な北海道を普通列車だけで周るのはかなり難しいです。それに、普通列車がほとんど走っていない区間が結構あります。前述の周遊ルートを青春18きっぷだけで周ろうとすると、観光の時間をとることは不可能でしょう。青春18きっぷの価格(12,050円)に少し足すだけで「ひがし北海道フリーパス」(16,380円)を購入できますので、道東を観光したい場合はおすすめです!
特に、U25用は12,680円となりますので、青春18きっぷとほぼ同額で、フリーエリア内を4日間特急自由席に乗り放題となります。これはかなりおトクですね。
以上、「ひがし北海道フリーパス」をご紹介しました。Peach、AIRDO限定ということで利用できる人が限られそうですが、条件にさえ合えば、自由席限定ながらフリーエリア内は特急にも乗り放題ですので、使い勝手がよいきっぷになっています。Peach、AIRDOと合わせておトクな北海道旅行に出かけてみるのもよさそうですね。
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