九州には、大自然や温泉など魅力的な観光地がたくさんあるほか、観光列車も多く運転されています。そんな九州を鉄道で旅行するときに利用したいフリーきっぷや割引きっぷを紹介します。おおまかな使い分けについても解説していますので、九州旅行の際に参考にしてくださいね。
※2020.09.11更新
- 【結論】JR九州フリーきっぷのおおまかな使い分け
- 期間限定のフリーきっぷ・割引きっぷ
- 鉄道メインの乗り鉄の旅に利用したい「ぐるっと九州きっぷ」
- 青春18きっぷが利用できない期間の乗り鉄に!「旅名人の九州満喫きっぷ」
- 高い割引率が魅力! 乗車券+特急券がセットになった片道きっぷ「九州ネットきっぷ」
- 「ぐるっと九州きっぷ」と組み合わせたい割引特急券「eきっぷ」(JQ CARD会員限定)
- 目的地周辺での観光に「エリア限定フリーきっぷ」
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【結論】JR九州フリーきっぷのおおまかな使い分け
おおまかな使い分けは以下のようになります。
- 2020年夏・秋、土休日で九州を旅するなら → 「みんなの九州きっぷ」(2020年夏秋限定)
- 乗り鉄メインで九州内を周遊する旅(新幹線・特急利用) → 「ぐるっと九州きっぷ」+「eきっぷ」(割引特急券)
- 乗り鉄メインで九州内を周遊する旅(普通列車+私鉄三セク利用) → 「旅名人の九州満喫きっぷ」
- 九州新幹線・特急列車の片道利用 → 「九州ネットきっぷ」
- 目的地限定の観光、観光列車への乗車 → 各種エリア限定フリーきっぷ
以下、それぞれのフリーきっぷについて詳しく解説していきます。
期間限定のフリーきっぷ・割引きっぷ
JR九州は、期間・日にち限定で、格安の割引きっぷやフリーきっぷを発売します。現在、または、今後利用できる期間限定のフリーきっぷ・割引きっぷを紹介します。
2020年夏・秋限定! 九州新幹線・特急列車に土休日の2日間乗り放題で1万円!「みんなの九州きっぷ」
「みんなの九州きっぷ」は、当初、9月末までの発売でしたが、12月27日まで延長されました。秋の旅行シーズンにも活用できそうです。
- みんなの九州きっぷ
- 効力: JR九州の普通列車・快速列車・特急列車(九州新幹線含む)の普通車自由席に土休日の連続する2日間乗り放題(普通車指定席も6回まで乗車可能)
- 利用期間:2020年7月11日(土)~12月27日(日)の連続する土休日
- 有効期間:連続する土休日の2日間
- おねだん
- 全九州: おとな 10,000円 こども:2,000円
- 北部九州: おとな 5,000円 こども:1,000円
2020年夏・秋限定の「みんなの九州きっぷ」は、土休日の2日間、九州新幹線や特急列車の普通車自由席に乗り放題で、全九州(JR九州全線)版が1万円、北部九州(豊肥本線より北側、九州新幹線 博多~熊本含む)が5,000円という破格のフリーきっぷです。
さらに、普通車指定席にも6回まで乗車可能! 夏休みや秋の旅行シーズンの九州旅行のきっぷは、「みんなの九州きっぷ」抜きでは考えられないほど、お得なきっぷです。
「みんなの九州きっぷ」の詳細については、以下の記事をご覧ください。
鉄道メインの乗り鉄の旅に利用したい「ぐるっと九州きっぷ」
- ぐるっと九州きっぷ
- 効力: JR九州の普通列車・快速列車に乗り放題、別途特急券等を購入すれば、九州新幹線・在来線特急列車にも乗車可能
- 利用期間:~2021年4月2日(金) ※利用制限日なし
- 有効期間:連続する3日間
- おねだん: おとな 14,300円 こども用:7,150円
「ぐるっと九州きっぷ」は、JR九州全線の普通列車・快速列車に3日間連続で乗り放題となるフリーきっぷ です。乗り鉄メインの旅では、まず利用を検討したいきっぷです。
この「ぐるっと九州きっぷ」の大きな特徴は、特急券を別途購入すれば、九州新幹線や在来線特急に乗車できることです。3日間で14,300円という価格は、普通列車だけで元を取ろうとすると難しいですが、新幹線や特急列車を利用して、九州全体を周遊するような旅であれば、かなりお得になります。
また、この「ぐるっと九州きっぷ」は、利用制限日がなく、いつでも利用できるのもうれしいですね。年末年始やお盆休み、ゴールデンウィークでも利用できます。
詳しくは以下の記事で解説していますので、ご覧ください。
青春18きっぷが利用できない期間の乗り鉄に!「旅名人の九州満喫きっぷ」
- 旅名人の九州満喫きっぷ
- 効力: 九州内のすべての鉄道(地下鉄・モノレール・市電含む)に乗り放題
- 利用期間:通年 ※利用制限日なし
- 有効期間:3回分(有効期間は発売日から3か月間)
- おねだん: 11,000円(おとな・こども同額)
「旅名人の九州満喫きっぷ」の特徴は、何といっても九州のすべての鉄道路線に乗車できることです。JR九州、私鉄、第三セクターはもちろんのこと、地下鉄やモノレール、市電(路面電車)にまで乗車できてしまうフリーきっぷ です。
青春18きっぷと同様に、3回分をバラして利用することができますので、
- 都市間の移動には九州新幹線や特急列車の割引きっぷを利用
- 乗り鉄や観光を楽しむ日に「旅名人の九州満喫きっぷ」を利用
といった使い方ができます。
長崎や熊本、鹿児島の路面電車にも乗車できるので、乗り鉄の合間に観光を楽しむのにも便利ですね。乗車できる路線の多さと使い勝手のよい柔軟性がウリのフリーきっぷです。
詳しくは、以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
高い割引率が魅力! 乗車券+特急券がセットになった片道きっぷ「九州ネットきっぷ」
- 九州ネットきっぷ
- 効力: 乗車券と特急券(グリーン車用は特急券+グリーン券)がセットになった片道利用の割引きっぷ
- 利用期間:通年 ※利用制限日なし
- JR九州インターネット列車予約限定
九州新幹線やJR九州の特急列車にお得に乗車できるのが「九州ネットきっぷ」です。その名のとおり、JR九州のインターネット列車予約限定のきっぷです。
この「九州ネットきっぷ」は、乗車券と特急券(グリーン車用は特急券+グリーン券)がセットになった片道利用の割引きっぷです。
当日の購入も可能であるにもかかわらず、正規料金の35%引きや45%引きといった設定があるなど、高い割引率が特徴です。九州新幹線や特急列車に乗車する場合には、まず「九州ネットきっぷ」が利用できるかを確認したほうがよいでしょう。
九州を鉄道旅行する場合には、都市間の移動を「九州ネットきっぷ」、目的地の周辺でエリア限定のフリーきっぷを活用するという方法がおすすめです。
主要区間の価格は以下の通りです。
主な区間 | 通常料金 |
九州ネット きっぷ |
九州ネット 早特3 |
九州ネット 早特7 |
九州ネット 早特7 つばめ限定 |
利用列車 |
---|---|---|---|---|---|---|
博多~熊本 | 5,230円 | 3,670円 | 3,060円 | 2,620円 | 2,390円 | 九州新幹線 |
博多(福岡市内)~ 鹿児島中央 |
10,640円 | 9,430円 | 8,760円 | 7,850円 | - | 九州新幹線 |
博多~佐賀 | 2,500円 | 1,150円 | - | - | - | 特急列車 |
博多~長崎 | 4,800円 | 3,150円 | 2,550円 | 2,340円 | - | 特急列車 |
博多~佐世保 | 3,950円 | 2,350円 | 2,040円 | - | - | 特急列車 |
博多~小倉 | 2,360円 | 1,470円 | - | - | - | 特急列車 |
博多~中津 | 3,950円 | 2,880円 | - | - | - | 特急列車 |
博多~別府 | 5,680円 | 3,150円 | 2,550円 | - | - | 特急列車 |
博多~大分 | 5,680円 | 3,150円 | 2,550円 | - | - | 特急列車 |
博多~宮崎 | 9,580円 | 5,760円 | - | - | - | 特急列車 |
熊本~ 鹿児島中央 |
7,070円 | 6,540円 | - | 6,000円 | - | 九州新幹線 |
小倉~大分 | 4,310円 | 3,040円 | 2,500円 | - | - | 特急列車 |
大分~宮崎 | 6,120円 | 5,240円 | - | - | - | 特急列車 |
宮崎~ 鹿児島中央 |
4,310円 | 2,620円 | - | - | - | 特急列車 |
なお、「九州ネットきっぷ」の早期割引適用版である「九州ネット早特3」(3日前までの予約)、「九州ネット早特7」(7日前までの予約)もあります。さらに割引率が高く設定されていますので、日程が早めに決まっていれば、こちらの「早特」版を利用してもよいでしょう。
当日まで購入可能な「九州ネットきっぷ」は、非常に多くの区間で設定されています。詳しくは、JR九州のWebサイトをご覧ください。
「ぐるっと九州きっぷ」と組み合わせたい割引特急券「eきっぷ」(JQ CARD会員限定)
- eきっぷ(JQ CARD会員限定)
- 効力: 特急料金・グリーン料金を割引にした料金券(乗車券が別途必要)
- 利用期間:通年 ※利用制限日なし
- JR九州のクレジットカード「JQ CARD」会員限定
「eきっぷ」は、特急料金・グリーン料金を割引にした料金券です。「eきっぷ」単独では利用できず、普通の乗車券やフリーきっぷ等と組み合わせて利用します。また、JR九州が発行するクレジットカード「JR CARD」会員限定となっています。
この「eきっぷ」、山陽新幹線と九州内の各都市間の割引料金券として利用されることが多いのですが、実は九州内での新幹線や特急列車でも利用できます。九州内に閉じた利用では、上で紹介した「九州ネットきっぷ」のほうが割引率が高いため、単独ではあまり使われていないようです。
それでも、この「eきっぷ」を紹介したいのは、「ぐるっと九州きっぷ」の特急券として利用できる ためです。「ぐるっと九州きっぷ」は乗車券のみのフリーきっぷですが、別途、特急券を購入すれば、新幹線や特急列車にも乗車できます。その特急券に、この「eきっぷ」を利用することができるのです。
割引率は高くなく、自由席料金で指定席に乗車できるくらい(数百円程度の割引き)ですが、JR九州の新幹線・特急列車では、どの区間でも利用できますので、JQ CARD会員の方はぜひ利用したいところです。
九州内のおもな区間の指定席特急料金とeきっぷ(指定席)の比較は以下の通りです。
路線 | 区間 | 指定席特急料金 | eきっぷ(指定席) |
---|---|---|---|
九州新幹線 | 博多~熊本 | 3,060円 | 2,530円 |
博多~鹿児島中央 | 5,030円 | 4,500円 | |
日豊本線 | 博多~大分 | 1,940円 | 1,410円 |
博多~宮崎 | 2,210円 | 1,680円 | |
豊肥本線 | 熊本~吉松 | 1,480円 | 950円 |
他にも、非常に多くの区間で設定されています。詳しくは、JR九州のWebサイトをご覧ください。
目的地周辺での観光に「エリア限定フリーきっぷ」
旅行の目的地のエリアが限定されている場合に検討したいのが、エリア限定のフリーきっぷ です。大きく分けると、以下の2タイプになります。
- 往復タイプ: 出発地から目的地までの往復に乗車できるタイプ
- 往復+フリータイプ: 目的地までの往復に加えて、目的地のフリーエリア内で乗り降り自由となるタイプ
現地までは「九州ネットきっぷ」などでお得に移動し、そのあとでエリア限定のフリーきっぷを利用する という使い方がおすすめです。JR九州の魅力的な観光列車に乗車するのに利用できるきっぷもあります。
主なエリア限定フリーきっぷ
JR九州が発売している主なエリア限定フリーきっぷをご紹介します。
きっぷ名称 | タイプ | 概要 |
---|---|---|
ゆふいん のんびりきっぷ |
往復 | 九州各地~由布院往復 往復とも特急指定席利用可 5日間有効 |
海幸山幸 のんびりきっぷ |
往復+ フリー |
宮崎~南郷往復+ 北郷~南郷のフリーきっぷ 往復・フリーエリアとも特急指定席利用可 3日間有効 |
のんびりきっぷ (発売中止) |
往復+ フリー |
福岡・熊本~鹿児島中央往復+ 熊本~人吉~隼人および 霧島~鹿児島中央 のフリーきっぷ 特急「かわせみ やませみ」に乗車可能 往復のどちらかを九州新幹線経由 もう片方を肥薩線経由で利用可能 3日間有効 |
スイッチオン! 阿蘇のんびりきっぷ |
往復+ フリー |
熊本・別府・大分~阿蘇往復+ 阿蘇周辺のフリーきっぷ 往復とも特急指定席利用可 3日間有効 |
他にも多くのフリーきっぷが発売されています。詳しくは、JR九州の割引きっぷ一覧をご覧ください。
以上、九州を鉄道で旅するときにおすすめしたいフリーきっぷ・割引きっぷをご紹介しました。JR九州はかなり多くのフリーきっぷを発売していますので、どれを使ったらよいのか迷う方も多いでしょう。本記事を参考に、お得に汽車旅や観光を楽しんでもらえたらと思います。
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