JR各社は、2023年夏(2023年7月~9月)の臨時列車の運転計画を発表しました。「SLばんえつ物語」が1年ぶりに運転を再開します。また、常磐線では関東各地との臨時列車が多数設定されています。中央本線特急「あずさ」は、1往復が白馬延長運転(松本駅で別編成に乗り換え)と新たな試みも実施されます。
この記事では、2023年夏の注目の臨時列車をピックアップして紹介します。
JR各社の2023年夏の臨時列車の運転計画まとめ(5月19日時点)
JR各社は、2023年夏の臨時列車について発表しました。5月19日時点での運転計画の発表状況は以下のとおりです。
※リンクをクリックするとPDFファイルが開きます。
- JR北海道
- JR東日本
- JR東海
- JR西日本
- JR四国
- JR九州
なお、定番の観光列車(JR東日本の「のってたのしい列車」、JR九州の「D&S列車」など)については、各社のWebサイトにて運転計画が公表されています。
磐越西線「SLばんえつ物語」7月下旬から運転再開!
昨夏の豪雨の影響で、磐越西線の一部区間が不通となったことに加えて、蒸気機関車の定期検査のためにしばらく運転がなかった「SLばんえつ物語」ですが、7月29日から運転を再開します。昨年8月上旬の大雨以降、運転がありませんでしたので、約1年ぶりの復活ということになります。
- 快速「SLばんえつ物語」
- 運転日
- 7月29日(土),30日(日)
- 8月 5日(土), 6日(日),11日(金),12日(土),19日(土),20日(日),26日(土),27日(日)
- 9月 2日(土), 3日(日), 9日(土),10日(日),16日(土),17日(日),23日(土),24日(日),30日(日)
- 運転時刻
- 上り: 新津 10:03発 → 会津若松 13:36着
- 下り: 会津若松 15:27発 → 新津 18:43着
- 途中停車駅: 五泉・咲花・三川・津川・日出谷・野沢・山都・喜多方・塩川(※)
- ※塩川駅は上り列車のみ停車
- 使用車両: 12系客車7両編成(全車指定席)
- 運転日
7月29日の運転再開後は、週末の土日にコンスタントに運転されます。
SL列車は各地で運転されていますが、「SLばんえつ物語」は片道の乗車時間が3時間以上にもなります。SL列車としてはかなりの長時間運転で、阿賀野川に沿って走る磐越西線の車窓をゆったりと楽しむことができます。途中駅では給水のための長時間停車もあり、ホームに降りてSLを撮影する時間もあります。
夏休みの鉄道旅行に「SLばんえつ物語」を取り入れてみるのも良さそうですね。
あずさ1号・38号、松本駅での乗り換えで白馬まで延長運転!
通常は松本駅発着の「あずさ1号」「あずさ38号」を、土休日に白馬駅まで延長運転します。松本駅で3両編成の別編成(E353系)への乗り換えが必要になりますが、特急券は通しで購入することができます。
- 特急「あずさ1号」「あずさ38号」(松本~白馬延長運転)
- 運転日
- 7月 1日(土), 2日(日), 8日(土), 9日(日),15日(土)~17日(月),22日(土),23日(日),29日(土),30日(日)
- 8月 5日(土), 6日(日),11日(金)~13日(月),19日(土),20日(日),26日(土),27日(日)
- 9月 2日(土), 3日(日), 9日(土),10日(日),16日(土)~18日(月),23日(土),24日(日),30日(日)
- 運転時刻
- あずさ1号: 新宿 07:00発 → 白馬 10:55着
- あずさ38号: 白馬 13:10発 → 新宿 17:25着
- 延長運転区間の停車駅: 豊科、穂高、信濃大町
- 使用車両: E353系12両編成(新宿~松本)、E353系3両(松本~白馬)
- 運転日
「あずさ1号」が白馬駅まで延長運転することで、白馬駅に11時前に到着することができるようになります。松本駅で乗り換えが必要になるものの、同一ホームで乗り換えができるとのことです。
白馬エリアへは、北陸新幹線で長野に出て特急バスに乗り継ぐのが最も早いのですが、信濃大町駅や穂高駅など大糸線沿線に早く到着できるようになるのはうれしいですね。
土休日にコンスタントに延長運転が実施されますので、利用が好調であれば、今後も継続される可能性が高いのではないかと思います。その際には、乗り換えなしで直通してもらえるとありがたいですが……。
E353系「あずさ」については、以下の記事をご覧ください。

夏休みに只見線で臨時列車多数!「風っこ只見線夏休み号」「只見線満喫号」
夏休みの週末を中心に、只見線で臨時列車が多数運転されます。
- 快速「風っこ只見線夏休み号」
- 運転日: 7月22日(土),23日(日),29日(土),30日(日)
- 往路: 会津若松 09:47発 → 只見 12:36着
- 復路: 只見 13:30発 → 会津若松 16:14着
- 途中停車駅: 西若松、会津坂下、会津柳津、会津宮下、会津川口
- 使用車両: 風っこ2両編成(全車指定席)
只見線ではおなじみとなったトロッコ型気動車「風っこ」を利用した臨時列車です。窓枠を外して、奥会津の風を浴びながら只見線の旅を楽しめるトロッコ列車です。
会津若松~只見間の所要時間は3時間弱と、乗車時間もたっぷり。夏の只見線を満喫するにはぴったりの列車です。
- 快速「只見線満喫号」
- 運転日: 8月5日(土),6日(日),11日(金)~13日(月),19日(土),20日(日),26日(土),27日(日)
- 往路: 会津若松 10:00発 → 只見 12:17着
- 復路: 只見 13:35発 → 会津若松 15:53着
- 途中停車駅: 西若松、会津坂下、会津柳津、会津宮下、会津川口
- 使用車両: キハ110系3両編成(一部指定席)
8月の週末には、会津若松~只見間で臨時快速「只見線満喫号」が運転されます。指定席もあるようなので、指定券を確保しておけば、混雑しても確実に着席して只見線を旅することができる列車です。
- 普通(臨時)
- 運転日
- 7月22日(土),23日(日),29日(土),30日(日)
- 8月5日(土),6日(日),11日(金)~13日(月),19日(土),20日(日),26日(土),27日(日)
- 往路: 小出 11:26発 → 只見 12:41着
- 復路: 只見 13:27発 → 小出 14:40着
- 使用車両: キハ110系またはキハE120系2両編成(全車自由席)
- 運転日
前述の快速「風っこ只見線夏休み号」「只見線満喫号」と只見駅で接続する新潟側の臨時列車です。これらの臨時列車を乗り継いで旅をしても良いですし、ふだんは列車の本数が少なくて途中下車しにくい駅で途中下車を楽しむのもよさそうです。
特急「ニセコ」、今年は261系「はまなす」編成で運転!
毎年9月に札幌~函館間を函館本線(山線)経由で運転される特急「ニセコ」ですが、2023年も運転されます。今年は、261系「はまなす」編成での運転となります。
- 特急「ニセコ」
- 運転日: 9月2日(土)~4日(月),7日(木)~11日(月),14日(木)~18日(月),22日(金)~24日(日)
- 往路: 札幌 07:56発 → 函館 13:23着
- 復路: 函館 13:55発 → 札幌 19:28着
- 途中停車駅: 手稲、小樽、余市、倶知安、ニセコ、昆布、黒松内、長万部、森、新函館北斗、五稜郭
- 使用車両: 261系5000代「はまなす」編成(全車指定席)
運転開始当初はキハ183系で、昨年は引退間近の183系「ノースレインボーエクスプレス」での運転となりましたが、今年は261系「はまなす」編成での運転です。
新函館北斗駅で北海道新幹線から札幌行き「ニセコ」に乗り継げば、東京駅から1回の乗り換えでニセコ、余市、小樽などの函館本線(山線)沿線の観光地に到着します。北海道新幹線の札幌延伸開業を先取りしたような列車です。所要時間は比べものにはならないですが……。
特急「ニセコ」の運転情報については、以下の記事もご覧ください。(2022年の運転情報です。詳細が発表されたら2023年の情報に更新します。)

常磐線で臨時特急列車を多数運転!「夏の大洗ひたちなか号」「小江戸川越の風」など
各地から常磐線沿線への観光地へ向けて、または、常磐線沿線から関東各地の観光地へと、臨時特急列車が多数運転されます。
- 特急「夏の大洗ひたちなか」
- 1号: 八王子 07:50発 → 勝田 10:16着(7/29運転)
- 2号: 勝田 16:07発 → 八王子 18:33着(7/29運転)
- 3号: 蘇我 08:15発 → 勝田 10:16着(7/30運転)
- 4号: 勝田 16:24発 → 蘇我 18:24着(7/30運転)
- 5号: 大宮 08:16発 → 勝田 10:08着(8/5運転)
- 6号: 勝田 16:52発 → 大宮 18:47着(8/5運転)
- 7号: 大船 08:15発 → 勝田 10:26着(8/6運転)
- 8号: 勝田 16:24発 → 大船 18:27着(8/6運転)
- 使用車両: E653系7両編成(全車指定席)
八王子、千葉、大宮、横浜方面から勝田駅へ直通する臨時特急列車「夏の大洗ひたちなか」が、7月下旬、8月上旬の土日に運転されます。日毎に運転される方面が変わります。
ひたち海浜公園のネモフィラやコキアの時期にも同様の列車が運転されますが、夏休みにこれだけ運転されるのは初めてでしょう。ひたち海浜公園、アクアワールド、大洗(海水浴等)への観光に向いている列車です。
- 特急「小江戸川越の風 」
- 運転日: 7月15日(土)
- 往路: 日立 07:10発 → 川越 10:05着
- 復路: 川越 15:35発 → 日立 18:26着
- 途中停車駅: 日立、常陸多賀、大甕、東海、勝田、水戸、赤塚、友部、石岡、土浦、牛久、柏
- 使用車両: E653系7両編成(全車指定席)
常磐線沿線から川越への直通特急列車です。新規設定の列車ですが、以前運転されていた快速「ぶらり川越号」の特急版でしょう。
停車駅は常磐線内の各駅のみとなっていて、柏駅を出ると終点の川越駅まで止まりません。常磐線沿線の乗客が川越におでかけする用途に絞った臨時列車と言えそうです。
- 特急「フラっといわき巡り号」
- 運転日: 9月2日(土),3日(日)
- 往路: 高尾 09:52発 → いわき 13:36着(9/2運転)
- 復路: いわき 14:24発 → 高尾 18:04着(9/3運転)
- 途中停車駅: 八王子、立川、新秋津、北朝霞、南浦和、南越谷、吉川美南、泉、湯本、内郷
- 使用車両: E653系7両編成(全車指定席)
高尾駅から中央線、武蔵野線、常磐線経由でいわき駅まで直通する臨時特急列車「フラっといわき巡り号」が運転されます。この列車も新規設定となります。
中央線や武蔵野線沿線からいわきエリアの観光に便利な列車です。土曜日にいわき行きが、日曜日に高尾行きが運転されますので、週末旅行の利用に最適な列車となっています。
土合駅への臨時列車「谷川岳もぐら」「谷川岳ループ」、185系で運転!
もぐら駅で有名な土合駅への臨時列車「谷川岳もぐら」「谷川岳ループ」が今夏も運転されますが、春臨に続いて185系での運転となります。
- 特急「谷川岳もぐら」「谷川岳ループ」
- 運転日: 7月8日(土),9日(日),9月16日(土)、17日(日)
- 谷川岳もぐら: 大宮 10:37発 → 越後湯沢 13:38着
- 谷川岳ループ: 越後湯沢 15:19発 → 大宮 18:24着
- 使用車両: 185系6両編成(全車指定席)
おなじみとなった土合駅での長時間停車がある「谷川岳もぐら」「谷川岳ループ」が、7月と9月の週末に運転されます。車両は春臨に続いて185系が使用されます。
JR東日本の夏臨では、185系使用の列車はこの「谷川岳もぐら」「谷川岳ループ」だけのようです。さすがにそろそろ引退が近づいていると思いますので、乗車される方はお早めに。
夏休みに「サンライズ出雲」臨時列車を運転!

出雲市駅に到着した「サンライズ出雲」、東京駅から13時間の長旅でした
毎年恒例となっていますが、夏休みに寝台特急「サンライズ出雲」の臨時列車が運転されます。
- 特急「サンライズ出雲91号」
- 運転日: 8月10日(木),16日(水)
- 運転時刻: 東京 22:21発 → 出雲市 13:07着
- 特急「サンライズ出雲92号」
- 運転日: 8月9日(水),15日(火)
- 運転時刻: 出雲市 14:43発 → 東京 06:23着
- 使用車両: 285系7両(全車指定席)
現在、日本で唯一の定期寝台特急として運転されている「サンライズ出雲」の臨時列車です。定期列車に比べると所要時間がかなり長くなっていますが、今では貴重な個室寝台列車に長く乗車できるうれしい列車でもあります。
「サンライズ出雲」については、以下の乗車記もご覧ください。

以上、『【2023年夏の臨時列車】「SLばんえつ物語」1年ぶりの運転再開! 中央本線「あずさ」は1往復が松本乗り換えでの白馬延長運転を実施、常磐線では関東各地との臨時列車多数!』でした。観光需要がインバウンドの需要が本格的に戻ってきてから初めての夏を迎えます。各路線・列車ともに賑わうことを期待したいですね。
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JR各社の格安きっぷをまとめて紹介している記事です。現在~3か月後くらいまでの間に利用できるきっぷを、随時入れ替えて紹介していますので、この春のおでかけの参考にしてみてください。

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