現在、日本で唯一残っている夜行寝台特急が東京~出雲市・高松を結ぶ「サンライズ出雲・瀬戸」です。個室寝台がメインであるにもかからわず、毎日運転、そこそこの料金で乗れる貴重な寝台列車です。今回、「サンライズ出雲」の全区間に乗車してきましたので、乗車記をお届けします。また、サンライズの料金、きっぷの予約・購入方法も紹介します。
- 日本で唯一の夜行寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」
- 「サンライズ出雲・瀬戸」の運転日・ダイヤ
- 「サンライズ出雲・瀬戸」の乗車に必要なきっぷ類と料金
- 「サンライズ出雲・瀬戸」のきっぷ類の予約・購入方法
- 「サンライズ出雲・瀬戸」の個室寝台「シングル」の設備と様子
- 【サンライズ出雲 乗車記1】東京駅で駅弁購入・きっぷ受け取り
- 【サンライズ出雲 乗車記2】「サンライズ出雲・瀬戸」、東京駅を発車!
- 【サンライズ出雲 乗車記3】街の灯りを眺めながら夕食・晩酌を楽しむ
- 【サンライズ出雲 乗車記4】岡山駅での切り離し作業を見学
- 【サンライズ出雲 乗車記5】高梁川や大山の車窓が美しい伯備線を走る!
- 【サンライズ出雲 乗車記6】宍道湖を眺めながら、山陰本線を出雲市へ!
- 日本唯一の夜行寝台特急「サンライズ出雲」に乗ろう!
日本で唯一の夜行寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は、2024年現在、日本で唯一、定期列車として運転される夜行寝台特急列車です。
かつては、東京や大阪と九州、東北、北陸、北海道を結ぶ寝台特急がたくさん運転されていましたが、2000年代以降、次々と廃止に。2024年時点で残っているのが「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」だけになってしまいました。
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は個室寝台がメインなので、かつての開放B寝台がメインだったブルートレインとはだいぶ雰囲気が異なります。個室はそれほど広くはないものの、ベッドや浴衣、コンセント等を完備していますので、快適に過ごすことができます。
一方で、豪華クルーズトレインとは異なり、通常のきっぷ(乗車券+特急券+必要な寝台券)で乗車することができます。最近では、LCCや高速バス等の格安交通機関が発達していますので、それらに比べると高いものの、個室寝台を利用しても、東京~出雲市・高松で2万円台と、そこそこの価格で利用することができます。
「サンライズ出雲・瀬戸」の運転日・ダイヤ
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」の運転日とダイヤ(2024年3月改正ダイヤ)を紹介します。
「サンライズ出雲・瀬戸」の運転日
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は定期列車ですので、以下のように毎日運転となります。
- サンライズ出雲: 毎日運転
- サンライズ瀬戸: 毎日運転
お盆休みや年末年始の繁忙期には、臨時列車が運転され、1日2往復運転となる日もあります。
「サンライズ出雲・瀬戸」のダイヤ(2024年3月改正)
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」のダイヤ(2024年3月改正)は以下のとおりです。
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は、東京~岡山間で併結して運転されます。下り列車は岡山駅で切り離しを、上り列車は岡山駅で連結されることになります。
【下り(東京→出雲市・高松)】
- | - | サンライズ出雲 | サンライズ瀬戸 |
サンライズ瀬戸 琴平延長運転時 |
---|---|---|---|---|
東海道本線 | 東京 | 21:50発 | 21:50発 | - |
横浜 | 22:15発 | 22:15発 | - | |
熱海 | 23:23発 | 23:23発 | - | |
沼津 | 23:39発 | 23:39発 | - | |
富士 | 23:53発 | 23:53発 | - | |
静岡 | 00:20発 | 00:20発 | - | |
浜松 | 01:12発 | 01:12発 | - | |
山陽本線 | 姫路 | 05:26発 | 05:26発 | - |
岡山 |
06:27着 06:34発 |
06:27着 06:31発 |
- | |
倉敷 | 06:47発 | || | - | |
伯備線 | 備中高梁 | 07:14発 | || | - |
新見 | 07:44発 | || | - | |
山陰本線 | 米子 | 09:08発 | || | - |
安来 | 09:17発 | || | - | |
松江 | 09:34発 | || | - | |
宍道 | 09:48発 | || | - | |
出雲市 | 10:00着 | || | - | |
本四備讃線 | 児島 | - | 06:53発 | - |
予讃線 | 坂出 | - | 07:10発 | - |
高松 | - | 07:27着 | - | |
予讃線 | 高松 | - | - | 08:02発 |
土讃線 | 多度津 | - | - | 08:26発 |
善通寺 | - | - | 08:33発 | |
琴平 | - | - | 08:39着 |
「サンライズ瀬戸」は、下り列車に限り、高松駅到着後に、琴平駅までの延長運転が実施される日があります。
【上り(出雲市・高松→東京)】
- | - | サンライズ出雲 | サンライズ瀬戸 |
---|---|---|---|
予讃線 | 高松 | - | 21:26発 |
本四備讃線 | 坂出 | - | 21:44発 |
児島 | - | 22:01発 | |
山陰本線 | 出雲市 | 18:57発 | || |
宍道 | 19:10発 | || | |
松江 | 19:26発 | || | |
安来 | 19:43発 | || | |
米子 | 19:53発 | || | |
伯備線 | 新見 | 21:19発 | || |
備中高梁 | 21:49発 | || | |
倉敷 | 22:16発 | || | |
山陽本線 | 岡山 |
22:32着 22:34発 |
22:23着 22:34発 |
姫路 | 23:33発 | 23:33発 | |
三ノ宮 | 00:11発 | 00:11発 | |
東海道本線 | 大阪 | 00:33発 | 00:33発 |
静岡 | 04:40発 | 04:40発 | |
富士 | 05:10発 | 05:10発 | |
沼津 | 05:26発 | 05:26発 | |
熱海 | 05:45発 | 05:45発 | |
横浜 | 06:45発 | 06:45発 | |
東京 | 07:08着 | 07:08着 |
「サンライズ出雲・瀬戸」の乗車に必要なきっぷ類と料金
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」の乗車に必要なきっぷ類と料金について紹介します。
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」の乗車に必要なきっぷ類
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」の乗車に必要なきっぷ類は、以下の3種類です。
- 乗車券: 乗車する区間の乗車券(距離に応じて価格が変わる)
- 特急券: 乗車する区間の特急券(距離区分に応じて価格が変わる)
- 寝台券: 利用する寝台や座席の設備を利用するためのきっぷ(距離によらず一律料金)
乗車券と特急券は、乗車する区間の距離に応じて決まります。また、寝台券(ノビノビ座席の場合は指定席券)は、設備の種類によって決まり、距離には依存しません。
主な区間の各きっぷ類の料金は、下の表のとおりです。
- | 東京~出雲市 | 東京~高松 | 東京~岡山 |
---|---|---|---|
乗車券 | 12,210円 | 11,540円 | 10,670円 |
特急料金 | 3,300円 | 3,300円 | 3,300円 |
寝台料金 | 設備ごとに異なる |
上記の区間では、乗車券は距離によって金額が異なりますが、特急券は3,300円で同じです。これは、在来線の特急料金(A特急料金)が601km以上は一律3,300円(指定席特急券の場合は3,830円)となっているためです。
なお、特急料金は時期によって変動します。上記は通常期の料金ですが、繁忙期は+200円、最繁忙期は+400円、閑散期には-200円となります。
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」の寝台の種類と料金
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」の寝台の種類、寝台券の料金(ノビノビ座席の場合は指定席料金)、部屋数は、以下のようになっています。部屋数は、「サンライズ出雲」編成、「サンライズ瀬戸」編成それぞれの部屋数になります。
種別 | 寝台設備名 | 寝台料金 | 概要 | 部屋数 |
---|---|---|---|---|
個室寝台 (1名用) |
ソロ | 6,600円 | B個室寝台 | 20 |
シングル | 7,700円 | B個室寝台 | 80 | |
シングルデラックス | 13,980円 |
A寝台個室 シャワー無料 |
6 | |
個室寝台 (2名用) |
シングルツイン |
1人目: 9,600円 2人目: 5,500円 |
B寝台個室 2人目は補助ベッド使用 |
8 |
サンライズツイン | 7,700円/人 | B個室寝台 | 4 | |
座席 | ノビノビ座席 | 530円 |
カーペット席 ※1 |
28 |
※1: ノビノビ座席は寝台料金不要で、代わりに指定席特急料金(+530円)が適用される。
1名用の個室寝台が3種類、2名用(一部は1名でも利用可能)の寝台個室が2種類、それに、寝台券不要(指定席特急料金のみ)で乗車できるノビノビ座席と、全部で6種類もの寝台・座席があります。
1名用の寝台個室で最も部屋数が多いのが「シングル」で、1編成で80部屋もあります。寝台料金が7,700円と比較的安く、部屋数が多くて予約しやすいため、初めて「サンライズ」に乗るのであれば、まずは「シングル」がおすすめです。
唯一のA個室となる「シングルデラックス」や、2名用の個室「シングルツイン」「サンライズツイン」は、いずれも部屋数が少ないです。これらの個室寝台に乗りたい場合には、1ヶ月前の発売時間に、すぐに購入するようにしましょう。
「サンライズ出雲・瀬戸」のきっぷ類の予約・購入方法
「サンライズ出雲・瀬戸」は、定期列車ですので、新幹線や特急列車と同じく、必要なきっぷ類を購入すれば乗車することができます。ここでは、「サンライズ出雲・瀬戸」のきっぷ類の購入方法を紹介します。
きっぷの発売は1ヶ月前の午前10時から!
「サンライズ出雲・瀬戸」の寝台券や指定席券の発売は、他の列車と同じく、乗車日の1ヶ月前の午前10時からです。
注意したいのは、発売開始日は、列車の始発駅を発車する時点での日付を基準にするという点です。「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」ともに、午前0時を過ぎてからも停車駅がありますので、そのような駅から乗車する場合には注意が必要です。
- 「サンライズ出雲」(出雲市行き)に静岡駅(00:20発)から4月5日に乗車する場合
- 購入するきっぷの日付は「4月5日 静岡(00:20発) → 出雲市(10:00着) 」
- この「サンライズ出雲」が始発となる東京駅を出発するのは4月4日
- → 発売開始日は1ヶ月前の3月4日
0時を過ぎて停車する駅から乗車する場合には、発売開始日に注意しましょう。
「サンライズ出雲・瀬戸」のきっぷ購入はJR西日本の「e5489」が便利
「サンライズ出雲・瀬戸」のきっぷを購入するということは、「寝台券」を購入して、当日の列車の寝台を確保することです。乗車券、特急券はいつでも購入できますが、寝台券と一緒に購入するのがよいでしょう。
「サンライズ出雲・瀬戸」の寝台券を購入する方法としては、以下の2つがあります。
- みどりの窓口(駅の窓口)で購入する
- JR各社のオンラインサービスで購入する
細かい寝台の場所、例えばシングルやソロの1階か2階か、車端部か車両の中央か、といった指定をしたい場合は、みどりの窓口で購入する必要があります。
一方、個室寝台ですから、そこまでこだわりがないのであれば、JR各社のオンラインサービスで購入することもできます。2021年12月現在、「サンライズ出雲・瀬戸」の寝台券・指定席券を購入できるのは、JR西日本の「e5489」とJR東日本の「えきねっと」です。
e5489 (JR西日本) |
えきねっと (JR東日本) |
|
---|---|---|
ノビノビ座席 | 〇 | 〇 |
個室寝台 | 〇 | × |
JR東日本の「えきねっと」で購入できるのは、ノビノビ座席だけです。他のすべての個室寝台を購入したい場合には、JR西日本の「e5489」を利用しましょう。
JR西日本「e5489」での「サンライズ出雲・瀬戸」のきっぷ購入方法
JR西日本の「e5489」では、「サンライズ出雲・瀬戸」のすべての個室寝台、ノビノビ座席の寝台券を購入することができます。
ただ、少しクセがあるので、ここでわかりやすく紹介します。
まず、JR西日本の「e5489」にアクセスします。会員登録が必要ですが、無料で登録できますので、まだアカウントをお持ちでない方は、会員登録から実施しましょう。
「e5489」にログインすると、メニューが表示されますが、下の方の「お知らせ」から、『「サンライズ瀬戸・出雲」の予約方法について』をタップします。
このような画面になります。サンライズ瀬戸・出雲の予約方法の注意点が書かれていますが、おすすめは、「サンライズ瀬戸・出雲 予約専用ページ」からの予約です。
以下のURLから直接「サンライズ瀬戸・出雲 予約専用ページ」に飛ぶこともできます。
「サンライズ瀬戸・出雲 予約専用ページ」を開くと、以下のように、寝台の設備を選択できる画面が出てきます。設備以外に、列車(サンライズ瀬戸か出雲かを選択)、乗車駅、降車駅、乗車日、乗車時刻などを入力できます。
いろいろ試しましたが、この「サンライズ瀬戸・出雲 予約専用ページ」からの予約・購入がわかりやすかったので、おすすめです。
一方、通常の列車検索の画面から「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」を検索すると、列車名は出てきますが、なぜか個室寝台が「×」になっていることが多かったです。その場合でも、「サンライズ瀬戸・出雲 予約専用ページ」から予約すると、まだ空きがあることもあります。「サンライズ瀬戸・出雲 予約専用ページ」からの予約・購入をおすすめします。
「e5489」で予約した「サンライズ出雲・瀬戸」のきっぷの受け取り方法
「e5489」で「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」のきっぷを予約したら、乗車前に紙のきっぷを受け取る必要があります。受け取りには、購入時に決済に利用したクレジットカードと、登録してある電話番号の下4桁、予約番号(5桁の数字)が必要になります。
注意したいのが、「e5489」で予約した「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」のきっぷの受け取り場所です。「e5489」はJR西日本のサービスですので、JR西日本の主要駅、具体的には、指定席券売機(「みどりの券売機」「みどりの券売機プラス」)が設置されている駅か、みどりの窓口がある駅であれば、受け取ることができます。
一方、JR西日本以外のエリアで受け取る場合には注意が必要です。「サンライズ出雲・瀬戸」を受け取ることのできるのは、以下のJR各社の駅に限られます。
- JR東海の主要駅
- JR四国の主要駅
- JR九州の主要駅
JR東日本の駅では受け取ることができないのです。
「サンライズ出雲・瀬戸」の始発駅が東京駅なのにどうすればいいの? と思うかもしれませんが、実は受け取る方法があります。
JR東日本エリアの「サンライズ出雲・瀬戸」の停車駅でのきっぷの受け取り可否、受け取り方法は以下のとおりです。
- 東京駅: JR東海の券売機・窓口で受け取り可能
- 横浜駅: 受け取り不可(新横浜駅のJR東海の券売機・窓口等で受け取っておく必要あり)
- 熱海駅: JR東海の券売機・窓口で受け取り可能
東京駅、熱海駅は、いずれも東海道新幹線の駅ですので、JR東海の券売機や窓口があります。東京駅では、八重洲口にJR東海の大きな窓口がありますね。
一方、横浜駅は、JR東日本単独の駅ですので、「サンライズ出雲・瀬戸」のきっぷを受け取ることができません。新横浜駅、品川駅などの東海道新幹線の駅で受け取ることができるので、乗車までに、これらの駅で受け取っておくようにしましょう。
「サンライズ出雲・瀬戸」の個室寝台「シングル」の設備と様子
今回、サンライズ出雲の個室寝台「シングル」に乗車しましたので、どんな部屋なのか、どんな設備があるのかを詳しく紹介します。
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」の編成
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は、それぞれ7両編成で、東京~岡山間では併結されて14両編成での運転となります。
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」の編成は全く同一で、東京発の下り列車では、「サンライズ瀬戸」が1~7号車、「サンライズ出雲」が8~14号車となっています。東京行きの上り列車では逆になります。
- 下り列車(東京発、出雲市・高松行き)
- サンライズ瀬戸: 1~7号車
- サンライズ出雲: 8~14号車
- ← 高松・出雲市 【瀬戸1-7号車】【出雲8-14号車】 東京
- 上り列車(出雲市・高松発、東京行き)
- サンライズ出雲: 1~7号車
- サンライズ瀬戸: 8~14号車
- 高松・出雲市 【出雲1-7号車】【瀬戸8-14号車】 東京 →
上りと下りで、「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」の号車番号が逆になるので注意しましょう。
2階建て「シングル」車内の様子
1人用の寝台個室「シングル」は、1・8号車、2・9号車、6・13号車、7・14号車の8両(出雲・瀬戸の各編成4両ずつ)にあります。
1人用の寝台個室「シングル」がある9号車を外から見た様子です。上下に並ぶ横長の窓の1つ分が、各「シングル」の個室になります。「シングル」の車両は、2階建てになっているのです。
今回、乗車した9号車のドア付近です。車端部のデッキには、洗面台とトイレ(洗面台の反対側)があります。
車端部に、1階部分への下り階段と、2階部分への上り階段があります。ちょっと前まで走っていた2階建て新幹線「Max」(E4系)や、首都圏の普通列車に連結されている2階建てグリーン車のようなつくりです。
デッキの階段を上がると、通路の両側に「シングル」の個室が並びます。2階(階上)には9部屋の「シングル」があります。
ちなみに、1階(階下)にも9部屋の「シングル」があります。他に、車端部に平屋の「シングル」2室、「シングルツイン」が2室、出入口付近に車いす対応の「シングル」が1部屋あります。
狭いながらも快適に過ごせる「シングル」室内の様子
各個室の鍵は、4桁の暗証番号を自分で設定する方式です。扉を閉めたあと、4桁の番号+#を入力すると鍵が閉まります。鍵を開けたいときは、4桁の暗唱番号を入力するだけです。
2階(階上)の「シングル」室内の様子です。出入口のドアがある部分と、その横の荷物置き場以外は、ほぼベッドで占められています。
2階のため、上部が湾曲しています。もっとも天井が高いのは出入口の部分です。身長170cmの私は、出入口の部分に立っても、頭を天井にぶつけることはありませんでした。ベッドの上は湾曲している窓が迫っているので、天井までの高さは低くなりますが、ベッドの上に立つこともないでしょうから、問題ありません。
ベッドの上に座っている分には、圧迫感を感じるようなことは全くなかったので、狭いながらに良く考えられた構造になっていると思います。
車内で利用できるスリッパもあるので、洗面所やトイレに行くときに、わざわざ靴を履く必要はありません。
「シングル」個室内の出入口側の様子です。左側が出入口で、スライド式の扉があります。内側から掛けられる鍵がついています。
ベッドの上には、小さなテーブルがあり、ここに小物を置いておいたり、このテーブルを使ってお弁当などを食べたりすることができます。
そして、ベッドの端には、リネン類が用意されています。枕、掛け布団、それに、浴衣もあります。
扉の横には、コンセントが1口あります。2Aまでですので、大きな電力を消費するものは使えませんが、スマートフォンを充電するには十分です。
また、扉の横、テーブルの端には、縦長の鏡が設置されています。
ベッドの上、テーブルや出入口の扉とは反対側には、ホテルなどによくあるパネルが設置されています。アラーム付きのデジタル時計、常夜灯と室内灯のスイッチ、ヒーターのつまみがあります。ヒーターの吹き出し口は、出入口の下にあります。
NHK-FMのラジオサービスのスイッチやヘッドホン端子もありますが、現在、ラジオサービスは終了してしまいましたので、使うことはできません。
パネルと反対側の壁には、空調の吹き出し口のようなものがあります。これを開けると、冷気が少し入ってくるようになっていました。暖房が暑すぎるときには、これを開けるといいです。
窓の下には、缶やペットボトルを置けるスペースがありますので、こんなこともできます。
3号車・10号車の車端部に共用の「ラウンジ」
「シングル」の車両ではないのですが、共用の「ラウンジ」が用意されています。3号車・10号車の車端部にあります。
ラウンジには、通路を挟んで、窓側を向いた椅子が4つずつ設置されています。大きめのテーブルも設置されているので、ここでくつろぐこともできます。
ラウンジには自販機も設置されています。ソフトドリンク(水、お茶など)や缶コーヒーがあります。お酒類はありませんので、飲みたい方は、乗車前に買い込みましょう。
飲み物を買って、ラウンジで、過ぎ行く街の灯りを眺める、なんてこともできます。
「サンライズ出雲・瀬戸」の食事情
「サンライズ出雲・瀬戸」の車内には、前述のとおり、ソフトドリンクの自販機はありますが、車内販売等はありません。夕食や、翌朝の朝食、乗車中の飲み物(特にアルコール類)は、乗車前に購入しておきましょう。
東京駅の構内には駅弁を売っているお店はたくさんありますが、夜遅い時間になるほど、在庫が少なくなります。「サンライズ出雲・瀬戸」の東京駅の出発時刻は21時50分。その直前に駅弁を買おうとしても、ほとんど残っていないかもしれません。
また、「サンライズ出雲・瀬戸」は、ほとんどの停車駅で、停車時間が1~2分しかありません。唯一、岡山駅では、「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」の切り離し、連結のために数分の停車時間がありますが、ホームの自販機で飲み物を買うくらいならともかく、駅弁などの食料を入手できるかはわかりません。
早めに東京駅に到着して駅弁を買うか、別のお店で食料を調達しておくのがよいでしょう。
【サンライズ出雲 乗車記1】東京駅で駅弁購入・きっぷ受け取り
2021年12月上旬の平日、サンライズ出雲に東京駅から出雲市駅までの全区間を乗車してきましたので、乗車記をお届けします。今回乗車したのは1人用の寝台個室「シングル」です。
東京駅に早めに到着して駅弁を購入
「サンライズ出雲」は東京駅を21時50分に発車しますが、東京駅には早めに到着。それは、駅弁を購入するためです。
特に、珍しい駅弁を購入するわけではないのですが、サンライズ出雲が発車する21時50分の直前では、駅弁はほとんど残っていないのではないかと思ったのです。東海道新幹線の新大阪行きや、東北新幹線の仙台行きの最終が21時半頃なので、21時くらいには大半が売れてしまうのではないかと。
結局、20時前に東京駅に到着して、東京駅の「駅弁屋 祭」で、無事に駅弁を購入できました。さすがに20時前であれば、種類もたくさん残っていて、選び放題でした。といっても、購入したのは、おつまみセットといかめしですが。
JR東海の券売機でサンライズ出雲のきっぷを受け取る
駅弁を購入したあとは、いったん改札を出て、八重洲中央口にあるJR東海の窓口へ。ここにある券売機で、「e5489」で購入したサンライズ出雲の乗車券と特急券、寝台券を受け取ります。前述のとおり、サンライズ出雲・瀬戸のきっぷは、東京駅ではJR東海の券売機か窓口でしか受け取ることができないのです。
「e5489」のきっぷ受け取りを選択して、決済に利用したクレジットカードを入れると、予約の一覧が出てきます。ただ、列車名やきっぷの名称が出るわけではなく、予約番号と乗車日しか表示されませんでしたので、複数のきっぷや列車を予約している場合には、きっぷと予約番号の関係を控えておく必要があります。
というわけで、無事に受け取ることができました。乗車券のほうは、自動改札機に入るサイズのきっぷですが、特急券・寝台券のほうは今どき珍しい横長のきっぷ。こちらは自動改札機に入れる必要はなく、乗車した「サンライズ出雲」の車内で、車掌が検札しにまわってきます。
【サンライズ出雲 乗車記2】「サンライズ出雲・瀬戸」、東京駅を発車!
「サンライズ出雲・瀬戸」は、発車時刻の約25分前に入線。久々に味わう夜行列車の発車までの時間を楽しみます。
「サンライズ出雲・瀬戸」、21時25分に東京駅9番線に入線!
「サンライズ出雲」の入線時刻が近づいてきたので、再び改札を通って、ホームへ向かいます。
「サンライズ出雲・瀬戸」は、東京駅の9番線から発車します。現在のダイヤでは、21時15分発の品川行き「ときわ88号」が出発したあとに、「サンライズ出雲・瀬戸」が入線してきます。
東京駅9番線に入線するサンライズ出雲・瀬戸。
発車25分前に入線、20分前にはドアが開くので、発車までの時間を楽しめます。 pic.twitter.com/CjghWPhAQN— ひさ@乗り鉄ブログ (@kz_hisa) December 8, 2021
21時25分頃、サンライズ出雲・瀬戸が有楽町側(南側)から入線してきます。回送列車として入線してきます。ホームの案内放送によると、入線後に、乗務員交代、発車準備のあとドアが開くと言っていますが、入線後、5分もしないうちにドアが開きました。
発車までの20分を楽しむ!
9号車のシングルの部屋に荷物を置き、カメラを持ってホームへ。発車まで20分も時間がありますので、夜行列車ならではの出発までの高揚感を楽しみます。
最後尾の14号車へ。「サンライズ出雲・瀬戸」は285系という車両で運転されています。7両編成が5編成あり、3編成がJR西日本、2編成がJR東海の車両です。今回乗車したのは、JR西日本の編成でした。
「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」の連結部です。向こう側が「サンライズ瀬戸」、手前側が「サンライズ出雲」です。側面の大きな「SUNRISE EXPRESS」のロゴが誇らしげです。
車両側面の行先表示器は幕式です。サンライズの285系車両は、2014年~2016年の間にリニューアル工事を受けていますが、そのときにもLED式に変更されることはなかったようです。
ホームの発車案内表示器にも「寝台特急 サンライズ出雲 出雲市」と表示されています。「寝台特急 サンライズ瀬戸 高松」と交互に表示されます。
他の乗客も、カメラやスマートフォンを持ち出して、ホームで写真撮影タイムを楽しんでいたようです。
【サンライズ出雲 乗車記3】街の灯りを眺めながら夕食・晩酌を楽しむ
定刻どおりに東京駅を発車した「サンライズ出雲」。流れゆく街の灯りを眺めながら、個室寝台で駅弁をいただき、お酒を飲む、至福の時を過ごします。
東京駅を発車、早速夕食&晩酌!
「サンライズ出雲・瀬戸」は、21時50分、定刻どおりに東京駅を発車しました。小雨が降る中、東海道線を南下していきます。
すでに22時近くですので、早速、東京駅で購入したお弁当とビールで、夕食&晩酌を始めましょう。
おつまみセットとビールで乾杯! 個室寝台で、過ぎ行く街の灯りを眺めながらの晩酌は最高ですね。東京はあいにくの雨模様ですが、暖房が効いて暖かい個室寝台で飲むビールはおいしいですね。
そのあとは、久々に「森のいかめし」をいただきました。以前は400円ほどだったと思いますが、今は780円とかなり高くなってしまいました。それでも、西へ向かう寝台列車の中で、北海道の名物駅弁をいただくのも良いものです。
「サンライズ出雲・瀬戸」は、横浜に停車して、さらに東海道線を西へ進んでいきます。
お弁当を食べ終えたあとは、残ったビールを飲みつつ、車窓を眺めます。といっても、真っ暗で、たまに家の灯りや街灯が通り過ぎていくだけです。そんな車窓も、また良いものです。
熱海で5分遅延、その後も拡大する遅延
小田原あたりでおやすみ放送があり、翌朝の姫路到着前までは車内放送を控えるというアナウンスがありました。
小田原を過ぎるあたりまでは快調に走っていましたが、熱海の手前からノロノロに。
熱海を5分遅れで出発。その後も、沼津、富士と停車しますが、「サンライズ出雲・瀬戸」の速度は上がらず、徐々に遅延が拡大していきました。富士を発車したのは0時08分頃。ダイヤでは23時53分発なので、遅延は15分に拡大してしまいました。どうやら、先を走る列車が踏切での安全確認で停車していたためのようです。
とはいえ、この先、旅客列車の運転は終了でしょうから、きっと夜明けまでには回復するだろう、と思って、富士駅を出たところで就寝しました。
【サンライズ出雲 乗車記4】岡山駅での切り離し作業を見学
おはよう放送で起床。遅延は30分に拡大してしまいましたが、先を急ぐ旅でもないので、のんびりと過ごします。岡山駅では「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」の切り離し作業を見学します。
姫路駅に30分遅延、新幹線への振替乗車の案内も!
昨夜は、午前2時前に豊橋駅に停車しているときに目が覚めましたが、再び眠りにつき、姫路駅到着前のおはよう放送で起床しました。
目を覚ますと、そこは兵庫県。東京駅から数百キロも離れたところを走っているわけですから、不思議な感覚に陥ります。これぞ、夜行列車の醍醐味です。
「サンライズ出雲」は、夜間もかなり飛ばすので、それなりに揺れはあります。ただ、個人的には、心地よい揺れだったので、特に問題なく休むことができました。
おはよう放送によると、どうやら30分ほど遅延しているらしく、岡山駅から山陰方面、四国方面へ乗り継ぐ方は、姫路から新幹線に振替乗車をするとの案内がありました。このまま行くと、岡山では45分、出雲市や高松への到着は1時間程度の遅れになるとのこと。
5時55分頃に姫路駅に到着。定刻からちょうど30分遅れです。すでに始発電車が走り始めています。
午前7時頃、日の出が見られました。昨夜の東京は小雨模様でしたが、今日の西日本はお天気が良いみたいです。静岡県に入ったあたりから晴れてきて、2階のシングルの個室からは、ベッドに寝ると、頭上に星空が見えました。
岡山駅で45分遅れの切り離しを見学!
すでに午前7時を過ぎ、朝のラッシュが始まっているのでしょうか。「サンライズ出雲・瀬戸」はスピードが上がらず、遅れは拡大していきます。そして、約45分遅れ、午前7時15分頃に岡山駅に到着しました。
岡山駅では、「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」の切り離し作業が行われます。そのため、「サンライズ出雲」は7分の停車時間があります。カメラを持ってホームに降り、切り離し作業を見学しにいきます。
左側(前側)が「サンライズ瀬戸」、右側(後側)が「サンライズ出雲」です。先に「サンライズ瀬戸」側の貫通扉が閉められました。上の写真はその瞬間のものです。その後、「サンライズ出雲」側の貫通扉も閉まりました。
みなさん、カメラやスマートフォンを持って、写真や動画を撮影していました。
7時19分頃、先に「サンライズ瀬戸」が発車していきました。写真は、岡山駅に残された「サンライズ出雲」ですが、このあと、すぐに発車するとのアナウンスがあり、急いで車内に戻りました。
午前7時21分頃、「サンライズ出雲」も岡山駅を発車しました。
岡山駅での切り離し作業も見学できたので、朝食にします。朝食は、昨夜、東京駅で買っておいたパンとおにぎりです。岡山駅で駅弁を買うこともできるようですが、確実に買える保証はないので、東京駅で買っておきました。
【サンライズ出雲 乗車記5】高梁川や大山の車窓が美しい伯備線を走る!
岡山駅で切り離された「サンライズ出雲」は、倉敷から伯備線に入ります。高梁川や大山の車窓が美しい路線です。個室で美しい車窓を眺めながらの旅が続きます。
倉敷を出て伯備線へ!
午前7時34分頃、倉敷駅に到着。遅れは50分近くに拡大しています。
これまで、東海道本線~山陽本線と、日本の主要幹線を走ってきた「サンライズ出雲」ですが、倉敷駅を出ると、山陽本線と分かれて、伯備線に入ります。
伯備線に入ると、すぐに進行方向左側に川が見えてきます。高梁川(たかはしがわ)という一級河川です。「サンライズ出雲」は、山陽と山陰の分水嶺まで、この高梁川を遡るかたちで北上していきます。写真の鉄道橋は山陽新幹線ですね。
次第に家が少なくなり、山深いエリアに入っていきます。お天気が良く、高梁川の対岸の山は紅葉が見頃でした。
霧に包まれた山あいを抜けて備中高梁駅へ
高梁川の車窓は美しく、「サンライズ出雲」は高梁川の左岸に沿って走っていきます。ずっと車窓から高梁川が見えています。
快晴だったはずなのですが、前方の山には雲がかかっているのが見えます。山のほうは曇っているのかもしれません。
先ほどの写真の5分後には、あっという間に一面霧に包まれてしまいました。霧の中から街が現れると、午前8時02分頃、備中高梁駅に到着です。
備中高梁駅は、岡山県高梁市の代表駅。伯備線の主要駅でもあり、特急「やくも」も全列車が停車します。伯備線は、この備中高梁駅までは複線ですが、ここから先は単線となります。単線になると、対向列車との行き違いのために、さらに遅れが拡大しそうです。
備中高梁駅を発車しても、相変わらず霧に包まれています。幸い、サンライズ出雲が走る伯備線の線路付近はそれほど霧が濃くないためか、特に徐行はしませんでした。
霧が晴れて快晴の中、大山の雄姿を眺めながら山陰へ
8時33分頃、新見駅に到着。遅れは50分に拡大しました。新見駅に到着する頃には霧がすっかり晴れ、再び青空になりました。
新見は岡山県北部の街ですが、伯備線のほかに、姫新線、芸備線と3路線の列車が乗り入れる鉄道の要衝でもあります。
新見駅を出てしばらくすると、「サンライズ出雲」は、いったん、川と離れてしまいますが、しばらくすると、再び川沿いを走るようになります。ただ、よく見ると、先ほどまでの高梁川とは流れる向きが違い、サンライズ出雲の進行方向に川が流れています。この川は「日野川」で、鳥取県の美保湾で日本海に注いでいます。いつの間にか、分水嶺を超えていたようです。
そして、ちらっとですが、雪をたたえた高い山が見えてきました。大山(だいせん)、別名、伯耆富士です。高い山が少ない中国地方では、ひときわ目立ちます。
途中駅で何度も行き違いの運転停車をしながら、「サンライズ出雲」は、少しずつ山陰へと向かっていきます。
しばらく、近くの山に遮られて姿の見えなかった大山ですが、伯備線の最後の一駅間となる岸本駅~伯耆大山駅の間からは、山全体を見渡すことができます。
大山は進行方向右側に見えるので、カメラを持ってラウンジへ行きました。
残念ながら逆光だったので、クリアに見ることはできませんでしたが、その美しいシルエットを楽しむことはできました。本当に富士山のように美しい独立峰ですね。
【サンライズ出雲 乗車記6】宍道湖を眺めながら、山陰本線を出雲市へ!
大山の車窓を楽しんだあと、すぐに山陰本線に入ります。米子、松江と主要駅に停車していきますが、最後の車窓の見どころ、宍道湖を過ぎると、まもなく終点の出雲市駅に到着です。
米子駅を出て山陰本線を疾走!
伯耆大山駅の手前で山陰本線に合流して、日野川を渡ると、9時57分頃、54分遅れで米子駅に到着です。さすがに山陰の主要都市、サンライズ出雲からも下車した人がかなりいました。
サンライズ出雲は、山陰本線を疾走します。車窓には、初冬の田園風景が広がります。松江駅には10時26分頃到着。ここでも多少の下車がありました。
姫路駅到着前のおはよう放送の案内どおり、約1時間の遅れとなりました。単線の伯備線では、「サンライズ出雲」が遅れたときのスジが用意してあるのだと思います。どのスジで走らせるかが決まれば、その時点でどのくらい遅延するかが決まるのでしょう。
車窓いっぱいに宍道湖を眺めながら終点の出雲市へ
松江駅を出ると、進行方向右側の車窓いっぱいに宍道湖が広がります。早めに荷物をまとめて下車する準備をしたあと、再びカメラを持ってラウンジへ向かい、宍道湖の車窓を楽しみます。
動画でもどうぞ。松江駅~宍道駅間は、ずっとこのように宍道湖の南岸を走行します。「サンライズ出雲」の車窓の見どころの一つですね。
午前10時57分頃、ほぼ1時間遅れで、「サンライズ出雲」は終点の出雲市駅に到着しました。出雲市駅は高架の2面2線のホームになっていて、「サンライズ出雲」は3番線に到着しました。
東京駅から約13時間の旅でした。予定より1時間も遅れての到着となりましたが、そのぶん、長く個室寝台の旅を楽しむことができたので良かったですね。
日本唯一の夜行寝台特急「サンライズ出雲」に乗ろう!
「サンライズ出雲」の乗車記をお届けしました。
かつては、日本全国に何本もの夜行寝台特急が走っていました。私も、東京~長崎を結んでいた寝台特急「さくら」や、上野~札幌を結んでいた「北斗星」など、寝台特急の旅を経験しましたが、やはり夜行寝台特急は良いものです。
当時の寝台特急は開放B寝台が主流でしたが、「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は、個室寝台がメインとなっています。その違いはあるものの、夜の首都圏のラッシュを抜け、夜通し走り続けて、目が覚めれば何百キロも離れた街にいるという不思議な感覚はそのままでした。
前述のとおり、「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は、現在、日本で唯一の夜行寝台特急列車です。デビューしてから20年以上、車両もそれなりに年を重ねてきているので、いつまで走り続けられるかわかりません。ここ20年ほどの間に夜行列車はほとんど姿を消してしまいましたし、それに加えて、コロナ禍でJR各社の経営状態は危機的な状況にあります。いつか「サンライズ」に乗車したいと思っていらっしゃる方は、なるべく早めに乗車されることをおすすめします。
以上、『【サンライズ出雲 乗車記】日本で唯一の夜行寝台特急に乗車! 個室寝台の旅は非日常の連続!』でした。個室寝台の旅は、かつての開放B寝台が主流だったブルートレインとは異なるところもありますが、列車の中で夜を明かすという体験はそのまま。鉄道の旅が好きな方には、ぜひ体験してもらいたいです。
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