2022年も紅葉シーズンがやってきました。紅葉の名所へでかけるのも良いですが、どこへ行っても渋滞で大変です。そんなときには列車に乗って紅葉狩りに出かけてみましょう。この記事では、2022年の紅葉シーズンに乗りたい観光列車や臨時列車、紅葉狩りに適した路線をご紹介します。
紅葉の名所「鳴子峡」を走る快速「湯けむり号」「風っこ湯けむり号」(陸羽東線)
まずご紹介するのは、宮城県の小牛田駅と山形県の新庄駅を結ぶ陸羽東線です。陸羽東線の沿線でも最大の温泉地、鳴子温泉の周辺は紅葉の名所です。中でも、鳴子温泉駅の近くにある「鳴子峡」が有名です。
紅葉の見頃は10月下旬~11月上旬です。温泉と紅葉の両方を楽しめますね。
さて、陸羽東線の紅葉を楽しむなら、仙台駅から直通で陸羽東線沿線まで走る快速「湯けむり号」がおすすめです。仙台と新庄を、小牛田・陸羽東線経由で結んでいます。午前中に仙台→新庄、午後に新庄→仙台が運転されます。
仙台から鳴子温泉へは、普通列車で行くと小牛田で乗り換えになるのですが、快速「湯けむり号」なら直通しますから楽ですね。快速「湯けむり号」には指定席があります。リクライニングシートの座席ですので、確実に座れるだけでなく、ゆったりと車窓を眺めることができます。
2022年秋の快速「湯けむり号」の運転日・運転時刻は以下のとおりです。
- 快速「湯けむり号」
- 運転日
- 10月1日(土),2日(日),29日(土),30日(日)
- 11月3日(木)~6日(日),12日(土),13日(日),19日(土),20日(日),26日(土),27日(日)
- 運転時刻
- 下り: 仙台 09:07発 → 鳴子温泉 11:01着/11:26発 → 新庄 12:27着
- 上り: 新庄 15:00発 → 鳴子温泉 16:00着/16:03発 → 仙台 17:40着
- 使用車両
- キハ110系2両編成(全車指定席)
- キハ110系3両編成(一部指定席) ※10/29.30, 11/3-6
- 運転日
「快速湯けむり号」に乗車したいのであれば、事前に指定席券を購入しておくのを忘れないようにしましょう。
また、快速「湯けむり号」が運転されない10月の週末には、トロッコ型気動車「風っこ」を利用した快速「風っこ湯けむり号」が運転されます。
- 快速「風っこ湯けむり号」
- 運転日
- 10月8日(土),9日(日),22日(土),23日(日)
- 運転時刻
- 下り: 仙台 09:07発 → 鳴子温泉 11:01着/11:26発 → 新庄 12:27着
- 上り: 新庄 15:00発 → 鳴子温泉 16:00着/16:03発 → 仙台 17:40着
- 使用車両
- キハ48形2両編成「風っこ」(全車指定席)
- 運転日
快速「湯けむり号」「風っこ湯けむり号」に乗車するなら、「小さな旅 ホリデー・パス」がおすすめです。南東北の広い範囲がフリーエリアとなるフリーきっぷです。詳しくは、以下の記事をご覧ください。

観光列車「海里」で弥彦へ! 快速「もみじ海里」
普段は新潟~酒田間で運転されている観光列車「海里」ですが、2022年も紅葉シーズンには「もみじ海里」として、新潟~弥彦間で運転されます。
2021年は2日間のみの運転でしたが、今年2022年は5日間も運転されます。
- 快速「もみじ海里」
- 運転日: 11月4日(金),9日(水),11日(金),16日(水),18日(金)
- 運転時刻
- 下り: 新潟 10:11発 → 弥彦 13:06着(白新線・羽越本線・信越本線・弥彦線経由)
- 上り: 弥彦 16:49発 → 新潟 18:19着(弥彦線・越後線経由)
10月下旬~11月上旬は、弥彦駅からすぐの弥彦公園の紅葉が見ごろです。平日の運転ですが、弥彦公園の紅葉がピークの時期に運転されますので、紅葉狩りにぴったりの臨時列車ですね。
なお、「もみじ海里」は全車指定席の臨時列車として運転されます。乗車するには、乗車券のほかに、指定席券が必要となりますので、あらかじめ購入しておくようにしましょう。
観光列車「海里」の車内の様子などについては、以下の記事もご覧ください。ふだん、羽越本線で運転されている「海里」の概要、車内の様子、乗車方法などについてまとめています。

渡良瀬川の渓谷美と紅葉が美しいわたらせ渓谷鐡道「わたらせ渓谷号」「トロッコわっしー号」
桐生駅と間藤駅を結ぶ「わたらせ渓谷鉄道」は、渡良瀬川の渓谷の風景がとても美しい鉄道です。関東地方の鉄道の中でも、渓谷美は随一。そして、10月下旬~11月中旬にかけては、沿線の木々が色づきます。
そんなわたらせ渓谷鐡道で紅葉を楽しむのであれば、トロッコ列車「トロッコわっしー号」「わたらせ渓谷号」がおすすめです。
- トロッコわたらせ渓谷号
- 客車のトロッコをディーゼル機関車が牽引するトロッコ列車
- 運転時期: 4月~11月
- 運転区間: 大間々~足尾
- 運転本数: 運転日に1日1往復(下り: 3号、上り: 4号)
- トロッコわっしー号
- 気動車を改造したトロッコ列車
- 運転時期: 通年
- 運転区間: 桐生~間藤(わたらせ渓谷鐵道の全線)
- 運転本数
- 夏季は1日2往復(下り: 1号・5号、上り: 2号・6号)
- 冬季は1日1往復(下り: 3号、上り: 4号)
「トロッコわっしー号」「わたらせ渓谷号」は、ふだんは土休日を中心に運転されていますが、紅葉シーズンの10月~11月は平日も含めて、ほぼ毎日運転されます。
詳しい運転日は、わたらせ渓谷鐡道のWebサイトをご確認ください。
紅葉シーズンの乗車ではありませんが、「トロッコわっしー号」の乗車記については、以下の記事をご覧ください。車内の様子や、沿線の車窓を詳しく紹介しています。

奥大井の渓谷を走る「大井川鉄道井川線」
- 大井川鉄道は2022年9月の台風15号で被災し、以下のような運転状況となっています
- 大井川本線: 全線(金谷~千頭)で運転見合わせ(※代行バスを運転中)
- 井川線: 10月22日から平常通り運転中
- → 詳しくは、大井川鉄道のお知らせをご覧ください。
静岡県の金谷駅~井川駅を結ぶ大井川鉄道。SLで有名な鉄道ですね。その大井川鉄道の千頭~井川間を走るのが井川線です。大井川水系のダム建設のためにつくられた路線ですが、現在は観光路線として使われています。
井川線の車両はミニサイズ。可愛らしい小さな車両が連なって、大井川に沿った険しい地形を走っていきます。途中、アプトいちしろ駅~長島ダム駅間は、日本で唯一の「アプト式」という方式で急勾配を登っていきます。レールとレールの間に設けられたラックレールと、機関車の歯車を噛み合わせて急坂を上り下りする方式です。
途中、大井ダムや長島ダムなど、大井川水系に設けられたダムの近くを通過していきますが、普通の鉄道ではなかなか見られないダイナミックな風景を眺めることができます。
大井川鉄道の沿線にある寸又峡温泉も紅葉の名所です。寸又峡温泉に泊まって、翌日は井川線の旅を楽しむのもよさそうですね。
大井川鉄道井川線のダイヤ等、詳しくは、大井川鉄道のWebサイトをご覧ください。
北アルプスと安曇野の紅葉を眺める「リゾートビューふるさと」(大糸線)
松本~糸魚川を結ぶ大糸線。沿線からは北アルプスを望むことができる絶景路線です。そんな北アルプスの紅葉を楽しむのにちょうどよいのが、大糸線でコンスタントに運転されている「リゾートビューふるさと」 です。
- 快速「リゾートビューふるさと」
- 運転日
- 10月1日(土),2日(日),8日(土)~10日(月),15日(土),22日(土),23日(日),29日(土),30日(日)
- 11月5日(土),6日(日),12日(土),19日(土),20日(日),26日(土),27日(日)
- 運転時刻
- 長野 09:46発 → 南小谷 14:04着
- 南小谷 15:16発 → 長野 18:30着
- 使用車両: リゾートビューふるさと(HB-E300系2両,全車指定席)
- 運転日
長野から松本を経由して、大糸線の穂高、信濃大町、白馬といった主要駅に停車します。北陸新幹線で長野駅にアクセスして乗車するのもよいですし、特急あずさや特急しなのから松本駅で乗り換えるのもありです。
大糸線沿線の紅葉の見頃は、10月中旬~11月上旬。車窓の西側には北アルプスを望むことができますが、山頂付近は雪があるかもしれません。
なお、「リゾートビューふるさと」の乗車レポートを公開していますので、よろしければご覧ください。真夏に乗車したときのレポートですので、紅葉の情報はありませんが、どんな車両なのか、どんな景色が見られるのかなどはわかります。

只見線全線運転再開にあわせて紅葉の時期に臨時列車を多数運転!
首都圏に比較的近い只見線も、紅葉が美しい路線です。紅葉した山々に只見川、そこに掛かる鉄橋を列車が通過していく様子は、撮り鉄の方にも人気です。紅葉の見頃は10月下旬~11月中旬です。
2022年10月1日には、長らく災害のために不通となっていた会津川口~只見間で運転を再開して、なんと11年ぶりに全線で運転再開となります。
全線運転再開後の初乗りも兼ねて、只見線の臨時列車で紅葉狩りに出かけてみましょう。
キハ110系レトロラッピング車両で運転される「只見線満喫号」
- 快速「只見線満喫号」
- 運転日: 10月8日(土),9日(日),10日(月),15日(土),16日(日),22日(土),23日(日)
- 運転時刻
- 往路: 会津若松 10:15発 → 只見 12:36着
- 復路: 只見 13:40発 → 会津若松 15:54着
- 使用車両: キハ110系3両(レトロラッピング車両2両+1両)(全車指定席)
会津若松~只見間では、10月の週末に、快速「只見線満喫号」が運転されます。ふだん、快速「湯けむり号」として仙台~新庄間を走っているキハ110系のレトロラッピング車両での運転です。リクライニングシートを備えた車両ですので、只見線の素晴らしい車窓や紅葉を眺めるのにはぴったりの列車です。
トロッコ型車両で運転される「風っこ只見線紅葉号」
- 快速「風っこ只見線紅葉号」
- 運転日: 10月29日(土),30日(日)
- 運転時刻
- 往路: 会津若松 10:15発 → 只見 12:40着
- 復路: 只見 13:40発 → 会津若松 15:58着
- 使用車両: トロッコ型車両「風っこ」(キハ48形2両,全車指定席)
紅葉の見ごろの時期には、トロッコ型気動車「風っこ」を利用した快速「風っこ只見線紅葉号」が運転されます。
只見線の北側、会津方面では、トロッコ型の車両を利用した「風っこ只見線紅葉号」が運転されます。
只見線のこの区間は、会津盆地の田園風景、南会津の里山の風景、それに、只見川が造る川の風景と、変化に飛んだ車窓を眺めることができます。里山や只見川の両岸に広がる紅葉を眺めることができるでしょう。
只見線の代行バス区間も含めた乗車レポートは、以下の記事をご覧ください(紅葉シーズンではなく、夏場の乗車ですが)。

吾妻峡の紅葉狩りにおすすめ! 「吾妻線」
吾妻線は、利根川の支流の吾妻川に沿って走るJR東日本の路線です。上越線の渋川駅から、行き止まり駅の大前駅までの55kmを結んでいます。途中、草津温泉をはじめ、四万温泉、沢渡温泉、川原湯温泉などの温泉地が点在しています。
紅葉の時期(10月下旬~11月上旬)になれば、吾妻線の車窓からも色づいた山々を眺めることができます。高崎・渋川から乗ると、比較的開けた吾妻川の左岸を走ります。対岸の低い山々が紅葉している様子を眺めることができます。
列車の中から紅葉を眺めるだけでも楽しいのですが、おすすめは名勝「吾妻峡」の散策です。吾妻峡は吾妻川がつくる渓谷で、かなり深く切れ込んでいます。その渓谷の両岸の木々や、周囲の山々が紅葉しますので、散策しながらの紅葉狩りが楽しめます。
最寄り駅は岩島駅です。紅葉の時期は、岩島駅から、吾妻峡散策の玄関口となる「道の駅あがつま峡」まで、シャトルバスが運行されます。
吾妻峡については、以下の散策記もご覧ください。2019年の紅葉の時期に散策した記録です。シャトルバスの情報については、2022年度のものに更新してあります。

以上、紅葉シーズンに乗車したい観光列車や路線をご紹介しました。山ばかりの日本ですので、山間部の路線に乗れば、どこでも紅葉を眺めることはできるでしょうけれど、その中でもおすすめの路線を紹介してみました。
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2022年秋に運転されるJR各社の注目の臨時列車をまとめた記事です。本記事と合わせて、秋の乗り鉄、鉄道旅行の計画にご活用ください。

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10月におでかけを予定しているのなら、JR全線の普通列車に3日間乗り放題となる「秋の乗り放題パス」を利用してみてはいかがでしょうか? 本記事で紹介したJR線の臨時列車は、いずれも快速列車としての運転ですので、指定席券を追加すれば「秋の乗り放題パス」で乗車することができます。「秋の乗り放題パス」については、以下の記事をご覧ください。

コメント
板谷峠の紅葉も結構いいですよ。
とれいゆつばさとかで見るといいかもしれない。
くろふねさん、コメントありがとうございます。
板谷峠の紅葉、まだ見たことないですね。板谷峠を通過するのは夏か冬が多いので。
とれいゆつばさに乗って、足湯に入りながら紅葉見るのもよさそうですね。