高原路線として有名な小海線。そんな小海線を走る観光列車「HIGH RAIL 1375」(ハイレール1375)は、小海線の車窓やグルメを楽しむのにぴったりの観光列車です。この記事では、「HIGH RAIL 1375」の車内の様子を紹介するとともに、指定席券の予約・購入方法や「HIGH RAIL 1375」の特徴でもある車内サービス(オプションサービス)の予約方法について解説します。
※2021.01.17更新
- 「HIGH RAIL 1375」とは?
- 「HIGH RAIL 1375」の運転日時・ダイヤ(2020年3月改正ダイヤ)
- 「HIGH RAIL 1375」に乗車するには事前の予約・購入が必要!
- 「HIGH RAIL 1375」は座席のバリエーションが豊富
- 「HIGH RAIL 1375」の目玉! 指定席券のみ確保した場合は、オプショナルプランを付けよう!
- 「HIGH RAIL 1375」予約・購入方法まとめ
- さまざまな購入形態への対応はお見事!
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「HIGH RAIL 1375」とは?
「HIGH RAIL 1375」は、JR小海線(小淵沢~小諸)を走る観光列車です。
小海線の美しい車窓を存分に楽しむことができるゆったりとした座席、車窓を見ながらブランチやスイーツをいただける車内サービス(要予約)、お酒を含む飲み物や軽食を購入できる販売カウンターなど、2両編成の小さな観光列車ながら、充実の設備を誇ります。
小海線に初めて乗る方にはおすすめの観光列車ですし、小海線に何度も乗車したことがある方でも、また別の楽しみ方ができる列車になっています。
「HIGH RAIL 1375」の運転日時・ダイヤ(2020年3月改正ダイヤ)
「HIGH RAIL 1375」のダイヤは以下の通りです。
夏季ダイヤ(3月中旬~11月まで)では土・日曜日及び祝日を中心に1日1.5往復(「1号」「2号」「星空」の3本)、冬季ダイヤ(12月~3月中旬)では土日を中心に1日1往復(「2号」「星空」の2本)が運転されています。観光シーズン、特に7~9月頃は金曜日など平日の運転日も設定されています。
停車駅 |
↓HIGH RAIL 1号 |
↑HIGH RAIL 2号 |
↓HIGH RAIL 星空 |
---|---|---|---|
小淵沢 | 10:42発 | 16:56着 | 18:17発 |
清里 |
11:09着 11:14発 |
16:26発 16:23着 |
18:57着 18:58発 |
野辺山 |
11:22着 11:33発 |
16:16発 16:00着 |
19:06着 19:52発 |
信濃川上 |
11:43着 11:46発 |
15:47発 15:45着 |
↓ |
小海 |
12:08着 12:09発 |
15:22発 15:21着 |
20:23着 20:24発 |
八千穂 |
12:16着 12:17発 |
15:13発 15:12着 |
↓ |
臼田 |
12:25着 12:26発 |
15:02発 15:01着 |
↓ |
中込 |
12:32着 12:33発 |
14:55発 14:52着 |
20:44着 20:46発 |
岩村田 |
12:40着 12:41発 |
14:46発 14:45着 |
↓ |
佐久平 |
12:42着 12:44発 |
14:44発 14:43着 |
20:53着 20:54発 |
小諸 | 12:56着 | 14:33発 | 21:06着 |
「HIGH RAIL 1375」の運転日(JR東日本発表の運転日)は以下の通りです。
詳しい運転日などは、JR東日本長野支社のサイトをご覧ください。
「HIGH RAIL 1375」に乗車するには事前の予約・購入が必要!
「HIGH RAIL 1375」は、全車指定席の快速列車として運転されています。つまり、「HIGH RAIL 1375」に乗車するには、事前に指定席券を予約・購入しておく必要があります。
何も予約せずに現地に行っても、満席で乗れないことがありますので、必ず事前に指定席券を予約・購入しておくようにしましょう。
「HIGH RAIL 1375」の指定席券を予約・購入する方法は、大きく分けて二つあります。
- みどりの窓口やえきねっと(インターネット予約)で指定席券を購入
- びゅう旅行商品を申し込む
以下で詳しく紹介します。
みどりの窓口・えきねっとで指定席券を購入(1名から可能)
特急列車や新幹線の指定席券を確保するのと同じ方法です。「HIGH RAIL 1375」は快速列車ですので、特急料金は不要ですが、指定席券(840円)が必要です。
乗車したい「HIGH RAIL 1375」の日時・号数・乗車区間(乗車駅と下車駅)を伝えれば(えきねっとの場合は入力すれば)購入すること自体は難しくありません。ただし、後述するように、「HIGH RAIL 1375」は、座席のバリエーションが豊富です。2019年3月16日乗車分から、えきねっとでも座席指定ができるようになったようです。
指定席券とあわせて乗車券も必要! フリーきっぷも使えます
「HIGH RAIL 1375」に乗車するには、指定席券だけでなく、乗車券(いわゆる「きっぷ」)を別途購入する必要があります。JRの乗車券は、距離が長くなるほど単価(単位距離あたりの運賃)が安くなる 仕組みになっています。ですので、「HIGH RAIL 1375」の乗車券を個別に購入するのではなく、できるだけ、「HIGH RAIL 1375」の乗車駅まで、あるいは下車駅から先の区間も含めて1枚の乗車券として購入する とよいでしょう。
例えば、新宿から中央本線で小淵沢まで行って「HIGH RAIL 1375」に乗車。佐久平で下車して、北陸新幹線で東京まで帰る場合は、
- 新宿(中央本線)小淵沢(小海線)佐久平(北陸新幹線)東京
という乗車券を購入しましょう。
また、乗車券の代わりに、JR東日本が発売しているフリーきっぷも利用できます。「HIGH RAIL 1375」が運転される小海線がフリーエリアに含まれるフリーきっぷは以下のようなものがあります。(きっぷ名をクリックすると、当ブログのフリーきっぷの詳細ページに飛びます。)
- 信州ワンデーパス
- 長野県内のJR線に1日乗車可能(おとな2,680円,通年利用可能)
- 特急列車や新幹線の割引きっぷ(お先にトクだ値等)と組み合わせての利用がおすすめ
- 週末パス
- 南東北・関東甲信越地方のJR東日本と14の私鉄・三セクに週末の土日の2日間乗車可能(おとな8,800円,一部を除く週末の土日に利用可能)
- 別途、特急券を購入すると、フリーエリア内の新幹線や特急列車に乗車可能(小淵沢への「あずさ」や佐久平への北陸新幹線「あさま」にも乗車可能)
- 出発地・目的地がフリーエリアに含まれる週末1泊旅行におすすめ
このほか、季節限定になりますが、「青春18きっぷ」も利用できます。青春18きっぷについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
旅行の行程にあわせて、乗車券を購入するのか、フリーきっぷを購入するのかを使い分けるとよいと思います。
びゅう旅行商品を申し込む(2名から)
※2021年1月現在、現地発着プランのみの発売となっているようです。
「HIGH RAIL 1375」の指定席券だけでなく、乗車券、オプショナルプランなどがセットになった旅行商品が販売されています。
現在のところ、
- 日帰りプラン(「HIGH RAIL 1375」乗車区間までの往復を含む日帰りの旅行商品)
- 現地発着プラン(「HIGH RAIL 1375」の乗車駅から下車駅までの旅行商品)
の2種類のプランが用意されています。
※「日帰りプラン」は季節によって設定がない場合があります。
日帰りプランは、東京近辺や長野県内のいくつかの主要駅が発駅として設定されています。「HIGH RAIL 1375」の乗車区間は小淵沢~佐久平で、小淵沢・佐久平~発駅の間は、特急列車か北陸新幹線利用となっています。
プラン | 往路 | 復路 | 発駅 |
---|---|---|---|
新宿駅発着 | 新宿から中央本線 特急列車利用 |
佐久平から 北陸新幹線利用 |
新宿・大宮・上野 東京・立川・八王子 |
長野駅発着 | 長野から特急しなの号 松本から特急列車利用 |
佐久平から北陸新幹線 長野から特急列車利用 |
長野・松本・上諏訪 |
一方、現地発着プランは、「HIGH RAIL 1375」の乗車区間の乗車券と指定席券、オプショナルプランがセットになっています。「HIGH RAIL 1375」の乗車区間は、小淵沢~佐久平または小諸となっています。
「HIGH RAIL 1375」予約・購入方法の使い分け
以上、いろいろな購入方法がありますが、主な使い分けとしては、以下のように考えるとよいでしょう。
- 1名での旅行の場合: 指定席券のみ購入(別途、オプショナルプランの申し込みが可能)
- 自分できっぷ類をすべて手配する個人旅行の場合: 指定席券のみ購入(別途、オプショナルプランの申し込みが可能)
- 「HIGH RAIL 1375」の乗車を目的とした旅行: びゅう旅行商品の「日帰りプラン」
- 他の行き先と合わせて旅程を組む場合: びゅう旅行商品の「現地発着プラン」
びゅう旅行商品の申し込みは、JR東日本の主要駅にある「びゅうプラザ」、インターネット、電話などで受け付けています。
インターネットで予約する場合には、以下のページから、下のほうにある「HIGH RAIL 1375 日帰りプランはこちら」をクリックすると、現地発着プランが購入できます。(「日帰りプランはこちら」と書いておきながら、予約できるのは「現地発着プラン」なので、わかりづらいですが…)
なお、びゅう旅行商品は、車内での食事(ブランチやスイーツ等)がセットになっていますが、指定席券のみを購入した場合でも、あとで説明する「オプショナルプラン」だけを購入すれば、びゅう旅行商品と同等の内容になります。
「HIGH RAIL 1375」は座席のバリエーションが豊富
「HIGH RAIL 1375」は観光列車ということもあって、座席のバリエーションが豊富です。
- ペアシート(窓側を向いた2名横並びの座席)
- シングルシート(窓側を向いた1名の座席)
- BOXシート(2名×2が向かい合わせになり、間にテーブルが設置された座席)
- リクライニングシート(1名または2名の前向きの座席、特急列車や新幹線の座席と同様)
座席配置と座席種別、座席番号については、以下をご覧ください。
それぞれの座席について、詳しく紹介していきます。
1号車の様子です。左側が窓側を向いた「シングルシート」で、一人旅に最適です。座席は窓に向いて左右45℃くらい回転するので、二席並びで確保できれば二人での利用もOKです。
右側が窓側に向いた二人用の「ペアシート」。ふたり旅に最適です。なお、車端部には4人がけのボックスシートが2つあります。グループで旅行される場合にはボックスシートがよいでしょう。
2号車は、特急列車のような二人がけの座席(リクライニングシート)が並びます。座席のバリエーションが多く、販売カウンターが近い1号車がおすすめですが、2号車のリクライニングシートもゆったりしていて、座席のグレードとしては見劣りしません。私が乗車したときは、一人旅の方の利用が多かったです。
車内の様子は、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
「HIGH RAIL 1375」は「えきねっと」で座席指定が可能!
座席のバリエーションが多く、配置も複雑な「HIGH RAIL 1375」ですが、インターネット予約サービス「えきねっと」では、シートマップで座席指定ができます。
ただ、「えきねっと」のシートマップでは「HIGH RAIL 1375」の複雑な座席配置を再現できていません。
上記のプレスリリースにある座席表、または、JR東日本長野支社の「HIGH RAIL 1375」のWebサイトで希望のシートの座席番号を確認し、えきねっとのシートマップの画面で選択するようにしましょう。
窓側はどちらがおすすめ?
「HIGH RAIL 1375」は窓の大きな観光列車です。車窓を楽しむのが目的の一つであるため、できれば窓側の座席を確保したいところです。
では、窓側の座席のうち、進行方向に向かって左右どちらの座席のほうが景色がよく見えるのでしょうか?
実際に小海線に何度も乗車してみた感覚からすると、甲乙つけがたい、という感じでしょうか。ハイライトとなる小淵沢~野辺山の車窓を、「HIGH RAIL 1号」(小淵沢発小諸行き)で比較してみると、
- 西側(小諸行き 進行方向左側): 八ヶ岳、JR最高地点の記念碑(野辺山駅近く)、千曲川
- 東側(小諸行き 進行方向右側): 南アルプス、富士山、千曲川
といった具合です。実際に乗車してみた感じでは、窓が大きい車両なので、反対側の車窓も十分に眺めることができました。
ということで、どうしてもこの景色が見たい!というのがあれば別ですが、そうでないならば、前述した座席種別で選ぶのがよいのではないかと思います。
ちなみに、「HIGH RAIL 星空」では、すぐに車窓は見えなくなってしまうので、どちらでも構いません。
座席番号・座席種別と車窓の対応表
「えきねっと」で座席指定する場合や、駅の窓口で希望の座席番号を伝えるときには、以下の対応表を見て、希望の座席をメモしておくとよいでしょう。
号車 | 座席種別 | 座席番号 | 向き |
---|---|---|---|
1号車 | 1~7番 AB席 | ペアシート | 東側 |
1~7番 D席 | シングルシート | 西側 | |
8番 A~D席 | ボックスシート | 東側 | |
9番 A~D席 | ボックスシート | 西側 | |
2号車 | 1~7番 A席 |
リクライニングシート (窓側) |
東側 |
3~7番 B席 |
リクライニングシート (通路側) |
東側 | |
4~7番 C席 |
リクライニングシート (通路側) |
西側 | |
3~7番 D席 |
リクライニングシート (窓側) |
西側 |
「HIGH RAIL 1375」の目玉! 指定席券のみ確保した場合は、オプショナルプランを付けよう!
「HIGH RAIL 1375」では、事前に申し込んでおくと、車内でブランチやスイーツセットなどが提供されます。内容は列車ごとに決まっていて、
- 夏季ダイヤ(3月中旬~11月)
- HIGH RAIL 1号: 小海線 高原ブランチ(ブランチと飲み物のセット)
- HIGH RAIL 2号: 佐久の大地のスイーツ(スイーツと飲み物のセット)
- HIGH RAIL 星空: 特製弁当または特製野沢菜カツサンド(飲み物もセット)
- 冬季ダイヤ(12月~3月中旬)
- HIGH RAIL 2号: 佐久の大地のスイーツ(スイーツと飲み物のセット)
- HIGH RAIL 星空: 特製弁当または特製野沢菜カツサンド(飲み物もセット)
となっています。
前述の「びゅう旅行商品」では、これらがすでにセットになっています。
一方、指定席券のみを確保した場合でも、「オプショナルプラン」を事前に予約・購入しておくと、「びゅう旅行商品」と同じ内容のサービスが提供されます。これは、汽車旅をする人にとっては、とてもありがたいサービスです。なぜかというと、
- 青春18きっぷ+指定席券+オプショナルプラン
という組み合わせで、びゅう旅行商品と同じ内容のサービスにすることができる ためです。
オプショナルプランの申し込み方法(インターネット)
オプショナルプランを申し込む場合は、下記のサイトから、「HIGH RAIL 1375 オプショナルプラン」のバナーをクリックすれば、インターネットで購入できます。
具体的な申し込み手順は以下のとおりです。
- 事前にみどりの窓口やえきねっとで指定席券を購入しておく
- えきねっとで購入の場合は、駅の指定席券売機などで発券しておくこと
- 上記サイトからびゅう旅行商品の「オプショナルプラン」を選択、「HIGH RAIL 1375」に乗車する日付をクリック
- デフォルトで「おとな2名」で検索された結果が出てくるので、人数が異なる場合には検索条件を設定しなおしましょう
- 必要事項を入力し、クレジットカード決済で購入
- 購入後、JR東日本の指定席券売機で「バウチャー券」を発券する
インターネットで決済しただけではだめで、出発までに「バウチャー券」を発券しておく必要があります。JR東日本の駅にある指定席券売機(新幹線の指定席券などが購入できる券売機)に、決済に使ったクレジットカードを入れると発券できます。
発券期限は前日の18時まで となっていますので、忘れずに前日までに指定席券売機で受け取っておきましょう。
「HIGH RAIL 1375」予約・購入方法まとめ
以上の予約・購入方法をまとめると、以下のようになります。
購入方法 | 乗車券 | 指定席券 | オプション (食事) |
購入場所 |
---|---|---|---|---|
指定席券のみ | × | 〇 | × | みどりの窓口 えきねっと |
オプショナルプラン | × | × | 〇 | びゅうプラザ えきねっと |
旅行商品 日帰りプラン |
発着駅からの往復 | 〇 | 〇 | びゅうプラザ |
旅行商品 現地発着プラン |
小淵沢~佐久平 または小諸のみ |
〇 | 〇 | びゅうプラザ えきねっと |
さまざまな購入形態への対応はお見事!
以上、「HIGH RAIL 1375」の指定席券の予約・購入方法などを解説しました。
この「HIGH RAIL 1375」ですが、座席のバリエーションが豊富なだけでなく、購入形態がとても幅広く、いろいろな需要に対応できています。
丸ごとお任せで気軽に旅行できる「日帰りプラン」から、旅行の途中に組み込むことができる「現地発着プラン」、それに、青春18きっぷやフリーきっぷとの組み合わせでディープな乗り鉄にも対応できる「指定席券+オプショナルプラン」。よく考えられているなぁと感心してしまいました。特に、オプショナルプランの存在は、青春18きっぷで旅する乗り鉄にはとてもありがたいですね。
購入形態が幅広いぶん、どれにすべきか迷ってしまったり、購入方法が煩雑だったりするところもありますが、この記事を参考にしてもらえれば幸いです。
関連記事
2017年7月(夏季ダイヤ)の「HIGH RAIL 1号」の乗車レポートです。
車内設備については、以下の記事に写真付きでまとめています。
乗車から食事(ブランチ)の提供、下車までの様子は、以下の2つの記事をご覧ください。
www.kzlifelog.com www.kzlifelog.com
2018年1月に乗車した「HIGH RAIL 星空」の乗車レポートです。
「HIGH RAIL 1号」「HIGH RAIL 2号」「HIGH RAIL 星空」の3列車すべてに乗車し、それぞれの列車のサービスや車内の様子を比較した記事です。どれに乗ればよいか迷っている方は、ぜひご覧ください。
「HIGH RAIL 1375」を含む小海線関連の記事の目次ページです。