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【高山本線 乗車記】通勤路線、ローカル線、観光路線……さまざまな表情を見せる高山本線を冬の青春18きっぷで乗り継ぐ旅!

雪景色の高山本線の車窓 乗車レポート
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岐阜駅と富山駅を結ぶ高山本線は、飛騨高地の山間部を飛騨川に沿って走る川の路線です。全線が非電化・単線ですが、特急「ひだ」が、下呂や高山といった観光地を結んでいます。冬の青春18きっぷで、高山本線の普通列車を乗り継ぐたびに行ってきましたので、その乗車記を紹介します。また、沿線の観光スポットも紹介します。

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高山本線とは?

猪谷駅に到着した高山本線の普通列車

猪谷駅に到着した高山本線の普通列車

高山本線は、岐阜県の岐阜駅と富山県の富山駅を結ぶ路線です。岐阜~猪谷間をJR東海が、猪谷~富山間をJR西日本が運行しています。岐阜駅周辺と富山駅周辺は、各都市の通勤輸送を担っていますが、それ以外の大半はローカル輸送と観光輸送に特化した路線です。

高山本線には、普通列車のほか、名古屋・大阪~高山・飛騨古川・富山間に特急「ひだ」が運転されています。2023年現在、特急「ひだ」は1日に10往復運転されています。

高山本線は、高山以南は飛騨川に沿って、高山以北は宮川・神通川に沿って走ります。これらの川に沿って、山間部を縫うように走っているため、車窓から川を眺めることができます。

冬は、山間部を中心に雪が多いエリアでもあり、雪見鉄を楽しむことができます。

それでは、早速、高山本線の乗車記をお届けします。冬の青春18きっぷで岐阜駅から富山駅までを、途中下車しながら乗車した時の様子です。

※乗車したのは2018年1月上旬、お正月明けの平日です。列車のダイヤは当時のものですので、ご了承ください。

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【岐阜~美濃太田】早朝の高山本線は通勤ラッシュ!

午前6時半前に岐阜駅前のホテルをチェックアウトし、岐阜駅に向かいます。さすがに冷え込んでいますが、天気は悪くはなさそうです。

岐阜駅の改札で青春18きっぷに日付印を押してもらい、高架のホームへ向かいます。まだ発車まで20分近くありますが、高山本線の高山行きの列車が入線してきました。

岐阜駅で発車を待つ高山本線の普通列車

岐阜駅で発車を待つ高山本線の普通列車

高山行きの列車は、JR東海の気動車「キハ25形」の2両編成です。残念ながらロングシートの車両でした。高山本線を走るキハ25形にはクロスシートの車両もあるので、運が悪かったですね……。まあ、こればかりはやむを得ません。

岐阜駅の発車時刻は06時53分。発車時刻までに次々に通勤客や高校生が乗り込んできて、車内は立ち客も出るほどの状態に。岐阜駅から離れる方向への列車なので、通勤ラッシュとは逆方向かなと思っていたのですが、そうでもなさそうです。

岐阜駅から30分ほどで到着する美濃太田駅までは通勤ラッシュのままでしたが、美濃太田で大半が下車。残ったのは観光客や乗り鉄を楽しむ人たちだけのようです。

美濃太田は太多線、長良川鉄道線との乗換駅ですし、岐阜から太多線経由で多治見まで直通する列車も多く運転されているようですので、このあたりは通勤列車としての役割が強いようです。

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【美濃太田~高山】岐阜県内陸部を飛騨川に沿って走る!

高山本線は、美濃太田駅を出ると車内の雰囲気が一変します。先ほどまでの通勤ラッシュの混雑は嘘のように車内は空いてきます。乗客は観光客が多く、日本人の年配の方やアジア系の観光客が多いようです。ただ、驚いたのは、高校生くらいの若い乗客もそれなりに多かったこと。まだ冬休みでしょうから、友人同士やグループで高山や古川に遊びに行くのでしょうか。

美濃太田駅を発車したあと高山本線の車窓に見える飛騨川

美濃太田駅を発車したあと高山本線の車窓に見える飛騨川

美濃太田駅を出ると、車窓の右側には飛騨川が見えてきます。飛騨川は、飛騨山脈の乗鞍岳の麓から岐阜県を南西方向に流れ、美濃太田のあたりで木曽川に合流する一級河川です。高山本線は、美濃太田駅から高山駅の少し手前まで、ずっと飛騨川に沿って進みます。

次第に渓谷の様相を呈してくる高山本線から眺める飛騨川

次第に渓谷の様相を呈してくる高山本線から眺める飛騨川

このあたりは駅間が長く、次の駅まで10分~15分程度かかることも珍しくありません。飛騨川の上流のほうまでやって来たのか、このような渓谷っぽい景色も増えてきました。

飛騨川の車窓を見ながら、列車は淡々と北上していきます。

ところどころにダムがある飛騨川

ところどころにダムがある飛騨川

ところどころに小さなダムがあり、水量が多くなっています。岐阜では比較的いい天気だったのですが、内陸に入るにつれて、どんよりとした冬空になってきました。それでも、まだこのあたりには積雪はほとんどありません。

08時51分、下呂温泉の最寄り駅、下呂駅に到着。ここで大勢の観光客が乗車してきました。この列車、高山駅には10時過ぎに到着するので、下呂温泉で一泊した観光客が翌日に高山観光に向かうのにちょうどよいのでしょうね。

下呂駅を出ると雪が目立つようになってくる高山本線の車窓

下呂駅を出ると雪が目立つようになってくる高山本線の車窓

岐阜駅から下呂駅まではほとんど積雪はありませんでしたが、下呂駅から先はどんどん雪の量が増えていきます。飛騨川の河原も雪化粧しています。ようやく「雪見鉄」らしくなってきました。

高山盆地に入り一面の銀世界になる高山本線の車窓

高山盆地に入り一面の銀世界になる高山本線の車窓

美濃太田駅からずっと飛騨川に沿って走ってきましたが、終点の高山駅が近づくと、飛騨川から離れて周囲が開けてきます。高山は盆地のためか、それとも日本海側の気候のためか、雪の量もかなり多くなってきました。

高山駅に到着した高山本線の普通列車

高山駅に到着した高山本線の普通列車

その雪景色の中、10時05分、定刻通りに終点の高山駅に到着しました。岐阜駅から約3時間のロングシートの旅でした。通勤列車からローカル線、その後は観光路線として、いろいろな表情を見せる高山本線の普通列車でした。

このあと、高山の町を散策しました。「さんまち通り」と呼ばれる、江戸時代から明治時代にかけて建てられた古い町屋が並ぶ街並みが見どころです。

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【高山~飛騨古川】クロスシートの気動車で飛騨古川へ

高山駅2階のコンコースから見る高山駅構内の様子

高山駅2階のコンコースから見る高山駅構内の様子

高山の町を散策したあとは、再び普通列車に乗車して北上します。高擶駅の改札のある2階から線路を見おろすと、特急「ひだ」のキハ85系車両が留め置かれていました。名古屋(一部は大阪)~高山~富山を結ぶJR東海の特急列車ですね。

※2023年3月のダイヤ改正で、特急「ひだ」は全て新型のハイブリッド気動車「HC85系」での運転となりました。

高山駅で発車を待つ猪谷行きの普通列車

高山駅で発車を待つ猪谷行きの普通列車

このあとは、12時01分高山始発の猪谷行きの普通列車に乗車します。11時50分に改札が始まり、さっそくホームへ降りてみます。3番線に停車していたのは2両編成の列車。岐阜駅から延々と高山駅まで乗車してきたのと同じキハ25形気動車です。

転換クロスシートが並ぶ猪谷行き普通列車の車内

転換クロスシートが並ぶ猪谷行き普通列車の車内

この列車は幸いなことにクロスシートでした。しかも車内はがらがら。2時間も寒い高山市内を散策していたので体が冷え切ってしまいましたが、車内は暖房がきいていてとても暖かい。ほっと一息つくと、列車は高山駅を発車していきました。

高山駅を出発して宮川を眺めながら北上する高山本線の車窓

高山駅を出発して宮川を眺めながら北上する高山本線の車窓

車窓には宮川が見えます。高山本線は、高山駅から北側ではこの宮川に沿って進んでいきます。高山駅までの間に車窓から見えていた飛騨川は木曽川に合流して太平洋に注ぎますが、この宮川は途中で神通川に合流して日本海へと注ぎます。高山盆地の少し手前で分水嶺を超えたようです。

飛騨古川駅近くの跨線橋から眺めた飛騨古川駅の構内

飛騨古川駅近くの跨線橋から眺めた飛騨古川駅の構内

高山駅からわずか20分弱で飛騨古川駅に到着。ここで下車して、次は古川の町を散策します。

飛騨古川の街を散策したときの様子は、以下の記事をご覧ください。白壁土蔵と瀬戸川の流れが美しい岐阜の小京都とも呼ばれる街です。

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【飛騨古川~猪谷】夕暮れの高山本線を北上、閑散としたローカル線で山間の猪谷駅へ

ホームが長い飛騨古川駅

ホームが長い飛騨古川駅

古川の町を3時間ほど観光したあとは、青春18きっぷの旅を再開します。飛騨古川駅は特急停車駅なので、ホームが長いです。

16時09分発の猪谷行きの普通列車に乗り込みます。高山始発のこの列車は2両編成のロングシート。2両目に乗り込みます。高山駅からわずか20分ほどのはずですが、数少ない乗客は既に眠り込んでいる人が多く、車内は何となく気だるい雰囲気に包まれています。ロングシートの窓際に陣取ります。

宮川に沿って北上する高山本線の車窓

宮川に沿って北上する高山本線の車窓

列車は蛇行する宮川に沿って、何度もカーブしながら進みます。途中駅で乗降する人は少ないうえに、ワンマン列車の2両目からは乗降できないので、駅に停車しても車内は静まり返ったまま。

猪谷駅に到着した高山本線の普通列車

猪谷駅に到着した高山本線の普通列車

飛騨古川駅から約50分の乗車で、終点の猪谷(いのたに)駅に到着しました。ここまで乗車してきた普通列車は、このまま折り返して美濃太田行きになるようです。

すでに時刻は17時。1月上旬のこの時期は日が短く、このあたりは山に囲まれているため、すでにあたりは暗くなっています。

懐かしい雰囲気が漂う猪谷駅の駅舎

懐かしい雰囲気が漂う猪谷駅の駅舎

このあとの富山行きの列車まで少し時間があったので、改札の外に出てみます。猪谷駅の駅舎は昔ながらの懐かしい感じがします。駅の周りは閑散としているのに比べて、駅舎はかなり大きいと思いますが、この駅、無人駅です。

かつての栄華を思い起こさせる猪谷駅の広い構内

かつての栄華を思い起こさせる猪谷駅の広い構内

ホームから駅舎を見るとこんな感じです。広い構内が、かつての栄華を思い起こさせます。

この猪谷駅、かつては神岡鉄道神岡線(昔は国鉄神岡線)が分岐していた乗換駅だったのですが、残念ながら2006年に廃止されてしまいました。現在は高山本線のみの駅となっていますが、JR東海とJR西日本の境界駅です。境界駅なのに無人駅なのですね。

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【猪谷~富山】JR西日本の普通列車は閑散としたローカル線から帰宅ラッシュへ!

猪谷駅で発車を待つ富山行きのJR西日本の普通列車

猪谷駅で発車を待つ富山行きのJR西日本の普通列車

猪谷駅からは、JR西日本のキハ120形という気動車に乗車します。富山行きのこの列車は2両編成。車両の半分はロングシート、もう半分はボックスシートになっています。もちろん、ボックスシートの窓側に陣取ります。

日没で電灯の明かりだけが目立つ猪谷駅の構内

日没で電灯の明かりだけが目立つ猪谷駅の構内

17時18分に猪谷駅を発車。すっかり日が沈んでしまい真っ暗になってしまいました。駅の構内を照らす電灯のあかりだけが雪に反射しています。

猪谷駅から乗車したのは、ほぼ全員が先ほどまで乗車してきた列車に乗っていた乗り換え客。つまり、猪谷駅から乗車する人はほとんどいないのですね……。

楡原(にれはら)駅に停車中の列車からの車窓

楡原(にれはら)駅に停車中の列車からの車窓

猪谷駅の次の駅、楡原(にれはら)駅です。猪谷駅よりも人家が多そうですが、暗くてよくわかりません。

地図を見ると、猪谷駅から北側は、神通川(じんづうがわ)に沿って進みます。高山市内を流れていて、猪谷駅まで車窓に見えていた宮川は、神通川と合流しています。

車内は閑散としていて、近くのボックスに座っている高校生くらいのグループ客のしゃべり声だけが聞こえます。

こんな車内の雰囲気が一変したのは、越中八尾(えっちゅうやつお)駅に到着したときです。サラリーマンらしき人たちが一斉に乗車してきて、車内は一気に立ち客が出るほどに。ここから先は、富山市の都市圏のようで、帰宅ラッシュになっているようです。

立派な高架駅の富山駅

立派な高架駅の富山駅

その後も、途中駅からの乗降がそれなりにありつつも、車内はかなり混雑したまま、18時18分、猪谷駅からちょうど1時間で、終点、富山駅の真新しい高架ホームに到着しました。


以上、「【高山本線 乗車記】通勤路線、ローカル線、観光路線……さまざまな表情を見せる高山本線を冬の青春18きっぷで乗り継ぐ旅!」でした。普通列車を乗り継いで朝から夕方まで1日で乗車してみましたが、225kmにも及ぶ長大な路線だけあり、さまざまな表情を見せる路線でした。

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この記事を書いた人
乗り鉄歴25年!
ひさ

乗り鉄歴25年! 青春18きっぷやフリーきっぷを利用して、関東甲信越、北海道、東北によく乗り鉄に出かけます。このブログでは、これまでの乗り鉄経験を活かして、おすすめの列車や路線、青春18きっぷ活用のノウハウ、お得なきっぷの情報などを掲載しています。

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