JR西日本が発売する「北陸おでかけパス」は、北陸地方の第三セクター路線とJR西日本の路線に1日乗り放題となるフリーきっぷです。北陸新幹線の開業で北陸本線が第三セクターに移管されてしまい、青春18きっぷでは旅行しずらくなってしまったエリアですが、「北陸おでかけパス」を組み合わせればお得に移動できます。
※2020.10.12更新
- 「北陸おでかけパス」とは?
- 「北陸おでかけパス」は青春18きっぷとの組み合わせがおすすめ!
- 「北陸おでかけパス」は北陸エリアの枝線の乗りつぶしや観光にもおすすめ!
- どのくらい乗れば「北陸おでかけパス」がお得?
- 「北陸おでかけパス」は、e5489で事前購入・利用開始当日受け取りが可能!
- 「北陸おでかけパス」はどこで受け取るのがよいか?
- 【まとめ】乗り鉄にも鉄道での観光にも便利!「北陸おでかけパス」
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「北陸おでかけパス」とは?
「北陸おでかけパス」は、北陸地方のJR西日本の路線に加えて、えちごトキめき鉄道(日本海ひすいライン)、あいの風とやま鉄道全線、IRいしかわ鉄道全線に1日乗り放題となるフリーきっぷ です。
北陸新幹線の金沢延伸開業時に第三セクターに移管された3社の路線に通して乗車できるので、青春18きっぷと組み合わせると、北陸エリアの移動がお得&快適になります。
- 利用期間: 土・日・祝日(通年)
- ただし、1月2日、3日は利用不可
- 有効期間: 1日
- 発売期間: 利用開始日の1か月前から3日前まで発売
- e5489での購入は3日前まで、受け取りは利用開始日まで可能
- 発売箇所
- 北陸エリアのJR西日本の主要駅
- JR西日本のインターネット予約サービス「e5489」(受け取りはJR西日本の北陸エリアの主要駅のみ)
- フリーエリア
- JR西日本: 北陸本線(金沢~長浜),七尾線(七尾~津幡),高山本線(糸魚川~猪谷),城端線(高岡~城端),氷見線(高岡~氷見),越美北線(越前花堂~九頭竜湖),小浜線(敦賀~青郷)
- IRいしかわ鉄道: 全線(金沢~倶利伽羅)
- あいの風とやま鉄道: 全線(倶利伽羅~市振)
- えちごトキめき鉄道: 日本海ひすいライン全線(市振~直江津)
- のと鉄道: 七尾~和倉温泉
- きっぷの効力
- 上記フリーエリアの普通列車に1日乗り放題
- 特急券・ライナー券を購入すれば、フリーエリア内の在来線の特急列車・ライナー等に乗車可能
- 北陸新幹線には乗車できない
- のと鉄道「のと里山里海号」、あいの風とやま鉄道「一万三千尺物語」、えちごトキめき鉄道「えちごトキめきリゾート雪月花」には乗車できない
- おねだん: おとな 2,580円, こども 1,030円
フリーエリアは以下の図のとおりです。
「北陸おでかけパス」は青春18きっぷとの組み合わせがおすすめ!
「北陸おでかけパス」は、青春18きっぷと組み合わせるのがおすすめです。
「北陸おでかけパス」のフリーエリアには、北陸新幹線金沢延伸開業時に、JRから第三セクターに移管された直江津~金沢間がすべて含まれます。
第三セクター路線に移管されてしまいましたので、この区間では青春18きっぷが利用できません。別途、乗車券を購入する必要がありますが、直江津~金沢間の運賃は3,780円とかなり高くなっています。
土休日に限定されますが、「北陸おでかけパス」(2,580円)を利用すれば、第三セクター路線の運賃をふつうに支払うのに比べて、1,200円もお得になります。
第三セクター区間を片道乗りとおすだけでこれだけお得になるのですから、「北陸おでかけパス」がいかに格安のきっぷかがわかります。
「北陸おでかけパス」は北陸エリアの枝線の乗りつぶしや観光にもおすすめ!
「北陸おでかけパス」は、前述の旧北陸本線区間だけでなく、七尾線、城端線、氷見線、越美北線などの枝線もフリーエリアに含まれています。
これらは、JR西日本の路線ですので、青春18きっぷで乗車できます。ただ、前述の第三セクター路線と合わせて乗車するのであれば、「北陸おでかけパス」を利用したほうがよいでしょう。
青春18きっぷを利用する場合でも、北陸エリアを旅するときには、青春18きっぷを使わず、「北陸おでかけパス」だけを利用する日を設けるのもよいでしょう。
例えば、長浜や近江塩津から「北陸おでかけパス」を利用して北陸本線に乗車。前述の枝線に乗車したり、金沢や富山・高岡で観光したりしながら直江津まで移動。翌日からまた青春18きっぷの旅を再開する、というようにすれば、ほぼ青春18きっぷ1回分の値段(2,410円)で北陸エリアを移動できます。
どのくらい乗れば「北陸おでかけパス」がお得?
「北陸おでかけパス」は、北陸本線~第三セクター路線(旧北陸本線区間)の東西に細長い区間がフリーエリアになっています。北陸の主要駅はこのエリアにあります。
それでは、このエリアでどのくらい乗車すれば、「北陸おでかけパス」を購入したほうがお得になるでしょうか? 主要駅間の普通運賃と比べてみましょう。
表中のオレンジは往復利用すると「北陸おでかけパス」がお得になる区間、赤は片道利用でも「北陸おでかけパス」がお得になる区間を示します。
前述のとおり、フリーエリアの端の直江津・糸魚川~金沢は片道で元が取れます。直江津~敦賀を乗りとおすと、約3,500円もお得になりますね。
一方、金沢~富山・高岡間などの短距離では往復でも元が取れませんが、城端線や氷見線などに乗車すればお得になる可能性が高くなります。
有効期間が1日しかないことに注意しないといけませんが、「北陸おでかけパス」で元を取るのは難しくありません。鉄道を利用していくつかの観光地を巡るだけでOKです。それに、フリーきっぷですので、いちいちきっぷを購入する必要がないのもうれしいですね。
「北陸おでかけパス」は、e5489で事前購入・利用開始当日受け取りが可能!
「北陸おでかけパス」は、利用開始3日前までに購入しなくてはなりません。購入や受け取りができるのが、JR西日本の北陸エリアの主要駅に限られますので、関東や関西など、他のエリアから北陸へやってきて「北陸おでかけパス」を利用するには、ちょっとしたコツが必要になります。
ポイントは、「購入」が利用開始日の3日前までであって、「受け取り」は利用開始当日でも可能である、という点です。
具体的には、以下のようにすればOKです。
- JR西日本のインターネット予約サービス「e5489」で、利用開始日の3日前までに購入
- 利用開始当日に、北陸エリアのJR西日本の主要駅で受け取る
まず、JR西日本のインターネット予約サービス「e5489」で利用開始日の3日前までに「北陸おでかけパス」を購入しておきます。
そして、利用開始日の当日、北陸おでかけパスのフリーエリアまで移動した後、JR西日本の「e5489」の受け取りができる駅で受け取ります。
このようにすれば、他の地域から北陸へやってきて、「北陸おでかけパス」を利用することができます。
「北陸おでかけパス」はどこで受け取るのがよいか?
それでは、利用開始当日、「北陸おでかけパス」はどこで受け取るのが良いでしょうか? これは、北陸エリアへの入り方によって異なりますので、いくつかのパターンに分けて説明します。
関西方面から普通列車で移動する場合は敦賀・長浜で
大阪など関西方面から北陸へ普通列車で移動する場合には、新快速の終点となる敦賀駅や長浜駅で「北陸おでかけパス」を受け取るとよいでしょう。
普通列車で移動する際には、たいていは敦賀や長浜で北陸方面への列車に乗り換えとなります。乗り換えの際に、いったん改札を出て、「北陸おでかけパス」を受け取り、利用を開始しましょう。
なお、乗り継ぎの時間が短いと間に合わないことがあります。乗り継ぎ時間に余裕を見ておきましょう。
関西方面から特急列車で移動する場合は下車駅で
関西方面から特急列車(サンダーバードなど)で北陸へ移動する場合には、下車駅で「北陸おでかけパス」を受け取りましょう。
「北陸おでかけパス」はフリーきっぷですので、フリーエリアに入ったすぐの駅で購入したほうがお得なのですが、そのためにわざわざ特急列車を途中下車するのは現実的ではありません。
前述のとおり、金沢~直江津間の第三セクター路線を乗りとおすだけでも、「北陸おでかけパス」は十分に元が取れます。そのため、金沢駅まで特急列車で移動して、金沢駅で「北陸おでかけパス」を購入しても、その後の行程次第では十分にお得になります。
関東・東北方面から普通列車で移動する場合は糸魚川駅で
フリーエリアの東側、関東地方や東北地方から普通列車で移動すると、「北陸おでかけパス」のフリーエリアの入口は直江津駅になります。しかし、直江津駅はJR西日本の駅ではないため、「北陸おでかけパス」を購入したり受け取ったりすることができません。
フリーエリアの東側からやってくると、最初のJR西日本の駅は糸魚川駅(北陸新幹線)になります。糸魚川駅で途中下車して、「北陸おでかけパス」を受け取るようにしましょう。
フリーエリアの東端の直江津駅から糸魚川駅の運賃は900円。この分は無駄になってしまいますが、「北陸おでかけパス」はJR西日本が発売するフリーきっぷですので、仕方がないでしょう。
それでも、糸魚川~金沢の第三セクター路線の運賃(3,020円)だけで元が取れます。
関東方面から北陸新幹線で移動する場合は「北陸周遊乗車券」を利用しよう!
関東地方から北陸新幹線で北陸地方へ移動する場合には、「北陸おでかけパス」と同じフリーエリア・価格でありながら、通年利用可能で2日間有効という「北陸周遊乗車券」を利用することができます。「北陸周遊乗車券」の発売条件は以下の通りです。
- 北陸新幹線にJR東日本の「新幹線eチケット」「えきねっとトクだ値」を利用して乗車
- 東京~上越妙高間を発駅、糸魚川~金沢間を着駅とする場合のみ
- 対象区間の「新幹線eチケット」「えきねっとトクだ値」を購入したことがわかる画面プリント(印刷したもの)や、スマートフォンの画面を提示した場合に発売
「新幹線eチケット」は、JR東日本のチケットレスサービスです。「えきねっと」で予約するときに、新幹線に乗車する際に利用する交通系ICカードを指定しておけば、新幹線の改札口にそのICカードをかざすだけで乗車できます。
「北陸周遊乗車券」については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
【まとめ】乗り鉄にも鉄道での観光にも便利!「北陸おでかけパス」
「北陸おでかけパス」について紹介してきました。最後にポイントをまとめておきます。
- 「北陸おでかけパス」と青春18きっぷを組み合わせて北陸エリアの移動・乗りつぶしに!
- 北陸エリアの観光地を鉄道で巡るだけでも「北陸おでかけパス」はお得になることが多い
- 「北陸おでかけパス」は、利用開始日の3日前までに「e5489」で購入、利用開始当日に北陸エリアのJR西日本の駅で受け取ろう!
- 関東方面から北陸新幹線で北陸へ入る場合には「北陸周遊乗車券」を購入しよう!
以上、「【北陸おでかけパス】 北陸の三セク+JR西日本が1日乗り放題のフリーきっぷ! 青春18きっぷとの組み合わせがおすすめ!」でした。青春18きっぷと組み合わせて乗り鉄に活用できるフリーきっぷとしては、最も利用価値の高いものだと思います。土休日しか使えませんが、上手に行程を作って、乗り鉄の旅に活用してみてはいかがでしょうか?
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