JR西日本が発売する「北陸おでかけtabiwaパス」は、北陸地方の第三セクター路線とJR西日本の路線に、土休日の1日乗り放題となるデジタル版のフリーきっぷです。北陸新幹線の開業で北陸本線が第三セクターに移管されてしまい、青春18きっぷでは旅行しづらくなってしまったエリアですが、「北陸おでかけtabiwaパス」を組み合わせればお得に移動できます。この記事では「北陸おでかけtabiwaパス」の賢い使い方をご紹介します。
※「北陸おでかけパス」(紙のきっぷ)は2023年3月26日で発売終了となりました。詳しくはこちらをご覧ください。「北陸おでかけtabiwaパス」(デジタル版)は2023年度も継続して発売されます。
「北陸おでかけtabiwaパス」とは?
「北陸おでかけtabiwaパス」は、北陸地方のJR西日本の路線に加えて、えちごトキめき鉄道(日本海ひすいライン)、あいの風とやま鉄道全線、IRいしかわ鉄道全線に1日乗り放題となるフリーきっぷです。
北陸新幹線の金沢延伸開業時に第三セクターに移管された3社の路線に通して乗車できるので、青春18きっぷと組み合わせると、北陸エリアの移動がお得&快適になります。
「北陸おでかけtabiwaパス」の概要は以下のとおりです。
きっぷ名 | 北陸おでかけtabiwaパス |
---|---|
利用期間 | ~2024年2月25日の土日祝日 |
備考 | |
発売期間 | 利用開始日の1ヶ月前から3日前まで発売 |
有効期間 | 1日間 |
フリーエリア | 北陸本線(金沢~敦賀) 小浜線(敦賀~青郷) 越美北線(越前花堂~九頭竜湖) 七尾線(七尾~津幡) 城端線(高岡~城端) 氷見線(高岡~氷見) 高山本線(富山~猪谷) 大糸線(糸魚川~中土) IRいしかわ鉄道 全線(金沢~倶利伽羅) あいの風とやま鉄道 全線(倶利伽羅~市振) えちごトキめき鉄道 日本海ひすいライン(市振~直江津) のと鉄道 (七尾~和倉温泉) |
フリーエリア (図) | ![]() |
出典 | https://www.jr-odekake.net/navi/tabiwa/pass/hokuriku/ |
効用 | ・上記フリーエリアの普通列車に1日乗り放題 ・特急券・ライナー券を購入すれば、フリーエリア内の在来線の特急列車・ライナー等に乗車可能 ・北陸新幹線には乗車できない |
発売会社 | JR西日本 |
発売箇所 | ・tabiwa by WESTERのアプリまたはWebサイト(デジタル版「北陸おでかけtabiwaパス」) |
価格(大人) | 2,450円 |
価格(小児) | 980円 |
「北陸おでかけtabiwaパス」を購入については、"tabiwa by WESTER"のWebサイトもご確認ください。

2023年3月26日で「北陸おでかけパス」は終了! 「北陸おでかけtabiwaパス」は2023年度も発売継続へ!
これまで継続して発売されていた紙のきっぷ「北陸おでかけパス」は2023年3月26日で終了となりました。
一方、デジタル版の「北陸おでかけtabiwaパス」は、2023年度の継続発売が発表されました。
- 利用期間: 2023年4月1日(土)~2024年2月25日(日)の土日祝日
- 発売期間: 2023年3月1日(水)~2024年2月22日(木)
詳しくは、JR西日本のニュースリリースをご覧ください。

2022年12月からデジタル版「北陸おでかけtabiwaパス」がアプリ・Webサイトで購入可能に!
※紙のきっぷ「北陸おでかけパス」は2023年3月26日で発売を終了しました。
2022年12月1日から、北陸・せとうち観光ナビ「tabiwa by WESTER」内で、「北陸おでかけtabiwaパス」を購入できるようになります。
「北陸おでかけtabiwaパス」は、紙のきっぷ「北陸おでかけパス」とほぼ同等の効力のきっぷですが、以下の点が異なります。
- 北陸本線のフリーエリアが金沢~敦賀間(紙のきっぷは金沢~長浜間)
- 価格がおとな2,450円、こども980円と若干安い
- デジタル版のため受け取り不要(チケットレス)
フリーエリアがわずかに狭くなった分、価格が少し安くなっています。
そして、何といっても「受け取り不要」というのは大きなニュースです。
「北陸おでかけパス」は青春18きっぷでは乗車できない北陸エリアの第三セクター路線に乗るために便利なきっぷでしたが、受け取れる場所がJR西日本の駅に限られていました。フリーエリア東端から入る場合には、糸魚川駅で受け取る必要があり、直江津~糸魚川間は別払いとなっていました。
これが、受け取り不要のデジタル版「北陸おでかけtabiwaパス」であれば、利用開始日の3日前までにアプリ内またはWebサイトで購入しておけば、フリーエリア内のどの駅からでも利用開始ができます。直江津駅から利用開始することもできますし、JR西日本エリアの駅であったとしても、きっぷを受け取るのに途中下車する必要もなくなります。
「北陸おでかけtabiwaパス」については、以下のニュースリリースをご覧ください。
「北陸おでかけtabiwaパス」は青春18きっぷとの組み合わせがおすすめ!
「北陸おでかけtabiwaパス」は、青春18きっぷと組み合わせるのがおすすめです。
「北陸おでかけtabiwaパス」のフリーエリアには、北陸新幹線金沢延伸開業時に、JRから第三セクターに移管された直江津~金沢間がすべて含まれます。
第三セクター路線に移管されてしまいましたので、この区間では青春18きっぷが利用できません。別途、乗車券を購入する必要がありますが、直江津~金沢間の運賃は3,900円とかなり高くなっています。
利用できるのは土休日に限定されますが、「北陸おでかけtabiwaパス」(2,450円)を利用すれば、第三セクター路線の普通運賃に比べて1,450円もお得になります。
第三セクター区間を片道乗りとおすだけでこれだけお得になるのですから、「北陸おでかけtabiwaパス」がいかに格安のきっぷかがわかります。
「北陸おでかけtabiwaパス」は北陸エリアの枝線の乗りつぶしや観光にもおすすめ!
「北陸おでかけtabiwaパス」は、旧北陸本線区間だけでなく、七尾線、城端線、氷見線、越美北線などの枝線もフリーエリアに含まれています。
これらの路線はJR西日本の路線ですので、青春18きっぷで乗車できます。ただ、前述の第三セクター路線と合わせて乗車するのであれば「北陸おでかけtabiwaパス」を利用したほうがよいでしょう。
青春18きっぷを利用する旅でも、北陸エリアを旅するときには青春18きっぷを使わず、「北陸おでかけtabiwaパス」だけを利用する日を設けるのもよいでしょう。
例えば、敦賀駅から「北陸おでかけtabiwaパス」を利用して北陸本線に乗車。前述の枝線に乗車したり、金沢や富山・高岡で観光したりしながら直江津まで移動。翌日からまた青春18きっぷの旅を再開する、というようにすれば、ほぼ青春18きっぷ1回分の値段で北陸エリアを移動できるわけです。

高岡駅で発車を待つ「べるもんた51号」
北陸エリアのJR西日本の観光列車に乗車するのもおすすめです。
氷見線・城端線を走る観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」(べるもんた)には、北陸おでかけtabiwaパスに加えて、指定席券(530円)を追加すれば乗車することができます。気動車1両のみの小さな観光列車で、乗車時間も長くはありませんが、車内で寿司職人が握ったお寿司や海鮮丼をいただくことができます。
「ベル・モンターニュ・エ・メール」(べるもんた)については、以下の記事をご覧ください。

能登方面へ観光に行くのであれば、金沢~和倉温泉を結ぶ観光列車「花嫁のれん」がおすすめです。車内が煌びやかに装飾された観光列車で、事前に予約をしておけば、車内でスイーツや軽食などをいただくこともできます。
「花嫁のれん」は全車指定席の特急列車として運転されていますので、北陸おでかけtabiwaパスに指定席特急券を追加すれば乗車することができます。予約方法等については、以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

「北陸おでかけtabiwaパス」は第三セクター区間(直江津・糸魚川~金沢)の片道でもお得!
「北陸おでかけtabiwaパス」は、北陸本線~第三セクター路線(旧北陸本線区間)の東西に細長い区間がフリーエリアになっています。北陸の主要駅はこのエリアにあります。
それでは、このエリアでどのくらい乗車すれば、「北陸おでかけtabiwaパス」を購入したほうがお得になるでしょうか? 主要駅間の普通運賃と比べてみましょう。

「北陸おでかけtabiwaパス」と普通運賃の比較(2023年4月~)
表中のオレンジは往復利用すると「北陸おでかけtabiwaパス」がお得になる区間、赤は片道利用でも「北陸おでかけtabiwaパス」がお得になる区間を示します。
前述のとおり、第三セクター区間の直江津・糸魚川~金沢は片道で元が取れます。直江津~敦賀を乗りとおすと、3,700円以上もお得になります。
一方、金沢~富山・高岡間などの短距離では往復でも元が取れませんが、城端線や氷見線などに乗車すればお得になる可能性が高くなります。
有効期間が1日しかないことに注意しないといけませんが、「北陸おでかけtabiwaパス」で元を取るのは難しくありません。鉄道を利用していくつかの観光地を巡るだけでOKです。それに、フリーきっぷですので、いちいちきっぷを購入する必要がないのもうれしいですね。
受け取りが不要なチケットレス「北陸おでかけtabiwaパス」は使い勝手も抜群!

「北陸おでかけtabiwaパス」なら直江津駅から利用開始もできる!
これまで発売されていた紙のきっぷ「北陸おでかけパス」は、利用開始前に駅の窓口や指定席券売機などできっぷを受け取る必要がありましたが、完全チケットレスの「北陸おでかけtabiwaパス」はその必要がありません。特に、東側の第三セクター路線(旧北陸本線)側からフリーエリアに入ろうとすると、受け取れる最初の駅は糸魚川駅になってしまい、直江津~糸魚川間のフリーエリアを有効に活用することができませんでした。
これに対して、「北陸おでかけtabiwaパス」は、tabiwa by WESTERのアプリまたはWebサイトで、利用開始日の3日前までに購入さえしておけば、フリーエリアのどこからでも利用できます。フリーエリアに入る駅までのきっぷを別途購入しておけば、途中下車する必要もありません。
注意が必要なのは、「北陸おでかけパス」と同様に、利用開始日の3日前までに購入する必要がある点です。具体的には、以下のようにしましょう。
- 利用開始日の3日前までに、tabiwa by WESTERのアプリまたはWebサイトで「北陸おでかけtabiwaパス」を購入
- 利用開始日にアプリまたはWebサイトの画面を表示できるスマートフォンを持参して旅行へ
【まとめ】乗り鉄にも鉄道での観光にも便利!「北陸おでかけtabiwaパス」
「北陸おでかけtabiwaパス」について紹介してきました。最後にポイントをまとめておきます。
- 「北陸おでかけtabiwaパス」と青春18きっぷを組み合わせて北陸エリアの移動・乗りつぶしに!
- 北陸エリアの観光地を鉄道で巡るだけでも「北陸おでかけtabiwaパス」はお得になることが多い
- 「北陸おでかけtabiwaパス」は、利用開始日の3日前までにtabiwa by WESTERで購入しておこう!
以上、「【北陸おでかけtabiwaパス】 北陸の三セク+JR西日本が1日乗り放題のフリーきっぷ! 青春18きっぷとの組み合わせがおすすめ!」でした。青春18きっぷと組み合わせて乗り鉄に活用できる北陸エリアのフリーきっぷとしては、最も利用価値の高いものになっています。土休日しか使えませんが、上手に行程を作って、乗り鉄の旅に活用してみてはいかがでしょうか?
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JR東日本のミドル・シニア向け会員サービス「大人の休日倶楽部」会員限定ですが、首都圏から北陸への北陸新幹線往復+フリー区間に4日間乗り放題のフリーきっぷ「北陸フリーきっぷ」の紹介記事です。

コメント
「北陸おでかけtabiwaパス」は、本当に北陸を巡るためだけのフリー切符になってしまいましたね。
前身の「北陸おでかけパス(2,580円)」は琵琶湖線経由は長浜まで、湖西線経由でも近江塩津までカバーしていたので、金沢から滋賀や京都まで(日帰りで)出かけるときに実に重宝していました。
何しろ、金沢~長浜間の通常運賃3,080円より500円も安いんですから、片道でもワンコインランチが食べられるほどお金が浮きます。往復ならさらに倍。近江塩津でも若干安くなります。
しかしtabiwaパスになってからは金沢~敦賀間で2,310円なので片道だと使う意味が無くなってしまいました。
利用者にとっては改悪、しかしJR西にとってみればそんな贅沢を利用者に許す余裕もなくなったということなのでしょうね。
チケットレスの恩恵も駅に行く必要が無いこと以外は感じられません。どうせ目的地までの追加の乗車券と特急券も買うわけだし。
以上、一ユーザの感想でした。
まぬまぬさん、コメントありがとうございます。
なるほど、大阪~金沢で利用する場合は、フリーエリアの縮小はかなり痛いですね。
このtabiwaパスも、来年の北陸新幹線敦賀開業以降はどうなるかわかりませんね。フリーエリアからJR西日本の路線がほとんどなくなってしまいますし。