JR東日本は、Suica等の交通系ICカードの残額で、同社の新幹線の普通車自由席に乗車できるサービス「タッチでGo!新幹線」を実施しています。事前に乗車券や特急券を買わずに新幹線に気軽に乗れるサービスです。現在は首都圏エリアが対象ですが、2021年春にはJR東日本の新幹線全線がサービスエリアとなる予定です。
※2020.11.13更新
- Suicaでそのまま新幹線に乗車可能! 「タッチでGo!新幹線」
- 「タッチでGo!新幹線」、2021年春にはJR東日本の全新幹線がサービスエリアに!
- 「タッチでGo!新幹線」は乗車券と特急券がセットになった専用商品
- 「タッチでGo!新幹線」は在来線⇔新幹線の乗り継ぎで若干高くなることも
- 「タッチでGo!新幹線」は JRE POINT が貯まる!
- 事前予約なら指定席に乗れる「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」がお得!
Suicaでそのまま新幹線に乗車可能! 「タッチでGo!新幹線」
JR東日本は、Suica等の交通系ICカードの残額のみで新幹線の普通車自由席に乗車できる「タッチでGo!新幹線」というサービスを実施しています。チケットレスで、気軽に新幹線に乗れるサービスです。
サービスの概要は以下のとおりです。
- JR東日本の新幹線の普通車自由席に、事前に乗車券や特急券を購入せずに乗車できるサービス
- 適用される運賃・料金は、乗車券と特急券がセットになった新幹線専用商品
- 在来線との乗車券の通算はできない(在来線から新幹線に乗り継ぐ場合や、新幹線から在来線に乗り継ぐ場合は、在来線の乗車券が別途必要となる)
- 対象エリアは、以下の路線・区間の新幹線停車駅相互間(おおむね関東地方内の駅)
- 東北新幹線: 東京~那須塩原
- 上越新幹線: 東京~上毛高原
- 北陸新幹線: 東京~安中榛名
- 大宮駅での東北・上越新幹線の乗り継ぎと、高崎駅での上越・北陸新幹線の乗り継ぎは対象外
- 利用できるのは普通車自由席のみ
- 全車指定席の「はやぶさ」「はやて」「こまち」「かがやき」には乗車できない
交通系ICカードに残高があれば利用できます。最初に利用するときにだけ、利用開始登録が必要です。詳しくは、JR東日本の「タッチでGo!新幹線」のページをご覧ください。
「タッチでGo!新幹線」、2021年春にはJR東日本の全新幹線がサービスエリアに!
主に首都圏の新幹線がサービスエリアになっている「タッチでGo!新幹線」ですが、2021年春には、JR東日本の全新幹線にサービスエリアが拡大されます。
(出典)タッチでGo!新幹線 サービスエリア拡大について(JR東日本ニュースリリース 2020年11月12日 PDF)
JR東日本の全ての新幹線がサービスエリアとなりますので、首都圏内に加えて、仙台、新潟、秋田、山形、盛岡などの都市圏での利用も便利になります。
ただし、以下の場合には「タッチでGo!新幹線」を利用できませんので、要注意です。
- 盛岡駅をまたがって利用する場合
- 大宮駅で乗り継いで小山方面⇔熊谷方面を乗車する場合
- 福島駅で乗り継いで白石蔵王方面⇔米沢方面を乗車する場合
- 高崎駅で乗り継いで上毛高原方面⇔安中榛名方面を乗車する場合
- 後湯沢駅で乗り継いで浦佐方面⇔ガーラ湯沢を乗車する場合
特に、「盛岡駅をまたがって利用する場合」に「タッチでGo!新幹線」が利用できない点には注意が必要です。例えば、東京~新青森や東京~秋田は利用できないということになります。
詳しくは、JR東日本のニュースリリースをご確認ください。
「タッチでGo!新幹線」は乗車券と特急券がセットになった専用商品
「タッチでGo!新幹線」では、事前に乗車券や特急券を購入しておかなくても、Suica等の交通系ICカードに残高があれば、それで新幹線の改札を通ることができます。
このとき適用される運賃・料金は、運賃+特急料金がセットになった「タッチでGo!新幹線」の専用料金です。
具体的には、以下のようになっています。
- 所定の通常運賃+自由席特急料金の合計
ふつうに新幹線に乗車する区間のきっぷと自由席特急券を購入した場合と同じです。特に割引はありません。
「タッチでGo!新幹線」は在来線⇔新幹線の乗り継ぎで若干高くなることも
前述のように、「タッチでGo!新幹線」は、前述のように乗車券と特急券がセットになった商品となっています。つまりは、新幹線区間(乗車駅→降車駅)で完結している乗車券と特急券ということです。
注意したいのは、在来線から新幹線へ乗り継ぐ場合や、新幹線から在来線へ乗り継ぐ場合は、在来線の乗車券を別途購入する必要がある ということになります。Suicaが利用できる在来線であれば、そのままSuicaをタッチするだけでシームレスに乗り継ぎができます。ただし、乗車券の購入区間は、
- 在来線乗車駅~新幹線乗車駅(在来線の乗車券)
- 新幹線区間(「タッチでGo! 新幹線」専用商品)
- 新幹線下車駅~在来線下車駅(在来線の乗車券)
の3区間に分離されることになります。
「タッチでGo!新幹線」の専用商品の価格が、新幹線区間の乗車券+自由席特急券をふつうに購入した場合と同額ですので、在来線区間も含めた総額が、若干高くなる可能性もあります。
というのは、一般的には、
- 乗車券が長距離になるほどキロあたりの運賃が逓減する(遠距離逓減制)
- 乗車券を分離して購入した区間ごとに、初乗り料金がかかる
という仕組みになっているためです。(一部例外除く)
そのため、在来線乗車駅~在来線下車駅(上の1.~3.の区間の通しの乗車券)+新幹線の自由席特急券、という形で購入したほうが、乗車券が安くなることが多いわけです。
それほど大きな差にはならないとは思いますが、在来線と新幹線を乗り継ぐ場合には、覚えておいたほうがよいでしょう。事前にきっぷを買わなくても新幹線に乗れる利便性とのトレードオフということになります。
「タッチでGo!新幹線」は JRE POINT が貯まる!
「タッチでGo!新幹線」で利用する交通系ICカードを、JR東日本のポイントサービス「JRE POINT」に登録しておけば、「タッチでGo!新幹線」で新幹線に乗車するたびに、JRE POINTが貯まります。
- モバイルSuica: ご利用金額の2%
- カードタイプのSuica: ご利用金額の0.5%
JR東日本は、Suicaでの列車の乗車でも JRE POINT が貯まるサービスを実施していますが、「タッチでGo!新幹線」でも同じように JRE POINT が貯まるということです。
「タッチでGo!新幹線」では、数千円の利用になることが多いですので、貯まるポイントもそれだけ多くなります。
- 東京~宇都宮・高崎(4,490円)
- モバイルSuica利用: 89ポイント
- カードタイプのSuica: 22ポイント
モバイルSuicaで「タッチでGo!新幹線」を利用すると、カードタイプのSuicaの4倍もポイントが貯まります。モバイルSuicaを利用できる環境にある方は、ぜひ利用しましょう。
鉄道の乗車に関連した JRE POINT の貯め方については、以下の記事で詳しくまとめています。ぜひご覧ください。
事前予約なら指定席に乗れる「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」がお得!
「タッチでGo!新幹線」は、きっぷを事前に予約・購入しないサービスであることから、乗車できるのは普通車自由席に限られます。短距離での自由席利用ということからも、当日、急に新幹線に乗車することになったときに、気軽に乗車できるサービスを目指していると思われます。
一方で、事前に旅行することが分かっている場合には、「えきねっと」の事前購入割引サービスを利用するのがおすすめ です。指定席を確保できますし、前日までの購入で割引料金が適用される「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」といったサービスもあるからです。
一例として、東京~宇都宮の料金を比較してみます。
きっぷの種類 | 座席種別 | 料金 | 備考 |
---|---|---|---|
乗車券+自由席特急券 | 普通車自由席 | 4,490円 | |
タッチでGo!新幹線 | 普通車自由席 | 4,490円 | |
新幹線eチケット | 普通車自由席 | 4,490円 | |
新幹線eチケット | 普通車指定席 | 4,820円 | 通常期 |
えきねっとトクだ値 | 普通車指定席 | 4,090円 | 前日までに購入 なすの利用 |
お先にトクだ値 | 普通車指定席 | 3,120円 | 2週間前までに購入 なすの利用 |
「タッチでGo!新幹線」は、ふつうに乗車券+自由席特急券を購入するのと同じ価格です。「えきねっと」で予約した新幹線にチケットレスで乗車できる「新幹線eチケット」(普通車自由席)でも同じ価格です。
一方、前日までに予約すると割引を受けられる「えきねっとトクだ値」は4,090円、2週間前までに予約すると割引になる「お先にトクだ値」では3,120円と、指定席に乗車できるにもかかわらず、「タッチでGo!新幹線」よりも安くなります。
「タッチでGo!新幹線」は、当日、急に新幹線に乗る必要があるときには便利なサービスですが、事前に予定が決まっているときには、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」の利用をおすすめします。
「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」については、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
また、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」を含むJR東日本の新幹線のチケットレスサービス「新幹線eチケット」については、以下の記事をご覧ください。
以上、JR東日本が2018年4月の導入する予定の「タッチでGo!新幹線」サービスについてご紹介しました。料金的な魅力はなさそうですが、今まで以上に気軽に新幹線を利用できるようになるという意味で、画期的なサービスになりそうですね。