JR西日本のミドル・シニア向け会員サービス「おとなび」は、50歳以上で入会できます。割引きっぷやフリーきっぷなど、いろいろな特典がありますが、山陽新幹線や在来線特急列車が2割引き(「こだま」は4割引)になる「おとなびWEB早特」は使い勝手の良い割引きっぷです。この記事では、「おとなびWEB早特」の概要、購入方法の紹介に加えて、JR西日本の他の割引きっぷとも比較してみます。
「おとなびWEB早特」とは?
「おとなびWEB早特」は、JR西日本のミドル・シニア向け会員サービス「おとなび」会員専用の早期購入割引きっぷです。
「おとなび」会員の入会条件は50歳以上であることだけ!
「おとなび」の加入条件は50歳以上であること、それだけです。年会費はなんと無料! 50歳以上の方が、インターネットできっぷを予約・購入できる「J-WESTネット会員」になると、自動的に「おとなび」会員にもなることができます。
つまり、「おとなびWEB早特」を利用するには、50歳以上の方が「J-WESTネット会員」に登録するだけでよいということです。
「おとなびWEB早特」は7日前までの予約で新幹線・特急列車が2割~4割引き!
「おとなびWEB早特」は、7日前までの予約で、
- 山陽新幹線「のぞみ」や在来線の特急列車が約2割引き
- 山陽新幹線「こだま」が約4割引き
になる割引きっぷです。いずれも対象は普通車指定席のみで、自由席やグリーン席の設定はありません。
繁忙期を除く通年で利用可能!
「おとなびWEB早特」は、繁忙期を除く通年で利用可能です。
- 「おとなびWEB早特」の利用期間: 通年
- 利用不可期間: 4月27日~5月6日,8月10日~8月19日,12月28日~1月6日
ゴールデンウィーク、お盆休み、年末年始は、残念ながら利用できません。ただ、繁忙期以外はいつでも利用できます。7日前までに予約する必要があることだけ忘れないようにすれば、とても使い勝手の良い割引きっぷです。
「おとなびWEB早特」の最新情報については、JR西日本のWebサイトもご覧ください。
2022年度から「おとなびWEB早特」価格改訂、割引率が3割→2割へ
「おとなびWEB早特」は、2022年4月1日乗車分から価格が改訂されました。割引率は、以下の表のように、大幅に下がりました。
路線 | 列車 | ~2022年3月 | 2022年4月~ |
---|---|---|---|
山陽新幹線 | こだま以外 | 3割引 | 2割引 |
こだま | 6割引 | 4割引 | |
在来線 | 特急列車 | 3割引 | 2割引 |
割引率は、大半の列車で3割引から2割引へ下がります。山陽新幹線「こだま」に関しては、6割引から4割引へと下がります。
「こだま」に関しては、他に4割引になるようなきっぷはありませんので、引き続き「おとなびWEB早特」のメリットはありそうです。
一方、他の列車は2割引になり、「WEB早特」などの割引きっぷと大差がなかったり、割引率で負けてしまう区間が出てきています。乗車したい区間で、本当に「おとなびWEB早特」が一番安いのか、よく調べてから購入したほうがよさそうです。
「おとなびWEB早特」の購入方法・使い方
「おとなびWEB早特」の購入は、JR西日本のインターネット予約・購入サービス「e5489」専用です。具体的には、以下の手順で購入します。
- JR西日本のJ-WESTネット会員になっていない方は、まずJ-WESTネット会員の登録を実施(→こちらから)
- JR西日本のインターネット予約・購入サービス「e5489」でおとなびWEB早特を購入(→こちらから)
- e5489での予約・購入は乗車日の7日前まで
- JR西日本の駅の「みどりの券売機」「受取機」「みどりの窓口」できっぷを受け取る
- きっぷの受け取りは乗車日の当日(乗車時間前)まで可能
なお、クレジットカードで決済した場合には、駅できっぷを受け取るときに、決済に使用したクレジットカード、予約番号、電話番号が必要になりますので、忘れずに持参しましょう。
「e5489」での予約・購入をしたことがない方は、JR西日本の「おとなび簡単ガイド」で、購入方法が画面の画像入りで丁寧に解説されています。これで購入方法を確認にするのがおすすめです。
「おとなびWEB早特」と山陽新幹線の割引きっぷの比較
「おとなびWEB早特」は、山陽新幹線で利用するとどれくらいお得になるのでしょうか?
「おとなびWEB早特」は通常の料金に対して、「のぞみ」「みずほ」利用で2割引き、「こだま」利用で4割引きですが、山陽新幹線の他の割引きっぷとも比較してみましょう。なお、料金はいずれも通常期のものです。
山陽新幹線「のぞみ」「みずほ」利用の比較
割引きっぷ | 予約期限 | 新大阪~ 岡山 | 新大阪~ 広島 | 新大阪~ 博多 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
おとなびWEB早特 | 7日前 | 5,070円 (20%引き) | 8,490円 (20%引き) | 12,470円 (20%引き) | |
スーパー早特きっぷ | 14日前 | - | - | 11,690円 | |
EX早特 | 3日前 | - | - | 11,200円 | ※2 |
e特急券+乗車券 | 当日 | 5,610円 | 9,420円 | 13,490円 | ※1 |
EX予約 | 当日 | 5,610円 | 9,320円 | 13,490円 | ※2 |
通常料金 | 当日 | 6,350円 | 10,630円 | 15,600円 |
※1: e特急券は特急券のみの割引きっぷのため、普通運賃との合計額で比較
※2: J-WESTカード(エクスプレス)等の会員専用
「のぞみ」「みずほ」(山陽新幹線区間のみ)に乗車できる他の割引きっぷと比べると、「おとなびWEB早特」の2割引きがいかに安いかがわかります。新大阪~博多間では、「スーパー早特きっぷ」「EX早特」のほうが少し安くなります。
山陽新幹線「こだま」利用の比較
割引きっぷ | 予約期限 | 新大阪~ 岡山 | 新大阪~ 広島 | 新大阪~ 博多 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
おとなびWEB早特 | 7日前 | 3,670円 (40%引き) | 6,250円 (40%引き) | 9,160円 (40%引き) | |
こだま指定席きっぷ | 前日 | 4,600円 | 7,810円 | - | ※1 |
バリ得 (旅行商品) | 前日 | 4,100円 (33%引き) | 6,800円 (35%引き) | 8,600円 (44%引き) | |
通常料金 | 当日 | 6,140円 | 10,420円 | 15,280円 |
※1: 2名以上で発売、一部の「ひかり」も利用可能
「おとなびWEB早特」の真価を発揮するのが「こだま」利用です。4割引きの威力はすさまじく、JR西日本の他の割引きっぷでは太刀打ちできません。
唯一、「おとなびWEB早特」に対抗できそうなのが、日本旅行が販売する旅行商品「バリ得」です。山陽新幹線「こだま」の片道が、「おとなびWEB早特」に近い40%前後の割引率となっています。新大阪~博多などの長距離では、「おとなびWEB早特」よりも安い区間もあります。
旅行商品といっても、こだまに片道乗車できるきっぷとほぼ同等の使い勝手です。前日まで購入できる点は、「おとなびWEB早特」よりも有利です。一方、変更が一切できないなどの制限もあります。
「バリ得」については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

「おとなびWEB早特」と在来線特急列車の割引きっぷの比較
次に、大阪・新大阪からの在来線特急列車の割引きっぷと比較してみましょう。なお、料金はいずれも通常期のものです。
大阪~金沢(特急サンダーバード)
大阪~金沢間を特急サンダーバード(普通車指定席)で移動する場合、主な割引きっぷと比べてみましょう。
- おとなびWEB早特: 6,230円(20%引き, 7日前)
- チケットレス特急券+乗車券: 7,590円(3%引き, 当日)
- eチケットレス特急券+乗車券: 7,180円(8%引き, 当日)※J-WESTカード会員専用
- WEB早特1: 6,500円(17%引き, 前日)
おとなびWEB早特は7日前までの予約が必要ですが、割引率は20%と、他の割引きっぷよりも安くなっています。
新大阪~紀伊勝浦(特急くろしお)
新大阪~紀伊勝浦間を特急くろしお(普通車指定席)で移動する場合の比較です。
- おとなびWEB早特: 5,600円(20%引き, 7日前)
- WEB早特14: 5,600円(20%引き, 14日前)
- WEB早特7: 6,300円(10%引き, 7日前)
特急くろしお利用の場合、14日前までに購入が条件の「WEB早特14」と同じ価格ですが、おとなびWEB早特では7日前までの購入でOKです。
大阪~出雲市(山陽新幹線+特急やくも)
大阪~出雲市間を、山陽新幹線(のぞみ・みずほ)と特急やくもを乗り継いで移動する場合の比較です。
- おとなびWEB早特(のぞみ・みずほ利用): 10,250円(10%引き, 7日前)
- WEB早特14: 8,960円(21%引き, 14日前)
- WEB早特7: 10,100円(11%引き, 7日前)
この区間に関しては、「おとなびWEB早特」よりも、WEB早特7、WEB早特14のほうがお得です。
【まとめ】おとなびWEB早特
- 50歳以上で加入できる「おとなび」会員(年会費無料)専用の早期割引きっぷ
- 7日前までの予約・購入で、JR西日本の山陽新幹線・在来線特急列車の普通車指定席が2割引、山陽新幹線「こだま」は4割引
- 「こだま」利用の場合は、JR西日本が発売する他の割引きっぷよりもかなりお得! ただし、新大阪~博多の利用は、他の割引きっぷとの比較が必要
- 「こだま」以外の場合は、他の割引きっぷ(WEB早特7など)との比較が必要
以上、『【おとなびWEB早特】JR西日本の山陽新幹線や特急列車が2割引き、こだまは4割引き! おとなび会員限定の早期割引きっぷを活用しよう!』でした。7日前までの予約・購入が必要という制限はありますが、通年利用でき、たいていの新幹線や特急列車が2割引は使い勝手のよいきっぷです。
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