JR東日本から2024年も夏季(7月中旬~8月)、秋季(10月~12月)、冬季(2025年2月~3月)に「ときわ路パス」が発売されます。「ときわ路パス」は、茨城県内のJR線に加えて、魅力的な私鉄、第三セクター路線にも乗車できるフリーきっぷです。茨城県内の観光や私鉄路線の乗り歩きにいかがでしょうか?
この記事では、「ときわ路パス」の概要に加えて、「ときわ路パス」での乗車におすすめの路線・列車、沿線の観光スポットについて紹介します。
※2024年もデジタル版の「ときわ路パス」も発売されます。詳しくはこちらをご覧ください。
「ときわ路パス」とは?
「ときわ路パス」は、JR東日本が発売する1日有効のフリーきっぷです。期間中の土休日に利用することができます。
「ときわ路パス」の概要は以下のとおりです。
きっぷ名 | ときわ路パス |
---|---|
利用期間 | 夏季: 2024年7月13日(土)~9月1日(日)の土休日 秋季: 2024年10月5日(土)~12月22日(日)の土休日、11月13日(水) 冬季: 2025年2月8日(土)~3月30日(日)の土休日 ※デジタル版も同じ |
備考 | |
発売期間 | 夏季: 2024年6月13日(木)~9月1日(日) 秋季: 2024年9月5日(木)~12月22日(日) 冬季: 2025年1月8日(水)~3月30日(日) ※利用日の1ヶ月前から当日まで発売 ※デジタル版は利用当日のみ発売 |
有効期間 | 1日間 |
フリーエリア | 常磐線(取手~大津港) 水戸線(小田林~友部) 水郡線(水戸~下野宮・常陸太田) 鹿島線(鹿島サッカースタジアム~潮来) 関東鉄道(常総線・竜ケ崎線 全線) 真岡鉄道(全線) 鹿島臨海鉄道(全線) ひたちなか海浜鉄道(全線) |
フリーエリア (図) | |
出典 | https://www.jreast.co.jp/tickets/info.aspx?GoodsCd=2910 |
効用 | フリーエリア内の普通列車(快速含む)に乗り放題 特急券・グリーン券を購入すれば、特急列車やグリーン車にも乗車可能 SLもおかも整理券を購入すれば真岡鉄道の「SLもおか」に乗車可能 |
発売会社 | JR東日本 |
発売箇所 | ・紙のきっぷは、フリーエリア内のJR東日本の主な駅の指定席券売機、みどりの窓口で発売 ・デジタル版は地域・観光型 MaaS「ひたちのくに紀行」WEB サイトで発売 |
価格(大人) | 2,180円 |
価格(小児) | 550円 |
フリーエリア外でもスマートフォンで購入できるデジタル版の「ときわ路パス」も発売されます。デジタル版は大人用のみとなっています。
ご覧のとおり、茨城県内のJR線に加えて、関東鉄道、真岡鉄道、鹿島臨海鉄道、ひたちなか海浜鉄道 といった、茨城県内を中心に運行している私鉄・第三セクター路線にも乗車できるのが最大の特徴です。JR東日本が発売するフリーきっぷですが、これらの魅力的な私鉄路線を乗り歩くためにあるようなきっぷです。
デジタル版「ときわ路パス」をモバイルSuicaで発売!
2024-25年シーズンも、紙のきっぷに加えて、デジタル版の「ときわ路パス」が発売されます。デジタル版の「ときわ路パス」は、「ひたちのくに紀行」WEBサイト(スマートフォン専用サイト)で発売され、モバイルSuicaで利用します。
利用期間、有効期間、フリーきっぷとしての効力は、紙のきっぷの「ときわ路パス」と同じですが、以下の点が異なります。
- デジタル版「ときわ路パス」は利用当日のみ発売
- デジタル版「ときわ路パス」は大人用のみ発売(こども用、大人の休日倶楽部用は発売しない)
詳しくは、JR東日本のニュースリリースもご覧ください。
デジタル版「ときわ路パス」は、Suicaを利用できる駅では改札口にタッチすることで入出場ができます。Suicaを利用できない駅では、駅員や乗務員にスマートフォンの画面を見せて改札を通ります。
Suicaを利用できる区間での料金の清算は、以下のようになります。
- いったんSuicaのチャージ残額から正規運賃が差し引かれる
- 利用日の翌日末に、フリーエリア内での利用分がSuicaチャージとしてキャッシュバックされる
少しややこしい清算方法になりますが、Suicaを利用できる路線と利用できない路線がフリーエリア内に混在しているため、やむをえないでしょう。
デジタル版の一番のメリットとしては、フリーエリア外からフリーエリア内に移動する場合、いったん下車しなくても「ときわ路パス」を利用できることです。常磐線など、Suicaを利用できる路線からフリーエリア内に入る場合であれば、フリーエリア外のきっぷも必要ありませんので、この点では使い勝手が良くなります。
「ときわ路パス」で乗りたいおすすめ路線
「ときわ路パス」で乗りたいおすすめ路線を、独断と偏見で紹介してみます。
関東鉄道常総線&真岡鉄道
取手~下館を走る関東鉄道常総線と、下館~茂木を走る真岡鉄道は、合わせて乗りたい路線です。
いずれも非電化路線で、関東鉄道常総線は、東京から最も近いディーゼルカーに乗車できる路線です。東京から近いこともあり、取手側はラッシュ時には1時間に10本もの列車が走る通勤路線になっています。日中でも1時間に4本ほど運転されていますので、気軽に乗車できます。
関東鉄道常総線には、関東の駅百選に認定されている騰波ノ江(とばのえ)駅など、ローカル線の雰囲気を感じられる風情のある駅もあります。
関東鉄道常総線の乗車記は、以下の記事をご覧ください。
真岡鉄道(もおかてつどう)は、「SLもおか」で有名なSLが走る路線です。沿線には益子焼で有名な益子駅、SLが展示されている「キューロク館」がある真岡駅など、観光スポットもありますので、途中下車して散策するのにもよい路線です。
真岡鉄道「SLもおか」については、以下の記事をご覧ください。乗車記に加えて、「SLもおか」に乗車するためのSL
SL整理券の予約・購入方法なども紹介しています。
ひたちなか海浜鉄道
ひたちなか海浜鉄道は、JR常磐線の勝田駅と阿字ヶ浦駅を結ぶ全長14.3kmの非電化路線です。2008年に、それまで運行していた茨城交通から鉄道部門を切り離し、ひたちなか市も出資する第三セクター方式の「ひたちなか海浜鉄道株式会社」として再出発しました。
上の写真の那珂湊駅は、ひたちなか海浜鉄道の中心駅です。徒歩圏内に 「那珂湊おさかな市場」 があり、新鮮な海の幸をいただけるお店がたくさんあります。
終点の阿字ヶ浦駅からは、バスや徒歩で 「国営ひたち海浜公園」 にアクセスできます。広大なお花畑を有する公園で、4月中旬~ゴールデンウィークの時期に咲くネモフィラが有名ですね。
さらに、秋にはコキアの紅葉が素晴らしいです。例年10月に見ごろを迎えます。ネモフィラの時期ほど混雑はしませんので、ゆっくりと眺めることができます。
なお、「ひたちなか海浜鉄道」は以下の記事で詳しく紹介しています。沿線の観光スポットも紹介していますので、ぜひご覧ください。
鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線
鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線は、水戸~鹿島サッカースタジアム間を結ぶ非電化路線です。途中の大洗は、海水浴などの観光地として有名です。
「鹿島臨海鉄道」の名称から、鹿島灘や太平洋が車窓から見えることを期待しますが、残念ながら見えません。その代わり、霞ヶ浦や涸沼など、茨城県南部に点在する湖沼を車窓から望むことができます。高架の区間が多いため、平地に広がるのどかな農地を見渡すことができます。
列車は、JR東日本の鹿島線に一駅だけ乗り入れ、鹿島神宮駅が終点となっています。鹿島神宮へは駅から徒歩10分ほどですので、参拝するのもよいでしょう。
鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線については、以下の乗車レポートもご覧ください。
水郡線
JR東日本が発行しているフリーきっぷですので、JRの路線も最後に紹介します。
このエリアで乗りたいのは「水郡線」です。水戸~郡山を結ぶ比較的長い非電化路線ですが、この「ときわ路パス」で乗車できるのは、途中の下野宮駅までです。それでも、水戸駅から乗車すると1時間半ほどかかります。
水郡線は、久慈川という川に沿って進む川の路線 です。途中の山方宿駅あたりから、久慈川が車窓に見えるようになります。
沿線の見どころは、日本三大名瀑の一つとして有名な「袋田の滝」 です。袋田駅から路線バスで10分ほどでアクセスできます。高さはそれほどでもないですが、幅が広い滝です。夏は水量が多く迫力がありますし、秋は紅葉、冬は凍結することもあり、1年を通じて楽しめます。
袋田の滝については、以下の記事で紹介しています。袋田駅からのアクセスも紹介しています。
水郡線については、以下の記事でも紹介していますので、興味があればご覧ください。
以上、茨城県内のJR線と私鉄路線に乗車可能なフリーきっぷ「ときわ路パス」についてご紹介しました。東京から近いわりに、懐かしさを感じさせる私鉄路線が多い茨城県。そんな路線を乗り歩くのに最適なフリーきっぷですね。
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