淡い青色が特徴のネモフィラ。一年草の小さな花ですが、群生していると一面が青く染まり、この世のものとは思えない風景が広がります。そんなネモフィラを手軽に見られるのが、茨城県ひたちなか市にある「国営ひたち海浜公園」です。この記事では、ひたち海浜公園のネモフィラの様子をはじめ、公共交通機関でのアクセスやおすすめルートを紹介します。
「青い絨毯」が広がる国営ひたち海浜公園のネモフィラ
まずは、ひたち海浜公園にネモフィラを見に行ってきたときの様子をご紹介します。
2022年4月22日訪問の様子(満開/見ごろ)
2022年4月22日(金)の午後、ひたち海浜公園にネモフィラを見に行ってきました。
ネモフィラが一面に植えられている「みはらしの丘」です。ご覧のとおり、満開です。
淡い青と白のネモフィラの花が、見渡す限り咲き誇っています。一つ一つはとても小さな花ですが、これだけたくさん咲いていると壮観ですね。
「みはらしの丘」の全景です。ところどころ緑色が見えるものの、見事に咲きそろっていました。この写真を撮影したのは16時半頃。閉園時間の30分前です。15時ちょっと前に到着しましたが、その時にはもう少し人が多かったです。
4月22日(金)の混雑状況をまとめておきます。
- 勝田駅からの臨時バス(ひたち海浜公園西口に直行)は空いていて、空席がある状態(14時20分頃に乗車)
- 西口(翼のゲート)は、人は多いものの、入園券の購入や入場の待ち時間はなし
- ネモフィラが咲く「みはらしの丘」も、人は多いものの、自由に歩ける状況で、写真撮影も問題なし
「みはらしの丘」は、混雑すると、道を一方通行にするそうですが、このときは、そのような措置はなされておらず、自由に歩くことができました。
2018年4月の訪問の様子(7分咲き)
2018年4月13日にひたち海浜公園へ行ってきましたので、早速、ネモフィラの様子をご紹介します。
ネモフィラが450万本も植えられている「みはらしの丘」の様子です。青い絨毯のように、ネモフィラの花が丘一面に広がっています。
写り込んでいる観光客の大きさからわかりますが、かなり広いエリアなので、実際にここに行くと、ホントに周り一面がネモフィラの花に囲まれていて、別の世界に来てしまったかのような感覚に陥ります。
ネモフィラは、北アメリカ原産の一年草です。和名は「瑠璃唐草(るりからくさ)」です。
草丈は10~20センチほど、春に2センチ程度の花を咲かせます。ひたち海浜公園に植えられているのは「インシグニスブルー」という品種で、その名の通り、澄んだ青色が特徴です。
ただ、すべての花の色が同じかというと、そうでもないようです。上の写真のように、花びらが鮮やかな青色のものもあれば、淡いものもあります。写真中央のように、花びらまで白色のものも、ところどころで見かけました。
ネモフィラは花が小さいので、花の形がわかるように写しつつ、一面に広がっている様子を表現しようとすると、結構難しいですね。思いっきり寄って撮るしかなさそうです。
ちょうど晴れて空が澄んでいたので、空の青色との対比を写すのも面白いですね。
みはらしの丘の頂上からは、太平洋を望むことができます。頂上の少し手前からは、ネモフィラ、太平洋、そして、空という三つの青色をいっぺんに写し取ることができました。
みはらしの丘の頂上付近から。ネモフィラを中心に見学したり写真撮影したりするのであれば、見おろすよりも、見上げるほうが見栄えがするでしょう。
ひたち海浜公園では菜の花・スイセンも同じ時期に見ごろに!
ネモフィラの見ごろの時期には、みはらしの丘のふもと付近の葉の花も見ごろです。鮮やかな黄色の菜の花と、淡いブルーのネモフィラを一緒に撮るのもよいかもしれませんね。
西口・翼ゲートを入ってすぐのところにある「スイセンガーデン」にあるスイセンも見ごろを迎えています。一部の品種では見ごろを過ぎたものもありましたが、まだまだ元気に咲いているスイセンもたくさんあります。
西口ゲートからみはらしの丘を目指す場合には、スイセンガーデンを見ながら行くのがおすすめです。
2023年のネモフィラの見ごろの時期は?
ひたち海浜公園のネモフィラは、例年4月上旬に開花し始め、ゴールデンウィーク前に満開の見ごろとなります。
ただ、ここ最近は暖冬や春先の気温が高めに推移していることもあり、見ごろがやや早まり、4月20日前後には満開になっているようです。
以下のひたち海浜公園のWebサイトで、ネモフィラの開花予想を公開しています。
これによると、2023年は4月8日頃に「見頃(7分咲き)」、4月15日頃に「見頃」を迎える予想となっています。(2023年3月29日現在)
- 4月 8日~14日頃: 見頃(7分咲き)
- 4月15日~22日頃: 見頃
- 4月23日~30日頃: 見頃(後半)
2023年はここ数年よりさらに早く、ゴールデンウィークに入ったころには「見頃(後半)」あるいは「見頃過ぎ」になりそうです。4月中旬頃に見に行くのが良さそうです。
ネモフィラの時期の国営ひたち海浜公園へのアクセスは?
国営ひたち海浜公園への公共交通機関でのアクセスをご紹介します。最もスタンダードなアクセス方法は、JR勝田駅前からの路線バスまたはシャトルバスです。
都心から勝田駅へはJR常磐線の特急「ひたち」「ときわ」がおすすめ!
都心から国営ひたち海浜公園の玄関口となる勝田駅へは、常磐線の特急「ひたち」「ときわ」でのアクセスがおすすめです。
特急「ひたち」「ときわ」は、品川駅・東京駅・上野駅から出ています(一部の列車は上野駅始発)。30分に1本走っていますので、利用しやすい列車です。
所要時間は、以下のとおりです。
- 品川~勝田: 「ひたち」約85分、「ときわ」約95分
- 上野~勝田: 「ひたち」約70分、「ときわ」約80分
運賃・料金は「ひたち」「ときわ」ともに同じで、以下のようになっています。
乗車券 | 特急券 | 合計 | |
---|---|---|---|
品川・東京・上野 ~勝田 | 2,310円 | 1,580円 | 3,890円 |
特急「ひたち」「ときわ」には、列車・席数・区間限定ですが、特急料金が割引になる「えきねっとトクだ値(チケットレス特急券)」が設定されています。
- えきねっとトクだ値(チケットレス特急券)
- 購入期限: 出発時刻まで
- おねだん: 品川・東京・上野~勝田 1,020円(35%引き)
「えきねっとトクだ値(チケットレス特急券)」については、いくつか制限があります。詳しくは、以下の記事をご覧ください。

【臨時】特急「青の絶景ネモフィラ号」運転!
国営ひたち海浜公園のネモフィラの見ごろにあわせて、首都圏各地から勝田駅まで、臨時特急「青の絶景ネモフィラ号」が運転されます。
- 特急「青の絶景ネモフィラ号」
- 1号: 蘇我 08:15発 → 勝田 10:16着(運転日: 4月15日,16日)
- 2号: 勝田 16:24発 → 蘇我 18:24着(運転日: 4月15日,16日)
- 3号: 八王子 07:50発 → 勝田 10:16着(運転日: 4月22日,23日)
- 4号: 勝田 16:07発 → 八王子 18:33着(運転日: 4月22日,23日)
- 5号: 大船 08:15発 → 勝田 10:26着(運転日: 4月29日,30日)
- 6号: 勝田 16:24発 → 大船 18:27着(運転日: 4月29日,30日)
- 7号: 大宮 08:16発 → 勝田 10:08着(運転日: 5月3日,4日)
- 8号: 勝田 16:52発 → 大宮 18:47着(運転日: 5月3日,4日)
首都圏各地から常磐線の勝田駅まで、乗り換えなしで直通する特急列車です。いずれもE653系7両編成で運転されます。全車指定席ですので、「青の絶景ネモフィラ号」を利用したい方は、えきねっと等で指定席特急券を購入しておきましょう。
ネモフィラが咲くみはらしの丘へは「西口・翼のゲート」か「海浜口・風のゲート」から
ひたち海浜公園は広大な敷地面積を誇る公園です。徒歩で歩けないほどではありませんが、それでも端から端まで歩くと30分以上はかかります。ですので、どの入口から入るかが重要です。
ネモフィラが咲く「みはらしの丘」に近い入口は、「西口・翼のゲート」と「海浜口・風のゲート」 です。
勝田駅から路線バスまたはシャトルバス
鉄道(JR常磐線)の最寄り駅は勝田駅です。勝田駅は水戸駅の次の駅です。特急「ひたち」を利用すれば、上野から約70分、品川から約85分です。
勝田駅からは、東口2番乗り場のバス停から出ている茨城交通の路線バス「海浜公園西口行き」に乗車 します。勝田駅から約20分、終点の「海浜公園西口」の停留所は「西口・翼ゲート」のすぐ前です。西口ゲートからみはらしの丘までは、約950メートル、徒歩12分ほどです。
※2023年の情報に更新しました
ネモフィラの見頃の時期には、途中の停留所には停車しない臨時直行バスも運転されます。
- 【期間限定】勝田駅→ひたち海浜公園 直行バス
- 運行期間: 2023年4月8日(土)~5月7日(日)
- 運行区間: 勝田駅東口 → ひたち海浜公園「西口」
詳しくは、茨城交通のWebサイトをご確認ください。

往復ともに勝田駅~海浜公園西口の路線バスを利用する場合には、「勝田駅〜海浜公園1日フリーきっぷ」がお得 です。
- 勝田駅~海浜公園1日フリーきっぷ
- 大人 790円、小児 400円
- 国営ひたち海浜公園入園券付 勝田駅~海浜公園1日フリーきっぷ(4月8日~5月5日)
- 大人 1,330円、シルバー 1,250円
- 国営ひたち海浜公園入園券付 勝田駅~海浜公園1日フリーきっぷ(上記以外)
- 大人 1,080円、シルバー 1,000円
勝田駅~海浜公園西口の路線バスの運賃は片道400円(往復800円)、ひたち海浜公園の入場料(ネモフィラの時期)は大人700円で、通常はあわせて1,500円となります。これがネモフィラの見ごろ期間中でも大人1,330円になるのですからお得です。
茨城交通の路線バスは「いばっピ」という独自のICカード以外は利用できません。Suica等の交通系ICカードは利用できないので、現金で支払うことになります。それも面倒なので、上記のフリーきっぷを勝田駅で購入しておくのが良いでしょう。
詳しくは、茨城交通のWebサイトをご確認ください。

ひたちなか海浜鉄道+無料バス「ネモフィラシャトルバス」
ひたち海浜公園への鉄道の最寄り駅は、ひたちなか海浜鉄道の終点、阿字ヶ浦(あじがうら)駅です。
ひたちなか海浜鉄道は、勝田~阿字ヶ浦を結ぶ路線です。1時間に1~2本と本数は多くないですが、1両のディーゼルカーがコトコト走る姿は郷愁を誘います。鉄道好きの方にはおすすめです。勝田~阿字ヶ浦間は30分弱です。
阿字ヶ浦駅からひたち海浜公園までは、ネモフィラの見ごろの期間に限り、無料のシャトルバス「ネモフィラシャトルバス」が運行されています。阿字ヶ浦駅に午前9時台~午後17時台に発着するすべての列車に接続して運行されています。
この「ネモフィラシャトルバス」の利点は、ネモフィラが咲くみはらしの丘に最も近い「海浜口・風のゲート」に到着すること です。海浜口のゲートからみはらしの丘までは、約700メートル、徒歩9分です。さらに、路線バスの停留所や大きな駐車場がある西口ゲートとは異なり、比較的空いています。
- 【期間限定】ネモフィラシャトルバス(無料)
- 運行期間: 2023年4月8日(土),9日(日),15日(土)~5月7日(日),13日(土),14日(日)
- 運行区間: 阿字ケ浦駅~国営ひたち海浜公園海浜口間(約10分)
- 運行時間: ひたちなか海浜鉄道湊線列車の発着にあわせて午前9時~午後5時の間に運行
詳しくは、ひたちなか海浜鉄道のお知らせをご確認ください。

コミュニティバス「スマイルあおぞらバス」の那珂湊コース
本数は多くないですが、ひたちなか市のコミュニティバス「スマイルあおぞらバス」の那珂湊コースでのアクセスも可能です。前述の「ネモフィラシャトルバス」が運行されていない期間は、「スマイルあおぞらバス」を利用するとよいでしょう。
ひたちなか海浜鉄道の終点、阿字ヶ浦駅で乗車することが可能です。
2023年のダイヤですと、以下の乗り継ぎが可能です。
【勝田駅 → ひたちなか海浜公園】(午前~午後早い時間の乗り継ぎ、土休日ダイヤ)
- 勝田駅 08:08発 → 阿字ヶ浦駅 08:37着/08:43発 → 海浜公園西口 08:53着
- 勝田駅 09:32発 → 阿字ヶ浦駅 10:00着/10:12発 → 海浜公園西口 10:24着
- 勝田駅 11:17発 → 阿字ヶ浦駅 11:45着/11:45発 → 海浜公園西口 11:55着
- 勝田駅 12:40発 → 阿字ヶ浦駅 13:08着/13:11発 → 海浜公園西口 13:23着
【ひたちなか海浜公園 → 勝田駅】(午後の乗り継ぎ、土休日ダイヤ)
- 海浜公園西口 13:23発 → 阿字ヶ浦駅 13:39着/13:57発 → 勝田駅 14:26着
- 海浜公園西口 14:49発 → 阿字ヶ浦駅 15:05着/15:14発 → 勝田駅 15:44着
- 海浜公園西口 16:12発 → 阿字ヶ浦駅 16:29着/16:36発 → 勝田駅 17:05着
また、スマイルあおぞらバスは、那珂湊にある「那珂湊おさかな市場」にも寄りますので、ひたち海浜公園からおさかな市場へのアクセスにも利用できます。
「那珂湊おさかな市場」は、その名の通り魚市場です。新鮮な魚介類や加工品を購入できるほか、とれたての魚の料理が食べられるお店が何軒もあります。
ひたち海浜公園の訪問とあわせて、ぜひ寄りたいところです。
以上、ひたち海浜公園にネモフィラを見に行こうという話題でした。青い花が一面に咲きほこる様子を眺められるところは多くありません。この機会に、ぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。
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国営ひたち海浜公園は、春のネモフィラだけでなく、秋のコキアでも有名です。コキアについては、以下の記事もご覧ください。

ひたちなか海浜鉄道の乗車記は以下の記事をご覧ください。沿線の観光スポットも紹介しています。

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