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【えちごトキめき鉄道 乗車記】気動車と電車を乗り継ぐ三セクの旅、日本海の車窓と二本木駅のスイッチバックが見どころ!

乗車レポート
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2015年にJR東日本・西日本から経営分離されて第三セクター鉄道として新たなスタートを切った「えちごトキめき鉄道」。日本海の車窓を楽しめる旧北陸本線区間の「日本海ひすいライン」と、上越の田園風景から山間部へと分け入っていく「妙高はねうまライン」の2路線です。そして、二本木駅のスイッチバックも健在! この対照的な2路線の車窓を中心に乗車記をお届けします。

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「えちごトキめき鉄道」とは?

えちごトキめき鉄道は、新潟県や上越市、糸魚川市、妙高市などが出資する第三セクターの鉄道会社です。北陸新幹線の金沢延伸開業時に、並行在来線としてJRから経営分離される路線のうち、新潟県内の区間を引き受けるために設立されました。

JRから経営移管された路線は以下の2路線です。

  • 日本海ひすいライン(市振~直江津): 旧北陸本線(JR西日本から経営移管)
  • 妙高はねうまライン(直江津~妙高高原): 旧信越本線(JR東日本から経営移管)

えちごトキめき鉄道は、北陸新幹線の並行在来線の経営を引き継ぐ富山県の「あいの風とやま鉄道」、石川県の「IRいしかわ鉄道」と同時期に設立されました。これら2社が、富山や金沢などの県都を中心とした通勤通学輸送の需要が大きいのに対して、えちごトキめき鉄道の沿線にはあまり大きな街がありません。

そのため、経営的には同時期に設立された3社の中では最も厳しく、2020年3月に約30%もの運賃値上げを実施しています。

そんなえちごトキめき鉄道は地味なイメージがありますが、日本海や妙高の山々といった車窓や、二本木駅のスイッチバックなど、乗り鉄としてはなかなか見どころの多い路線でもあります。

以下では、それぞれの路線の車窓を、乗車記風にご紹介していきます。写真は、2018年1月、2020年7月に撮影したものが混在しています。

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日本海の車窓が美しい「日本海ひすいライン」(市振~糸魚川~直江津)

「日本海ひすいライン」はその路線名称のとおり、日本海の海岸線に沿って走ります。

市振(いちぶり)駅という聞きなれない駅が起点となっていますが、ここが新潟県内の最西端の駅だからです。この駅から西側は富山県になるので、「あいの風とやま鉄道」の路線になります。

ただし、市振駅は無人駅のため、運転系統上は二つほど西側にある泊(とまり)駅で、あいの風とやま鉄道とえちごトキめき鉄道の列車が接続しています。

泊駅での縦列停車で乗り換え

富山方面から「あいの風とやま鉄道」の列車で東へ向かうと、前述のとおり、泊駅が終点となります。

泊駅でのあいの風とやま鉄道とえちごトキめき鉄道の乗り換えは同一ホーム
泊駅でのあいの風とやま鉄道とえちごトキめき鉄道の乗り換えは同一ホーム

泊駅では、「あいの風とやま鉄道」の列車から、「えちごトキめき鉄道」の列車への乗り換えがしやすいように、同じホームに少し間隔をあけて縦列停車します。階段を上り下りする必要がないのでありがたいですね。

えちごトキめき鉄道「日本海ひすいライン」の車両は気動車
えちごトキめき鉄道「日本海ひすいライン」の車両は気動車

えちごトキめき鉄道「日本海ひすいライン」の列車は、電車ではなくディーゼルエンジンで走る気動車(ディーゼルカー)です。

「日本海ひすいライン」は旧北陸本線。北陸本線といえば、日本海縦貫線を形成する日本海側の大動脈で、もちろん電化されています。現在も、貨物列車は電気機関車が牽引しています。

ところが「日本海ひすいライン」の区間は、糸魚川より西側が交流電化、東側が直流電化となっていて、電化方式が異なります。この区間を電車で走るためには、交流電化と直流電化の両方に対応した「交直流電車」という車両が必要になります。また、「日本海ひすいライン」の区間は、前述のとおり、乗客がとても少ない区間でもあります。交直流電車の新造コストや、電化設備の維持費などを考慮した結果、この区間では1両の気動車で運行することになったわけです。

えちごトキめき鉄道「日本海ひすいライン」の車内は転換クロスシートが並ぶ
えちごトキめき鉄道「日本海ひすいライン」の車内は転換クロスシートが並ぶ

という能書きはともかく、早速乗車してみましょう。コスト削減のために気動車での運転となったわけですが、車内には転換クロスシート(向きが変わる前向きのシート)が並び、普通列車としては乗り心地はなかなかです。車窓を眺めるにはぴったりのシートですね。

えちごトキめき鉄道の気動車は「ET122形」という車両で、JR西日本のキハ122形をベースに製造されたそうです。ただ、JR西日本のキハ122形は、主に中国地方で活躍しているため、北陸地方では目新しい車両に見えます。

泊~糸魚川間は日本海の車窓がすばらしい!

泊~糸魚川間は日本海の車窓が素晴らしい
泊~糸魚川間は日本海の車窓が素晴らしい

泊駅は少し内陸に入ったところにありますが、泊駅を出発するとすぐに進行方向左側に日本海が見えてきます。

この写真は1月に撮影したものです。たまたま晴れ間が見えてきましたが、雲底の低い雪雲は冬の日本海らしいですね。

国道より海側を走る区間では車窓いっぱいに日本海が広がります
国道より海側を走る区間では車窓いっぱいに日本海が広がります

日本海ひすいラインの線路と国道8号線が並行していますが、ところどころで線路が国道の海側へ出る場所があり、日本海の本当にすぐ近くを走ります。車窓いっぱいに日本海の風景が広がります。

やがて市街地へと入っていくと、「日本海ひすいライン」の主要駅、糸魚川駅です。

糸魚川駅の長大ホームにちょこんと停車する「日本海ひすいライン」の気動車

糸魚川駅は、かつての北陸本線の起点駅。そして、松本方面へつながる大糸線の乗換駅でもあります。

大糸線の乗車記については、以下の記事をご覧ください。姫川がつくる渓谷に沿って走る風光明媚な路線です。

さて、ここからは2020年7月に乗車したときの乗車記をもとにお届けします。

大糸線で糸魚川駅に出てから、直江津行きの「日本海ひすいライン」に乗車します。

糸魚川駅の長いホームの端っこに停車中の直江津行き普通列車
糸魚川駅の長いホームの端っこに停車中の直江津行き普通列車

糸魚川駅のホームの端っこ、橋上にある改札口への階段のすぐ近くに、単行の気動車が停車しました。

糸魚川駅の長いホームは、かつて特急街道だった頃の名残
糸魚川駅の長いホームは、かつて特急街道だった頃の名残

その向こうにはまだこんなに長いホームが。

北陸新幹線金沢延伸開業前までは、多くの特急列車が行き来していたホーム。都市間輸送の役割を新幹線に譲り、現在、このホームにやってくる旅客列車は、えちごトキめき鉄道の1両の気動車がほとんどで、一部、あいの風とやま鉄道へ直通する電車があるくらいです。

有間川~谷浜間では日本海のすぐ近くを走ります
有間川~谷浜間では日本海のすぐ近くを走ります

糸魚川から直江津の間は、市振~糸魚川間に比べると、海岸線から少し離れたところを走ります。そのため、日本海を眺められる区間はそれほど多くありません。それでも、有間川~谷浜間では、こんな景色を眺めることもできます。

この区間は長いトンネルが多く、中でも全長11km以上にも及ぶ頸城トンネルが有名です。トンネル内にはもぐら駅として有名な「筒石駅」もあります。

この日は7月下旬の4連休。大糸線に接続する列車を見送り、糸魚川始発の直江津行きに乗車したせいか、乗客はかなり少なかったです。途中から数名乗車するも、多くの座席が空いたまま、直江津駅に到着しました。

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田園風景と妙高の山々が車窓を彩る「妙高はねうまライン」(直江津~妙高高原)

直江津からは、旧信越本線区間を走る「妙高はねうまライン」に乗り換えます。

この地図でわかるとおり、妙高はねうまラインは、日本海側の街、直江津から妙高高原まで、ほぼ直線的に南側へ進みます。

前半は高田平野(頸城平野)の田園地帯を、後半は妙高山をはじめとする山岳区間を走ります。

直江津駅で気動車から電車へ乗り換え

えちごトキめき鉄道「妙高はねうまライン」はET127形電車が走ります
えちごトキめき鉄道「妙高はねうまライン」はET127形電車が走ります

直江津では7分の乗り換え時間で、「妙高はねうまライン」の妙高高原行き普通列車に乗り換えです。

先ほどまで乗車してきた日本海ひすいラインとは異なり、妙高はねうまラインの車両は「電車」です。どこかで見たことのある車両ですが、2015年の信越本線の経営分離時に、JR東日本から引き継いだものです。新潟地区で活躍している元E127系で、えちごトキめき鉄道に移管後は「ET127形」と呼ばれています。

えちごトキめき鉄道「妙高はねうまライン」ET127形電車はロングシート
えちごトキめき鉄道「妙高はねうまライン」ET127形電車はロングシート

残念ながら?車内はロングシート。景色を眺めるには向いていない車両です。

車窓は市街地から田園風景へ

座席の2割程度の乗客を乗せて、直江津駅を発車。

春日山、高田、南高田と各駅に停車していきますが、降りる人が多く、ただでさえ少ない乗客がどんどん減っていきます。

市街地から次第に田園風景へ、新幹線の高架が近づいてくると上越妙高駅
市街地から次第に田園風景へ、新幹線の高架が近づいてくると上越妙高駅

北陸新幹線の乗換駅、上越妙高駅あたりまでくると車窓はすっかり田園風景に。新潟の米どころいえば、広大な新潟平野や、魚沼丘陵が有名ですが、この上越地方の高田平野もなかなかの田園風景です。

北陸新幹線の高架橋が近づいてくると、上越妙高駅に到着です。意外にも、あまり乗降はありません。

北陸新幹線開業前は「脇野田駅」という駅名でしたが、乗降客数は1日平均120~130人。現在は、北陸新幹線と妙高はねうまラインをあわせて3000人近くになっていますが、大部分が北陸新幹線乗り継ぎのようですね。

時代を感じさせる新井駅、長いホームは健在
時代を感じさせる新井駅、長いホームは健在

新井駅に到着。現在も一部の特急「しらゆき」(新井・上越妙高~新潟)が発着する特急停車駅です。古さは否めませんが、往年の「本線」の長いホームは健在です。

そして、新井駅までで大半の乗客が下車。2両編成の電車に、筆者を含めて、乗客は5名となってしまいました。

スイッチバックが健在の二本木駅へ

新井駅を出ると山間部へ、最大25‰の勾配を登っていきます
新井駅を出ると山間部へ、最大25‰の勾配を登っていきます

新井駅を出ると、次第に山間部へと入っていきます。そこまで山の中へ入っていく感じではありませんが、勾配はかなりのもので、どんどん登っていくのがわかります。

そして、街が見えてくると、現在もスイッチバックが健在の二本木(にほんぎ)駅へ。

二本木駅は、直江津方面から駅に入る際に、いったん引き上げ線に入り、その後、バックして二本木駅のホームへと入っていきます。

引き上げ線に入って停車してから、バック開始までは約20秒。ワンマン運転ですが、運転士は反対側の運転台に移動することはなく、窓から顔を出して、後方を確認しながら低速でバックするようです。

今では珍しくなったスイッチバック。妙高はねうまラインでは健在です。

終点の妙高高原駅に到着、隣のホームにはしなの鉄道北しなの線の長野行きが停車中
終点の妙高高原駅に到着、隣のホームにはしなの鉄道北しなの線の長野行きが停車中

関山駅に停車して、終点の妙高高原駅に到着。梅雨明け前の夕方ですから、駅は静まり返っていました。このあと、隣に停車していたしなの鉄道北しなの線の普通列車に乗り換えて、長野へ向かいました。

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青春18きっぷ旅でえちごトキめき鉄道の乗車におすすめの「トキ鉄18きっぷ」

今回は、青春18きっぷの旅の途中で、えちごトキめき鉄道に乗車しました。

えちごトキめき鉄道は、2020年3月に約30%もの運賃値上げを実施していて、JRに比べるとかなり運賃が高いのですが、青春18きっぷの旅で利用する際には「トキ鉄18きっぷ」を利用できます。

当日有効な(その日のスタンプが押してある)青春18きっぷを提示すると、その日に限り、えちごトキめき鉄道全線に乗り降り自由となるフリーきっぷです。価格は1,000円ですので、今回のように、糸魚川~直江津~妙高高原(運賃1,780円)の片道に乗るだけでも、十分にお得です。

詳しくは、以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。


以上、「【えちごトキめき鉄道 乗車記】気動車と電車を乗り継ぐ三セクの旅、日本海の車窓と二本木駅のスイッチバックが見どころ!」でした。第三セクター路線ということで青春18きっぷの旅では避けられがちですが、日本海の車窓やスイッチバックなど、見どころも多くありますので、ぜひ乗車してみてください。

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当ブログに掲載している、観光列車、SL列車、風光明媚なローカル線などの乗車記の目次ページです。どの記事も、車窓の写真を多めに掲載していますので、ぜひご覧ください。

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この記事を書いた人
乗り鉄歴25年!
ひさ

乗り鉄歴25年! 青春18きっぷやフリーきっぷを利用して、関東甲信越、北海道、東北によく乗り鉄に出かけます。このブログでは、これまでの乗り鉄経験を活かして、おすすめの列車や路線、青春18きっぷ活用のノウハウ、お得なきっぷの情報などを掲載しています。

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