JR東日本は、新しい観光列車「ひなび」(陽旅)が2023年冬にデビューすると発表しました。リゾートあすなろを改造した観光列車で、1号車はボックスシート主体、2号車はリクライニングシートとなります。青森県内、岩手県内の各線区を運行するとしています。
北東北の新たな観光列車「ひなび」(陽旅)、2023年冬にデビュー!
JR東日本盛岡支社は、新しい観光列車「ひなび」(陽旅)が2023年冬にデビューすると発表しました。
概要は以下のとおりです。
- 2023年冬頃に運行開始予定
- ディーゼルハイブリッド車両「リゾートあすなろ」を改造した2両編成の列車
- 1号車はボックスシート中心(4人用、2人用、1人用)で定員25名、2号車はリクライニングシート中心で定員34名
- 指定席料金、車内サービスは別途発表予定
詳しくは、JR東日本盛岡支社のニュースリリースをご覧ください。
「リゾートあすなろ」を改造した「ひなび」、外装と1号車の座席改装がメイン
今回発表された新しい観光列車「ひなび」は、「リゾートあすなろ」を改造した観光列車です。「リゾートあすなろ」はHB-E300系というディーゼルハイブリッド車両で、現在は2両編成が2編成あります。おそらく、2編成のうちの片方を「ひなび」に改造するのではないかと思います。

新しい観光列車「ひなび」(陽旅)のエクステリアイメージ
(出典)北東北に新しい観光列車「ひなび」がデビューします(JR東日本盛岡支社ニュースリリース 2022年11月22日 PDF)
ニュースリリースに掲載されているイラストを見ると、エクステリア(外装)が白地に赤いラインに変更されているのが目立ちます。いわゆる「盛岡色」といわれている配色です。赤いラインは「紐」に見立てたもので、「梅結び」がデザインされています。

新しい観光列車「ひなび」(陽旅)の車内レイアウト
(出典)北東北に新しい観光列車「ひなび」がデビューします(JR東日本盛岡支社ニュースリリース 2022年11月22日 PDF)
車内レイアウトは、1号車が大きく変更されています。「リゾートあすなろ」は2両ともリクライニングシートでしたが、「ひなび」の1号車はボックスシートを中心とした座席になっています。4人掛けが3つ、2人掛けが5つに加えて、1人用のカウンター席が3席設けられています。
一方、2号車はリクライニングシートのままで、座席数も「リゾートあすなろ」の34席から変更はありません。
列車の定員は、リゾートあすなろの78名から59名に減ってしまいますが、その分、ゆったりとした旅を楽しめることになりそうです。
青森県・岩手県の路線を中心に運行、「SL銀河」後継の役割も?
新しい観光列車「ひなび」は、青森県、岩手県の路線を中心に運行するとされています。これまで「リゾートあすなろ」が主に運行されてきた線区がまず候補かと思います。
- 大湊線(リゾートあすなろ下北)
- 津軽線(リゾートあすなろ竜飛)
- 山田線(さんりくトレイン宮古)
ここ数年は「リゾートあすなろ下北」と「さんりくトレイン宮古」での運転が多いようです。上記の定番路線以外にも、北東北のあちこちで臨時列車として運転されています。
一方、釜石線で運行されていたSL列車「SL銀河」が、2023年春で運行終了となります。後継の観光列車は今のところ発表されていませんが、今回発表された「ひなび」が運転される可能性もありそうです。
また、2020年に「リゾートうみねこ」が引退して以来、代替となる観光列車がない八戸線も候補になるかもしれません。レストラン列車「TOHOKU EMOTION」が定期的に運転されていますが、もっと気軽に乗れる観光列車という点で「ひなび」が運転されてもよいと思います。
どこか一つの線区で集中的に運転されるのか、あちこちの線区で季節や時期を変えて運転されるのか。どの路線で運転されるのか、楽しみですね。
JR東日本の観光列車にとってひさびさに明るいニュース
2000年代にいろいろな線区で運転され始め、2010年代前半にはものすごい勢いで増えてきたJR東日本の観光列車ですが、ここ数年は減る一方です。
- SL銀河(2023年春 運転終了予定)
- とれいゆつばさ(2022年3月運転終了)
- いろは(2022年3月運転終了)
- リゾートみのり(2020年6月運転終了)
- リゾートうみねこ(2020年3月運転終了)
- きらきらうえつ(2019年9月運転終了)
ここ3年ほどで、これだけの観光列車が運転終了となっています。後継となる観光列車があるのは「きらきらうえつ」くらいでしょうか。また、485系改造の「リゾートやまどり」「華」も2022年内で引退という話が聞こえてきます。
このような状況ですので、既存の観光列車の改造とはいえ、新しい観光列車のデビューはひさびさに明るいニュースです。
以上、『JR東日本の新たな観光列車「ひなび」(陽旅)が2023年冬にデビュー! リゾートあすなろ改造の2両編成で青森・岩手の線区で運転へ!』でした。新しい観光列車のデビューというひさびさに明るいニュース。北東北のどの路線でどんな活躍を見せてくれるのか、今から楽しみですね。
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