JR東日本は、新しい観光列車「ひなび」(陽旅)が2023年12月23日にデビューすると発表しました。リゾートあすなろを改造した観光列車で、1号車はボックスシート主体、2号車はリクライニングシートとなります。青森県内、岩手県内の各線区を運行するとしています。
※デビュー日が2023年12月23日に決まりました(2023年9月27日追記)
※車両概要と料金が発表されました(2023年9月7日追記)
北東北の新たな観光列車「ひなび」(陽旅)、2023年12月23日にデビュー!
JR東日本盛岡支社は、新しい観光列車「ひなび」(陽旅)が2023年12月23日にデビューすると発表しました。
概要は以下のとおりです。
- 2023年12月23日(土)に運行開始
- 運行エリアは主に岩手県・青森県の各線区
- ディーゼルハイブリッド車両「リゾートあすなろ」を改造した2両編成の列車
- 1号車はボックスシート中心(4人用、2人用、1人用)で定員25名、2号車はリクライニングシート中心で定員34名
- 1号車はグリーン車指定席、2号車は普通車指定席として発売 →詳しくはこちら
詳しくは、JR東日本盛岡支社のニュースリリースをご覧ください。
観光列車「ひなび」は2023年12月23日にデビュー! デビューに先立ち試乗会も実施!
JR東日本は、2023年9月27日、観光列車「ひなび」のデビュー日が2023年12月23日(土)になると発表しました。デビュー日となる12月23日は、東北本線・釜石線で旅行商品専用の団体列車として運行する予定となっています。旅行商品の詳細や申し込み方法は別途発表される予定です。
- デビュー日: 2023年12月23日(土)
- 運行路線: 東北本線・釜石線
- 運行形態: 旅行商品専用の団体列車
また、デビューに先立ち、岩手県、青森県の路線で試乗会が実施されます。
岩手県の試乗会は、東北本線・釜石線の盛岡~花巻~遠野~釜石間で実施されます。
- 岩手県の試乗会
- 実施日: 2023年11月25日(土)
- 運転区間: 東北本線 盛岡~花巻/釜石線 花巻~釜石
- 募集区間: 盛岡→花巻、花巻→遠野、遠野→釜石、釜石→遠野、遠野→花巻、花巻→盛岡
- 募集人数: 各回40名、合計240名
青森県の試乗会は、青い森鉄道・大湊線の青森~野辺地~下北間で実施されます。
- 青森県の試乗会
- 実施日: 2023年12月2日(土)
- 運転区間: 青い森鉄道 青森~野辺地/大湊線 野辺地~下北
- 募集区間: 青森→野辺地、野辺地→下北、下北→野辺地、野辺地→青森
- 募集人数: 各回40名、合計160名
試乗会で運転される区間が、今後「ひなび」が運転される路線・区間のベースとなるのではないかと思います。そういった意味でも注目ですね。
「ひなび」のデビュー日と試乗会については、以下のニュースリリースをご確認下さい。
「リゾートあすなろ」を改造した「ひなび」、外装と1号車の座席改装がメイン
今回発表された新しい観光列車「ひなび」は、「リゾートあすなろ」を改造した観光列車です。「リゾートあすなろ」はHB-E300系というディーゼルハイブリッド車両で、現在は2両編成が2編成あります。おそらく、2編成のうちの片方を「ひなび」に改造するのではないかと思います。

新しい観光列車「ひなび」(陽旅)のエクステリアイメージ
(出典)北東北に新しい観光列車「ひなび」がデビューします(JR東日本盛岡支社ニュースリリース 2022年11月22日 PDF)
ニュースリリースに掲載されているイラストを見ると、エクステリア(外装)が白地に赤いラインに変更されているのが目立ちます。いわゆる「盛岡色」といわれている配色です。赤いラインは「紐」に見立てたもので、「梅結び」がデザインされています。

新しい観光列車「ひなび」(陽旅)の車内レイアウト
(出典)北東北に新しい観光列車「ひなび」がデビューします(JR東日本盛岡支社ニュースリリース 2022年11月22日 PDF)
車内レイアウトは、1号車が大きく変更されています。「リゾートあすなろ」は2両ともリクライニングシートでしたが、「ひなび」の1号車はボックスシートを中心とした座席になっています。4人掛けが3つ、2人掛けが5つに加えて、1人用のカウンター席が3席設けられています。
一方、2号車はリクライニングシートのままで、座席数も「リゾートあすなろ」の34席から変更はありません。
列車の定員は、リゾートあすなろの78名から59名に減ってしまいますが、その分、ゆったりとした旅を楽しめることになりそうです。
「ひなび(陽旅)」、1号車はグリーン車、2号車は普通車指定席として発売!
2023年9月7日、「ひなび(陽旅)」の車両概要と料金が発表されました。
座席配置や座席数は既報のとおりですが、「ひなび(陽旅)」の乗車に必要な料金が発表されました。
- 1号車 グリーン車指定席
- 150kmまで: 2,000円
- 151km以上: 3,000円
- 2号車 普通車指定席
- 指定席料金: 通年840円
4人掛けボックスシート(12席)、2人掛けボックスシート(10席)、1人掛けシート(3席)を備えた1号車は、グリーン車指定席として発売されます。グリーン料金は距離に応じて、2,000円~3,000円です。
一方、リクライニングシート(34席)が並ぶ2号車は、普通車指定席として発売されます。指定席料金は、JR東日本の他の「のってたのしい列車」と同じ840円です。
「ひなび(陽旅)」の列車種別にもよりますが、これまでの「のってたのしい列車」と同じく快速列車として運転されるのであれば、1号車の普通車指定席には、青春18きっぷや北海道&東日本パスで乗車することができそうです。一方、2号車はグリーン車指定席となりますので、青春18きっぷでの乗車はできません。
「ひなび(陽旅)」の車両概要と料金については、JR東日本のニュースリリースをご覧ください。
青森県・岩手県の路線を中心に運行、「SL銀河」後継の役割も?
新しい観光列車「ひなび」は、青森県、岩手県の路線を中心に運行するとされています。これまで「リゾートあすなろ」が主に運行されてきた線区がまず候補かと思います。
- 大湊線(リゾートあすなろ下北)
- 津軽線(リゾートあすなろ竜飛)
- 山田線(さんりくトレイン宮古)
ここ数年は「リゾートあすなろ下北」と「さんりくトレイン宮古」での運転が多いようです。上記の定番路線以外にも、北東北のあちこちで臨時列車として運転されています。
一方、釜石線で運行されていたSL列車「SL銀河」が、2023年春で運行終了となります。後継の観光列車は今のところ発表されていませんが、今回発表された「ひなび」が運転される可能性もありそうです。
また、2020年に「リゾートうみねこ」が引退して以来、代替となる観光列車がない八戸線も候補になるかもしれません。レストラン列車「TOHOKU EMOTION」が定期的に運転されていますが、もっと気軽に乗れる観光列車という点で「ひなび」が運転されてもよいと思います。
どこか一つの線区で集中的に運転されるのか、あちこちの線区で季節や時期を変えて運転されるのか。どの路線で運転されるのか、楽しみですね。
JR東日本の観光列車にとってひさびさに明るいニュース
2000年代にいろいろな線区で運転され始め、2010年代前半にはものすごい勢いで増えてきたJR東日本の観光列車ですが、ここ数年は減る一方です。
- SL銀河(2023年春 運転終了予定)
- とれいゆつばさ(2022年3月運転終了)
- いろは(2022年3月運転終了)
- リゾートみのり(2020年6月運転終了)
- リゾートうみねこ(2020年3月運転終了)
- きらきらうえつ(2019年9月運転終了)
ここ3年ほどで、これだけの観光列車が運転終了となっています。後継となる観光列車があるのは「きらきらうえつ」(→「海里」)くらいでしょうか。
このような状況ですので、既存の観光列車の改造とはいえ、新しい観光列車のデビューはひさびさに明るいニュースです。
以上、『JR東日本の新たな観光列車「ひなび」(陽旅)が2023年冬にデビュー! リゾートあすなろ改造の2両編成で青森・岩手の線区で運転へ!』でした。新しい観光列車のデビューというひさびさに明るいニュース。北東北のどの路線でどんな活躍を見せてくれるのか、今から楽しみですね。
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