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【予土線 乗車記】 清流、四万十川に沿う川の絶景路線を、海洋堂ホビートレイン「かっぱうようよ号」で往く!

乗車レポート

四国の南西部、愛媛県の宇和島駅と、高知県の窪川駅を結ぶのが予土線です。清流、四万十川に沿って走る川の路線で、車窓からは存分に美しい四万十川の流れを楽しむことができます。JR四国の中でもかなりのローカル線ですが、その車窓はピカイチです。

今回、宇和島から窪川まで、予土線を走る海洋堂ホビートレイン「かっぱうようよ号」に乗車してきましたので、乗車記をお届けします。

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予土線とは?

予土線(よどせん)は、北宇和島駅~若井駅を結ぶ全長76.3kmのJR四国の路線です。全線が非電化単線で、特急列車は運転されておらず、普通列車が1~2時間に1本運転されているローカル線です。

予土線は、運行上は、宇和島駅~窪川駅間で運転されていますが、両端の宇和島~北宇和島間は予讃線、若井~窪川間は土佐くろしお鉄道中村線となっています。

予土線には「しまんとグリーンライン」の愛称があり、その愛称のとおり、四万十川の流れに沿って走ります。そのため、車窓からは四万十川を眺めることができます。特に、江川崎~土佐大正間では、蛇行する四万十川を何度も渡りながら進み、四万十川よりも一段高いところを走るため、四万十川の流れを存分に楽しめます。

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予土線 海洋堂ホビートレイン「かっぱうようよ号」

予土線には普通列車しか走っていませんが、少し変わった車両で運行される普通列車があります。

「予土線3兄弟」と名付けられた、観光向けの車両です。

  • 「しまんトロッコ」: 貨車を改造した本格的な(?)トロッコ車両、週末を中心に運行
  • 「海洋堂ホビートレイン」: 「かっぱの世界」をコンセプトにした車両(キハ32形の改造車)
  • 「鉄道ホビートレイン」: 初代新幹線0系をイメージした車両(キハ32形の改造車)

今回乗車した普通列車は、「海洋堂ホビートレイン」でした。

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予土線3兄弟の次男、かっぱがコンセプトの「海洋堂ホビートレイン」

塗装からしてド派手な「海洋堂ホビートレイン」。フィギュアメーカーの海洋堂が四万十町で運営している「海洋堂ホビー館四万十」とコラボしたものです。

2016年にリニューアルされた三代目のコンセプトは「かっぱの世界」。「かっぱうようよ号」と名付けられた車両には、かっぱを模したかわいらしい(?)キャラクターが、それこそうようよと描かれています。

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予土線「海洋堂ホビートレイン」の車内はグリーンとレッドの鮮やかなインテリア

コンセプトカラーのグリーンとレッドに彩られたロングシートやカーテン、それに、床面に描かれたかっぱのキャラクターが特徴的です。

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かっぱのフィギュアやジオラマが収められたガラスケース

車内の一角には、かっぱのジオラマや、フィギュアメーカーの海洋堂らしく、公募したフィギュア作品がガラスケースに入れられて展示されていました。

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「海洋堂ホビートレイン」の特等席

そのガラスケースのすぐ横に、2体のかっぱに囲まれて座ることができる特等席があります。空いていれば、普通に座ることができます。

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予土線(宇和島→窪川) 乗車記

それでは、早速、予土線に乗ってみましょう。

この日は、松山から出発、途中、下灘駅に寄り道をして、伊予市から特急宇和海5号で宇和島に到着しました。

海洋堂ホビートレイン「かっぱうようよ号」に乗車

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宇和島駅で発車を待つ予土線「海洋堂ホビートレイン」

宇和海5号からの乗り換え時間は9分。駅舎側の1番線に到着した宇和海5号から、ホームの端を周って3番線へ。すでに予土線の普通列車「かっぱうようよ号」が停車していました。

ガラガラなのかな、と思っていましたが、青春18きっぷシーズンということもあり、沿線の利用客に加えて、青春18きっぷ利用者と思われる旅行者もそれなりに乗っていました。

それでも、単行の気動車で、座席が半分埋まるか埋まらないかの乗車率で、9時39分、宇和島駅を発車します。

田園風景が広がる旧宇和島鉄道区間

宇和島駅を出発すると、先ほど特急宇和海5号でやってきた線路を少し戻るような形で北へ進みます。一つ目の北宇和島までは、予讃線と線路を共用しているのですね。

北宇和島駅で宇和島行きの普通列車と交換して、いよいよ正式に予土線の区間へ。途端に、山の中へと分け入っていきます。時速30km/hも出ていないのではなかろうかというほど、ゆったりとした速度で、曲がりくねった線路を慎重に進んでいきます。

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山の中の曲がりくねった区間を抜けると田園風景が広がります

次の務田(むでん)駅を出ると、少し視界が開けて、田園風景が広がるようになります。

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田園風景の中に三間川をときおり見ることができます

このあたりから、車窓にはところどころで川が見えるようになってきます。三間川(みまがわ)、少し下流に行くと、広見川(ひろみがわ)となりますが、いずれも、四万十川の支流です。

しばらくは、三間川や広見川に沿って開けた田園地帯を進んでいきます。

10時28分に吉野生(よしのぶ)駅に到着。北宇和島から吉野生駅の間は、宇和島鉄道という軽便鉄道が前身です。かつては762mmという狭い幅のレールを使っていました。古い鉄道ですので、線形が悪く、カーブがかなり多いために、あまりスピードを出すことはできません。

貴重なトイレ休憩! 江川崎駅で5分停車

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広見川を渡ると、まもなく江川崎

広見川を渡ってしばらく川沿いに進むと、10時45分、予土線の沿線では比較的大きな駅、江川崎(えかわさき)駅に到着します。

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トイレがないJR四国の普通列車では、行き違い待ちは貴重なトイレ休憩!

江川崎駅では、行き違い待ちのために5分間の停車時間があります。

JR四国の普通列車には、トイレがついていない車両が多く、予土線の普通列車も同様です。ですので、5分とはいえ、貴重なトイレ休憩。

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インパクト抜群! 0系新幹線を模した「鉄道ホビートレイン」と行き違い

トイレを済ませて列車に戻ると、反対方向からやってきたのは、新幹線0系電車を模した「鉄道ホビートレイン」でした。この江川崎駅で、こちらの「海洋堂ホビートレイン」と、ホビートレイン同士で行き違いをするのですね。

四万十川の車窓が美しい絶景区間へ!

江川崎を出発すると、いよいよ予土線の車窓のハイライト、四万十川の絶景区間に入ります。

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広見川と四万十川の合流地点の近くを渡ります

江川崎を出てすぐに広見川を渡ります。この橋のすぐ下流で、広見川は四万十川の本流に合流します。

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ブルーの川面がとてつもなく美しい清流、四万十川

次の半家(はげ)駅の少し先にある橋で四万十川を渡ります。青い川面が美しい四万十川。これぞ清流です。道路の橋の先に、四万十川ではあちこちに見られる、欄干のない橋「沈下橋」も写っていました。

ここから先、30分弱に渡って、四万十川の清流を眺めながらの予土線の旅が続きます。

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とにかく美しい四万十川 列車からも水が透き通っていることがよくわかります

それにしても、美しい川です。列車の中からでもよくわかるほど水は透き通っています。

川に沿う鉄道路線はたくさんありますが、川の美しさという意味では、この四万十川に沿って走る予土線がNo.1と言っても良いでしょうね。

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四万十川の川岸の長閑な風景も見どころの一つ

水がきれいなだけでなく、川岸の長閑な風景もいいですね。

残念なのは、江川崎~窪川間は、列車の速度が速いこと。この区間は1974年の開業と比較的新しく、宇和島~江川崎間に比べると、トンネルや橋梁が多く、線路も直線的に敷かれています。そのため、本当に同じ路線を走る同じ列車かと思うほどに飛ばしていきます。

もう少しゆっくり走ってくれれば、と思いますが、鉄道の使命を考えれば、それは贅沢というものですね。

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宇和島から2時間の旅で終点の窪川に到着

土佐くろしお鉄道 中村線との分岐のある川奥信号場を過ぎ、境界駅となる若井駅を出ると、まもなく終点の窪川駅に到着しました。

宇和島から2時間ちょっとの旅でしたが、前半の長閑な田園風景、それに、後半の清流、四万十川の車窓など、車窓を眺めているだけで、2時間があっという間に過ぎていった印象です。それだけ、素晴らしい車窓だったということでしょう。


以上、『【予土線 乗車記】 清流、四万十川に沿う川の絶景路線を、海洋堂ホビートレイン「かっぱうようよ号」で往く!』でした。これまでたくさん乗車してきた車窓に川が見える路線の中でも、1,2を争うほどの美しい車窓の路線です。四国を鉄道で旅する際には、ぜひ乗車してみてください。

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当ブログで紹介している観光列車や絶景路線の乗車記の目次ページです。他の路線の乗車記も写真をたくさん入れて紹介していますので、ぜひご覧ください。

乗車レポート汽車旅汽車旅-JR四国
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この記事を書いた人
乗り鉄歴25年!
ひさ

乗り鉄歴25年! 青春18きっぷやフリーきっぷを利用して、関東甲信越、北海道、東北によく乗り鉄に出かけます。このブログでは、これまでの乗り鉄経験を活かして、おすすめの列車や路線、青春18きっぷ活用のノウハウ、お得なきっぷの情報などを掲載しています。

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コメント

  1. miyajit より:

     こんばんは。 
     予土線の旅、読ませていただきました。乗ったことはありませんが、とても興味深い路線です。ひさ様がおっしゃっている「海洋堂ホビートレイン」の他に「鉄道ホビートレイン」もあって、豊富ですね。海洋堂ホビートレインもかっぱがいてなかなか面白そうでしたが、新幹線0系を模した鉄道ホビートレインも興味があります。
     それにしても、四万十川は美しいですね。ゆったりと旅行したいです。広見川に架かる線路の写真が素晴らしいです。旅行する気持ちになれます。
     予土線は、トイレが付いていないのが、致命的ですね。予土線自体本数が極めて少ないですので、トイレをしたくなったら、我慢しなければならないのは、かなりの苦行なのではないでしょうか。楽しめる路線であるのに厳しいところではあります。
     JR四国は、観光のみを目的とするなら、かなり不便ですが、車窓はとても最高ですね。去年、特急南風に乗りましたが、あの山間の中走る独特な揺れ、また体験したいです。
     ありがとうございます。

  2. kzlife より:

    みやじさん、コメントありがとうございます。
    予土線を走っているのは、古い気動車を改造した車両ですが、JR四国はお金をかけずに旅を楽しめる工夫をしていますね。
    四万十川は本当に水がきれいですし、流域の景色も良いので、車窓を求めて鉄道に乗るのであれば、予土線はおすすめです。
    トイレがないのは残念ですね。1時間程度ならともかく、2時間となると、トイレの心配をしなくてはいけなくなりますし。
    JR四国は安いフリーきっぷが多いので、思う存分、鉄道を使った旅行ができますね。

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