ひさの乗り鉄ブログ

青春18きっぷの話題をはじめ、観光列車や風光明媚な路線の乗車記などを思うままに綴っていく乗り鉄ブログです。

鉄道遺産の宝庫「アプトの道」散策記、横川駅から丸山変電所、めがね橋を経て旧熊ノ平駅まで!


かつて、横川~軽井沢間で碓氷峠を超えていた信越本線。その旧線跡の一部が「アプトの道」として整備され、遊歩道になっています。横川駅からめがね橋(碓氷第三橋梁)を経て、旧熊ノ平駅までの約6kmをハイキングしてきましたので、その様子を写真とともにご紹介します。

「アプトの道」とは?

「アプトの道」は、旧信越本線 横川~軽井沢間の旧線跡の一部(横川駅~旧熊ノ平駅間)を遊歩道として整備したハイキングコースです。


横川駅から旧熊ノ平駅まで、おおむね国道18号線(旧道)に沿っていますが、横川駅~峠の湯間は、国道からは少し離れています。後半の峠の湯~旧熊ノ平駅間では、あちこちで国道18号線(旧道)を見おろすことができます。

「アプトの道」は信越本線の旧線跡

前述のとおり、「アプトの道」は、信越本線の旧線跡を整備したものです。

信越本線の横川~軽井沢間(旧線)は、1893年に開業しました。この区間は、2本のレールの間に「ラックレール」と呼ばれる3本目のレールを敷設し、機関車側の歯車と噛み合わせて急勾配を登る「アプト式」という方式が採用されました。

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鉄道文化むらに保存されているEF63形電気機関車

その後、1963年に、旧線の少し北側に新線が開業しました。新線ではアプト式を採用せず、通常の鉄輪で急勾配を登る粘着式が採用されました。ただし、最大66.7パーミル(1000メートル進む間に、高さ方向に66.7メートル上る)という急勾配に対応するため、この区間を通過する列車には、「EF63形」という補助電気機関車が連結されました。

横川駅では、この補助機関車を連結するために数分の停車時間があり、その間に「峠の釜めし」を乗客に販売して、人気駅弁になったことは有名な話です。

1997年、北陸新幹線(当時は長野新幹線)の高崎~長野間が開業するとともに、信越本線の横川~軽井沢間は廃止。今では、旧線、新線ともに廃線となっています。

「アプトの道」は、その旧線跡を整備し、2001年に横川駅~めがね橋間が、2012年には旧熊ノ平駅までの合計約6kmが、遊歩道として完成しました。

「アプトの道」散策記(横川駅~碓氷関所跡~アプトの道入口)

それでは、「アプトの道」の散策記をお届けします。

「アプトの道」起点の看板からスタート!

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高崎から30分ちょっとで終点の横川駅に到着

自宅から高崎線、信越本線と乗り継いで、午前9時23分に横川駅に到着しました。

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横川駅の駅舎 名物駅弁「峠の釜めし」のお店もすぐ近くに

横川駅の駅舎です。すぐ右横には駅そば屋、左側には「峠の釜めし」で有名な「おぎのや」の店舗もあります。

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「アプトの道」起点に建っている案内看板

横川駅の改札を出て左側、バス停の横を抜け、鉄道文化むらの入口近くに行くと、「アプトの道」の起点となる看板がありました(地図①)。ここから、いよいよアプトの道のハイキングがスタートです!

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安中市観光機構(観光案内所)で駅からハイキングの受付を!

ですが、その前に、「安中市観光機構」(地図②)に寄り道。いわゆる観光案内所です。ここで、JR東日本が開催している「駅からハイキング」の受け付けをしておきました。

安中藩管理の東門が保存されている「碓氷関所跡」

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「碓氷関所跡」(横川駅から徒歩5分ほど)

「アプトの道」を本格的に登り始める前に、横川駅から徒歩5分ほどのところにある「碓氷関所跡」に立ち寄ります(地図③)。

碓氷関所は、箱根や木曽福島の関所と並んで重要な関所の一つとされていました。碓氷関所は、東門を安中藩が、西門を幕府が管理していたそうです。

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碓氷関所の東門(安中藩管理)が復元されています

現在、保存されているのは、安中藩が管理していた東門のほうです。門の脇にある柵の部分をのぞいて、当時の門がそのまま残されているそうです。

碓氷関所跡にいらっしゃったボランティアの方の説明によると、明治2年に全国の関所が廃止されたときに、当時、比較的新しかった安中藩管理の門を保存することになったそうです。関所の門を壊すように命じた明治政府から怒られないよう、分解した門の材料を隠しておき、その後、当時の文化遺産として、現在の位置に復元されたとのことです。

すぐ近くで当時の関所の門を見学できますが、柵の部分に比べて、門本体を構成する木材は古く、時代を感じさせるものでした。

ちなみに、現在の碓氷関所跡の位置は、東門と西門のちょうど中間あたりとのことです。

新線跡に沿って「アプトの道」散策開始

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「アプトの道」いよいよスタート!

碓氷関所跡を後にし、旧中山道が線路跡をくぐる前に左へ入ると「アプトの道」に合流します。ここから先は、アプトの道に沿って、かつて「横軽」と呼ばれた碓氷峠の線路跡を歩いていきます。(地図④)

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信越本線の新線跡に沿って緩い坂を上ります

横川駅から峠の湯までの約2.6kmは、信越本線の新線跡に沿って進みます。左側の線路は、横川駅に隣接する「碓氷峠鉄道文化むら」(ぶんかむら駅)と、峠の湯(とうげのゆ駅)を結ぶトロッコ列車「峠のシェルパ君」が走っている線路です。

この線路、1997年まで信越本線の列車が走っていた線路そのものです。下り線(横川→軽井沢方向)の線路をそのまま活用しています。上り線は、写真右側の遊歩道になっている道に、そのまま埋められています。

ちなみに、「峠のシェルパ君」は、正式な鉄道ではなく、「碓氷峠鉄道文化むら」の園内遊具です。そのため、乗車するには「碓氷峠鉄道文化むら」の入園券も合わせて購入する必要があります。そもそも、ぶんかむら駅は「碓氷峠鉄道文化むら」の中にあります。

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一直線に登っていく線路

最初のカーブを曲がると、一直線の線路が続きます。写真ではわかりませんが、緩い上り坂になっています。錆びついた架線柱も、信越本線時代のものでしょう。

上り坂ではありますが、たいした勾配ではないので、かつての「横軽」を思い出しながら、興味深くも快適なハイキングができます。

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上信越自動車道の橋梁をくぐります

真っすぐな線路に沿って「アプトの道」を歩いていくと、大きなコンクリート製の橋があります。上信越自動車道です。

役割を終えた廃線跡と、現在の大動脈の高速道路。地べたを這ってのぼる鉄道と、直線的な橋梁やトンネルで山々を貫く高速道路。この対比が何とも言えません。

「アプトの道」散策記(旧丸山変電所~峠の湯)

線路に沿って真っすぐな遊歩道を歩いていくと、旧丸山変電所が見えてきました。

煉瓦造りの鉄道遺産「旧丸山変電所」

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直線が終わると「旧丸山変電所」の煉瓦造りの建物が見えてきます

碓氷関所跡から約1.3km、徒歩で約25分くらいで、右側に「旧丸山変電所」が見えてきます(地図⑤)。鉄道遺産が多い「アプトの道」の中でも、見どころの一つです。

「旧丸山変電所」は、明治45年に完成した変電所で、旧線を走行していた鉄道に電力を供給するための施設でした。いずれも煉瓦造りの2棟の建物からなり、一つは機械室、もう一つは蓄電池室として利用されていました。

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変流器・変圧器等が設置されていた機械室

こちらが機械室。軽井沢寄りの建物です。内部には、回転変流機と変圧器があり、交流の電源を、直流660ボルトに変換していたそうです。

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蓄電池がたくさん収められていた蓄電池室

こちらが横川寄りにある蓄電池室。蓄電池がたくさん設置され、列車が通らないときに充電しておき、列車がやってくると放電して、列車が登坂するときの電力を補っていたそうです。

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10月上旬のこの時期はコスモスが満開!

蓄電池室の建物の横にはコスモスのお花畑があり、10月上旬のこの時期、ちょうど満開でした。コスモスの淡い色が、煉瓦の色とマッチして、素敵な風景でした。

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横川側から列車が!

旧丸山変電所を見学したり、写真を撮ったりしていると、横川側から列車が登ってくるのが見えました。前述の「峠のシェルパ君」です。

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ぶんかむら駅からやってきたトロッコ列車「峠のシェルパ君」!

旧丸山変電所の前には「まるやま駅」があり、鉄道文化むらの「ぶんかむら駅」からやってきた峠のシェルパ君は、この「まるやま駅」に停車します。客扱い(乗車・下車)はしないようですが、短い停車時間の間に、列車から降りて、旧丸山変電所を見学したり写真を撮ったりできるようです。

横川駅から歩いてきた私は、逆に「峠のシェルパ君」を撮影させてもらいました。

峠の湯までの1㎞はさらに急勾配に!

旧丸山変電所の写真を撮ったり、峠のシェルパ君を眺めていたりしたので、だいぶ時間をロスしてしまいました。先を急ぎましょう。

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旧丸山変電所から先は勾配が急になります

旧丸山変電所から先は、勾配が急になっていきます。上の写真で、途中から勾配が急になっているのがわかるでしょうか。

この「アプトの道」、峠の湯までは新線跡に沿っているので、それほどの勾配ではないのですが、見事にずっと上り坂です。ハイキングやトレッキングのコースでは、アップダウンを繰り返すのが普通ですが、峠越えの「アプトの道」では、このあとも、緩いながらもずっと上り坂なのです。

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上り線(アプトの道の遊歩道)と下り線(峠のシェルパ君が走る線路)が少し離れてきます

旧丸山変電所から先は、峠のシェルパ君が走る線路(旧信越本線の下り線)と、「アプトの道」の遊歩道(同上り線)の間が少し離れてきます。そのためか、架線柱も、上り線、下り線、それぞれに設置されています。

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明らかな上り勾配!

線路を真横から見られるポイントから撮影してみました。きちんと水平が出ているか怪しいですが、明らかに上り坂になっています。

20年以上前、学生の頃に一往復だけ信越本線のこの区間に乗車したことがあります。横川から軽井沢方面へは特急「白山」、逆方向は特急「あさま」でした。特急列車に乗っていても、明らかに傾斜がわかるほどだったのを思い出しました。

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小さな橋「霧積川橋梁」を渡ります

旧丸山変電所と峠の湯のちょうど中間くらいのところに、「霧積川橋梁」(きりずみがわきょうりょう)があります。霧積川は利根川水系の河川です。

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「峠のシェルパ君」がとうげのゆ駅から折り返してきました

先ほど旧丸山変電所で見送った「峠のシェルパ君」が、とうげのゆ駅から戻ってきました。「峠のシェルパ君」はとてもゆっくり走るのですが、こちらがさらにのんびり歩いているので、二度目のご対面と相成ったのでした。

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峠の湯の直前で新線跡の道は途切れ、ここからは旧線跡をたどります

峠の湯のすぐ近くまで来ると、ここで「アプトの道」は、新線跡の下り線から外れ、上り線の線路の下をくぐっていきます。

峠の湯から先、「アプトの道」は旧線跡に沿っていきます。

温泉施設「峠の湯」はアプトの道散策の休憩拠点

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温泉施設「峠の湯」、温泉以外にレストランや売店、休憩所もあります

横川駅から約3km、約1時間で「峠の湯」に到着しました。

「峠の湯」は、かなり立派な温泉施設で、露天風呂もある温泉のほかに、レストランや売店、座敷やテーブルが並ぶ休憩室などがあります。

温泉施設のエリアに入るには入館料(600円)が必要ですが、売店やお土産屋、レストランを利用するだけであれば入館料は不要です。ここで休憩がてら、飲み物の調達やトイレを済ませておくとよいでしょう。

温泉施設は、帰りに立ち寄ることにして、トイレと休憩を済ませて、「アプトの道」ハイキングを再開します。

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峠の湯の駐車場からは特徴的な山容の「裏妙義」が一望できます

峠の湯の駐車場からは、裏妙義を一望することができます。多くのピークを持つ妙義山の、中木川より北側の山塊を裏妙義と呼ぶそうです。EF63形電気機関車も保存されていますね。

「アプトの道」散策記(峠の湯~めがね橋)

峠の湯から先は、旧線跡を歩くことになります。トンネルと橋梁が繰り返し出て、前半とはかなり様相が異なります。

「アプトの道」は煉瓦積みのトンネルが連続する旧線跡へ

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峠の湯の裏には、峠のシェルパ君の「とうげのゆ駅」があります

峠の湯の建物の裏側(駐車場と反対側)には、峠のシェルパ君の「とうげのゆ駅」がありました。これに乗ってくれば、峠の湯まではあっという間です。

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1号トンネルの入口 旧線跡には多くのトンネルがあります

旧国道18号線をくぐると、すぐにトンネルが現れます。長さ187メートルの1号トンネルです。時代を感じさせるレンガと石積みのトンネルです。ここから先、旧熊ノ平駅まで10ものトンネルがあります。

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トンネルの中の空気はひんやりしていて涼むことができます

トンネルの中は空気がひんやりしています。相変わらず緩い上り坂がずっと続きますが、トンネルに入るとクールダウンできるので、それほど暑さは気になりません。

トンネル内は照明がありますが、午後6時で消されてしまうそうです。「アプトの道」自体は、24時間入れるようになっていますが、トンネル内は照明があっても足元はよく見えないくらいですので、消灯されてしまうとかなり危なそうです。

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「碓氷第二橋梁」、橋梁といわれてもよくわかりません(笑)

1号トンネルを抜けると、碓氷第二橋梁があります。といっても、遊歩道の両側に柵があるだけなので、よくわかりません。下から見ると、アーチ形の橋になっているそうです。

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煉瓦積みの2号トンネルの入口

2号トンネルです。1号トンネルの入口は両側が切石積みでしたが、2号トンネルは煉瓦積みですね。 2号トンネルは113メートル。あっという間に抜けてしまいます。

碓氷湖を過ぎて急勾配へ

2号トンネルを抜けると、左手に小さな湖が見えてきます。碓氷湖です。

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2号トンネルを抜けるとダム湖「碓氷湖」が見えてきます

碓氷湖は坂本ダムのダム湖です。つまりは人造湖なのですが、周囲を緑の山に囲まれて、とてもよい雰囲気の湖です。

少し休憩していきたいところですが、ここには復路で立ち寄ることにして、先を急ぎます。

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3号トンネル、4号トンネルと短いトンネルが連続します

国道18号線(旧道)を再びくぐると、3号トンネルがあります。トンネルの出口の先に、もう一つのトンネルが見えています。4号トンネルです。

3号トンネルは78メートル、4号トンネルは100メートルと、短いトンネルが連続しています。

この付近は、やや坂が急になっています。勾配は60パーミルくらいあるそうで、横川~軽井沢を結ぶ碓氷峠の区間でも、急勾配の一つです。

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5号トンネルは比較的長い244メートル!

すぐに5号トンネルがありました。全長244メートルと、ここまでのトンネルの中では一番長いものです。

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大きく左へカーブしている5号トンネル

5号トンネルは大きく左へカーブしていて、出口が見えません。

3号トンネルから5号トンネルの間では、すれ違う観光客が増えてきました。先ほど通過した碓氷湖や、この先のめがね橋には駐車場があるため、車で観光にやってくる方が多いのですね。

めがね橋の駐車場に止めて、碓氷湖まで散策、ということなのでしょう。

「アプトの道」散策記(めがね橋)

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5号トンネルを抜けると大きな橋の上へ! これが「めがね橋」です!

5号トンネルを出ると、大きな橋の上に出ます。この橋はとても大きいですし、かなり高さがあるので、明確に橋の上だとわかります。

そう、この橋こそが「めがね橋」(碓氷第三橋梁)なのです(地図⑦)。峠の湯から先は旧線跡を歩いているので、当然、橋の上に出るのですが、それを知らないと「めがね橋はどこ?」ってなりそうです(笑)

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横から見るとアーチ形の橋梁の姿がようやくわかります

橋の端っこまで行って、横から見ると、かろうじて「めがね橋」であることがわかります。ですが、しっかりと下から眺めたいので、6号トンネル手前にある階段を下りていきます。

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橋梁の端にある階段を下りていきます

こんな階段を下りていきます。当然、あとで登らないといけないですが。ちなみに、今回のコースで、最もハードだったのはこの階段の上りです。短いですけどね。

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「めがね橋」(碓氷第三橋梁)は立派な煉瓦積みの4連アーチ橋

階段を下りて、国道18号線(旧道)の横断歩道を渡った歩道の上から撮影してみました。碓氷峠のシンボル的な存在だけあって、さすがに素晴らしいです。

4連のアーチ式鉄道橋で、長さ91メートル、高さ31メートル。完成したのは明治25年(1892年)。100年以上前に、こんな巨大で、芸術性のあるアーチ橋を、こんな山の中に建設したというのが驚きです。

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「めがね橋」は200万個もの煉瓦を積んで作られています

近寄って見てみると、大量の煉瓦を積んで造られていることがわかります。全部で200万個以上の煉瓦でできているそうです。

先ほどの階段を登って、めがね橋の上へ戻ってきました。

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めがね橋の上からは新線の橋梁をみることができます

めがね橋の上から北側(国道18号旧道の反対側)を見ると、橋梁と線路が見えます。あちらは新線跡です。平成9年まで列車が走っていました。こうしてみると、勾配がすごいことがわかりますね。

「アプトの道」散策記(めがね橋~旧熊ノ平駅)

JRの「駅からハイキング」のコースは、横川駅からめがね橋の往復で8kmとなっていたのですが、「アプトの道」自体は、この先、約1.2kmのところにある「旧熊ノ平駅」まで続いています。

時間と体力と相談して決めようと思っていたのですが、写真を撮りながらのんびり登ってきたこともあって、それほど疲れていなかったので、旧熊ノ平駅まで行ってみることにします。

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めがね橋に隣接して熊ノ平へと続く6号トンネルがあります

めがね橋の先には、すぐに6号トンネルの入口があります。入ろうかどうか迷っている家族連れを横目に、進んでいきます。

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6号トンネルは546メートルもありダントツで長い!

6号トンネルは全長546メートル! 10個のトンネルの中ではダントツに長いトンネルです。この6号トンネルだけで、めがね橋~旧熊ノ平駅の間の半分近くを占めています。

めがね橋から先は、極端に人の数が減ります。軽装の観光客は、せいぜい6号トンネルまで。その先は、トレッキングやハイキングの装備をした人たちばかりです。

この真っ暗なトンネルで、誰もいないというのは、ちょっと怖いですね。そこかしこに「熊の出没に注意してください」と注意書きがあるのですが、トンネルで出くわしたらどうしようもないような…。

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旧熊ノ平駅までは小さなトンネルと小さな橋梁が交互に!

長い長い6号トンネルを抜けたあとは、小さな橋梁と小さなトンネルが交互に出てきます。7号トンネルから10号トンネルまでは、それぞれ100メートル前後。トンネルとトンネルの間の小さな橋からは、下を走る国道18号(旧道)が見えます。ほぼ並行しているようです。

「アプトの道」散策記(終点! 旧熊ノ平駅)

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10号トンネルを抜けるとアプトの道終点の「旧熊ノ平駅」に出ました

10号トンネルを抜けると、開けたところに出ました。ここが旧熊ノ平駅です(地図⑧)。架線柱やレールがそのまま残されていました。

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熊ノ平は新線と旧線の合流地点でもあります

振り返ってみると、先ほど歩いてきた旧線の10号トンネル以外にも、もっと大きくて新しいトンネルが二つあります。こちらは新線のトンネルですね。右側に少し見えているのが、先ほど歩いて抜けてきた「アプトの道」の一部の旧線のトンネルです。ここ熊ノ平で、旧線と新線が合流しています。

旧熊ノ平駅は、1893年の横川~軽井沢間(旧線)が開業したときに信号場として設置されました。開業当初は単線だったため、途中に行き違いのための設備(交換設備)を設ける必要があったのですが、この区間で唯一平らなところが、この熊ノ平だったのです。

その後、1906年に熊ノ平駅に昇格。その後、再び信号場に格下げされ、1997年、横川~軽井沢間の廃止に伴って、熊ノ平信号場も廃止となりました。

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旧熊ノ平駅の中間あたりに建つ「アプト式開通の碑」

旧熊ノ平駅の中間あたりに、「アプト式開通の碑」が建っていました。ラックレールと歯車を噛み合わせて急勾配をのぼるアプト式鉄道ですが、日本では、この横川~軽井沢の旧線と、大井川鉄道井川線の一部(こちらは現役)しかありません。

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熊ノ平神社と熊ノ平殉難の碑

アプトの道の10号トンネルを抜けたところに小さな広場があり、熊ノ平神社と熊ノ平殉難の碑があります。1950年に、大雨による10号トンネルの大規模崩落事故があり、作業者や宿舎などが埋まり、50名もの死者が出てしまったそうです。翌年、この熊ノ平殉難の碑が建てられたそうです。

「アプトの道」散策記(碓氷湖)

「アプトの道」の散策は、ここ、旧熊ノ平駅で終点です。横川駅から約6kmのはずですが、めがね橋の下に降りて写真を撮ったりしていたためか、スマホのアプリで記録している歩行距離は7.8kmになっていました。

さて、あとは戻るだけです。帰りは緩い下り坂がずっと続くので、少しペースを上げていきましょう。

40分ほどで、碓氷湖まで戻ってきました。往路ではスルーしてしまったので、休憩がてら、湖畔まで降りてみました。

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山の緑の中に静かに佇む「碓氷湖」

賑わっていためがね橋周辺とは異なり、碓氷湖の周りはとても静かでした。天気がよいので、お弁当を食べるにはちょうどよさそうなんですけどね。

碓氷湖の周囲には遊歩道があり、20分ほどで一周できてしまいます。それほど小さな湖ですが、ひたすらトンネルと橋が連続する「アプトの道」の中では、貴重なスポットでもあります。

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碓氷湖(坂本ダム)の堤体の上から、碓氷湖と碓氷川を眺める

疲れていたので遊歩道を一周するのはやめましたが、堤体の上まで行ってみました。碓氷湖からは、碓氷川へと水が流れていきます。碓氷川は、信越本線に沿って高崎の近くまで流れていき、最終的には利根川に合流して太平洋に注いでいます。

このあと、峠の湯で温泉に入り、峠の湯から横川駅までは、「峠のシェルパ君」に乗車しましたが、その様子は以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。

www.kzlifelog.com

「アプトの道」を歩いて

横川駅から、旧丸山変電所、峠の湯、碓氷湖、めがね橋を経て、旧熊ノ平駅まで、約6kmを往復してきたわけですが、ここは本当に「鉄道遺産の宝庫」です。

トンネルや橋梁などを含めて、煉瓦づくりの建築物が多く、鉄道遺産としてはもちろんのこと、碓氷峠の緑に映える芸術性も持ち合わせていますので、鉄道に詳しくない方でも楽しめるでしょう。

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逆に、雄大な風景を眺められるところはあまり多くありません。「アプトの道」は、鉄道遺産を楽しむところですね。

めがね橋や旧熊ノ平駅などへは、国道18号線(旧道)経由で車で行くこともできますが、鉄道遺産を存分に楽しみたいなら、横川駅からのハイキングがおすすめです。

往復12km以上はちょっと大変!という方は、峠の湯まで「峠のシェルパ君」で往復するとよいでしょう。


以上、『鉄道遺産の宝庫「アプトの道」散策記、横川駅から丸山変電所、めがね橋を経て旧熊ノ平駅まで!』をお届けしました。「アプトの道」は、鉄道好きならもちろんのこと、気軽なハイキングコースとしてもおすすめです。