信越本線の高崎~横川間を走るSL列車が「EL/SLぐんまよこかわ」です。往路は電気機関車(EL)牽引、復路は蒸気機関車(SL)牽引で走ります。普通列車で30分の距離を約1時間かけてのんびりと走り、SLの乗車を十分に楽しむことができます。横川駅では、復路の運転までホームに据え付けられたままですので、SLを鑑賞したり、撮影したりする時間もたっぷりあります。
この記事では、「EL/SLぐんまよこかわ」の概要、指定席の予約方法、おすすめの座席に加えて、旧型客車で運転された「EL/SLレトロぐんま横川」の乗車記をお届けします。
「EL/SLぐんまよこかわ」とは?
「EL/SLぐんまよこかわ」は、信越本線の高崎~横川間で運転されているSL列車です。主に週末の特定日に運転されていて、高崎発横川行き(往路)が電気機関車牽引の「ELぐんまよこかわ」、横川発高崎行き(復路)が蒸気機関車牽引の「SLぐんまよこかわ」として運転されます。
往路と復路で牽引機が異なるのは、横川駅に車両の向きを変える転車台がないためです。そのため、編成の横川寄りに電気機関車を、高崎寄りに蒸気機関車を連結して、先頭になる機関車が牽引するという形をとっています。
また、使用する客車の種類が2種類あります。ブルーの車体の12系客車を使用する列車では「EL/SLぐんまよこかわ」として、こげ茶色(ぶどう色)の旧型客車を使用する列車は「EL/SLレトロぐんま横川」として運転されます。
列車名をまとめると以下のようになります。
牽引機 | 発着駅 | 12系客車 | 旧型客車 |
---|---|---|---|
電気機関車 | 高崎→横川 | ELぐんまよこかわ | ELぐんまレトロ横川 |
蒸気機関車 | 横川→高崎 | SLぐんまよこかわ | SLぐんまレトロ横川 |
通常は上記のとおりですが、たまに往路が「SLぐんまよこかわ」、復路が「ELぐんまよこかわ」のように、SLとELが逆に連結されることがあります。
上記以外にも、SL列車ではありませんが、横川駅の駅前にある「碓氷峠鉄道文化むら」でときどき開催される夜間のイベント「横川ナイトパーク」にあわせて、「DL/EL横川ナイトパーク」が運転されることがあります。
「EL/SLぐんまよこかわ」は、上越線を走る「SLぐんまみなかみ」と蒸気機関車や客車を共用して運転されています。週末の土日のうち、どちらかが「SLぐんまみなかみ」、もう一方が「EL/SLぐんまよこかわ」として運転されることが多くなっています。
「SLぐんまみなかみ」については、以下の記事にまとめていますので、この記事とあわせてご覧ください。
2024年秋で電気機関車(EL)とディーゼル機関車(DL)の運転を終了へ!
JR東日本高崎支社は、2024年秋をもって、電気機関車(EL)とディーゼル機関車(DL)の旅客列車としての営業運転を終了すると発表しました。
対象は、ぐんま車両センターに所属する以下の機関車です。
- EF64 1001号機
- EF64 1053号機
- EF65 501号機
- DD51 842号機
- DD51 895号機
これにあわせて、2024年9月15日から、EL/DLのファイナル運転が行われます。
なお、EL/DL引退後もSL列車の運転は継続されます。「ぐんまよこかわ」の補機としては、電気式気動車「GV-E197系」が利用されるようです。
詳しくは、JR東日本のニュースリリースをご覧ください。
「EL/SLぐんまよこかわ」を牽引する2機のSLと電気機関車
「EL/SLぐんまよこかわ」を牽引する蒸気機関車は「D51 498」と「C61 20」の2機があります。どちらの蒸気機関車で運転されるかは時刻表等ではわかりません。
「D51 498」(D51形498号機)は通称「デゴイチ」と呼ばれているD51形蒸気機関車です。蒸気機関車が主力の時代に1,000機以上も製造され、日本の蒸気機関車ではもっともポピュラーな存在でした。もともとは貨物列車用に製造されました。
大量に製造されたD51形蒸気機関車ですが、現在、運転できる状態にあるのは、JR東日本の498号機と、JR西日本の「SLやまぐち号」で利用されている200号機の2機のみとなってしまいました。
「C61 20」はC61形蒸気機関車20号機です。戦後の旅客需要の増大に対応して製造された蒸気機関車です。大量に製造されたD51形の部品を一部流用するなどして製造されたものが多いそうです。
形式名の先頭の「D」は動輪が4軸、「C」は動輪が3軸であることを示しています。また、D51形、C61形はともに「テンダー式蒸気機関車」という様式で、蒸気機関車の後ろに石炭と水を積む「テンダー車(炭水車)」が連結されています。
いずれも大型の蒸気機関車で、迫力のあるその姿を間近で見ることができます。
「EL/SLぐんまよこかわ」の運転日・運転時刻・停車駅(2024年版)
「EL/SLぐんまよこかわ」は週末の特定日や、ゴールデンウィーク、夏休みなどの繁忙期を中心に運転されています。ここでは「EL/SLぐんまよこかわ」の運転日、運転時刻と停車駅を紹介します。
「EL/SLぐんまよこかわ」の運転日
「EL/SLぐんまよこかわ」の運転日(「SLぐんまみなかみ」も含む)は以下のカレンダーのとおりです。カレンダーの日付をタップすると、運転時刻が表示されます。
「EL/SLぐんまよこかわ」の運転時刻・停車駅(2024年改正ダイヤ)
「EL/SLぐんまよこかわ」の運転時刻と停車駅は以下のとおりです。「EL/SLぐんまよこかわ」「EL/SLレトロぐんま横川」ともに同じ運転時刻・停車駅となっています。
ELぐんまよこかわ↓ | SLぐんまよこかわ↑ | |
---|---|---|
高崎 | 09:47発 | 15:18着 |
安中 |
10:04着 10:12発 |
14:59発 14:51着 |
磯部 |
10:25着 10:26発 |
14:36発 14:35着 |
横川 | 10:49着 | 14:15発 |
高崎~横川間を約1時間で走ります。途中、安中駅で約8分の停車時間があります。ホームに降りて、SLやELを見学したり、撮影したりすることができます。
「EL/SLぐんまよこかわ」の指定席券の予約方法とおすすめの座席
「EL/SLぐんまよこかわ」は、全車指定席の快速列車として運転されます。そのため、乗車券(きっぷ)の他に「指定席券」が必要となります。ここでは、指定席券の予約方法を紹介します。
「EL/SLぐんまよこかわ」指定席券の予約・購入方法
「EL/SLぐんまよこかわ」の指定席券の購入方法は、主に以下の2つがあります。
- 駅で購入する(みどりの窓口、指定席券売機等)
- インターネット予約サービス「えきねっと」で購入する(乗車前に駅の指定席券売機で受け取る)
おすすめはインターネット予約サービス「えきねっと」での購入です。
「EL/SLぐんまよこかわ」は客車列車で、座席は全てボックス席(4人用の向かい合わせの座席)すが、「えきねっと」で座席指定が可能です。
「EL/SLぐんまよこかわ」は、えきねっとのメニューから選択できる「のってたのしい列車」から予約ができます。
「えきねっと」トップページから、右上の「メニュー」をタップし、「のってたのしい列車(観光列車)の申込」を選択します。
すると、上の画像のような列車一覧が表示されますので、「SL・ELぐんまよこかわ/DL・EL横川ナイトパーク」を選択します。
乗車したい列車を選択して、乗車日を選択します。座席指定の画面では、シートマップで座席を選択することができます。
このようなシートマップが表示されますので、好みの座席を選択します。あとで詳しく紹介しますが、窓側はA席とD席、進行方向前向きの窓側席は、横川行きではA席、高崎行きではD席となります。
客車列車は窓が開きます。窓を開けると蒸気機関車の汽笛や煙のにおいを直に感じることができますので、できれば窓側を選びたいところです。
「えきねっと」での予約と購入が完了したら、必ず乗車前に紙の指定席券を駅で受け取っておきましょう。駅の指定席券売機で受け取ることができます。2023年時点では、「EL/SLぐんまよこかわ」の指定席券はチケットレスには対応していません。紙の指定席券を受け取ることを忘れないように注意しましょう。
「EL/SLぐんまよこかわ」おすすめの座席
「EL/SLぐんまよこかわ」のボックス席は上の写真のようになっています。この写真は旧型客車のものですが、12系客車でも同様です。
おすすめの座席としては、やはり窓側のA席またはD席です。窓側席であれば、窓を開けて、蒸気機関車の警笛や煙のにおいを感じながら旅をすることができます。それに、窓側には小さいですがテーブルがついていて、飲み物等を置くことができます。
「EL/SLぐんまよこかわ」は、12系客車、旧型客車ともに全席がボックス席です。ボックス内のA~D席の配置は共通で、以下のようになっています。
- 窓側: A席、D席
- 通路側: B席、C席
進行方向に対して前向きか後ろ向きかは、以下のようになります。
- 横川行き(ELぐんまよこかわ、ELレトロぐんま横川)
- 前向きの座席: A席(窓側),B席(通路側)
- 高崎行き(SLぐんまよこかわ、SLレトロぐんま横川)
- 前向きの座席: D席(窓側),C席(通路側)
つまり、横川行きの列車ではA席、高崎行きの列車ではD席がおすすめということになります。
「EL/SLぐんまよこかわ」のボックス席は、中央の通路を挟んで両側に配置されています。つまり、どちらの窓側席に座るかによって、車窓から見える景色も異なるということです。
ただ、「EL/SLぐんまよこかわ」が走る信越本線の高崎~横川間はほぼ平野部で、どちらかが圧倒的に車窓が良いということはありません。ですので、基本的には窓側の座席を確保することを優先しましょう。
一応、どのような車窓が見られるかを示しておきます。このあとの乗車記も参考にしてみてください。
- 南側(横川行きで進行方向左側): 妙義山(松井田~横川間)
- 旧型客車(EL/SLレトロぐんま横川)では奇数番の座席
- 12系客車(EL/SLぐんまよこかわ)では偶数番の座席
- 北側(高崎行きで進行方向左側): 浅間山など
- 旧型客車(EL/SLレトロぐんま横川)では偶数番の座席
- 12系客車(EL/SLぐんまよこかわ)では奇数番の座席
旧型客車と12系客車では、進行方向に対して偶数番の座席と奇数番の座席が異なります。「えきねっと」のシートマップでは「←横川方面」のように進行方向が表示されるので、それを見て指定しましょう。
「ELレトロぐんま横川」乗車記(2023年4月乗車)
高崎駅から横川駅までの全区間「ELレトロぐんま横川」に乗車してきましたので、乗車記をお届けします。乗車したのは2023年4月です。
高崎駅2番線ホームに入線!
「ELレトロぐんま横川」は高崎駅の2番線から発車します。9時29分発の熱海行き普通列車が出発したあと、南側(倉賀野側)からELを先頭に入線してきます。この日は、3~4分ほど遅れていた両毛線からの接続を待ってから熱海行きの普通列車が発車していったため、入線時刻は9時35分頃でした。
「ELレトロぐんま横川」の入線シーンを動画でどうぞ。
「ELレトロぐんま横川」の2023年度最初の運転ということもあって、大勢の乗客やファンがかけつけていました。
この日の復路で客車を牽引する「D51 498」です。やはりSLは人気がありますね。ドアが開くまでの間は、「ELレトロぐんま横川」の乗客も含めて、写真撮影大会になっています。
先頭車の電気機関車はEF64 1001です。こちらも人気ですが、やはりSLにはかなわないようです。「ELレトロぐんま横川」は列車名のとおり、この電気機関車が客車を横川駅まで牽引していきます。
この週末は、2023年度の最初の運転ということもあってか、各駅でのお見送りに気合が入っています。高崎駅でも、先頭の電気機関車と6号車の近くで、横断幕をもって盛大にお見送りをしてくれます。
戦前生まれの旧型客車の車内
この日は旧型客車での運転です。外観は塗装が塗りなおされたのかぴかぴかでした。車内はこのようにボックスシートが並びます。
6号車の指定席をとっていましたが、6号車だけは他の客車と少し様子が違うようです。この車両は「スハフ32 2357」で、JR東日本高崎支社が保有する旧型客車の中でも、最も古いもの。昭和13年製造の客車で、なんと戦前から活躍していた車両なのです。
他の車両では窓の下に小さなテーブルが設置されていますが、この車両だけそれがありません。
網棚が本当に「網棚」なのは他の客車も同じですが、この車両には他の客車にはある扇風機がありません。それに、窓枠や網棚の木の重厚感が素晴らしいですね。かなり古い車両ですが、当時の雰囲気を失わないように整備されていると感じます。
床は板張りです。他の車両は床板が張りなおされているのか、この車両だけ雰囲気が異なりました。製造年代の違いかもしれません。
座席のモケットは張りなおされていますし、塗装もきれいにされていますが、それでいて往年の雰囲気を残しています。
車内を見ているうちに発車時刻になりました。
汽笛を高らかに高崎駅を発車!
9時47分、大勢の駅員さんや一般客の方々に見送られながら、高崎駅をゆっくりと発車しました。前からは電気機関車の甲高い音の汽笛が、後ろからは蒸気機関車の重厚感のある汽笛が聞こえ、高崎駅を後にします。
せっかくの客車列車ですので、窓を開けて景色を楽しみます。この時期、風が吹き込んでくるとやや寒いですが、それでも多くの席で窓を開けていました。
6号車は電気機関車のすぐ後ろの車両ですので、電気機関車の汽笛がとてもよく聞こえます。最後尾のSLも、駅からの発車時には汽笛を鳴らしてくれます。
安中駅で8分停車、ホームに降りて蒸気機関車を撮影
10時04分、最初の停車駅となる安中駅に到着しました。ここで8分停車があります。多くの乗客はホームに降りて、蒸気機関車や電気機関車を撮影したり、眺めたりして過ごしていました。
旧型客車は「ぶどう色」と呼ばれる茶色に塗られているものが多いですが、3号車の「スハフ42 2234」だけは青色になっています。旧型客車は、1960年代以降、青色に塗色されたものが多く走っていましたが、それを復刻するため、2022年10月に1両だけ青色になっています。
安中駅の8分停車はあっという間に過ぎ、10時12分に発車しました。
浅間山を眺めながら磯部駅に停車して終点の横川駅へ
安中駅を出発すると、右側に浅間山が見えてきます。左側に見えているギザギザした山は妙義山。安中駅から磯部駅の間では、進行方向右側の車窓からも見ることができます。
「ELレトロぐんま横川」は引き続き平野部を走りますが、次第に車窓に山が多くなってきます。
10時25分、2つ目の停車駅、磯部駅に到着。乗降はほとんどなかったようです。磯部駅での停車時間は短いので、ホームに降りることはできません。
松井田駅を通過すると、次第に周囲から低い山が迫ってきます。そして、次第に速度を落として、横川駅へと滑り込んでいきます。下の動画は横川駅に到着するシーンです。
電気機関車が汽笛を鳴らしてホームにゆっくり入っていくと、反対側のホームでは、横断幕をもった駅員さんたちがお出迎えをしてくれます。
動画には映っていませんが、ホームでは地元の学生さんたちが太鼓を演奏してお出迎えをしてくれていました。
横川駅到着後は再びの撮影大会に!
横川駅に到着してホームに下車した乗客たちは、なかなか駅から外へ出ようとしません。それもそのはず、横川駅に到着した「ELレトロぐんま横川」は、復路に「SLレトロぐんま横川」として出発するまでの3時間以上もの間、このままホームに留め置かれるためです。
ここまで客車を牽引してきてくれた電気機関車「EF64 1001」です。空よりも青い車体が鮮やかです。2023年版の新しいヘッドマークも似合っていますね。
やや逆行気味ですが、編成全体を写すこともできます。今では4両編成の電車しかやってこない横川駅ですが、「ELレトロぐんま横川」はSLとELを含めて堂々の8両編成! 長編成の特急列車や寝台列車が行き来していた往年の横川駅はこんな列車がたくさんやってきていたのでしょう。
列車到着からしばらくしても、ホームでは写真や動画の撮影にいそしむファンの姿が絶えません。鉄道ファンだけでなく、家族連れの記念撮影も多く、SL列車らしさを感じます。
蒸気機関車のそばでは、機関士さんたちが写真撮影に応じていました。こういった乗客と乗務員や機関士さんたちとの交流もSL列車の楽しみの一つですね。
「SLレトロぐんま横川」乗車記(2023年4月乗車)
同じ日に、復路の「SLレトロぐんま横川」にも乗車しましたので、乗車記をお届けします。
横川駅での出発式を終えて横川駅を発車!
「SLレトロぐんま横川」の横川駅発車は14時15分ですが、13時45分には乗車できるようにドアが開くと往路の車内放送でアナウンスしていたので、少し前の13時30分ごろに駅に戻ってきました。
蒸気機関車のところでは、機関士さんたちがハンマーのようなもので車体をカンカン叩きながら入念に点検をしていました。
先頭となる蒸気機関車のそばでは出発式の準備が行われていました。本番は出発直前ですが、その前にリハーサルが行われていたので、それを見てきました。
白い制服を着たJRの方と磯部温泉の代表?の方、それに、磯部煎餅のキャラクター「いそせんくん」が参加していました。写真や動画はどんどんSNSにアップしてください、とのことでした(笑)
復路は5号車に乗車。6号車とは異なり、緑色のモケットのボックス席が並んでいます。天井には扇風機も設置されていますね。
窓下には小さなテーブルがあり、そのテーブルには栓抜きがついています。4号車の売店では瓶のコーラが売っていて、それを買ってくると、この栓抜きを実際に使うことができるのです。
ボックス席はこんな感じです。6号車の「スハフ32 2357」はボックス一つにつき小窓が2つ並んでいたのですが、それ以外の車両はこのように大きな窓が一つです。
そうこうしているうちに発車時刻が近づいてきました。横川駅の発車シーンの動画です。
蒸気機関車が大きく長い汽笛を鳴らして、ゆっくりと「SLレトロぐんま横川」が動き出します。その汽笛を追うように、電気機関車の甲高い汽笛も鳴りました。
ホームでは駅員さんが大勢でお見送り。地元学生さんの太鼓の演奏もあり、お祭りムードの中、発車していきます。横川駅を出ると車窓には妙義山。再び汽笛を鳴らして、速度を上げていきます。
妙義山を眺めながら安中駅へ
車窓から見える妙義山は、赤城山、榛名山と並んで「上毛三山」の一つに数えられています。それほど高い山ではないのですが、山頂がギザギザしているのが特徴的です。「SLレトロぐんま横川」の車窓の見どころの一つです。
窓を開けてSLの旅を楽しみます。往路の「ELレトロぐんま横川」と違うのは、窓を開けるとかすかに煙の匂いがすること。窓からも蒸気機関車が吐き出す煙が見えます。これぞ、SL列車の醍醐味ですね。
14時35分、磯部駅に到着。乗降はあまりなさそうでした。すぐに汽笛を鳴らして発車していきます。
4号車の売店の行列も短くなってきたので、アイスクリームを買いに行きました。いわゆる「シンカンセンスゴイカタイアイス」です。期待どおり(?)とても硬く、食べるのに苦労しますが、食べ始めたらあと5分で安中駅に到着とのこと。停車時間にホームに降りたいので、一生懸命食べました(笑)
安中駅で再びのSL撮影タイム
安中駅では、往路と同じく8分の停車時間があります。ホームに降りて先頭の蒸気機関車の方に向かうと、ものすごい人だかりができていました。皆さん、蒸気機関車を撮影したり、記念撮影をしたり。SL列車はこの賑わいが似合いますね。
蒸気機関車から流れ出る水の動画。 pic.twitter.com/2lJ66FOXGO
— ひさ@乗り鉄/登山ブログ (@kz_hisa) April 9, 2023
先頭部分は大変な混雑でしたので、蒸気機関車の側面へ。床下からは水がたくさん流れ出ていました。石炭と水で動く乗り物だということがよくわかりますね。
機関士さんたちは、短時間の停車時間でも、蒸気機関車の状態をチェックしているようでした。
安中駅での停車時間もあっという間に過ぎ去り、発車時刻1分前になったので車内へと戻りました。
高架で汽笛を鳴らして高崎駅に到着
安中駅を出発すると、終点の高崎駅までは20分弱。残り少なくなったSLの旅を満喫します。沿線には撮り鉄の方たちだけでなく、地元の方も出てきて手を振ってくれます。
次第に市街地へと入り、高崎駅が近づくと、右カーブで高架へと入っていきます。
蒸気機関車が吐く煙の奥に、北陸新幹線のE7系電車が行き交います。高架で上越線の線路を超えていく途中、横川行きの信越本線の電車が下を通っていきました。
高崎の街の中に入ってきても大きく汽笛を鳴らして、堂々と駅へと入っていくのはいいですね。駅に入る前にも再び汽笛を鳴らして、ゆっくりと高崎駅の8番線に入っていきます。
ホームではカメラを持った人たちや、横断幕を掲げた駅員さんがお出迎え。わずか1時間の旅でしたが、とても満足度の高い旅でした。
高崎駅到着後も、蒸気機関車の前は記念撮影をする人たちで混雑していました。やはりSLは大人気!
最後尾の電気機関車のほうまで行ってみましたが、こちらは撮影する人はまばら。ちょっとかわいそうになりますが、まあSLが主役なのは仕方がないでしょうね。
「EL/SLぐんまよこかわ」、往復の乗車がおすすめ!
「EL/SLレトロぐんま横川」の乗車記をお届けしました。今回、往路の「ELレトロぐんま横川」、復路の「SLレトロぐんま横川」と両方に乗車しましたが、ぜひ往復ともに乗車することをおすすめします。
2023年のダイヤでは、横川駅での滞在時間は約3時間半。お子様連れなら横川駅の近くにある「碓氷峠鉄道文化むら」で遊ぶのがおすすめです。また、旧信越本線の線路跡を利用した遊歩道「アプトの道」を歩いてみるのもよいでしょう。碓氷峠鉄道文化むらの「トロッコ列車ライン」が、旧信越本線の下り線を走っていますので、それに乗るのもおすすめです。
横川駅周辺の観光スポットについては、以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
「EL/SLぐんまよこかわ」(「EL/SLレトロぐんま横川」含む)は、発売開始とともに売り切れるほどではありませんが、特にSL牽引の復路(高崎行き)は人気が高い列車です。最近は運転日が少なめですので、運転日の情報を確認して乗車の予定を立て、早めに指定席券を購入するようにしましょう。
以上、「【EL/SLぐんまよこかわ】高崎~横川をのんびり走るSL列車、横川駅ではSLの撮影も!」でした。片道1時間の旅ながら、十分に楽しめる内容になっています。往復ともに乗車し、横川駅周辺での観光も加えれば、一日楽しく過ごせます。
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「EL/SLぐんまよこかわ」の姉妹列車、「SLぐんまみなかみ」の記事です。「SLぐんまみなかみ」は往復ともにSL牽引で運転されます。上越線の勾配を上るため、たくさんの煙を吐く迫力のある姿を見ることができます。
関東近郊のSL列車のまとめ記事です。都心からの日帰り旅行でも楽しむことができます。
当ブログの観光列車関連のトップページです。SL列車はもちろんのこと、車窓やグルメ、トロッコ列車など、ジャンル別におすすめの列車や乗車記を紹介していますので、ぜひご覧ください。
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