五能線を走る「リゾートしらかみ」は、日本海の車窓を楽しめる観光列車です。この記事では、「リゾートしらかみ」に乗車すると眺められる絶景車窓、日本海に沈む夕陽を眺めるのにおすすめの列車、車内での食事情、途中下車して立ち寄りたい沿線のおすすめ観光スポットを紹介します。
なお、「リゾートしらかみ」の詳細や、おすすめの座席、指定席の予約・購入方法については、以下の記事でわかりやすくまとめていますので、ぜひご覧ください。

「リゾートしらかみ」の絶景車窓を紹介!
「リゾートしらかみ」に乗車すると見ることができる絶景車窓をご紹介します。
「リゾートしらかみ」に乗車すると、車窓は大きく3つの区間に分かれます。
- 秋田県内(秋田~東能代)
- 日本海沿い(東能代~鰺ヶ沢)
- 津軽地方(鰺ヶ沢~弘前・青森)
それぞれについて、写真とともに紹介します。
田園風景と八郎潟が広がる秋田県内
秋田県内、秋田~東能代の奥羽本線の区間では、日本海の海岸線よりも少し内陸側を走るため、車窓から日本海を見ることはほとんどできません。
その代わり、広大な田んぼが広がる平野と、八郎潟の干潟を望むことができます。
青森発秋田行きの「リゾートしらかみ4号」に乗車すると、夏の青春18きっぷシーズンの頃には、このあたりで夕暮れを眺めることができます。
八郎潟付近からは、干拓され、田園風景が広がる八郎潟の向こうに、男鹿半島の山を見ることができます。左側が男鹿半島西部にある男鹿三山、右側が男鹿半島中央部にある寒風山です。寒風山の山頂には回転展望台があり、絶景を眺めることができます。
日本海の絶景が続く秋田県北部~鰺ヶ沢の区間
五能線、そして、「リゾートしらかみ」のハイライト区間 です。約80kmに渡って、ひたすら日本海の海岸沿いを進みます。
海岸線は変化に富んでいて、岩がむき出しの荒々しいところもあれば、静かな入江のようなところもあります。そして、このようなゴツゴツした岩が立ち並ぶ様子を見ることもできます。
こんな不思議な形の岩が、それこそあちこちに見られます。ところどころに集落や小さな漁村がありますが、それ以外は、このような日本海の景色が続きます。
「リゾートしらかみ1号」(2021年3月)に乗車した際に、岩舘~十二湖間で撮影した動画です。「リゾートしらかみ」では、景色の良い区間で徐行サービスがありますが、この動画は徐行中に撮影したものです。ゴツゴツした岩が海岸線に並ぶ様子がわかると思います。
リゾートしらかみ2~5号に乗車すると、途中の千畳敷(せんじょうじき)駅で15分ほどの停車時間があります。千畳敷海岸は、200年以上前の地震で隆起してできた岩床の海岸で、平らな岩が海岸沿いに続きます。
りんご畑と岩木山が車窓を彩る津軽地方
鰺ヶ沢~弘前・青森の区間は、日本海から離れて内陸側を走ります。日本海に変わって、りんご畑の向こうに岩木山が聳える車窓を見ることが出来ます。
岩木山は、別名、津軽富士とも呼ばれ、すそ野が広い、きれいな形をした山です。五能線は、岩木山をぐるっと半周ほど回り込むように走ります。鰺ヶ沢~五所川原間では南側に、五所川原~弘前間では西側に見ることができます。
また、列車によっては、展望室・イベントスペースで、津軽三味線の生演奏のイベント があります。列車の中で聞く津軽三味線の音色は、意外に大迫力ですよ。
ということで、「リゾートしらかみ」の車窓とイベントを駆け足で紹介しました。
「リゾートしらかみ」の車窓については、2021年3月に「リゾートしらかみ1号」に乗車した際の乗車記を公開しています。車窓の様子なども詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

「リゾートしらかみ」で日本海に沈む夕陽を眺めるならこの列車!
これまで紹介したように、「リゾートしらかみ」の一番の見どころは、日本海の絶景です。それだけでも十分に素晴らしいですし、乗車する価値はありますが、さらに欲張ってみましょう(笑)
晴れの日限定になりますが、「リゾートしらかみ」から日本海に沈む夕陽を眺めてみましょう。
日本海のすぐ近くを走っている間に日没を迎えると、このような素晴らしい夕陽を眺めることができます。
日没の時刻は季節によって3時間近くも異なりますので、季節によって、どの列車に乗れば日本海に沈む夕陽が見られるかが変わってきます。
日本海の海岸線を走るあきた白神~鯵ヶ沢間で日没が見られる列車は、以下のようになります。(2022年3月改正ダイヤ)
時期 | 日没時刻 | 列車 | 場所 |
---|---|---|---|
立春 2/4 | 17:00 | 5号 4号 | 深浦→千畳敷間 ウェスパ椿山→十二湖間 |
春分 3/21 | 17:52 | 5号 6号 | 鯵ヶ沢停車中 鯵ヶ沢→深浦間 |
GW 5/6 | 18:40 | 6号 | ウェスパ椿山→十二湖間 |
夏至 6/22 | 19:15 | 6号 | あきた白神発車後 |
夏休み前半 7/23 | 19:05 | 6号 | 十二湖→岩舘間 |
夏休み中盤 8/8 | 18:48 | 6号 | 十二湖発車発車後 |
夏休み後半 8/23 | 18:27 | 6号 | 深浦→ウェスパ椿山間 |
秋分 9/23 | 17:37 | 5号 6号 | 千畳敷→鯵ヶ沢間 鯵ヶ沢→深浦間 |
冬至 12/22 | 16:15 | 5号 4号 | ウェスパ椿山→深浦間 千畳敷→深浦間 |
※日没時刻は鯵ヶ沢町の時刻
※冬季は3号、6号が運転されない日があります
ざっくりまとめると、
- 3月下旬~9月下旬(春~夏)の日の長い時期は「リゾートしらかみ6号」(弘前→秋田)がおすすめ
- それ以外の日の短い時期(主に秋冬)は、「リゾートしらかみ5号」(秋田→青森)または「リゾートしらかみ4号」(青森→秋田)がおすすめ
となります。
「リゾートしらかみ」車内での食事情
これまでご紹介してきたように、「リゾートしらかみ」の全区間に乗車すると、所要時間は5時間以上にもなります。そのため、車内で飲食するための食べ物や飲み物を、いつ、どこで入手するかを考えておく必要があります。
ここでは「リゾートしらかみ」車内での食事情をご紹介します。
最低限の飲み物・食べ物を事前に用意しておこう!
「橅」編成では、物販カウンターがあり、お酒やおつまみ、飲み物・お菓子など購入することができます。一方、それ以外の編成では、車内販売がありません。
「橅」編成であっても、お弁当など、食べたいものが購入できるとは限りません。車内で購入できない場合に備えて、最低限の飲み物や食べ物を事前に用意 しておいたほうがよいでしょう。
「リゾートしらかみ」の起点駅となる秋田駅、青森駅では駅弁を購入することができます。
秋田駅は秋田新幹線の始発駅ということもあり、比較的多くの種類の駅弁が売られています。秋田駅始発の「リゾートしらかみ1号」の出発前、ホームには駅弁売りが出ていました。
一方の青森駅は、駅構内の売店「NEWDAYS」で駅弁を販売していますが、種類、数ともに多くはありません。新幹線で青森へアクセスするのであれば、新青森駅で購入しておいたほうがよいでしょう。
五能線モバイルオーダー「ごのたび」
「リゾートしらかみ」の食事情を改善しようとしてか、五能線モバイルオーダー「ごのたび」というサービスが開始されました。
「ごのたび」のサイト上で、事前にお弁当やスイーツ、ドリンク等を予約・決済しておくと、「リゾートしらかみ」乗車当日に、指定された駅で、商品を受け取ることができるというものです。
2022年4月現在、お弁当は、秋田駅、能代駅、深浦駅、弘前駅で受け取ることができるようです。ただし、受け取ることができる列車が決まっていますので注意しましょう。
詳しくは、五能線モバイルオーダー「ごのたび」のWebサイトをご覧ください。(スマートフォン専用サイトです)
リゾートしらかみ「ふれあい販売」
「リゾートしらかみ」では、地元の方が車内に乗り込み、沿線の特産品を販売する「ふれあい販売」を実施しています。
お弁当などの食事はなく、食べ物はスイーツやお菓子、お土産、グッズ等がメインです。
「ふれあい販売」が実施される日にち・列車・区間が決まっています。詳しくは、JR東日本のWebサイトをご確認下さい。
途中駅での売店・コンビニで購入
「リゾートしらかみ」は、数分~15分程度の停車時間がある停車駅があります。多くの列車で数分の停車時間があるのは、以下の駅です。
- 東能代駅(キオスクあり)
- 能代駅(キオスクあり)
- 深浦駅
- 千畳敷駅(2号~5号が停車)
- 川部駅
五能線は、基本的にかなりのローカル線ですので、駅の中にキオスク(売店)がある東能代駅、能代駅以外は、途中駅での食料や飲み物の調達は、あまり期待しないほうがよさそうです。なるべく、乗車前に購入しておくか、前述の「ごのたび」などを利用しましょう。
五能線・リゾートしらかみ 沿線のおすすめ観光スポットを紹介!
五能線の沿線は、観光スポットも豊富です。リゾートしらかみで一気に乗り通してしまってもよいのですが、1日に3往復も運転されていますので、途中下車して観光し、その後、後続のリゾートしらかみに乗車して旅を続ける こともできます。
途中下車して観光するのにおすすめのスポットを、いくつかをご紹介します。
十二湖(十二湖駅からバスで15分)
「十二湖」は、白神山地西部に位置する湖沼群です。江戸時代に、地震による山崩れでできたと言われています。実際は33の湖沼があるのですが、12個に見えたということから「十二湖」と呼ばれるようになったそうです。
その十二湖ですが、リゾートしらかみも停車する「十二湖駅」から、弘南バス(約15分・370円)でアクセスできます。十二湖に入れるシーズン(4月~11月)には、リゾートしらかみに接続するバスが運行されていますので、ほとんど待たずに乗り継げます。
終点のバス停で下車し、散策路を歩いていくと、大きな池が現れます。
これは「鶏頭場の池」。バス停からすぐのところにあります。
「鶏頭場の池」の奥には、十二湖に来たらぜひ見ていただきたい「青池」があります。コバルトブルーの青々とした水をたたえた小さな池です。日の当たり具合で色合いが変化し、とても神秘的です。
バス停から青池までの散策路は、ほぼ平坦で歩きやすい道ですので、特別な装備は必要ありません。また、終点のバス停の近くにはお土産などを扱う「森の物産館キョロロ」があります。
黄金崎 不老ふ死温泉(ウェスパ椿山駅から送迎バスあり)
温泉好きなら絶対立ち寄りたいのが、「黄金崎不老ふ死温泉」です。
日本海に面した一軒宿ですが、日帰りの立ち寄り入浴も受け付けています。そして、不老ふ死温泉といえば、日本海の絶景を目の前に眺めながら入浴できる「海辺の露天風呂」が有名です。
上の写真の左のほうに見える柵で囲われたところに「海辺の露天風呂」があります。いかに、海に近いところにあるかがわかるでしょう。
日帰り入浴で「海辺の露天風呂」に入るためには、15時30分までに受付をする必要があり、入浴は16時までですので、夕陽を眺めながらの入浴はできません。それでも、不老ふ死温泉の敷地内からは、日本海に沈んでいく夕陽を眺めることができます。
不老ふ死温泉へは、ウェスパ椿山駅から、無料の送迎バスで約5分です。「リゾートしらかみ」に合わせて運行してくれますし、普通列車でウェスパ椿山に到着する場合でも、あらかじめ予約をしておけば、送迎バスで迎えに来てもらえます。
不老ふ死温泉の訪問記は、以下の記事をご覧ください。海辺から夕陽を眺めた様子も、写真入りで紹介しています。

鰺ヶ沢 海の駅「わんど」(鰺ヶ沢駅から徒歩15分)
鰺ヶ沢駅から徒歩15分ほどのところに、海の駅「わんど」があります。
海産物の直売所があるので、おみやげを購入するのにちょうどよいです。さすがに列車の車内販売では、鮮魚までは購入できませんの…。また、食堂もあるので、ランチタイムに寄るのも良さそうです。
営業時間、休業日などは上記のサイトからご確認ください。
津軽鉄道(五所川原駅で乗り換え)
「リゾートしらかみ」から乗り継いで、さらにローカル線の旅を楽しみたいのであれば、津軽鉄道がおすすめです。
津軽鉄道は、津軽五所川原駅~津軽中里間を結ぶローカル線です。沿線には、太宰治の生家「斜陽館」、春になると桜のトンネルを列車が走る「芦野公園」などの観光スポットがあります。

津軽鉄道「ストーブ列車」の客車
そして、津軽鉄道といえば、毎年12月~3月に運転される「ストーブ列車」が有名です。雪景色の中を、だるまストーブを積んだ客車列車として運転されます。だるまストーブでスルメを焼いて、お酒を飲みながら雪景色を眺めることができます。
ストーブ列車については、以下の乗車記をご覧ください。

りんご公園(弘前駅からバス)
弘前の郊外にある公園ですが、その特徴は津軽地方の名産、りんごの木が1,500本も植えられていることです。おすすめの季節は、5月のりんごの花が咲きほこる時期と、秋~冬(9月~12月頃)のりんごの旬の時期 です。
りんご公園内の小高い丘の上からは、りんご畑の向こうに岩木山を望むことができます。
りんご公園の詳細とアクセスについては、以下の弘前市のWebサイトをご覧ください。
弘南バスの路線バスのほか、観光シーズンの4月~11月には「ためのぶ号」が運行されているようです。
なお、五能線の北部、鰺ヶ沢~五所川原~川部あたりの、岩木山の北側をぐるりと回り込む区間では、車窓からもりんご畑を眺めることができます。
以上、「【五能線 リゾートしらかみ】日本海の絶景車窓と沿線のおすすめ観光スポット、車内での食事情を紹介します!」でした。五能線の絶景車窓を眺めながら、途中下車をして旅を楽しむのがおすすめです。
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