JR各社は、2022-23年冬(2022年12月~2023年2月)の臨時列車の運転計画を発表しました。水郡線ではDL重連+12系客車の「DLすいぐん号」や「風っこストーブ奥久慈号」が運転されます。JR九州では西九州新幹線開業にあわせてデビューした「ふたつ星4047」や、豊肥本線で運転を開始した「かわせみ やませみ」が多数運転されます。また、豪雨被害で不通となっていた五能線の全線運転再開に伴い、12月24日から「リゾートしらかみ」が全線で運転再開します。目新しい列車は少ないですが、定番列車がコンスタントに運転されます。
JR各社の2022-23年冬の臨時列車の運転計画まとめ(1月20日時点)
JR各社は、2022-23年冬の臨時列車について発表しました。1月20日時点での運転計画の発表状況は以下のとおりです。
※リンクをクリックするとPDFファイルが開きます。
- JR北海道
- JR東日本
- JR東海
- JR西日本
- 冬の臨時列車計画のお知らせ(10月21日発表)
- 岡山エリア 山陰エリア
- 【山陽新幹線】臨時列車の追加運転のお知らせ(12/1~1/9)(11/11発表)
- 北陸新幹線・ 在来線特急 臨時列車の追加運転のお知らせ(11/17発表)
- 2023年初詣臨時列車の運転について(12/9発表)
- 周南冬のツリー祭り開催に伴う臨時列車の運転について(12/9発表)
- 【山陽新幹線】臨時列車の追加運転のお知らせ(12/9発表)
- 【北陸新幹線】 臨時列車の追加運転のお知らせ(12/13発表)
- 【山陽新幹線】臨時列車の追加運転のお知らせ(1月)(12/22発表)
- 山陰線 観光列車「○○のはなし」 運転計画について(2023年3月~2024年2月まで)(12/23発表)
- 特急「サンダーバード」 臨時列車の追加運転について(1/12発表)
- 【山陽新幹線】臨時列車の追加運転のお知らせ(2月)(1/16発表)
- JR四国
- JR九州
なお、定番の観光列車(JR東日本の「のってたのしい列車」、JR九州の「D&S列車」など)については、各社のWebサイトにて運転計画が公表されています。
茨城プレデスティネーションキャンペーンにあわせて水郡線で客車列車・ストーブ列車を運転!
2022年10月~12月の「茨城プレデスティネーションキャンペーン」にあわせて、水郡線でDL牽引の客車列車とストーブ列車が運転されます。
DL重連+12系客車で運転!「DLすいぐん号」

「DLすいぐん号」のイメージ(実際はDL重連で運転)
12月上旬に、水戸~常陸大子間で、DL牽引の客車列車「DLすいぐん号」が運転されます。
- 快速「DLすいぐん号」
- 運転日: 12月3日(土),4日(日)
- 運転時刻
- 往路: 水戸 10:10発 → 常陸大子 11:52着
- 復路: 常陸大子 15:23発 → 水戸 16:59着
- 途中停車駅: 上菅谷
- 利用車両: DL重連+12系客車5両(全車指定席)
「DLすいぐん号」は、今回初めて設定される列車です。水郡線をDL重連牽引による客車列車が走ります。DL重連も迫力がありますが、水郡線で5両編成の客車列車が走るというのも珍しいことです。途中停車駅が少ないのは、DL重連+5両の列車が停車できる駅が少ないからでしょう。
乗る方も撮る方も注目の列車となりそうですね。
トロッコ型ストーブ列車「風っこストーブ奥久慈号」

トロッコ型気動車「風っこ」
1月下旬の厳寒期には、トロッコ型気動車「びゅうコースター風っこ」を利用したストーブ列車「風っこストーブ奥久慈号」が運転されます。
- 快速「風っこストーブ奥久慈号」
- 運転日: 1月28日(土),29日(日)
- 運転時刻
- 往路: 水戸 09:40発 → 常陸大子 11:08着
- 復路: 常陸大子 14:40発 → 水戸 16:08着
- 途中停車駅: 上菅谷、常陸大宮、袋田
- 利用車両: 風っこ(キハ48系2両)(全車指定席)
春~秋には窓を取り外してトロッコ列車として運転されている「びゅうコースター風っこ」ですが、冬季は窓を取りつけて、車内にだるまストーブを設置してストーブ列車として運転されます。
水郡線は久慈川の車窓が美しいローカル線です。さらに、1月下旬であれば、天候によっては雪景色の中を走ることになる可能性もありそうで、暖かい車内から冬の水郡線の車窓を楽しめそうです。
常磐線沿線から東北本線(仙台・松島)への臨時特急列車を今冬も運転!

常磐線の臨時列車に使われるE653系電車
昨冬に初めて設定された常磐線沿線から仙台・松島方面への直通特急列車「冬をまるごと仙台松島号」と「冬の宮城ホッと温泉号」が、今冬も運転されます。
- 特急「冬をまるごと仙台松島号」
- 運転日: 12月17日(土),24日(土)
- 運転時刻
- 下り: 水戸 08:39発 → 仙台 12:22着 → 松島 12:46着 → 小牛田 13:02着
- 上り: 小牛田 18:24発 → 松島 18:40発 → 仙台 19:13発 → 水戸 23:26着
- 途中停車駅: 勝田、日立、高萩、泉、いわき、原ノ町、仙台、松島
- 使用車両: E653系7両編成(全車指定席)
12月下旬の土曜日には、水戸発着の特急「冬をまるごと仙台松島号」が運転されます。常磐線から仙台までの特急列車は毎日運転されていますが、仙台以北への直通列車は珍しいですね。仙台観光はもちろんのこと、松島観光や、小牛田から陸羽東線に乗り換えて、鳴子温泉などへの観光に便利な列車です。
- 特急「冬の宮城ホッと温泉号」
- 下り(土浦→小牛田)
- 運転日: 1月14日(土),21日(土)
- 運転時刻: 土浦 07:53発 → 仙台 12:22着 → 松島 12:46着 → 小牛田 13:02着
- 上り(小牛田→土浦)
- 運転日: 1月15日(日),22日(日)
- 運転時刻: 小牛田 12:27発 → 松島 12:44発 → 仙台 13:12発 → 土浦 18:06着
- 途中停車駅: 石岡、友部、赤塚、水戸、勝田、日立、高萩、泉、いわき、原ノ町、仙台、松島
- 使用車両: E653系7両編成(全車指定席)
- 下り(土浦→小牛田)
1月中旬の週末には、土浦発着の特急「冬の宮城ホッと温泉号」が運転されます。前述の特急「冬をまるごと仙台松島号」と同じく小牛田行きですが、発駅が土浦駅となり、所要時間は5時間を超えるロングランの列車になります。
特急「冬の宮城ホッと温泉号」は、下り列車が土曜日に、上り列車が日曜日に運転されますので、常磐線沿線から南東北エリアの温泉への宿泊旅行にぴったりの列車です。
五能線「リゾートしらかみ」、12月24日から全線で運転再開!
2022年8月の豪雨被害で一部区間で不通となっていた五能線ですが、2022年12月23日に全線で運転を再開する予定です。翌日の12月24日(土)からは、「リゾートしらかみ」も全区間で運転を再開します。
これまで、リゾートしらかみ1号・2号のみが青森~鰺ケ沢間で運転されていましたが、12月24日からは、以下の4本の列車が運転を再開します。
- リゾートしらかみ1号: 秋田 08:19発 → 青森 13:29着
- リゾートしらかみ5号: 秋田 13:57発 → 青森 19:38着
- リゾートしらかみ2号: 青森 08:09発 → 秋田 13:26着
- リゾートしらかみ4号: 青森 13:51発 → 秋田 19:01着
これで、ようやく「リゾートしらかみ」で五能線全線を乗り通せるようになります。年末年始、そして、冬の青春18きっぷシーズンにも何とか間にあいました。
五能線「リゾートしらかみ」については、以下の記事をご覧ください。

冬の道東を走る「SL冬の湿原号」「流氷物語号」今冬も運転!
冬季に釧網本線で運転されるSL列車「SL冬の湿原号」と、車窓から流氷を眺められる「流氷物語号」が、今冬も運転されます。
2~4号車もリニューアル客車で運転?「SL冬の湿原号」
JR北海道の唯一のSL列車「SL冬の湿原号」が、今冬も運転されます。
- 快速「SL冬の湿原号」
- 運転日(2023年)
- 1月21日(土),22日(日),27日(金),28日(土),29日(日)
- 2月3日(金)~12日(日),17日(金)~19日(日),23日(木・祝)~26日(日)
- ※3月も運転の予定
- 運転区間・時刻
- 往路: 釧路 11:05発 → 標茶 12:35着
- 復路: 標茶 14:00発 → 釧路 15:42着
- 途中停車駅: 東釧路、釧路湿原、塘路、茅沼
- 使用車両: SL+客車5両,全車指定席(乗車券1,290円に加えて、指定席券1,680円が必要)
- 運転日(2023年)
「SL冬の湿原号」の運転は毎年恒例となっていますが、2021年度から客車のリニューアルが進められています。昨冬の運転では、1号車と5号車の「たんちょうカー」の車内がリニューアルされ、川側にはカウンター席が、山側には高床式のボックス席が設置されました。

「SL冬の湿原号」2022年度リニューアル
(出典)【社長会見】「SL冬の湿原号」客車のリニューアル第1弾が登場します!(JR北海道ニュースリリース 2021年10月14日 PDF)
2022年度は、残りの2号車~4号車「ストーブカー」のリニューアルが計画されています。今回の冬臨の発表では特に触れられていませんでしたが、いずれ、正式にJR北海道から発表があるものと思われます。
新しくリニューアルされた客車で、冬の釧路湿原の旅を楽しみたいですね。
今冬も「北海道の恵みシリーズ」車両で運転!「流氷物語号」
釧網本線の北側、オホーツク海に沿って走る網走~知床斜里間で、「流氷物語号」が運転されます。
- 普通「流氷物語号」
- 運転日: 2023年1月28日(土)~2月26日(日)の毎日
- 運転区間: 網走~知床斜里(1日2往復)
- 運転時刻
- 1号: 網走 09:52発 → 知床斜里 10:42着
- 3号: 網走 12:45発 → 知床斜里 13:35着
- 2号: 知床斜里 11:30発 → 網走 12:30着
- 4号: 知床斜里 13:48発 → 網走 14:46着
- 使用車両: 北海道の恵みシリーズ(2両編成、一部指定席)
昨冬に続き、今冬も「北海道の恵みシリーズ」で運転される予定です。「北海道の恵みシリーズ」は、キハ40形の内装・外装をリニューアルした車両で、4両が各地で運転されています。
「北海道の恵みシリーズ」は、ふだんは普通列車に使われている車両ですので、観光向けに特化したものではありません。それでも、「流氷物語号」は列車の本数が少ない釧網本線では貴重ですし、流氷観光を絡めた道東・オホーツクエリアでの観光に便利な列車です。
「SL冬の湿原号」「流氷物語号」については、以下の記事もご覧ください。(最新情報が発表されたら2023年版に更新します。)

2022年9月にデビューした「ふたつ星4047」、豊肥本線で運転を開始した「かわせみ やませみ」
西九州新幹線の開業にあわせてデビューした新しいD&S列車「ふたつ星4047」と、2022年9月から豊肥本線での運転を開始した「かわせみ やませみ」が、今冬も定期的に運転されます。
武雄温泉~長崎間で「ふたつ星4047」を運転!

新しいD&S列車「ふたつ星4047」
(出典)ふたつ星4047(JR九州)
西九州新幹線の開業にあわせてデビューした新しいD&S列車「ふたつ星4047」が、今冬もコンスタントに運転されます。土休日に加えて、金曜日、月曜日にも運転されます。
- 特急「ふたつ星4047」
- 運転日
- 12月2日(金)~5日(月),9日(金)~12日(月),16日(金)~19日(月),23日(金)~27日(火),29日(木)
- 1月3日(火),5日(木)~9日(月),13日(金)~16日(月),20日(金)~23日(月),27日(金)~30日(月)
- 2月3日(金)~6日(月),10日(金)~13日(月),17日(金)~20日(月),23日(木)~27日(月)
- 運転区間・運転時刻
- 午前便: 武雄温泉 10:22発 → 長崎 13:15着(長崎本線経由)
- 午後便: 長崎 14:53発 → 武雄温泉 17:45着(大村線経由)
- 使用車両: キハ40形+キハ47形 3両編成(全車指定席 定員86名程度)
- 運転日
年末年始も含めて、運転日がかなり多くなっています。西九州新幹線の開業で注目の西九州エリアを旅行する際には、西九州新幹線に加えて「ふたつ星4047」に乗車するのも良さそうですね。
西九州新幹線「かもめ」と「ふたつ星4047」にぞれぞれ片道ずつ乗車できる往復割引きっぷ「かもめぐるりんきっぷ」が、期間限定で発売されています。詳しくは、以下の記事をご覧ください。

豊肥本線で運転を開始した「かわせみ やませみ」
肥薩線で運転されていたD&S列車「かわせみ やませみ」は、令和2年7月の豪雨被害で肥薩線が被災したあと、博多~門司港間などで臨時に運転されていました。2022年9月の西九州新幹線開業にあわせたダイヤ改正以降は、豊肥本線の熊本~宮地間で運転されることになりました。
- 特急「かわせみ やませみ」
- 運転日
- 12月3日(土),4日(日),10日(土),11日(日),17日(土),18日(日),24日(土)~31日(土)
- 1月1日(日)~9日(月),14日(土),15日(日),21日(土),22日(日),28日(土),29日(日)
- 2月4日(土),5日(日),11日(土),12日(日),18日(土),19日(日),23日(木),25日(土),26日(日),
- 運転区間・運転時刻
- 往路: 熊本 10:32発 → 宮地 12:09着
- 復路: 宮地 15:47発 → 熊本 17:08着
- 途中停車駅: 肥後大津、立野、阿蘇
- 運転日
豊肥本線を走る特急「九州横断特急」や「あそ」を補完する形で、この「かわせみ やませみ」が運転されますので、熊本からの阿蘇観光のアクセスにも便利ですね。
首都圏発の成田臨、2023年は全て特急化

2021年に運転された快速「成田山初詣ぐんま号 」
2023年も首都圏各地から成田へ向かう臨時列車、通称「成田臨」が運転されます。2022年までと大きく変わったのは、全ての列車が快速列車から特急列車に格上げになったことです。
中央本線方面からの特急「早春成田山おうめ号」と「早春成田山やまなし号」は、E257系9両編成で運転されます。
- 特急「早春成田山おうめ号」(旧「成田山初詣青梅号」)
- 運転日: 1月7日(土)
- 往路: 青梅 08:43発 → 成田 10:43着
- 復路: 成田 15:04発 → 青梅 17:17着
- 特急「早春成田山やまなし号」(旧「成田山初詣やまなし号」)
- 運転日: 1月8日(日)
- 往路: 小淵沢 07:23発 → 成田 10:43着
- 復路: 成田 15:04発 → 小淵沢 18:27着
武蔵野線、宇都宮線、高崎線方面からの列車は、E257系5両編成で運転されます。
- 特急「早春成田山むさしの号」(旧:「成田山初詣むさしの号」)
- 運転日: 1月9日(月)
- 往路: 府中本町 09:45発 → 成田 11:37着
- 復路: 成田 15:28発 → 府中本町 17:28着
- 特急「成田山初詣とちぎ号」(旧「早春成田初詣号」)
- 運転日: 1月7日(土),8日(日)
- 往路: 宇都宮 08:26発 → 成田 11:07着
- 復路: 成田 14:57発 → 宇都宮 17:24着
- 特急「成田山初詣ぐんま号」(旧「成田山初詣ぐんま号」)
- 運転日: 1月7日(土),8日(日)
- 往路: 前橋 08:56発 → 成田 11:37着
- 復路: 成田 15:28発 → 前橋 18:24着
上記以外に、「高尾山初詣ぐんま号」(高崎~高尾)、「開運初詣号」(新宿~鹿島神宮)も特急列車として運転されます。
2022年に快速列車として運転されていた成田臨よりも、わずかに所要時間が短くなっていますので、特急化にあたってダイヤを調整したと思われます。
一方で、特急列車では距離に応じた特急料金がかかることになります。「早春成田山やまなし号」などは走行距離が200kmを軽く超えるため、特急料金だけで2,500円以上となります。これまでの成田臨でも、往路はともかく、復路は空席が目立つ列車もあったため、実質的な「値上げ」で、利用に影響が出るのではないかと心配です。
2021年1月に運転された快速「成田山初詣ぐんま号」の乗車記です。2つの連絡線を渡る珍しい経路で運転される列車です。

以上、『【2022-23年冬の臨時列車】DL重連の「DLすいぐん号」が注目! 新D&S列車「ふたつ星4047」、豊肥本線「かわせみ やませみ」も運転日多数!』でした。目新しい列車は多くありませんが、定番列車は今冬も運転されますので、冬の乗り鉄・鉄道旅行に活用したいですね。
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筆者おすすめの関東甲信越エリアの観光列車をまとめて紹介している記事です。多くの列車は、この冬の観光シーズンにも運転されます。

JR各社の格安きっぷをまとめて紹介している記事です。現在~3か月後くらいまでの間に利用できるきっぷを、随時入れ替えて紹介していますので、この春のおでかけの参考にしてみてください。

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