JR各社は、2021年夏(7月~9月)の臨時列車について発表しました。東北DC関連では「SL銀河 東北DC結び号」が盛岡~釜石で運転されるほか、「海里」の秋田延長運転も注目です。一方、残念ながら「SL北びわこ号」の運転終了が発表されました。また、新幹線や特急列車の臨時列車に関しては、東海道・山陽新幹線を除いて、ごく限られた本数の設定しかなく、JR各社は、夏休み・お盆休みの旅行・帰省需要が回復しないと見ているようです。
- JR各社の2021年夏の臨時列車の運転計画・指定席の発売状況まとめ(8月30日時点)
- 東北DC向けに盛岡~釜石間の運転も!「SL銀河 東北DC結び号」
- 陸羽東線 小牛田~鳴子温泉でSLを運転!「SL・DL 東北DC陸羽東線号」(旅行商品限定)
- 水郡線全線運転再開後、初の「風っこ」運転!「奥久慈清流風っこ号」
- 「海里」が秋田へ延長運転! 上り新潟行きは夕方~夜間の走行に!
- 観光列車「海里」が只見線へ! 旅行商品専用列車「只見海里」を運転!
- 恒例の快速「谷川岳山開き」は185系6両で運転! 往路は夜行列車!
- 毎年恒例! 9月上旬に特急「ニセコ」を山線経由で運転!
- JR西日本、「SL北びわこ号」の運転終了を発表!
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JR各社の2021年夏の臨時列車の運転計画・指定席の発売状況まとめ(8月30日時点)
JR各社は、2021年夏の臨時列車について発表しました。8月30日時点での運転計画の発表状況は以下のとおりです。
※一部を除きPDFファイルが開きます。
- JR北海道
- JR東日本
- JR東海
- JR西日本
- 夏の臨時列車の計画および指定席発売見合わせについて(5月21日発表)
- 2021年 夏の臨時列車運転のご案内 観光列車「あめつち」および木次線トロッコ列車「奥出雲おろち号」(6月3日発表)
- 【山陽新幹線】7月の臨時列車の運転のお知らせ(6月21日発表)
- 【山陽新幹線】8月の臨時列車の運転のお知らせ(7月19日発表)
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- 【山陽新幹線】9 月の臨時列車の運転のお知らせ (8月27日発表)
- 北陸新幹線「つるぎ」・在来線特急 9月分の運転計画のお知らせ(8月27日発表)
- JR四国
- JR九州
なお、定番の観光列車(JR東日本の「のってたのしい列車」、JR九州の「D&S列車」など)については、各社のWebサイトにて運転計画が公表されています。
東北DC向けに盛岡~釜石間の運転も!「SL銀河 東北DC結び号」
花巻~釜石間を走る「SL銀河」が、検査整備を終えて1年ぶりに運転を再開します。運転再開後の最初の列車は、盛岡→釜石間で運転される「SL銀河 東北DC結び号」として運転されます。
- 快速「SL銀河 東北DC結び号」
- 下り(盛岡→釜石)
- 運転日: 8月21日(土)
- 運転時刻: 盛岡 08:00発 → 花巻 10:36発 → 釜石 15:10着
- 上り(釜石→花巻)
- 運転日: 8月22日(日)
- 運転時刻: 釜石 09:57発 → 遠野 11:46着 → 花巻 15:19着
- 使用車両: SL(C58-239)+キハ141系4両
- 下り(盛岡→釜石)
その後は、例年どおり、「SL銀河」として、週末の土日に花巻~釜石間での運転となります。
- 快速「SL銀河」
- 下り(花巻→釜石)
- 運転日: 8月28日(土),9月4日(土)・11日(土)・18日(土)・25日(土)
- 運転時刻: 花巻 10:36発 → 釜石 15:10着
- 上り(釜石→花巻)
- 運転日: 8月29日(日),9月5日(日)・12日(日)・19日(日)・26日(日)
- 運転時刻: 釜石 09:57発 → 花巻 15:19着
- 使用車両: SL(C58-239)+キハ141系4両
- 下り(花巻→釜石)
陸羽東線 小牛田~鳴子温泉でSLを運転!「SL・DL 東北DC陸羽東線号」(旅行商品限定)
東北DC特別企画として、陸羽東線の小牛田~鳴子温泉間に「SL・DL 東北DC陸羽東線号」が運転されます。蒸気機関車としては、ふだん、高崎エリアで「SLぐんまみなかみ」などを牽引している「D51 498」が利用されます。
- 「SL・DL東北DC陸羽東線号」
- 運転日: 9月18日(土),19日(日)
- 下り「DL 東北DC陸羽東線号」
- 運転時刻: 小牛田 10:05発 → 鳴子温泉 11:47着
- 編成: DL(DE10形)+12系客車(4両)+SL(D51形)
- 上り「SL 東北DC陸羽東線号」
- 運転時刻: 鳴子温泉 13:03発 → 小牛田 14:49着
- 編成: SL(D51形)+12系客車(4両) ※DLは連結されない
下り(鳴子温泉行き)はDL牽引の「DL 東北DC陸羽東線号」として、上り(小牛田行き)はSL牽引の「SL 東北DC陸羽東線号」として運転されます。陸羽東線でのSL運転は珍しいので、注目の列車になると思います。
いずれも、乗車するためには、旅行商品を購入する必要があります。
東北発、首都圏発の旅行商品が用意されるようですが、びゅうトラベルサービスが発売する東北発の商品は以下のようなラインアップになっています。
- 「SL・DL 東北DC陸羽東線号」乗車のみ
- 小牛田発、または、鳴子温泉発で「SL・DL 東北DC陸羽東線号」に片道乗車
- おとな 3,900円, ことも 3,000円
- 仙台発着「SL・DL 東北DC陸羽東線号」乗車
- 仙台発着で、「SL・DL 東北DC陸羽東線号」の片道に乗車
- 仙台~古川間は東北新幹線に乗車
- おとな 9,800円, ことも 7,000円
詳しくは、びゅうトラベルサービス「日本の旅・鉄道の旅」サイトをご覧ください。
また、JR東日本のニュースリリースもご覧ください。
水郡線全線運転再開後、初の「風っこ」運転!「奥久慈清流風っこ号」
水郡線は2019年の台風19号の影響で、一部区間が不通となっていましたが、2021年3月27日に全線で運転を再開しています。この夏には、全線運転再開後、初めてトロッコ型車両「風っこ」が運転されます。
- 快速「奥久慈清流風っこ号」
- 奥久慈清流風っこ1号
- 運転日: 8月28日(土)
- 運転時刻: 水戸 08:45発 → 磐城石川 12:55着
- 奥久慈清流風っこ2号
- 運転日: 8月28日(土)
- 運転時刻: 磐城石川 14:50発 → 水戸 19:19着
- 奥久慈清流風っこ3号
- 運転日: 8月29日(日)
- 運転時刻: 水戸 08:45発 → 常陸大子 11:13着
- 奥久慈清流風っこ4号
- 運転日: 8月29日(日)
- 運転時刻: 常陸大子 14:01発 → 水戸 16:07着
- 使用車両: 風っこ(キハ48系)2両
- 奥久慈清流風っこ1号
8月28日(土)は水戸~磐城石川間、29日(日)は水戸~常陸大子間での運転となります。
久慈川に沿って走る水郡線ですので、窓のない「風っこ」であれば、風を感じながら、久慈川の車窓を眺めることができそうです。水戸~磐城石川間の運転では、片道4時間以上と、乗りごたえもたっぷりです。
水郡線の車窓については、以下の記事で紹介しています。途中、袋田駅で下車して袋田の滝を見に行くのもおすすめです。

「海里」が秋田へ延長運転! 上り新潟行きは夕方~夜間の走行に!
新潟~酒田間で運転されている観光列車「海里」ですが、7月と9月に秋田への延長運転が実施されます。
- 快速「海里」(秋田延長運転)
- 運転日
- 7月16日(金)・17日(土)
- 9月3日(金)・4日(土)
- 運転時刻
- 下り: 新潟 09:14発 → 秋田 13:38着
- 上り: 秋田 17:15発 → 新潟 21:59着
- 使用車両: 海里(HB-E300系)4両
- 運転日
「海里」の秋田延長運転はこれまでにも実施されていますが、1日で新潟~秋田を1往復運転するのは、今回が初めてとなります。
そのせいか、上りの新潟行きは夜間の運転となっています。秋田発が17時15分で、新潟着は21時59分と遅い時間になっています。新潟からの上越新幹線は、東京行きの最終が21時36分発ですので、新潟到着後は東京方面には帰ることができません。金曜・土曜の運転ですから、新潟あるいは秋田で1泊してほしいということでしょうね。
「海里」の上り列車といえば、日本海に沈む夕陽が見どころの一つです。秋田延長運転時は、おそらく酒田発が19時ころになるでしょうから、秋田→酒田のどこかで日本海に沈む夕陽を眺めることになりそうです。
「海里」の乗車には、乗車券のほかに指定席券(840円)が必要です。「海里」の概要や予約方法、おすすめの座席などは、以下の記事でわかりやすく紹介していますので、ぜひご覧ください。

観光列車「海里」が只見線へ! 旅行商品専用列車「只見海里」を運転!
只見線全線開通50周年を記念して、新潟~只見間(信越本線・上越線・只見線経由)で「只見海里」が運転されます。旅行商品専用の列車での運転です。
- 快速「只見海里」(旅行商品専用列車)
- 運転日: 8月29日(日)
- 運転時刻
- 下り: 新潟 07:11発 → 只見 10:32着
- 上り: 只見 13:20発 → 新潟 16:00着
- 使用車両: 海里(HB-E300系)4両
ふだんは日本海の車窓が素晴らしい羽越本線を走る「海里」が、川や渓谷が美しい只見線を走ります。「海里」が只見線を走るのは初めてでしょう。
旅行商品専用列車としての運転ですので、乗車するのは旅行会社の商品を申し込む必要があります。首都圏発着の旅行商品は、以下の1泊2日の行程となっています。
- 8月28日(土)
- 東京・大宮 → 新潟(上越新幹線)
- 新潟近辺に宿泊
- 8月29日(日)
- 新潟 → 只見(「只見海里」乗車、車内で朝食)
- 田子倉レイクビュー、Jパワー只見展示館を見学
- 只見 → 新潟(「只見海里」乗車、車内で昼食)
- 新潟 → 大宮・東京(上越新幹線)
詳しくは、JR東日本新潟支社のニュースリリースをご確認ください。
恒例の快速「谷川岳山開き」は185系6両で運転! 往路は夜行列車!
谷川岳の山開きにあわせて運転される臨時列車「谷川岳山開き」は、185系6両編成での運転となります。往路は上野発23時36分、土合着03時10分という夜行列車として運転されます。
- 快速「谷川岳山開き」
- 下り
- 運転日: 7月3日(土)
- 運転時刻: 上野 23:36発 → 土合 03:10着
- 上り
- 運転日: 7月4日(日)
- 運転時刻: 土合 14:30発 → 上野 17:16着
- 使用車両: 185系6両(全車指定席)
- 下り
この「谷川岳山開き号」は、土合駅に03時10分という早い時間に到着しますが、列車名のとおり、谷川岳への登山客のための列車なので、このようなダイヤになっています。
谷川岳へは、土合駅から徒歩でアクセスできる「谷川岳ロープウェイ」に乗れば、初心者でも登れるコースがあります。ただ、土合駅03時10分着では、さすがにロープウェイは運行されていませんので、ロープウェイを使わずに登る中上級者向けのコースとなります。
谷川岳ロープウェイについては、以下のサイトもご確認ください。登山ルートについても掲載されています。

鉄道ファンとしては、快速「谷川岳山開き」が185系で運転されるという点に注目でしょう。2021年3月のダイヤ改正で「踊り子」から引退し、現在は定期運用のない185系。夏臨でも185系で運転されるのは、この快速「谷川岳山開き」だけです。コロナ禍の影響で、臨時列車自体の設定が少ないため何とも言えませんが、185系の本当のラストランが近づいているのも間違いないでしょう。
毎年恒例! 9月上旬に特急「ニセコ」を山線経由で運転!
毎年恒例となりましたが、9月に、札幌~函館間を函館本線(山線)経由で結ぶ特急「ニセコ」が運転されます。今年は、これまでの183系ではなく、ノースレインボーエクスプレスでの運転となります。
- 特急「ニセコ」
- 運転日: 9月4日(土)~6日(月)・9日(木)~20日(月・祝)・23日(木・祝)
- 運転時刻
- 上り: 札幌 07:57発 → 函館 13:40着
- 下り: 函館 13:58発 → 札幌 19:29着
- 停車駅: 五稜郭、新函館北斗、森、長万部、黒松内、昆布、ニセコ、倶知安、余市、小樽、手稲
- 使用車両: ノースレインボーエクスプレス 5両編成
特急「ニセコ」については、以下の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

函館本線(山線)には、現在は特急列車が運転されておらず、普通列車しか走っていません。この特急「ニセコ」は、現在では、山線を走る唯一の特急列車となっています。
函館本線の山線、具体的には長万部~小樽間は、北海道新幹線札幌延伸開業時に、並行在来線としてJR北海道から経営分離されることになっています。沿線自治体は、鉄道として維持していくことが困難であると表明しており、鉄道のまま維持されるかどうか微妙な情勢となっています。そんな山線ですから、今のうちに乗っておくのもよいと思います。
なお、特急「ニセコ」が運転される時期には、毎年、「大人の休日倶楽部パス」が設定されています。2021年は9月7日~16日に設定されていますので、大人の休日倶楽部パスを利用して特急「ニセコ」に乗車するのもよいでしょう。
「大人の休日倶楽部パス」については、以下の記事で、最新情報とお得な使い方について紹介していますので、ぜひご覧ください。

JR西日本、「SL北びわこ号」の運転終了を発表!
夏の臨時列車のお知らせにあわせて、残念なニュースが飛び込んできました。JR西日本が、関西では唯一のSL列車「SL北びわこ号」の運転終了を発表したのです。

「SL北びわこ号」は、JR西日本が北陸本線の米原~木ノ本間で運行していたSL列車です。運転日は多くなかったですが、関西エリアでは唯一のSL列車ということで親しまれていました。
2020年春から、新型コロナウイルス感染拡大の影響で運行を取りやめていましたが、そのまま運転終了となってしまいました。
運行終了の理由は「換気」?
運転終了の理由として、JR西日本のニュースリリースでは、以下のように書かれています。
SL北びわこ号で使用している車両では、煤煙の影響の少ない換気が困難であるため、新型コロナウイルス感染拡大防止対策を十分に行う見込みが立たず、また部品の入手等、保守に苦慮していることから、今後の運行は終了することといたしました。
「SL北びわこ号」の客車は12系という形式の客車ですが、同形式の客車は、JR東日本の「SLばんえつ物語号」や「SLぐんま みなかみ号」などにも使われています。換気だけの問題であれば、そもそも窓が開く車両ですし、新型コロナウイルス感染症が落ち着くまでの間は、乗車人数を制限する等の措置を取ることもできます。SL列車を運行する鉄道会社はこのような措置をとって運転を継続しています。
さらに、SL列車の運行を継続する気があれば、客車を新造するのも一案です。実際、JR西日本は、「SLやまぐち号」用の客車として、35系客車を2017年に新造しています。
これらの状況を考慮すると、実際には、新型コロナウイルスの影響で業績が大幅に落ち込んでおり、SL列車を運行する余裕がなくなってきたというところでしょうか。運転日が少ない「SL北びわこ号」を維持していくためのコストが、JR西日本の業績に対して見合わなくなってきたということでしょう。
蒸気機関車「D51200」はどうなるか?
気になるのは、牽引機の蒸気機関車「D51200」がどうなるかです。JR西日本のニュースリリースには、
※「SL北びわこ号」につきまして営業運転は終了いたしますが、SLの検査後の本線試運転を行う場合は、これまで同様に、北陸本線を走行する予定です。
という記載がありますので、蒸気機関車は今後も動態保存を続けていくものと思われます。
一方で、JR西日本のもう一つのSL列車「SLやまぐち号」を牽引している蒸気機関車「C571」は、現在故障中で、2021年はディーゼル機関車牽引の「DLやまぐち号」として運転されています。
そうなると、「D51200」を「SLやまぐち号」に回し、その間に「C571」を修理、今後は「SLやまぐち号」をSL2機体制で運行する、ということもあり得るかもしれません。
故障中の「C571」が、そのまま廃車になるようなことはしてほしくないですが……。
以上、『【2021年夏の臨時列車】JR各社が発表! 東北DC関連で「SL銀河」を盛岡~釜石で運転、「SL北びわこ号」は運転終了を発表!』でした。定番の臨時列車・観光列車は運転されるものの、目新しい列車は数少なく、少し寂しい夏臨の発表となりました。
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