ひさの乗り鉄ブログ

青春18きっぷの話題をはじめ、観光列車や風光明媚な路線の乗車記などを思うままに綴っていく乗り鉄ブログです。

常磐線全線(代行バス含む)乗車レポート(2019年版) 復旧が進む区間と、2年前と変わらない区間と

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2019年最初の乗り鉄では、上野から仙台まで、代行バス区間も含めて、常磐線を乗りとおしてみました。2年前、2017年1月にも乗車していますが、徐々に復旧が進む区間と、いまだに代行バスが走る帰還困難区域の様子が対照的だったのが印象に残りました。

この記事では、上野から仙台まで、青春18きっぷで常磐線を旅した記録をご紹介します。

2年ぶりの常磐線全線乗車へ

2017年1月に、震災後、初めて常磐線の代行バス区間や、津波の被害を受け、内陸側に付け替えられた区間を含めて、常磐線全線を乗車しました。

2019年最初の青春18きっぷ旅は、2年前にたどった常磐線の区間に再度乗車し、不通区間の復旧の様子をこの目で確認してこようと思ったのでした。

早朝の水戸行き普通列車に乗車

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早朝の上野駅で出発を待つ常磐線水戸行きの列車

自宅を午前5時過ぎに出て、早朝の上野駅へ。2年前は特急「ひたち1号」(上野7時発)に終点のいわきまで乗車しましたが、今年は青春18きっぷの旅。その分、出発も早くなるのです。

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常磐線のグリーン車に乗車 扉はボタンを押して開けます

上野06時04分発の水戸行き普通列車に乗車します。例によって、JRE POINTを利用してもらった普通列車グリーン券を利用して、グリーン車に乗車します。

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夜明けの常盤路を往く

北千住を出たあたりで、ようやく東の空が明るくなってきました。この時期の青春18きっぷ旅は、自宅を出るときは真っ暗、最初の列車に乗っている間に夜明けを迎える、という感じです。

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土浦あたりでようやく日の出を迎えます

午前7時をまわり、土浦あたりまでくると、ようやく太陽が昇ってきました。

この時間の常磐線の下り列車は、途中で特急列車の通過待ちが全くないのですよね。上りの特急列車とは、何本もすれ違いましたが、下りの特急列車は、2年前に乗車した特急「ひたち1号」(いわき行き)が始発。1時間ほど早く上野駅を出るこちらの普通列車は、終点の水戸まで、何とか逃げ切るのですね。

グリーン車で軽く朝食をいただき、うとうとしていると、午前8時ちょうど、水戸駅に到着しました。

水戸発いわき行きはE501系10両編成!

水戸から乗り継ぐ列車は、08時18分発の普通いわき行きです。ホームへ降りると、すぐに水戸行きの上り列車として入線してきました。仕事始めの日とはいえ、まだ正月休みの方も多いと思っていたら、結構な乗車率でビックリ。

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水戸からはいわき行きに乗り継ぎ E501系10両編成

水戸から乗車するのは、E501系10両編成です。E501系、水戸近辺でしか見かけない車両です。

それはいいとしても、水戸~いわきの間の運用で10両編成というのは、いささか供給過剰ではないかと思いますが、どうなんでしょうか? 案の定、車内はガラガラです。もっとも、平日の県都からの下り列車とあれば、東京でも似たようなものかもしれませんが。

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勿来あたりで車窓には太平洋が!

常磐線の水戸~いわき間は、ところどころで太平洋の近くを通るのですが、ちょっと海が見えるだけ。一番海に近づくのは、もういわきに近い、大津港~勿来あたりでしょう。

澄んだ青空に、意外と穏やかな海の碧色がきれいでした。

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水戸から1時間半でいわきに到着

水戸から約1時間半、9時50分にいわきに到着しました。車内は、多少の乗降はあったものの、いわきまでガラガラのままでした。

かつての「スーパーひたち」の651系普通列車で富岡へ

いわきからは、富岡行きに乗り継ぎます。

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富岡行き普通列車は元スーパーひたちの651系!

やってきたのは、元「スーパーひたち」として活躍していた651系4両編成です。いまは、特急草津や、常磐線から各地への臨時列車などに利用されていますが、一部は、いわき~富岡間の普通列車としても使われています。他にはE531系5両編成の列車もあるようです。

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「普通 富岡」の行先方向幕も用意されています

「普通 富岡」の行先表示幕もちゃんと用意されていました。しばらくは、この区間で利用するということでしょう。

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ボックス状態にセットされたリクライニングシート 乗り心地は抜群です

車内は、651系の重厚なリクライニングシートが並びます。普通列車としての運用のためか、ボックス状態にセットされています。いわき~富岡間は40分程度のため、これで十分でしょう。

10時27分、いわきを出発。車内は、1ボックスに一人もいないくらいの閑散とした状態です。

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久ノ浜近くでも太平洋が広がります!

この区間でも、ところどころで太平洋のすぐ近くを通ります。この写真は、久ノ浜駅の近くを走行中に撮影しました。海を眺めたいなら、進行方向右側の窓側がおすすめですね。

11時09分、定刻通り、終点の富岡駅に到着しました。この651系に乗って、上野から仙台まで、常磐線全線を走破できる日がまた来るといいなと、そんなことを思いながら下車しました。

代行バスで帰還困難区域を抜ける

2年前に常磐線を乗りとおしたときは、竜田~小高間が津波と原発事故の影響で不通となっていました。その後、2017年4月に不通区間の北側の浪江~小高間、同10月に南側の竜田~富岡間が復旧し、現在(2019年1月時点)の不通区間は、富岡~浪江間の20.8kmとなっています。

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運転再開に合わせて整備された富岡駅の新駅舎 ピカピカです

富岡駅は、東日本大震災の津波で全壊してしまいました。その後の原発事故で、富岡町が立ち入り禁止区域に指定されていましたが、2017年4月に避難指示を解除。新たに新駅舎が整備され、2017年10月に運転が再開されたというわけです。

新しい駅舎には、JR東日本系列の日本レストランエンタープライズが運営するコンビニ・お食事処「さくらステーションKINONE」があります。

www.nre.co.jp

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浜通り交通が運行するJR代行バス 観光バスタイプです

新駅舎と同時に整備された駅前のバスターミナルで待っていると、代行バスがやってきました。2年前に竜田~原ノ町間で乗車した代行バスと同じく、浜通り交通の運行です。

観光バスタイプの4列シートですが、補助席以外の座席が9割方埋まるくらいの混雑でした。

運転手のほかに、女性の添乗員も乗車して運行です。シートベルト着用、窓開け厳禁といった注意事項のアナウンスがありました。

11時40分に富岡駅を発車。駅前の通りを少し西へ行くと、国道6号線とぶつかります。ここを右折、国道6号線を北上していきます。

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国道6号線 この先から帰還困難区域へ

国道6号線に入ると、すぐにこのような看板がありました。この先は帰還困難区域となるため、窓を閉め切れる車両でないと通行できないということです。代行バス出発時にあった窓開け厳禁という注意も、この区間を通行するためだったのですね。

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バリケードで封鎖されたガソリンスタンド

一見すると普通の国道のように見えますが、ガソリンスタンドはこのとおり、バリケードで閉鎖されています。

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沿道のレストランも封鎖され、時間が止まったよう

レストランも封鎖されています。震災以降、誰も立ち入っていないのか、雑草が生え放題、ところどころ窓が割れたままになっています。

このような光景は、2年前と変わらず。避難指示が解除されて、徐々に復旧が進んでいる帰還困難区域の外側のエリアとは対照的です。

国道6号線だけは通行が許可されているようですが、国道に面した家や商店などは、すべて封鎖されていました。脇道にも全てバリケードがされていて、一般のクルマは国道6号から出られないようになっています。

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一見のどかな風景も人が立ち入ることはできません

送電線の先は福島第一原発でしょう。空き地には、除染土が入っていると思われる黒い袋が大量に置かれていました。

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富岡駅から約30分で代行バスの終点、浪江駅に到着

帰還困難区域を抜け、国道6号線から左へ曲がると、12時10分、代行バスの終点、浪江駅に到着しました。

浪江町も、富岡町と同じく、2017年4月に避難指示が解除されています。浪江駅は、津波の被害を受けていないので、駅舎は震災前のまま。昔の国鉄駅の雰囲気を残す駅舎ですね。

2年前も代行バスで通過した国道6号線の帰還困難区域ですが、この一帯だけは、当時から時間が止まったままです。常磐線の不通区間は2019年度末までには復旧する予定ですが、帰還困難区域に指定されているエリアはどうなるのでしょうか?

719系電車で原ノ町へ

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富岡駅のホーム 1・2番線は封鎖され、3番線だけが利用されています

浪江駅のホームに入り、鉄道での旅を再開します。

浪江駅の1、2番線ホームは封鎖されていて、現在利用しているのは3番線のみです。駅舎のある1番線ホームと、2、3番線ホームの間には、簡易な通路が設置されています。そういえば、前回訪れた時の終着駅、小高駅も似たような状態になっていたのを思い出しました。

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東北地方で活躍する719系電車 セミクロスシートで汽車旅向き!

原ノ町行きの列車は、719系の4両編成。東北地方でよく見かける形式で、この車両を見ると、東北までやってきたという実感が湧きますね。

浪江を12時10分に発車。向きが固定されたクロスシートが並ぶ車内は、閑散としています。

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農地が広がるのどかな風景が続きます

沿線はのどかな風景が続きます。2年前まで、原発事故の影響で避難指示が出ていた地域とは思えません。

列車は20分ほどで、終点の原ノ町に到着しました。

内陸側に付け替えられた区間を通って仙台へ

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立派な原ノ町駅の駅舎

原ノ町でランチ休憩をとるため、途中下車。すぐの乗り継ぎの列車を見送り、1時間後の次の列車に乗車することにします。

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原ノ町駅で701系にE721系が連結され4両に!

常磐線の旅、ラストランナーは仙台行きの701系2両編成。ロングシートのみの電車で残念、と思っていたところ、仙台方からE721系2両編成の電車が回送されてきて、連結されました。

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E721系を先頭に仙台へ向けて出発!

ということで、E721系+701系の合計4両編成となって、仙台へ向かいます。当然、ボックスシートがあるE721系のほうに乗車します。

13時48分に原ノ町を出発。この時点では、車内はガラガラです。

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冬枯れの農地が車窓に広がります

原ノ町を出ると、冬枯れの農地の風景が広がります。太平洋からはやや内陸に入ったところを走るため、海を見ることはできません。

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津波被害を受けた区間は内陸側へ付け替えられた高架の新線を走行します

駒ヶ嶺駅を出ると、新たに内陸側に付け替えられた高架区間に入ります。もともと、このあたりは、海のすぐ近くを線路が通っていたのですが、東日本大震災の津波により甚大な被害を受けてしまいました。その後の復旧にあたっては、1kmほど内陸側に、高架の線路を作り直すこととなり、2016年12月に復旧・運転再開しています。

この区間を、復旧直後の2017年1月に乗車した様子については、以下の旅行記の記事で紹介しています。

www.kzlifelog.com

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水田地帯を高架から見下すことができます

このあたりは、もともと水田地帯だったのでしょう。見渡す限りの平地が続きます。ところどころで、海のほうに重機が作業をしている様子が見られましたが、堤防を作っているのでしょうか?

14時48分、東北本線との接続駅、岩沼に到着です。正式には、常磐線はこの岩沼駅までで、ここから先、仙台まで、この列車は東北本線を走っていきます。気が付くと、徐々に乗客が増えてきました。

この先、駅ごとに乗客が増えていきました。そういえば、2年前に原ノ町から乗車した電車は2両編成で、仙台到着時には満員電車のような混雑になっていたのを思い出しました。

今回のこの電車は4両編成。そこまでの混雑ではありませんが、立ち客が出るほどには混んできました。広瀬川の橋梁を渡ると、間もなく仙台です。定刻通り、15時12分に到着しました。

上野から仙台まで、途中で1時間のランチ休憩を挟みましたが、普通列車と代行バスを乗り継いで、約9時間の旅行でした。


以上、「常磐線乗車レポート(2019年版) 復旧が進む区間と、2年前と変わらない区間と」でお届けしました。運転を再開する区間が少しずつ増えていくのはうれしいことですが、代行バスで通過した帰還困難区域だけが、復興から取り残されてしまっています。常磐線は2019年度末までには、全線で復旧・運転再開の予定ですが、帰還困難区域にある駅はどうなってしまうのかが気になりました。