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【2019年 JRダイヤ改正】 中央線特急「あずさ」「かいじ」の停車駅を大幅見直し! 塩山・山梨市・下諏訪などは停車本数大幅減へ

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2019年春のJRダイヤ改正では、JR東日本の中央線特急の刷新が目玉の一つです。富士急行直通の特急「富士回遊」の新設や、新たな着席サービスの導入など、注目点が多いですが、もう一つ、停車駅の大幅な見直しが行われ、特急の停車本数が大幅に減る駅もあります。

中央線特急「あずさ」「かいじ」の停車駅を大幅見直し!

JR東日本は、2019年3月のダイヤ改正の概要を発表しました。

中央線特急の刷新が大きなトピックですが、特急「あずさ」「かいじ」の停車駅の大幅な見直しも実施されます。

JR東日本のダイヤ改正のプレスリリースに付属している中央線特急のダイヤ改正後の時刻表から、特急列車「あずさ」「かいじ」の運転本数と、停車する列車の本数が減る駅を抜き出してみました。

列車名 ダイヤ改正前 ダイヤ改正後
スーパーあずさ 下り8本 上り8本 -
あずさ 下り10本 上り10本 下り18本 上り18本
かいじ 下り12本 上り12本 下り12本 上り12本

※ダイヤ改正後は「スーパーあずさ」の愛称はなくなり「あずさ」に統合

まず、特急「あずさ」「かいじ」の運転本数ですが、これは現状維持となります。「あずさ」が18往復、「かいじ」が12往復です。

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次に、停車する特急列車の本数が減る駅を見てみます。

停車駅 あずさ かいじ
三鷹 1本/0本 → 0本/0本 10本/11本 → 0本/0本
大月 7本/6本 → 5本/2本 12本/12本 → 12本/12本
塩山 4本/3本 → 0本/0本 12本/12本 → 12本/12本
山梨市 4本/2本 → 0本/0本 12本/12本 → 12本/12本
石和温泉 5本/5本 → 0本/0本 12本/12本 → 12本/12本
韮崎 9本/9本 → 7本/7本 -
富士見 5本/6本 → 2本/2本 -
上諏訪 18本/18本 → 17本/17本 -
下諏訪 7本/9本 → 2本/2本 -
岡谷 15本/17本 → 14本/14本 -
塩尻 16本/17本 → 14本/14本 -

※表のみかた: 各欄は「上り停車本数/下り停車本数」を示しています。ダイヤ改正前 → ダイヤ改正後です。
※「あずさ」には、ダイヤ改正前の「スーパーあずさ」も含みます

主な要点をまとめると、以下のようになります。

  • 塩山・山梨市・石和温泉の3駅は全ての「あずさ」が通過、停車するのは「かいじ」のみ(かいじは全列車停車)
  • 三鷹駅はすべての特急列車が通過
  • 下諏訪・富士見の両駅に停車する「あずさ」の数が激減、停車するのは朝・夕夜間の2往復のみ
  • 韮崎・上諏訪・岡谷・塩尻に停車する「あずさ」も微減

全体的に、停車駅が少なくなっているのが特徴です。特に、「かいじ」が運転されている区間の山梨県内の駅では、「あずさ」の停車本数が大幅に減っているのが目立ちます。

速達化・遠近分離が目立つ新ダイヤ

今回のダイヤ改正での特急列車の停車駅見直しですが、停車駅を減らして速達化を狙っていることと、遠近分離を図っていることが特徴です。

「あずさ」全列車を「スーパーあずさ」化?

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これまで、速達タイプの列車は「スーパーあずさ」として、「あずさ」とは区別されていました。ただ、「スーパーあずさ」の中には、停車駅の極端に少ないタイプと、「あずさ」とほとんど停車駅が変わらないタイプとが入り混じっていて、わかりにくいダイヤになっていました。

今回、特急列車の車両がすべてE353系に統一されるのを機に、「スーパーあずさ」を「あずさ」に統合しました。その際、「スーパーあずさ」の停車駅をベースとしたダイヤにしたのではないかと考えられます。しかも、現行ダイヤでの速達タイプの「スーパーあずさ」をベースとして、最小限の停車駅を追加していった、そんなダイヤに見えます。

遠近分離を明確にしたダイヤ

もう一つの大きな特徴は、遠近分離を明確にしたダイヤであるということです。

甲府までの近距離客は「かいじ」へ、甲府以遠への長距離客は「あずさ」へと誘導し、「あずさ」の新宿~甲府間の混雑を緩和する狙いがあるのではないでしょうか。

この狙いが顕著に表れているのが、塩山・山梨市・石和温泉の「あずさ」全列車通過でしょう。甲府までの山梨県内の駅に停車する「あずさ」は、大月駅に停車する下り5本、上り2本のみとなります。これで、ダイヤがきれいにパターン化され、甲府までの各駅へは「かいじ」に乗車しなくてはらなないことがわかりやすくなります。

大月に「あずさ」が停車するのは、富士山方面への観光客、特に外国からの観光客が急増しているためでしょう。あずさ1号(新宿7時発)、あずさ3号(新宿7時30分発)が大月に停車しますが、いずれも観光客の需要が多い時間帯の列車です。

高速バスとの競争戦略を大転換?

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中央道と並行して走る中央線特急、高速バスとの競争はどうなる?

中央線の新宿~甲府・松本間は、中央道にほぼ並行しています。それほど長距離でもないこともあって、高速バスとの競争が激しい区間です。

今回のダイヤ改正は、回数券や割引きっぷの(事実上の)値上げなども絡んで、高速バスとの競争に大きな影響を及ぼしそうです。

競争に影響を及ぼしそうなのは、具体的には、以下の3点です。

  • ダイヤ改正による新宿~甲府・松本間の速達化・遠近分離
  • 割引率の高いあずさ回数券の廃止
  • えきねっとトクだ値(前日まで購入可能)の割引率を35%→10%に改悪(3週間前まで購入できる「お先にトクだ値」30%引きを新設)

これらの施策を総合して考えると、需要の多い新宿~甲府・松本間の高速化と実質的な値上げにより、高速バスに対する速達需要をより明確に差別化する ということになりそうです。これまで、前日まで購入できる「えきねっとトクだ値」で35%引きのきっぷを販売し、高速バスよりも少し高いくらいの値付けをしていましたので、今回のダイヤ改正と割引きっぷの刷新で、この戦略を大きく転換することになります。

高速バスが走る中央道は渋滞することが多いため、出張などのビジネス客は鉄道を利用することが多いでしょう。実質的な値上げ(割引率の低下)を実施したとしても、ビジネス客の需要には影響しないと判断したのかもしれません。

また、観光シーズンの土休日には、午前中の下り特急列車は満席になることが多いです。富士山周辺への観光をはじめとして、甲府や松本などへの外国人観光客が増えているためでしょう。需要自体が増えているので、実質値上げの影響は少ないと判断した可能性もあります。


以上、『【2019年 JRダイヤ改正】 中央線特急「あずさ」「かいじ」の停車駅を大幅見直し! 塩山・山梨市・下諏訪などは停車本数大幅減へ』でお届けしました。速達化・遠近分離化を狙ったダイヤが功を奏するのでしょうか。