ひさの乗り鉄ブログ

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JR東日本・西日本が2021年春のダイヤ改正での首都圏・近畿圏の終電繰り上げを発表! 大手私鉄や他地域も続くか?


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9月にJR西日本が、10月にJR東日本が、2021年春に終電の繰り上げ(一部の初電の繰り下げ含む)を実施することを発表しました。首都圏、近畿圏で、概ね最大で30分程度の終電の繰り上げが実施されます。この流れは、大手私鉄や他の都市圏にも広がる可能性がありそうです。

JR東日本・JR西日本が都市圏での終電繰り上げを発表!

JR東日本とJR西日本は、それぞれ、首都圏、近畿圏で、終電の繰り上げと、一部の初電の繰り下げを実施すると発表しました。実施時期は2021年春です。

終電時刻の繰り上げは、路線によって違いはあるものの、首都圏、近畿圏ともに最大で30分程度となります。

終電の繰り上げ、初電の繰り下げによって、実質的には大幅減便のダイヤ改正となりそうです。

【JR東日本】17線区で終電繰り上げ、中央線方面は全駅で30分程度の繰り上げへ

JR東日本は、首都圏の17線区で終電の繰り上げ、5線区で初電の繰り下げを実施します。

終電の繰り上げを実施する路線は以下のとおりです。

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首都圏で終電の繰り上げ、初電の繰り下げを実施する路線・区間

(出典)ダイヤ改正における終電時刻繰り上げ等の概要について(JR東日本ニュースリリース 2020年10月21日 PDF)

各路線・線区の終電の繰り上げ時間は以下のとおりです。区間によって異なりますので、詳しくは、JR東日本のニュースリリースをご覧ください。

路線 線区・方面 終電時刻
繰り上げ時間
山手線 外回り 16~19分
内回り ~20分
京浜東北
・根岸線
大船方面 16~33分
大宮方面 ~23分
東海道線 国府津~小田原 7~15分
横須賀線 大船~久里浜 15~18分
南武線 立川方面 ~15分
川崎方面 8~10分
横浜線 八王子方面 ~12分
東神奈川方面 3~15分
中央線
各駅停車
三鷹方面 7~25分
中央線快速 高尾方面 16~30分
青梅線 奥多摩方面 22~37分
武蔵野線 西船橋方面 4~26分
府中本町方面 ~12分
総武線
各駅停車
千葉方面 16~23分
京葉線 蘇我方面 11~30分
高崎線 高崎方面 ~37分
宇都宮線 宇都宮方面 ~24分
埼京・川越線 大宮・川越方面 ~19分
常磐線 水戸方面 ~23分
常磐線
各駅停車
我孫子方面 15~16分


ご覧のとおり、都心に直通するほぼ全ての路線で、終電時刻の繰り上げが実施されます。さらに、これらの路線と接続する青梅線、南武線、横浜線、武蔵野線等も対象になっています。

終電時刻の繰り上げは、おおむね最大で30分程度ですが、路線や区間によってかなりばらつきがあります。

ざっと見た感じ、一番影響が大きそうなのが、中央線・青梅線です。新宿から高尾までの全区間で、東京発の終電が30分ほど繰り上がります。青梅線も、青梅までで22分、奥多摩までで37分ほど繰り上がります。もともと、新宿発午前1時頃まで電車があり、全般的に終電が遅い路線でしたので、繰り上げ時間も大きくなっているようです。

また、以下の5線区では、初電の繰り下げが実施されます。

路線 線区・方面 初電時刻
繰り下げ時間
京浜東北
・根岸線
大船方面 ~12分
中央線
各駅停車
三鷹方面 ~17分
総武線
各駅停車
千葉方面 ~14分
常磐線快速 上野→松戸 3分
取手→松戸 9分
常磐線
各駅停車
松戸→我孫子 16分


初電時刻の繰り下げ幅は、最大でも17分程度と、それほど大きくありません。

終電時刻の繰り上げにより、東京方面への最終新幹線から乗り継ぎができなくなる線区があります。(いずれも、JR線のみを乗り継いだ場合)

  • 東北新幹線 やまびこ70号(盛岡20:29発→東京23:44着)
    • 東海道線(大磯~小田原)
    • 横須賀線(北鎌倉~逗子)
  • 上越新幹線 Maxとき350号(新潟21:35発→東京23:40着)
    • 東海道線(大磯~小田原)
    • 横須賀線(北鎌倉~逗子)
  • 北陸新幹線 かがやき518号(金沢21:00発→東京23:32着)
    • 東海道線(鴨宮・小田原)
    • 横須賀線(北鎌倉~逗子)
  • 東海道新幹線 のぞみ64号(新大阪21:24発→東京23:45着)
    • 青梅線(西立川~青梅)
    • 南武線(中野島~稲城長沼)
    • 横須賀線(東逗子~久里浜)
    • 常磐線(天王台・取手)

上記の「最終新幹線から乗り継げなくなる駅」へ終電までに到着するためには、主要駅の新幹線の終電時刻は以下のようになります。

路線 終電 滞在時間
東北新幹線 盛岡 はやぶさ48号 -
仙台 はやぶさ48号 △17分
上越新幹線 新潟 とき348号 △1時間15分
北陸新幹線 金沢 はくたか578号 △43分
富山 はくたか578号 △39分
東海道新幹線 新大阪 のぞみ62号
のぞみ60号
△18分
△36分
名古屋 のぞみ62号
のぞみ60号
△16分
△32分

※ダイヤは2020年10月現在、臨時列車は除く

新潟駅の1時間15分をはじめ、1時間近く滞在時間が短くなる駅が多くあります。最終の東京着の新幹線から乗り継げなくなる駅にお住まいの方は要注意です。

なお、時刻表を見る限りでは、最終の新幹線から、東京駅で数分の乗り継ぎ時間がある場合もあるため、来春のダイヤ改正で調整が入る可能性もあります。

【JR西日本】12線区で終電繰り上げ、48本の列車を削減

JR西日本は、近畿圏の12線区で終電の繰り上げを実施します。これにより、48本の列車を削減するとしています。なお、初電時刻の繰り下げについては、今のところ発表されていません。

JR西日本で終電の繰り上げを実施する路線・線区は以下のとおりです。

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近畿圏で終電の繰り上げを実施する路線・区間

(出典)深夜帯ダイヤ見直しの実施 ~メンテナンス部門の働き方の改善に向けて~(JR西日本ニュースリリース 2020年9月17日 PDF)]

各路線・線区の終電の繰り上げ時間は以下のとおりです。区間によって異なりますので、詳しくは、JR西日本のニュースリリースをご覧ください。

路線 線区・方面 終電時刻
繰り下げ時間
琵琶湖線 京都→草津方面 17~20分
京都線 京都→高槻方面 16~30分
大阪→高槻方面 21~25分
湖西線 京都→堅田方面 ~19分
嵯峨野線 京都→亀岡方面 ~20分
奈良線 京都→宇治方面 ~12分
神戸線 大阪→三ノ宮方面 20~24分
三ノ宮→西明石方面 20~24分
三ノ宮→大阪方面 25分
宝塚線 大阪→宝塚方面 9~24分
大阪環状線 大阪→京橋・鶴橋方面 ~18分
京橋→大阪方面 ~15分
京橋→鶴橋・天王寺方面 1分
天王寺→鶴橋・京橋方面 15分
天王寺→西九条方面 ~14分
京橋→放出方面 13~27分
東西線 北新地方面 9~23分
大和路線 天王寺→王寺方面 10~17分
阪和線 天王寺→鳳方面 11~20分


近畿圏でも、大阪、京都を中心に、多くの路線で終電時刻の繰り上げが実施されます。繰り上げ幅は最大で30分程度となっています。

近畿圏でも、東京の最終新幹線に乗り継げなくなる区間があります。

  • 東海道新幹線 のぞみ265号(東京21:24発→京都23:31着→新大阪23:45着)
    • 琵琶湖線(篠原~米原)
    • 神戸線(大久保~姫路)
    • 学研都市線(忍ケ丘~松井山手)
    • 大和路線(法隆寺~郡山・JR難波)

駅によって異なるかもしれませんが、上記の区間では、のぞみ263号(東京21:12発、△12分)、または、のぞみ261号(東京21:00発、△24分)が東京発の最終の新幹線になりそうです。

都市圏の終電繰り上げは大減便の始まり?

今回のJR東日本、JR西日本の終電の繰り上げは、通勤電車の大減便の始まりではないかと、筆者はみています。

終電の繰り上げは実質的な大幅減便

JR東日本、JR西日本の終電の繰り上げは、実質的にはかなりの減便になります。

JR西日本は終電時刻を繰り上げる12線区で、合計48本の列車を削減するとしています。JR東日本は、詳細なダイヤが発表されていないため、削減される列車の本数はわかりませんが、現在のダイヤをベースにして、終電と一部の初電をそのまま運転取り止めとするのであれば、かなりの本数の列車が削減されるはずです。

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JR東日本、JR西日本は、今回の終電の繰り上げを、「保守作業時間を拡大するため」としています。保守作業を実施する作業者が不足しており、労働環境を改善することが目的ということです。

これまでも、保守作業者の不足はJR各社の課題になっていました。JR北海道等のローカル線では、日中時間帯に列車を運休して保守作業を実施しているところもあります。

ただ、ここまで性急に大都市圏での終電の繰り上げにまで踏み込んだのは、やはりコロナの影響が大きいでしょう。JR東日本のニュースリリースでは、

新型コロナウイルス感染症の拡大を契機としたお客さまの行動様式の変化に対応してまいります。

(出典)ダイヤ改正における終電時刻繰り上げ等の概要について(JR東日本ニュースリリース 2020年10月21日 PDF)

と書かれています。

実際、終電に近い深夜時間帯の乗客数の落ち込みが、他の時間帯よりもかなり大きくなっています。これが、新型コロナウイルスの影響による一時的なものであれば、ここまで踏み込んだ終電の繰り上げにはならないはずですが、JR東日本・JR西日本ともに、一度変わってしまった「行動様式」は、元には戻らないと見ているのでしょう。

新型コロナウイルスの感染拡大期には、お酒を出す飲食店や、いわゆる「夜の街」で感染が相次いでいたこともあり、夜遊びが敬遠されたのだと思います。ところが、現在は、在宅勤務やテレワークが定着し、会社に出社する人が減ったことにより、繁華街の人出そのものが減ってしまったのでしょう。

次は通勤・帰宅ラッシュの減便か?

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「お客さまの行動様式の変化」が理由だとすると、おそらく終電の繰り上げだけでは終わらないでしょう。

次にメスが入るとすれば、通勤ラッシュ、帰宅ラッシュ時の減便でしょう。在宅勤務やテレワークが定着すると、通勤する人も減ります。それに対応して、通勤・帰宅ラッシュ時間帯の減便も実施されるのではないかと予想します。

もっとも、下手に減便すると「密」な状態を招くため、新型コロナウイルス感染症が落ち着いたころを狙って、減便を実施するのではないかと思います。

終電繰り上げ、ラッシュ時の減便はコロナ後を見据えた固定費削減

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今回の終電繰り上げは、「保守作業時間を拡大するため」という名目になっていますが、前述のように、新型コロナウイルスによって変化したライフスタイルに適合させるという意味合いが大きいと思われます。

さらに、鉄道会社にとって重要なのは、通勤需要が減少したまま戻らないことを想定した固定費の削減です。

鉄道事業のコストは、設備の維持管理や、車両の保有、それに、鉄道を運行するための駅員や乗務員の人件費など、ほとんどが固定費となっています。それに対して、変動費はごくわずか。そのため、コスト削減をするには、固定費の削減が重要です。

終電を30分繰り上げれば、その分の人件費が不要になります。これは、乗務員だけでなく、終電が早くなる各駅の駅員の人件費も含まれます。

そして、固定費削減の「本丸」が、ラッシュ時の減便です。鉄道会社は、ラッシュ時に必要な列車の本数にあわせて、車両を保有しています。ラッシュ時に減便できれば、その分、保有する車両を減らすことができます。当然、それに合わせて、乗務員の総数も減らすことができます。

JRをはじめとする鉄道各社は、このようにして、コロナ後の需要減を見据えた固定費削減に取り組んでいくのではないかと考えています。

首都圏・近畿圏の終電繰り上げ、大手私鉄・地下鉄・他の都市圏への波及は?

首都圏と近畿圏の多くのJR線で終電の繰り上げが実施されるとなると、次に気になるのは、JR線に接続する大手私鉄や地下鉄の対応です。

JR線の終電繰り上げに対応して、大手私鉄各社も終電の繰り上げを実施する可能性もありそうです。

特に、山手線から放射状に路線が延びている首都圏の私鉄各社は、現状のダイヤだと、山手線の終電繰り上げに伴って、山手線からの接続がない列車が出てくるはずです。

首都圏の私鉄各社のターミナルは、新宿、渋谷、池袋など、そもそも大きな繁華街を持つ街なので、山手線との接続だけが問題になることはないかもしれませんが、「お客さまの行動様式の変化」はJR・私鉄を問わず共通のはずです。そういう意味では、JRが先陣を切ってくれたので、それに合わせて、私鉄各社も終電の繰り上げを実施する可能性が高いのではないかと思います。

首都圏、近畿圏だけでなく、名古屋、博多、札幌あたりの都市圏も、終電の繰り上げを実施するでしょうか?

これらの都市圏は、首都圏、近畿圏に比べると、終電はそれほど遅くありません。0時を過ぎると、大半の路線で終電が出たあとになります。

とはいえ、首都圏や近畿圏と同様に、終電に近い時間帯の列車の乗客が大幅に減っているのであれば、合理化という観点では、終電の繰り上げが実施されてもおかしくはなさそうです。


以上、「JR東日本・西日本が2021年春のダイヤ改正での首都圏・近畿圏の終電繰り上げを発表! 大手私鉄や他地域も続くか?」でお届けしました。人口減少で少しずつ縮小傾向が続くと思われていた鉄道業界に、新型コロナが直撃し、一気にこの動きが早まった感があります。今後、JRをはじめとする鉄道各社がどのように対応していくのか、気になるところです。