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根室本線の富良野~新得間の廃止・バス転換が事実上決定、留萌本線は部分存続で協議を継続へ

鉄道ニュース
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JR北海道の「単独で維持困難な線区」のうち、廃止・バス転換を目指すとしていた線区の一つ、根室本線の富良野~新得間について、沿線自治体が存続を断念、バス転換の協議を進めていくこととなりました。これにより、同区間の廃止は事実上決定。今後は、廃止がいつになるのかが焦点となります。

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根室本線 富良野~新得間、存続断念・バス転換へ

JR北海道が「単独で維持困難な線区」とする線区のうち、廃止・バス転換を求めている、いわゆる「赤線区」の一つ、根室本線の富良野~新得間について、沿線の4首長が存続を断念、バス転換の協議を開始することを確認しました。

ページが見つかりません:北海道新聞デジタル
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エラー - NHK

沿線のすべての自治体が廃止を容認したことにより、同区間の廃止は事実上決定となります。今後、バス転換に向けての協議に入り、方向性が固まり次第、JR北海道は廃止届を国交省に提出することになると思われます。

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2016年に台風で被災した区間を含む根室本線の富良野~新得間81.7kmが廃止へ

根室本線 東鹿越駅

根室本線 東鹿越駅、代行バスの乗換駅です

今回、沿線自治体が廃止・バス転換を容認した根室本線の富良野~新得間は、滝川~釧路~根室を結ぶ根室本線の一部区間です。根室本線は全長443.8kmの長距離路線ですが、富良野~新得間の81.7kmが廃止されることになります。

今回廃止される区間のうち、東鹿越~新得(上落合信号場)間は、2016年8月の台風によって被災しました。同年11月には、JR北海道が「単独で維持困難な線区」を発表、根室本線の富良野~新得間は、輸送密度が200人/日を切ることで、バス転換を目指すとされました。JR北海道が廃止を要望したことで、台風で被災した区間の復旧工事が開始されることはなく、2022年1月現在も不通のままです。今回の事実上の廃止決定で、東鹿越~新得間は、復旧されることなく廃止となります。

5年以上列車が通っていない根室本線の線路

5年以上列車が通っていない根室本線の線路

富良野~新得間は、現在は普通列車のみ(東鹿越~新得間は代行バス)が運転されていますが、かつては、札幌~釧路を結ぶ特急が走る北海道の大動脈でした。1981年に石勝線が開業すると、特急列車は石勝線経由での運転となり、ローカル輸送が中心の線区となりました。

富良野~新得間が廃止されることで、根室本線は、滝川~富良野間と、新得~釧路~根室間の2区間に分割されることとなります。

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年間10億円の負担できず、協議開始からわずか半年で存続断念へ

根室本線の代行バス

根室本線の代行バス

JR北海道が「単独で維持困難な線区」を発表したのが2016年11月ですが、根室本線の富良野~新得間については、沿線自治体とJR北海道との協議開始が遅れていました。

沿線自治体は、当初、存続を目指していましたが、その間に、同じく「赤線区」となった石勝線の夕張~新夕張が2019年4月に、札沼線の北海道医療大学~新十津川が2020年5月に、日高本線の鵡川~様似が2021年4月に廃止、バス転換となりました。

このような状況を考慮したのか、その間、襲来したコロナ禍による影響を鑑みたのか、2021年7月に、沿線自治体がつくる「根室本線対策協議会」がJR北海道と具体的な協議に入ることを決定しました。

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それからわずか半年となる2022年1月に、沿線自治体が廃止・バス転換を容認することとなりました。

廃止を容認した理由は、大きく3つです。

  • 2020年12月に国交省がJR北海道に示した支援策に、同区間が含まれず、国からの支援も期待できない
  • 鉄道を存続した場合に沿線自治体が支払う必要がある年間10億9千万円の運行費の負担が困難
  • JR北海道から、バス転換した場合の初期費用と、年間の運行経費の赤字補填を18年間実施するとの提案があった

国交省は、2020年12月に、JR北海道に対する支援の継続を決定しましたが、JR北海道が廃止・バス転換を目指している「赤線区」については、支援対象に含まれませんでした。

国の支援が受けられなくなったため、同区間を存続させるには、沿線自治体だけで運行経費を負担する必要があるわけですが、その額が年間10億9千万円。沿線の4つの自治体だけでの負担は困難ということで、廃止・バス転換を容認せざるを得なかったということです。

さらに、JR北海道から、バス転換する場合の初期費用と、年間の運行経費の赤字部分を18年間負担する提案があり、最終的にバス転換に至ったということのようです。

これにより、今後の焦点は、代替バスの運行経路や本数などがどうなるのか、また、鉄道の廃止がいつになるのか、といった点に移ります。

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JR北海道が廃止・バス転換を目指す「赤線区」、残るは留萌本線のみに

JR北海道が廃止・バス転換を目指すとした5線区の状況は、以下のとおりです(2022年1月現在)。

路線 線区 状況
石勝線 新夕張~夕張 2019年4月に廃止
日高本線 鵡川~様似 2021年4月に廃止
札沼線 北海道医療大学
~新十津川
2000年5月に廃止
留萌本線 深川~留萌 運行中、バス転換に向けて協議中
根室本線 富良野~新得 運行中(一部代行バス)
廃止・バス転換を容認

前述のとおり、石勝線の夕張~新夕張、札沼線の北海道医療大学~新十津川、日高本線の鵡川~様似はすでに廃止されました。

今回、根室本線の富良野~新得間の廃止・バス転換が事実上決まったことで、残るは留萌本線のみとなります。

留萌本線は、末端部分の留萌~増毛間が2016年12月に廃止されています。現在、沿線自治体は、深川~石狩沼田間の部分的な存続を目指しています。

ただ、2021年に実施した沼田町民に対する調査では、過半数となる54%がバス転換を容認するという結果になっています。

ページが見つかりません:北海道新聞デジタル
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沼田町長は、部分存続の方針に影響はないとしていますが、部分存続した場合に鉄道を利用する対象となる沼田町の町民の意識としては、バス転換容認ということなので、今後の議論に大きな影響がありそうです。

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根室本線 富良野~新得間、代行バスも含めて今のうちに乗っておこう!

代行バスからの狩勝峠の車窓

代行バスからの狩勝峠の車窓

根室本線の富良野~新得間の廃止が事実上決まってしまいましたが、廃止日が決まると、最後に乗車しようする人たちで混雑する可能性があります。最後にこの区間に乗りたいという方は、早めのご乗車をおすすめします。

富良野盆地ののどか風景、空知川とかなやま湖の風景、そして、代行バス区間では、狩勝峠からの絶景を一瞬ですが眺めることができます。

筆者が2020年8月に乗車してきたときの乗車記を公開しています。

【根室本線 富良野~新得 乗車記】空知川・かなやま湖、そして代行バスからの狩勝峠の車窓が素晴らしい路線!
滝川駅と根室駅を結ぶ長大な根室本線。その一部、現在は廃線の危機に瀕している富良野~新得間に乗車してきました。空知川が流れる長閑な風景、かなやま湖の景色、そして、代行バスからの狩勝峠の雄大な車窓は必見です。この記事では、根室本線の富良野→新得...

以上、「根室本線の富良野~新得間の廃止・バス転換が事実上決定、留萌本線は部分存続で協議を継続へ」でした。雄大な車窓を眺められる区間だけに廃止は残念です。代行バスも含めて、今のうちに乗車しておくことをおすすめします。

鉄道ニュース鉄道ニュース-JR北海道
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この記事を書いた人
乗り鉄歴25年!
ひさ

乗り鉄歴25年! 青春18きっぷやフリーきっぷを利用して、関東甲信越、北海道、東北によく乗り鉄に出かけます。このブログでは、これまでの乗り鉄経験を活かして、おすすめの列車や路線、青春18きっぷ活用のノウハウ、お得なきっぷの情報などを掲載しています。

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