ひさの乗り鉄ブログ

青春18きっぷの話題をはじめ、観光列車や風光明媚な路線の乗車記などを思うままに綴っていく乗り鉄ブログです。

【根室本線 富良野~新得 乗車記】空知川・かなやま湖、そして代行バスからの狩勝峠の車窓が素晴らしい路線!


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滝川駅と根室駅を結ぶ長大な根室本線。その一部、現在は廃線の危機に瀕している富良野~新得間に乗車してきました。空知川が流れる長閑な風景、かなやま湖の景色、そして、代行バスからの狩勝峠の雄大な車窓は必見です。この記事では、根室本線の富良野→新得の乗車記をお届けします。

根室本線 富良野~新得間とは?

根室本線は、滝川駅と根室駅を結ぶ、全長443.8kmにも及ぶ長大な路線です。

かつては、札幌と、道東地域、帯広、釧路、根室を結ぶ大動脈でしたが、1981年に石勝線が開通すると、根室本線の東側、滝川~新得間は都市間連絡の役割を終え、ローカル線となりました。

そんな根室本線ですが、現在、富良野~新得間が、JR北海道が公表している「単独では維持困難な線区」の一つになっており、しかも、乗客が極端に少ないことから、JR北海道はバス転換を求めています。

東鹿越~新得間は2016年の台風被害で不通
東鹿越~新得間は2016年の台風被害で不通

富良野~新得間のうち、東鹿越(ひがししかごえ)~新得間は、2016年の台風の被害により運休となっています。前述のように、JR北海道としては鉄道とし存続させず、バス転換する方針ですので、運休となってから4年が経つ今も、まだ復旧工事には着手されていません。JR北海道と沿線自治体との交渉次第ではありますが、他線区の状況を見る限り、鉄道として復旧される可能性は低いと言わざるとえません。

このような状況にあるため、今回、北海道の鉄旅の行程に盛り込んで、乗車してきました。

【根室本線 乗車記1】 猛暑の中、冷房のないキハ40で富良野を出発!

この日は、旭川から富良野線で南下し、途中、美瑛で観光をしながら、富良野までやってきました。

8月下旬、猛暑の富良野駅
8月下旬、猛暑の富良野駅

8月下旬の富良野駅。根室本線の列車まで1時間以上あったので、駅周辺を散策しようと思っていましたが、この日は北海道とは思えない猛暑。富良野の気温は34℃を超えていました。

熱中症になる恐れがあったため、おとなしく駅の待合室で待つことに。しかし、富良野駅の待合室には冷房がありません。直射日光があたらないだけ外よりもマシですが、暑いことに変わりはなし。水分摂取を心がけて、列車の時間を待つのでした。

「北の大地の入場券」(200円)を富良野駅で購入!
「北の大地の入場券」(200円)を富良野駅で購入!

待ち時間の間に、JR北海道が発行している「北の大地の入場券」(200円)を窓口で購入。記念になりますし、JR北海道の収益に微力ながら貢献できるので、あちこちの駅で購入しました。

夏空が広がる富良野駅、架線がないので空が広いです
夏空が広がる富良野駅、架線がないので空が広いです

富良野駅の跨線橋からは、北海道の夏空の下に延びる線路が見えました。真冬には氷点下20℃以下になる富良野。寒暖差が50℃以上もあるのですね。

東鹿越行きの普通列車はキハ40系の単行!
東鹿越行きの普通列車はキハ40系の単行!

出発の15分前に改札が始まりました。ホームへ行くと、止まっていたのはキハ40の単行。新型の気動車「H100形」の導入が始まっているため、JR北海道のキハ40系も先が見えてきました。

ボックスシートが並ぶキハ40系、冷房はなく扇風機のみ!
ボックスシートが並ぶキハ40系、冷房はなく扇風機のみ!

車内は青いモケットのボックスシートが並びます。そして、天井には扇風機が! そう、この列車には冷房がないのです。

扇風機には「JNR」のマークがありました。国鉄時代から稼働しているのでしょうね。今や骨董品の部類に入ります(笑)

それにしても、気温34℃の中、この扇風機だけで涼を取れるはずもありません。車内の温度計を見たら、なんと39℃! 列車の中で熱中症になりかねませんね。

そんな猛暑の中、東鹿越行きの普通列車は、14時19分、富良野駅を定刻どおり出発しました。乗客は6~7名といったところでしょうか。

【根室本線 乗車記2】 富良野盆地と空知川の長閑な車窓、窓を開けて風を感じながら

窓を開けて富良野周辺の長閑な車窓を満喫!
窓を開けて富良野周辺の長閑な車窓を満喫!

富良野を出ると、しばらくは富良野盆地の長閑な車窓が続きます。青い空に、白い夏雲がぷかぷかと浮かぶ車窓。山々の緑も濃く、まさに夏の北海道です。

冷房がない代わりに、この車両は窓が開きます。すでに半分ほど開いていたので、そのまま風を浴びながら車窓を眺めていました。かなりの爆風ですけど、その分、暑さは和らぎます。

緑の屋根が特徴的な「布部駅」
緑の屋根が特徴的な「布部駅」

緑の屋根の駅舎が特徴的な布部駅。「田舎の夏」って感じの風景でした。

根室本線 富良野~東鹿越間は空知川に沿って走ります
根室本線 富良野~東鹿越間は空知川に沿って走ります

布部駅を出ると、すぐに空知川を渡ります。とても水が澄んだきれいな川でした。

空知川は石狩川の支流です。石狩川水系の中で、最も長い194kmもあります。根室本線は、この先、落合付近まで、石狩川を遡るように進んでいきます。(現在は、東鹿越~落合は運休中のため代行バス)

白い三角屋根の駅舎の「山部駅」
白い三角屋根の駅舎の「山部駅」

白い三角屋根の駅舎の山部駅に到着。乗降客はありませんでした。というか、他の駅でもほとんどなかったと思います。

根室本線を走る列車は蛇行する空知川を何度もわたります
根室本線を走る列車は蛇行する空知川を何度もわたります

この先、何度も空知川を渡ります。一部、空知川と並行する部分がありますが、そこだけ明らかに空気がひんやりとしているのがわかります。川の近くは涼しいのですね。

【根室本線 乗車記3】 前半の車窓のハイライト、「かなやま湖」を渡って東鹿越駅へ

金山駅を出ると、少し長いトンネルに入ります。

金山駅~東鹿越間のトンネルは天然のクーラー
金山駅~東鹿越間のトンネルは天然のクーラー

トンネル内は天然のクーラー。おそらく15℃くらいでしょう。そんな冷たい空気が、一気に車内に流れ込んできて、暑くてたまらなかった車内が、一気に冷えました。寒いくらいです。

JR北海道の古い車両は、上の写真のように、窓が二重になっています。夏場は内側の窓は開いた状態で留められていますが、冬になると防寒用に下ろすのでしょうね。こんなギミックも、最新型の車両では見られないのでしょう。

前半戦最大の見どころ「かなやま湖」
前半戦最大の見どころ「かなやま湖」

トンネルを出ると、すぐに「かなやま湖」を渡ります。「かなやま湖」は、金山ダムによって堰き止められた湖ですが、森林に囲まれていて、天然の湖のように見えます。南富良野の観光地としても有名だそうです。

ちょっと水量が少なめ?に見えますが、普段がどれくらいかわからないので、なんとも言えません。根室本線がかなやま湖を渡るのは、湖の上流側に近い方です。

このあとも、車窓からはかなやま湖がちらちらと見えますが、線路と湖の間に林があり、きれいに見渡せるところはありませんでした。

そして、富良野から約45分、15時04分に、鉄道の終点、東鹿越駅に到着しました。

現在の鉄道の終点駅「東鹿越駅」
現在の鉄道の終点駅「東鹿越駅」

東鹿越駅の駅舎です。本来は終点でもなんでもない駅なのですが、この先、新得駅までの間は、2016年の台風被害の影響で不通になっているため、現在は鉄道の終点となっています。

東鹿越駅から新得方面の線路は草に覆われていました…
東鹿越駅から新得方面の線路は草に覆われていました…

東鹿越駅のホームから、新得方面の線路を見てみると、草に覆われていました。列車が走らなくなると、すぐにこうなってしまうのですよね。ちょっと悲しい光景です。

先ほどまで乗ってきた列車は滝川行きとなり折り返していきました
先ほどまで乗ってきた列車は滝川行きとなり折り返していきました

東鹿越駅に到着した根室本線の列車は、代行バスが発車する直前に、滝川行きの列車となって折り返していきました。

【根室本線 乗車記4】東鹿越~新得の代行バス、狩勝峠の車窓は一瞬も絶景!

東鹿越駅で代行バスに乗り換えます。

列車で到着したときには、代行バスはまだ到着していませんでしたが、ホームから駅舎横の代行バスの停留所へ行くと、ちょうどバスがやってきました。

観光タイプの代行バスは冷房完備で乗り心地も抜群!
観光タイプの代行バスは冷房完備で乗り心地も抜群!

「ふらのバス」が代行して運行するバスで、立派な観光タイプのバスでした。車内は冷房が効き、先ほどまで乗ってきたJR北海道のキハ40系に比べると、快適度は雲泥の差です。それでも、鉄道ならではの良さもあるのですけどね。

代行バスに乗車したのは7名程度。おそらく40人以上は乗れるであろうバスでしたので、ちょっとオーバースペックでした。その分、快適に移動できますけどね。

乗り換え時間が9分ほどありましたので、トイレを済ませ、写真を撮ってバスに乗り込みました。15時13分、新得駅行きの代行バスが発車しました。


代行バスのおおまかなルートはこのようになっています。駅周辺の細かいルートは違うかもしれません。(Googleが勝手に探索したルートです)

東鹿越駅から幾寅駅の近くまでは、根室本線に並行する道路を走ります。かなやま湖の南岸に沿う道路で、進行方向の左側には、ときおりかなやま湖を見ることができました。

幾寅駅近くの踏切から線路を見ると草に覆われています
幾寅駅近くの踏切から線路を見ると草に覆われています

幾寅駅近くになると町っぽくなってきて、根室本線の踏切を渡ります。踏切から幾寅駅方向を撮影してみましたが、このまま自然に還ってしまうのではないかと思われるほど草に隠れてしまっていました。

映画「鉄道員」の撮影で有名になった幾寅駅
映画「鉄道員」の撮影で有名になった幾寅駅

東鹿越駅から8分ほどで、幾寅駅に到着しました。(車内の写りこみが激しいですがご容赦ください)

幾寅駅は、映画「鉄道員(ぽっぽや)」に登場する「幌舞駅」として、撮影に使われたことで有名です。木造の駅舎の古さもなかなか雰囲気があっていいですね。

幾寅駅から先は、国道38号線を南下します。空知川や根室本線の線路に沿っているはずなのですが、国道の両側は森になっていて、視界が効きません。そんな森の中の国道を10分ちょっと走ると、落合駅に到着しました。

赤い屋根の小さな駅舎が印象的な「落合駅」
赤い屋根の小さな駅舎が印象的な「落合駅」

落合駅の赤い屋根の駅舎と跨線橋が見えました。落合駅の構内の様子を代行バスの車内から見ることはできませんが、一面草で覆われ、線路がほとんど見えない写真がネットに多数上がっています。

落合駅を出発すると、いよいよ狩勝峠越えです。根室本線の線路は南下して、上落合信号場で石勝線と合流、その後は東へ向けて長いトンネルを抜けていきます。一方、国道38号線は大きく北へ迂回して、狩勝峠を超えていきます。

国道38号を狩勝峠へ
国道38号を狩勝峠へ

しばらくは針葉樹の樹林帯の間を走りますが、狩勝峠が近くなってくると、視界が開けてきます。

狩勝峠から一瞬見える「日本三大車窓」の絶景!
狩勝峠から一瞬見える「日本三大車窓」の絶景!

狩勝峠のパーキングを過ぎると、一瞬ですが、代行バスの車窓からも、進行方向右側に絶景を眺めることができます。広大な十勝平野を一望でき、かつての「日本三大車窓」の一つの名に恥じないほどの絶景です。この写真では、その広大さがまったく表現できていませんが……

ただ、代行バスから眺められるのは、本当に一瞬です。狩勝峠の絶景を満喫したければ、別の手段で狩勝峠へ行くしかなさそうですね。

代行バスは「十勝サホロリゾート」へのシャトルバスも兼ねています
代行バスは「十勝サホロリゾート」へのシャトルバスも兼ねています

狩勝峠を過ぎると、一気に下っていきますが、途中で、「十勝サホロリゾート」に立ち寄ります。

この代行バスは、十勝サホロリゾート~新得駅間のシャトルバスの役割も兼ねているようです。この日は、もう夕方だったこともあってか、十勝サホロリゾートでの乗降客はありませんでした。

東鹿越駅から1時間強で新得駅に到着
東鹿越駅から1時間強で新得駅に到着

東鹿越駅から1時間ちょっとで、代行バスは新得駅に到着しました。

代行バスはとてもゆっくり走りますが、冬季の積雪期にも遅延しないようにという配慮でしょうか。狩勝峠の前後では、かなりの勾配を上ったり下ったりしますが、あまり揺れはありませんでした。

【根室本線 乗車記5】 列車の待ち時間に最適! 新得そばに駅前温泉!

新得駅に16時21分に到着した代行バスに乗車したわけですが、札幌方面の列車は、18時18分の特急おおぞら10号までありません。2時間近く時間が空いてしまいますので、ここで、新得駅近くでのおすすめ時間つぶしスポットを紹介します。

おいしい新得そばをいただける「そば処 せきぐち」
おいしい新得そばをいただける「そば処 せきぐち」

新得といえば「そば」です。そばの名産地の一つです。ということで、新得そばは外せません。

列車の待ち時間に最適なのが、駅前の信号を渡ってすぐのところにある「そば処 せきぐち」です。新得駅の駅そばも同店が経営しています。

www.sobanosato.com

「そば処 せきぐち」の天ざる、太くてコシのあるそばがうまい!

天ざるをいただきました。この太いそばが特徴的です。いわゆる「二八そば」ですが、コシがあり、そばの香りもする、とてもおいしいお蕎麦でした。

おいしい新得そばをいただいて、新得駅に戻ってみたら、なんとおおぞら10号は90分も遅延しているとのこと! これはやむを得ないということで、駅前に見えた温泉に入ることにしました。

トムラウシ温泉のお湯に入れる新得駅前の「駅前温泉」
トムラウシ温泉のお湯に入れる新得駅前の「駅前温泉」

町営浴場、いわゆる「銭湯」に近い雰囲気ですが、お湯は近くの「トムラウシ温泉」から、毎日タンクローリーで運んでくるのだとか。そのため、循環・塩素消毒ありですが、pH9を超えるアルカリ性のお湯は、少しヌルヌルとした感触。泉質は、「含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉」で、お湯につかったあとは、ずっとぽかぽかとしていました。お湯の温度も少し熱めだったので、夏ではなく、冬に入りたいですね。

これで420円(シャンプー50円、石鹸50円)ですから、時間潰しのつもりで入った温泉でしたが、大満足でした。

www.shintoku-town.jp

結局、特急おおぞら10号は、90分遅れのまま新得にやってきて、札幌にも約90分遅れのまま到着したのでした。


以上、「【根室本線 富良野~新得 乗車記】空知川・かなやま湖、そして代行バスからの狩勝峠の絶景が素晴らしい路線!」でした。廃線の危機にある区間ですが、長閑な車窓と、北海道らしい雄大な絶景を楽しめる路線です。あえてこのルートを経由する方は多くないと思いますが、鉄道好きなら、ぜひ乗ってみてほしい路線です。

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www.kzlifelog.com