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新たな着席サービスで自由席を廃止、短距離利用が多い常磐線では合理的? ~常磐線特急ひたち乗車レポート(2)~

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常磐線特急ひたち

常磐線の特急列車「ときわ」「ひたち」では、従来の指定席・自由席という区分を廃止した新たな着席サービスを導入しています。先日乗車したひたち号でもその様子が見られましたので、簡単にレポートしてみたいと思います。

新たな着席サービスとは?

常磐線特急では、上野東京ラインの開通を機に、新たな着席サービスを導入しています。

このサービスでは、長らく慣れ親しんだ「指定席」「自由席」という区分を廃止し、すべての座席で座席指定ができるようになっています。

具体的には、以下のようになっています。

  • 座席指定をする場合は、従来の指定席と同様に、指定された座席を、指定を受けた区間で占有することが可能。
  • 座席を指定しない場合は「座席未指定券」が発行され、空いている座席に座ることが可能。ただし、その座席の指定券を持っている乗客が乗ってきたら、座席を譲らなければならない
  • 座席指定券と座席未指定券は同額(従来の指定席特急券より安く、自由席特急券よりも高い料金に設定されている)
  • 車内で座席指定券を購入すると、事前購入の料金に対して260円加算される

各座席の上にはランプがついており、そのランプの色で座席の状態を確認できます。

  • 緑色:指定席発売済みの区間
  • 赤色:空席
  • 黄色:空席だが、間もなく指定席発売済みの区間となる

首都圏のグリーン車自由席でおなじみのランプですが、黄色が追加されています。なお、ランプは指定席の販売状況によってリアルタイムに変わっていくようです。

メリット・デメリットは?

この新たな着席サービスですが、全般的には合理的でよいのではないかと思いますが、細かく考えると、従来の指定席・自由席のサービスに対して、メリット・デメリットの両方がありそうです。

座席を効率的に活用できることが最大のメリット

最も大きなメリットは、座席を最大限に活用できること でしょう。従来の指定席・自由席のサービスでは、指定席が空いていても、自由席特急券では指定席に座ることができません。

これに対して、新たな着席サービスでは、空いている座席(赤ランプの座席)には、座席指定を受けていなくても座ることができます。短距離の利用客にとっては、これで十分かもしれませんね。

また、乗客が減る方向の下り列車の場合は、途中で座席指定の客が乗ってくる可能性が低いため、座席未指定券でも十分かもしれません。特急ひたちの場合、上野を出ると、次は土浦まで止まらないので、上野出発時点で座席が確保できていれば、おそらく下車するまで座席を譲らなければならない可能性は低いでしょう。

上り列車の長距離利用客にとっては実質全席指定席?

一方、乗客が増える方向の上り列車の場合は、全く逆のことが起こります。たとえば、いわきから座席未指定券で乗車していても、水戸や土浦あたりで座席を譲る必要が出てくるでしょう。

そうなると、上り列車で長距離を利用する乗客にとっては、全席指定席なのと同じことになりそうです。

これがデメリットかといわれると微妙です。というのも、座席指定券と座席未指定券は同額だからです。つまり、あらかじめ乗車する列車・区間が乗車前にわかっているのであれば、座席指定をしておけばよいわけです。

一方、満席で座席指定券が購入できなかった場合には、座席未指定券を購入することになります。この場合は、空いている座席に座ることができるので、むしろメリットになりそうです。座席指定券は、乗車する全区間で同じ座席が確保できないと発券されませんが、区間ごとに座席を変えてもよいのであれば空席があることがあります。座席未指定券の制度は、このような場合に柔軟に対応できる可能性があります。

従来の特急券との料金差は?

気になるのは、従来の指定席特急券、自由席特急券の料金との差です。具体的に比べてみます。

種別 ~50km ~100km ~150km ~200km ~300km
新たな着席サービス 750円 1000円 1550円 2200円 2500円
指定席特急券 1030円 1450円 1860円 2250円 2460円
自由席特急券 510円 930円 1340円 1730円 1940円

(出典)常磐線特急「ひたち」「ときわ」料金&時刻表:JR東日本

(出典)きっぷあれこれ > 特急券:JR東日本

新たな着席サービスでは、「えきねっとチケットレスサービス」を利用すると100円引きになります。

前述のように、新たな着席サービスの特急券は、従来の自由席特急券より高く、指定席特急券より安い価格に設定されています。単純に言えば、自由席利用者にとっては値上げ、指定席利用者にとっては値下げとなります。ただ、自由席利用者にとっても、座席に座れる可能性が高まるメリットがありますので、それを勘案すると単純な改悪とまでは言えないと思います。

旅行や出張で利用する方は、東京~水戸など、比較的長距離が多いでしょうから、若干値下げになるうえ、事前に指定できる座席が増えることもあり、メリットのほうが大きそうです。

短距離の利用者、例えば仕事帰りにたまに特急を利用するという乗客にとってはどうでしょうか? 東京・上野~土浦の例で考えると、100kmまでの区分になりますので、従来は自由席特急券930円だったのが、現在は1000円となります。ただし、えきねっとチケットレスサービスを利用すると100円引きなので、900円となり、従来より若干安くなります。

ただし、常磐線に限って言えば、この着席サービスの導入時に、特急回数券が廃止されたりといったこともあり、特に通勤に頻繁に利用していた乗客にとっては値上がりになったようです。

今後の着席サービスの定番となるか?

このサービスは、今後の特急列車の着席サービスの定番となるのでしょうか?

常磐線に導入したことや、すでに同様のサービスを導入済みの高崎線特急「スワローあかぎ」などの状況を考えると、通勤利用や短距離利用の多い首都圏の特急列車を中心に導入していくのではないかと思います。次の注目は、中央線特急への導入があるかでしょうか? このサービスを導入するためには座席のランプが必要になりますが、中央線の特急列車へは、E353系という新しい車両を導入していくことが発表されています。この新型車両を導入するときに、新たな着席サービスが始まるのかが注目です。

一方、新幹線は、JR東日本・JR東海ともに、長距離は指定席主体、短距離は自由席も提供という方針になっていますので、これは今後もしばらくは変わらないのではないかと思います。

個人的には、首都圏の在来線の普通列車に導入されているグリーン車(自由席)の料金の逆転現象が気になっています。常磐線の普通列車にはグリーン車が連結されていますが、平日は50kmまで770円、51km以上は980円となっています。特急列車の料金が、50kmまで750円、100kmまで1000円(えきねっとチケットレスサービスでは100円引き)ですから、速達性のある特急列車の料金のほうが安くなっています。これは何とかならないのかと思ってしまいます。

以上、常磐線特急に導入された新たな着席サービスについて考察してみました。今度、このサービスが広まっていくのか注目したいと思います。