ひさの乗り鉄ブログ

青春18きっぷの話題をはじめ、観光列車や風光明媚な路線の乗車記などを思うままに綴っていく乗り鉄ブログです。

【只見線 乗車記】 冬の只見線で雪景色を眺めながらのローカル線の旅! キハ40系の乗り納めも!

福島県と新潟県を結ぶ只見線。日本の原風景ともいえる里山の風景や只見川の車窓が美しいローカル線です。2011年の豪雨被害で現在も一部区間が運休中ですが、代行バスも含めて冬の只見線に乗車してきましたので、乗車記をお届けします。雪景色の只見線の車窓も素晴らしいですし、2020年3月のダイヤ改正でキハE120系の導入が決まっている只見線で、キハ40系の乗り納めにもなりました。

只見線とは?

只見線は、福島県の会津若松駅と新潟県の小出駅を結ぶ、全長135kmのJR東日本の路線です。全線が非電化、単線で、1~2両の普通列車のみが行き来します。


会津若松駅では磐越西線(郡山~新津)に、小出駅では上越線(高崎~長岡)に接続しています。いわゆる行き止まり路線ではないのですが、沿線の人口が少ない地域を走っているため、首都圏から比較的近いにもかかわらず、一部の区間では1日に3往復しか列車がやってこない超閑散路線となっています。

只見線の沿線には、そんな地域を走るローカル線だからこその風景が残っています。会津盆地に広がる田園風景、山間部の里山の風景、そして、只見川のゆったりとした流れ。

ものすごい絶景が見られる路線ではないのですが、「日本のローカル線」といえば、まず只見線を推薦したい。そんな路線です。

2011年の豪雨被害で会津川口~只見間で運休中

只見線は、2011年7月の豪雨により、橋梁が3つも流されるなど、甚大な被害を受けてしまいました。

2020年1月現在、以下のような運行体系になっています。

  • 会津若松~会津川口: 鉄道で運行
  • 会津川口~只見: 鉄道は運休中、代行バスを運行
  • 只見~小出: 鉄道で運行

つまり、只見線全線に乗車しようとすると、会津川口、只見の最低2回の乗り換えが必要になります。

会津川口~只見間の復旧を巡ってJR東日本と福島県をはじめとする沿線自治体との間で協議が続き、2017年にようやく鉄道での復旧が決まったという経緯があります。

2020年1月現在は、復旧工事が進められており、2021年度中の復旧、運転再開を目指しています。詳しくは、以下の記事をご覧ください。

www.kzlifelog.com

2017年8月、復旧工事が開始される前に只見線の全線に乗車したのですが、今度は冬の只見線に乗ってみたくなって、乗車したという次第。

なお、2017年8月に乗車した際の乗車記は以下をご覧ください。

www.kzlifelog.com

【冬の只見線乗車記】 まだ暗い会津盆地をぐるりと半周

会津若松駅で出発を待つ只見線のキハ40形の列車
まだ暗い会津若松駅で出発を待つ只見線のキハ40形の列車

午前6時前。まだ暗い会津若松駅へやってきました。只見線の会津川口行きの列車が発車する4番ホームへ行くと、すでに列車が入線していました。キハ40形の2両編成です。

只見線の車内の様子
只見線の車内、朝早いのに思ったよりも乗客がいました

年末の土曜日、早朝の列車ですのでガラガラかと思いきや、それなりに乗っていました。アジア系の数名のグループが乗車していました。日本に旅行に来て只見線に乗るとは、なかなか渋いですね(笑) でも、良い選択だと思います。

1グループで1ボックスがちょうど埋まるくらいの乗車率で、午前6時ちょうどに会津若松駅を発車しました。

会津盆地の中にある根岸駅に停車中
会津盆地の中にある根岸駅に停車中

会津若松駅を出ると、会津盆地の南側をぐるっと周っていきます。西若松までは会津若松の市街地ですが、そこから先は田園風景が主役になります。

上の写真は根岸駅に停車中に撮影しましたが、6時25分頃になって、ようやく空が少し明るくなってきました。この冬は異常なほどの暖冬で、会津盆地は雪がとても少ないですね。

会津坂下駅での行き違い
会津坂下駅でキハ40同士の行き違い、こんな様子も間もなく見納め

6時36分、会津盆地の西端の駅、会津坂下(あいづばんげ)駅に到着。会津若松行きの列車との行き違いのために7分の停車時間がありましたので、ホームに降りてみました。まだ薄暗く、駅の照明も点いています。

少し待つと会津若松行きの列車がやってきました。只見線でキハ40形の列車が並ぶ様子も、まもなく見納めとなりそうです。

【冬の只見線乗車記】 只見川に沿う里山の雪景色

キハ40系特有のゆったりとした加速で会津坂下駅を出ると、会津盆地に別れを告げ、山地に入っていきます。車窓も一変し、広々とした田園風景から、森の中を登っていくようになります。

只見川沿いの里山の雪景色を進む
只見川沿いの里山の雪景色を進む

比較的大きな町がある会津柳津駅を出ると、只見川がつくる河岸段丘のような地形を進んでいきます。斜面と川の間の狭い土地に田園風景が広がり、まさに里山といえるような風景が続きます。

ほとんど雪がなかった会津盆地とは異なり、少ないながらも雪景色になってきました。

冬らしい寒そうな景色の滝谷川橋梁
冬らしい寒そうな景色の滝谷川橋梁

滝谷駅を出ると、すぐに只見川の支流、滝谷川を渡ります。滝谷川橋梁という橋です。いかにも冬らしい寒そうな川の風景です。

夏の滝谷川橋梁の車窓(2017年8月撮影)
夏の滝谷川橋梁の車窓(2017年8月撮影)

2017年夏に乗車したときに撮影したのはこちら。同じ場所ですが、夏と冬では全く雰囲気が違いますね。

滝谷側は、このすぐ下流側で、只見川と合流しています。

第一只見橋梁を渡る
第一只見橋梁を渡る

7時22分頃、只見川を初めて渡ります。「第一只見橋梁」という橋です。列車に乗っていると橋そのものを見ることはできないのですが、きれいなトラス構造のアーチ橋です。

川霧に橋梁が浮かぶ幻想的な景色や、紅葉の時期の絶景など、鉄道の撮影スポットとしても有名な橋です。

以下のWebサイトに写真が掲載されていましたので、興味があればご覧ください。

www.okuaizu.net

【冬の只見線乗車記】 ゆったりと流れる只見川の車窓

会津宮下駅に停車中の様子
会津宮下駅でも行き違い、雪が降ってきました

7時29分、会津宮下駅に到着。ここでも行き違いのため5分の停車時間があります。

ホームに降りてみましたが、雪が降ってきました。かなり内陸のほうに入ってきたためか、ホームにも雪が積もっています。只見線のキハ40形の車両は、雪景色にもよく似合いますね。

雪景色の只見川を眺めながらのローカル線の旅
雪景色の只見川を眺めながらのローカル線の旅

会津宮下から先は、只見川に沿って進んでいきます。次の早戸駅に到着する少し手前で、只見川を渡りました。

只見川はところどころにダムがあるため、その上流側ではこのように小さな湖かと思うほどに、たっぷりと水をたたえています。

実際に、この只見線も豪雨の被害を受けてしまったわけですが、これだけダムを作っても、洪水を完全に防ぐことはできないのですね。

雪が強まり、只見川の風景はモノトーンに
雪が強まり、只見川の風景はモノトーンに

雪が強くなってきて、列車の外はモノトーンの世界に。左側に只見川の雪景色を見ながら進みます。

とても寒そうな雪景色を、キハ40のエンジン音を聞きながらぼーっと眺める。これこそが、ローカル線の雪見鉄の醍醐味なのです。

雪が降る会津川口駅に到着
雪が降る会津川口駅に到着

8時01分、終点の会津川口駅に到着しました。会津若松では全然雪がなかったのですが、ここまでやってくると、さすがに雪が積もっています。

ホームの列車が止まる範囲は除雪されていますが、端のほうは10センチ以上は積もっていました。

雪が強くなってきたので、写真を撮って、代行バスへと急ぎます。

【冬の只見線乗車記】 復旧工事の状況を確かめながら代行バスで只見へ

会津川口駅からはマイクロバスのような代行バスに乗車
会津川口駅からはマイクロバスのような代行バスに乗車

雪が強く降る中、会津川口駅の駅前に停車している代行バスへ。代行バスといってもマイクロバスのような小さなバスです。

会津川口駅を8時15分に出発。車内は8名程度。ほとんどが列車から乗り継いだ人たちですが、地元の方も1名乗車されていました。会津若松から会津川口まで乗りとおしたアジア系のグループは、代行バスには乗車してきませんでした。

代行バスは、只見線や只見川に並行している国道252号線を走っていきますが、ところどころで街の中へ入っていきます。

第6只見橋梁の復旧工事現場
第6只見橋梁の復旧工事現場 橋脚が完成していました

只見川を渡るところで、第6只見橋梁の復旧工事の現場を見ることができました。只見川の左側に橋脚が建てられているのがわかるでしょうか? 右側にも橋脚を建てているようですね。

この第6只見橋梁は、橋桁全体と橋脚1本が流失してしまいました。ほとんど一から橋をかけているようなものです。

その後も、あちこちで只見線の線路を見ることができました。

只見駅近くの「叶津川橋梁」
只見駅近くの「叶津川橋梁」、この橋を列車が再び走る日が待ち遠しい

只見駅に到着する少し前に見ることができた「叶津川橋梁」(かのうづがわきょうりょう)です。この橋には豪雨の被害はなかったようですが、2011年7月から9年近く、この橋には列車が走っていません。

終点の只見駅に到着した代行バス
代行バスは約50分で只見駅に到着

定刻の9時05分、代行バスは終点の只見駅に到着しました。会津川口駅から約50分の代行バスの旅。車窓から只見線の線路を眺めながら、早期の復旧を祈るのでした。

【冬の只見線乗車記】 キハ40形2両編成で只見を出発!

只見駅の駅舎
青空も覗いてきた只見駅

代行バスで移動している間に、少しずつ天気が回復し、ちらちらと雪が舞うものの、只見駅に到着すると青空も見えてきました。

只見駅からは再び列車の旅となります。

雪景色の只見駅ホーム
駅舎から少し離れた只見駅のホーム、一面雪景色です

駅舎からホームは少し離れています。写真を撮った場所のすぐ右側に駅舎があり、そこからホームまでは除雪された通路を歩いていきます。

手前側が小出方面、奥のほうが会津川口方面です。

9時30分発の列車に乗るのですが、まだ入線していませんでした。

小出行きの列車はキハ40形2両編成
小出行きの列車はキハ40形2両編成

折り返し、小出行きとなる列車が、9時18分頃にやってきました。乗っていた乗客は数名でした。

列車はキハ40形の2両編成。新潟色(青)でした。

青いボックスシートが並ぶ只見線の車内
青いボックスシートが並ぶ只見線の車内

車内は青いモケットのボックスシートがずらっと並びます。乗客は10名ちょっとというところで、一人1ボックスをゆったりと占有できます。

9時30分、再び空が曇り、雪が降ってくる中、小出行きの只見線の列車が発車しました。

【冬の只見線乗車記】 田子倉湖と末沢川の冬の渓谷美

只見駅を出ると、すぐに長いトンネルに入ります。全長3,712メートルの「田子倉トンネル」です。

田子倉トンネルを抜けると左側に田子倉湖が広がります
田子倉トンネルを抜けると左側に田子倉湖が広がります

長いトンネルを抜けると、進行方向左側には、水量の多い川のような風景が広がります。これは田子倉湖。只見川に作られた田子倉ダムによってできた湖です。只見線から見えるのは、田子倉湖の端っこのほうですので、川のようにも見えます。

この田子倉湖の見えるあたりに、2013年までは「田子倉駅」という駅がありました。駅があった当時も、冬季は全列車通過でした。すぐ近くを国道252号線が通っていますが、冬季は閉鎖されてしまうため、田子倉駅で降りてもどこへも行けないのですね。いわゆる秘境駅の一つだったわけです。

すぐにまた長いトンネルに入ります。全長6,354メートルもある「六十里越トンネル」です。

末沢川の車窓
六十里越トンネルを抜けると水系が変わり末沢川に

六十里越トンネルは、新潟・福島県境の六十里越という峠を抜けるために設けられたトンネルです。県境であると同時に分水嶺にもなっています。

これまで只見線の車窓に見えていた只見川は阿賀野川水系ですが、六十里越トンネルを抜けてから見える川は「末沢川」という信濃川水系の川です。どちらも新潟市で日本海に注ぎますが、川が流れるルートは全く異なります。

只見駅を出発してから30分弱、9時59分にようやく次の駅、大白川駅に到着します。前述の田子倉駅が廃止されてしまったため、只見~大白川間の駅間距離はなんと20.6km。県境の山深いエリアをトンネルで一気に抜けてしまいますので、駅を作れるようなところはないのですよね。もっとも、駅を作っても、誰も使わない、というか、駅を使う人が住んでいないのですが。

破間川の渓谷美
破間川の雪景色の渓谷が美しい

大白川駅の手前で、末沢川は破間川(あぶるまがわ)と合流します。比較的水量が多い只見川とは違い、末沢川~破間川は、只見線の沿線では上流域にあたり、渓谷が美しい川です。只見線全線に乗車して、川の様子の違いを比べてみるのも楽しいですね。

【冬の只見線乗車記】 雪景色の魚沼盆地を往く

魚沼盆地に広がる冬の田園風景

10時10分、入広瀬駅に到着。破間川の渓谷から抜けて、少し開けた景色が広がるようになってきました。魚沼盆地に入ってきたようです。

駅の近くにある集落を除くと、上の写真のような田園風景が広がります。

駅ごとに少しずつですが乗客も増えていきます。2両編成の列車も、多くのボックスが1~2名の乗客で埋まるくらいの乗車率になってきました。冬休み期間中だからでしょうか、高校生や大学生くらいの若い方が多く乗ってきました。小出で乗り換えて、長岡へ出るのでしょうか。

魚野川を渡る
魚野川を渡ると終点の小出駅はすぐ

周囲に市街地が広がってきて、川幅の大きな魚野川を渡ると、まもなく終点の小出に到着します。

小出駅に到着
会津若松から4時間半以上! 小出駅に到着

10時34分、小出駅に到着しました。会津若松を午前6時ちょうどに出てから、代行バスも含めて、4時間43分の旅でした。

只見線の一部区間が不通になるまえに、同じく会津若松を午前6時に発車する列車(小出行き)に乗ったことがあるのですが、小出駅に到着したのは10時12分。代行バスを乗り継いだ今回の行程とは30分くらいしか違いません。代行バスとの乗り継ぎ時間を考えると、むしろ代行バスのほうが速いくらいかもしれません。只見線は、それほどのんびりとしたローカル線なのです。

雪が少ないながらも、雪景色の只見線を堪能することができました。そして、只見線を走るキハ40系の乗り納めもできましたので、満足度の高いローカル線の旅となりました。


以上、「【只見線 乗車記】 冬の只見線で雪景色を眺めながらのローカル線の旅! キハ40系の乗り納めも!」でした。雪景色の里山や只見川の風景を楽しむことができる只見線。雪見鉄にもピッタリの路線ですね。

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