「JR東海&17私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」は、東海地区のJR東海と17の私鉄路線に2日間乗り放題となるフリーきっぷです。東海道本線、中央本線(中央西線)から分岐する魅力的な中小私鉄路線、第三セクター路線を乗り歩くのみピッタリのフリーきっぷです。この記事では、「JR東海&17私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」の詳細と、おすすめの使い方・路線をご紹介します。
「JR東海&17私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」とは?
JR東海が発売するフリーきっぷが「JR東海&17私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」です。東海地区には、東海道本線や中央本線に接続する中小私鉄・第三セクター路線がとても多いのですが、これらの路線の大半に乗車できる点がこのきっぷのポイントです。
| きっぷ名 | JR東海&17私鉄_乗り鉄☆たびきっぷ |
|---|---|
| 利用期間 | 通年(土休日を利用開始日として連続する2日間) |
| 備考 | |
| 発売期間 | 通年(利用開始の1ヶ月前から利用開始当日まで発売) |
| 有効期間 | 2日間 |
| フリーエリア | ・JR東海の在来線全線 ・東海エリア17の私鉄路線全線 ・東海道新幹線(熱海~米原、別途特急券が必要、4回まで) |
| フリーエリア (図) | ![]() |
| 出典 | https://railway.jr-central.co.jp/tickets/noritetsu-tabikippu-17/ |
| 効用 | ・JR東海の在来線と、隣接する17の私鉄が2日間乗り降り自由 ・特急券を別途購入することで特急列車にも乗車可能 ・特急券を別途購入することで東海道新幹線(熱海~米原、ひかり・こだま)にも乗車可能 |
| 発売会社 | 東海旅客鉄道株式会社(JR東海) |
| 発売箇所 | ・JR東海の駅の「きっぷうりば」及びサポートつき指定席券売機 ・主な旅行会社の支店・営業所(上記の各駅周辺) ・JR西日本ネット予約「e5489」 |
| 価格(大人) | 9,200円 |
| 価格(小児) | 4,330円 |
フリーエリアはかなり広く、乗車できる私鉄路線が多いのが特徴です。JR東海の在来線も、東は国府津や熱海から、西は米原、南は紀伊半島南部の新宮、北は北陸に近い猪谷までと、かなり広範囲に渡っています。一方、フリー区間が、JR東海の在来線を基幹として、私鉄各社の路線が枝状に伸びているような形になっているため、周遊ルートが組みにくいエリアでもあります。
詳しくは、以下のJR東海のWebサイトをご覧ください。
「乗り鉄☆たびきっぷ」が2026年4月にリニューアル! 大井川鉄道が参画!
JR東海の「乗り鉄☆たびきっぷ」は、2026年4月にリニューアルしました。主な変更点は以下のとおりです。
- フリーエリアに新たに「大井川鉄道 大井川本線」(金谷~川根温泉笹間渡間)を追加
- 東海道新幹線(熱海~米原間)利用時の回数制限を撤廃(昨年までは4回制限あり)
- 東海道新幹線利用時に自動改札機を利用可能に
- 価格が大人8,620円から9,200円に値上げ
もっとも大きな変更点は、大井川鉄道大井川本線がフリーエリアに加わり、きっぷ名が「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」から「JR東海&17私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」に変更になった点でしょう。また、東海道新幹線の回数制限撤廃も、あちこち乗りまわりたい場合にはメリットが大きそうです。
一方で、価格が値上がりし、9,200円となっています。いわゆる乗車券タイプのきっぷとしては、有効期間2日間としてもかなり高い部類となります。元を取るためには、きっちり計画を立てて「乗り鉄」を楽しむ必要がありそうです。
「JR東海&17私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」で東海地区の私鉄路線を乗り歩き!

きっぷ名に「乗り鉄」を冠するものは、これ以外に見たことがないのですが(笑)、その「乗り鉄」の名称に恥じない使い方が、東海道本線や中央本線を軸に、そこから枝状に伸びている私鉄各社の乗り歩きでしょう。
東海道本線の沿線でいえば、伊豆箱根鉄道、岳南電車、天竜浜名湖鉄道、樽見鉄道、養老鉄道など、乗り鉄にとっては魅力的な路線がそろっています。また、高山本線に接続する長良川鉄道、中央本線に接続する明知鉄道なども魅力的です。
その中で、いくつかおすすめの路線を紹介します。
天竜浜名湖鉄道(掛川~新所原)

天竜浜名湖鉄道の気動車
天竜浜名湖鉄道は旧国鉄の二俣線を受け継いで発足した第三セクター鉄道です。掛川駅と新所原駅の間を、浜名湖の北岸を通る形で運行されています。両端で東海道本線に接続しているので、アクセスしやすいのも特徴ですね。路線の西側では車窓から浜名湖が見られますし、主要駅の天竜二俣の近辺では、天竜川やその支流の二俣川を渡ります。

車窓だけでなく、古い建築物や施設に歴史を感じるのもよいかもしれません。天竜浜名湖鉄道には古い鉄道施設が多く、36もの施設が国の登録有形文化財に指定されています。古い駅舎や建築物を訪ねる旅もおすすめです。写真は遠江一宮駅の木造駅舎です。


天竜二俣駅のプラットフォームは木造の屋根が時代を感じさせます。また、同じ天竜二俣駅には、今では珍しい転車台や扇形車庫が現存しています。見学ツアーも開催されていて、転車台や扇形車庫などの貴重な文化財を、解説つきで間近から見学することができますのでおすすめです。
天竜浜名湖鉄道については、以下の乗車記をご覧ください。古い駅舎や駅舎グルメを1日かけて巡りました。

長良川鉄道(北濃~美濃太田)

長良川鉄道も、旧国鉄の越美南線を引き継いで開業した第三セクター鉄道です。岐阜県の北部、福井や石川の県境に近い北濃から、ずっと長良川に寄り添って南下する川の鉄道です。起点の美濃太田でJR高山本線と接続しています。全長72km、乗りとおすと2時間以上と、かなりの長距離私鉄です。
長良川鉄道のウリは、何といっても日本三大清流の一つ、長良川の車窓です。特に北濃に近い上流域は、清流の名にふさわしい美しい川の車窓が眺められます。途中、「郡上おどり」や郡上八幡城の城下町の古い町並みなどで有名な郡上八幡を通りますので、途中下車して観光するのもおすすめです。
また、週末を中心に観光列車「ながら」が運行されています。車内でランチやスイーツが食べられる「ランチプラン」「スイーツプラン」に加えて、乗車だけの「ビュープラン」もありますので、気軽に利用できそうです。
長良川鉄道については、下記のWebサイトをご覧ください。
伊豆箱根鉄道 駿豆線(三島~修善寺)
伊豆半島の温泉地、修善寺へのアクセスとしても利用されているのが、三島~修善寺を結ぶ伊豆箱根鉄道の駿豆線(すんずせん)です。

普通列車でも全線で35分のほどの路線ですが、日中時間帯でも普通列車が1時間に4本ほど運転されていて、沿線住民の足としても利用されています。さらに、東京からは、特急「踊り子」が乗り入れています。
駿豆線の乗車レポートは、以下の記事をご覧ください。

駿豆線に乗車したら訪れたいのが、伊豆長岡駅から徒歩30分弱でアクセスできる世界文化遺産「韮山反射炉」です。

日本で唯一、実際に稼働した反射炉が残っているのが、この「韮山反射炉」です。「明治日本の産業革命遺産」の構成要素の一つとして、世界文化遺産に認定されています。
反射炉の見学のほか、ガイダンスセンターで反射炉の歴史について学ぶこともできます。詳しくは、以下の訪問記をご覧ください。

岳南電車(吉原~岳南江尾)

東海道本線の吉原駅と岳南江尾駅を結ぶ、全長9.2kmのミニ鉄道です。全駅から富士山を眺めることができる鉄道として有名で、車窓からも富士山をどーんと眺めることができます。

途中の岳南富士岡駅には、かつて、貨物輸送で活躍していた古い機関車たちが集まっています。中には、かつての信越本線の碓氷峠(横軽)で活躍していたED40形機関車もあります。

そして、岳南電車のもう一つの見どころが、工場の間近を走る風景です。工場の敷地の中を走っているかのように、配管の下をくぐっていきます。そして、夜間には「工場夜景」を見ることができます。
岳南電車の乗車記は、以下の記事をご覧ください。

明知鉄道 明知線(恵那~明智)

JR中央本線の恵那駅を起点とする第三セクター路線が、明知鉄道「明知線」です。恵那駅から明智駅まで、全長25kmの小さな鉄道路線です。

明知鉄道の魅力は、短距離のわりに、急勾配や急カーブが多いこと。途中、二つの小さな峠を超えていくのです。33パーミルという急勾配の途中には飯沼駅があります。前面や後面の車窓を見ていると、かなりの勾配であることがわかります。

明知鉄道の沿線は、恵那駅周辺を除くと小さな町ばかり。唯一の交換可能駅の岩村駅は、千鳥配置になったホームに構内踏切、古いホーム上屋など、とても雰囲気の良い駅でした。
終点の明智駅の周辺は、「日本大正村」として整備されています。大正時代の古い建物が多く残っていて、街歩きも楽しいところです。折り返し列車を1本遅らせて、日本大正村を散策してみるのもよいでしょう。
明智鉄道については、以下の乗車記をご覧ください。

「JR東海&17私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」で飯田線~中央本線 周遊の旅
「JR東海&17私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」のもう一つの使い方は、JR東海の在来線を利用した乗り鉄です。このフリーきっぷだけでは周遊ルートが組みにくいと書きましたが、飯田線~中央本線のルートであれば問題はありません。双方の終点駅の辰野~塩尻間はJR東日本のエリアですが、運賃350円、約22分です。ただし、本数が少ないので注意です。
飯田線(豊橋~辰野)

天竜峡の風景
飯田線は、以前このブログの「川沿いの絶景路線」の一つとして紹介しましたが、とにかく渓谷の車窓が美しい路線です。
ただし、普通列車で乗りとおすと片道6時間かかりますので、天竜峡などで途中下車して、観光や散策を楽しむのがおすすめです。幸い、このフリーきっぷは2日間有効ですので、飯田線の乗車と沿線の観光で1日かけても大丈夫です。

また、飯田線といえば「秘境駅」です。多くの秘境駅が、天竜川沿いに点在します。その秘境駅を訪問するときにも、「JR東海&17私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」が使えるでしょう。多くの秘境駅を一度に訪問するためには、行ったり来たりを繰り返す必要がありますが、そんなときにはフリーきっぷが威力を発揮します。
飯田線の乗車記は、以下の記事をご覧ください。車窓、地形など詳しく紹介しています。

秘境駅の訪問については、以下の記事をご覧ください。6つの秘境駅を訪問する行程を紹介しています。

中央本線(塩尻~名古屋)

JR東海エリアの中央本線(中央西線)も、木曽川に沿って走る川の路線です。途中、寝覚ノ床などの景勝地があり、車窓を眺めていても飽きません。
また、中央西線は中山道に沿って走りますので、沿線には宿場町がたくさん残っています。このあたりは、いわゆる「木曽路」と呼ばれますが、馬籠宿、妻籠宿、福島宿、奈良井宿など、11もの宿場町があります。中央本線を途中下車して、これらの宿場町を散策するのがおすすめです。どの宿場町も、駅から少し離れているので、路線バスでのアクセスが必要です。事前に時刻など調べておきましょう。
以下の記事は、馬籠宿、妻籠宿の訪問記です。中津川駅から路線バスで馬籠宿、妻籠宿と巡り、南木曽駅へ出ました。中央本線を旅する時の観光ルートとしておすすめです。

この飯田線~中央本線ルート(豊橋~辰野~塩尻~名古屋)の乗車券は6,930円ですので、これだけでは元が取れていません。ただ、豊橋や名古屋へのアクセスに利用する東海道新幹線や東海道本線でも、フリーエリア内であれば「JR東海&17私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」が使えますので、元が取れる可能性が大きいです。
もっとも、フリーきっぷの良いところは、きっぷを買う手間を考えずに、気軽に途中下車できるところにありますので、あまり神経質にならないほうがよいのかもしれません。
以上、『【JR東海&17私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ】JR東海と東海地区の17私鉄に乗り放題! 魅力的な私鉄路線の乗り歩きに最適!』でした。フリーエリアが広いので、週末の1泊2日の鉄道旅行や乗り鉄にピッタリのきっぷです。がっつりと乗り鉄に使うも良し、観光メインの鉄道旅行に使うも良しのフリーきっぷですね。
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