JR各社が2019-20年冬(12月~2月)の臨時列車・増発列車の運転計画を発表しました。定番が多い中、注目は、2019年10月にデビューした「海里」の冬ダイヤでの運転と、キハ47形「国鉄色羽越」「国鉄急行色羽越」です。
※2019.11.24更新
JR各社が2019-20年冬の臨時列車・増発列車の運転計画を発表!
2019年10月18日、JR各社が2019-20年冬(12月~2月)の臨時列車・増発列車の運転計画を発表しました。
各社のリリースへのリンクは以下の通りです。
- JR北海道: 冬の臨時列車のお知らせ ~12月から2月に運転する列車です~
- JR東日本: 冬の増発列車のお知らせ
- JR東海: “冬”の臨時列車のお知らせ
- JR西日本: 2019年【冬】の臨時列車の運転について
- JR四国: 冬の臨時列車運転のお知らせ
- JR九州: 年末年始を中心に 便利な臨時列車のご案内
(注意)JR西日本のリンク以外はニュースリリースのPDFファイルが開きます。
新潟~酒田間の観光列車「海里」は冬ダイヤで年末年始も運転!
(出典)新潟・庄内の食と景観を楽しむ列車「海里」(KAIRI)デビュー(JR東日本新潟支社プレスリリース 2018年10月16日 [PDF])
「きらきらうえつ」の後を継いで、2019年10月にデビューしたばかりの羽越本線の観光列車「海里」ですが、12月~2月も週末や連休を中心にコンスタントに運転されます。12月下旬以降は冬季ダイヤで運転されます。
- 快速「海里」(通常ダイヤ)
- 運転日
- 12月1日(日),6日(金)~8日(日),13日(金)~15日(日),20日(金)~22日(日)
- 運転時刻
- 下り: 新潟 10:12発 → 酒田 13:19着
- 上り: 酒田 15:02発 → 新潟 18:31着(12/13,20は18:33着)
- 使用車両: HB-E300系4両(海里)
- 快速「海里」(冬ダイヤ)
- 運転日
- 12月27日(金)~31日(火)
- 1月1日(水)~5日(日),11日(土)~13日(月),18日(土)~19日(日),25日(土)~26日(日)
- 2月1日(土)~2日(日),9日(日),11日(火),15日(土)~16日(日),22日(土)~24日(月),29日(土)
- 運転時刻
- 下り: 新潟 10:12発 → 酒田 12:44着
- 上り: 酒田 16:00発 → 新潟 18:31着(2/8は18:33着)
- 使用車両: HB-E300系4両(海里)
- ※冬ダイヤでは4号車(旅行商品)の設定はなし
12月22日までは通常ダイヤで、12月27日以降は冬ダイヤでの運転となります。デビューしたばかりだからなのか、年末年始、大晦日や元旦も休まずに運転されます。
冬ダイヤでは、
- 桑川駅での停車時間を短縮
- 通常速度で運転
- 4号車の旅行商品の設定なし
となります。
「海里」の4号車は、旅行商品専用のダイニングカーで、日本海の豪華な食事を楽しむことができます。ところが、残念ながら、冬ダイヤでは4号車の設定はないようです。
とはいえ、「海里」には、予約制のお弁当もありますし、販売カウンターで軽食や日本酒、ソフトドリンクなどを購入することができますので、十分に「食」を楽しむことができます。
4号車を閉め切って運転するのか、フリースペースとして開放するのか、どのような扱いになるのかも興味がありますね。
「海里」については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
羽越本線を国鉄色のキハ47系4両編成が走る!「国鉄色羽越」「国鉄急行色羽越」
羽越本線で、国鉄色のキハ47系4両編成が運転されます。
- 快速「国鉄色羽越」「国鉄急行色羽越」
- 運転日: 12月7日(土)・8日(日)
- 運転時刻
- 下り: 新津 09:09発 → 酒田 12:46着
- 上り: 酒田 14:20発 → 新潟 17:46着
- 途中停車駅: 新発田,中条,坂町,村上,桑川,府屋,あつみ温泉,鶴岡,余目
- 使用車両: キハ47系2両×2(国鉄色+国鉄急行色)
冬の臨時列車の案内では、「国鉄色羽越」「国鉄急行色羽越」(それぞれキハ47×2両)という2本の列車に見えるのですが、実際には併結して運転されるため、国鉄色のキハ47系4両編成となります。
新潟地区では、新しい気動車「GV-E400系」の投入が始まっており、国鉄形気動車キハ40系は、2019年度末までに、信越本線・羽越本線・磐越西線から引退することが発表されています。
「国鉄色羽越」「国鉄急行色羽越」は、キハ40系の新潟地区からの引退に向けての臨時列車ということになるのでしょう。
上り列車に乗車すれば、日本海に沈む夕陽を、古い気動車のエンジン音を聞きながら眺めることができそうです。昭和の時代から続いてきた日常の風景も、まもなく終わりを迎えようとしています。
トロッコ車両で雪見旅!「風っこストーブ女川号」「風っこストーブ湯けむり号」
JR東日本のトロッコ車両「風っこ」を用いた臨時列車が、仙台から各地へ運転されます。
こんな真冬にトロッコ?と思うかもしれませんが、「風っこ」は開口部にガラス窓をはめ込んだり、ストーブが取り付けられていたりと、冬季にも運転できるようになっているのですね。
ストーブにあたって、あたたかな車内から雪景色を眺める旅もよさそうです。
海の幸が楽しめる女川へ!「風っこストーブ女川号」
- 快速「風っこストーブ女川号」
- 運転日: 1月11日(土)~13日(月・祝)
- 運転時刻
- 下り: 仙台 09:56発 → 女川 12:00着
- 上り: 女川 14:16発 → 仙台 16:41着
- 使用車両: 風っこ2両+イベントカー
1月の成人の日の三連休には、仙台から女川へ「風っこストーブ女川号」が運転されます。女川へは、小牛田経由(東北本線~石巻線経由)でしょう。
女川は言わずと知れた太平洋岸の港町。金華山沿いにある世界有数の漁場に近いため、季節を問わず、新鮮な魚介類をいただくことができます。
女川町は東日本大震災の際、津波で甚大な被害を受けてしまいましたが、その後、女川駅も含めて、復興が進んでいます。女川駅舎には「女川温泉ゆぽっぽ」という温泉施設が併設されていたり、駅前には「シーパルピア女川」というテナント型の商業施設が整備されたりしています。
仙台から日帰りでも十分に楽しめますので、「風っこストーブ女川号」で女川におでかけしてみるのもよさそうです。
鳴子温泉へ雪見旅!「風っこストーブ湯けむり号」
- 快速「風っこストーブ湯けむり号」
- 運転日: 1月25日(土),26日(日)
- 運転時刻
- 下り: 仙台 09:13発 → 鳴子温泉 11:00着
- 上り: 鳴子温泉 13:42発 → 仙台 15:28着
- 使用車両: 風っこ2両+イベントカー
1月下旬の週末には、仙台から鳴子温泉へ「風っこストーブ湯けむり号」が運転されます。
仙台から陸羽東線方面へは、「リゾートみのり」が新庄まで運転されているのですが、この週末には、代わりに「風っこストーブ湯けむり号」が運転されるということのようです。
陸羽東線は「奥の細道湯けむりライン」という愛称がつけられていて、その名のとおり、沿線には、鳴子温泉をはじめとしてたくさんの温泉地が点在しています。
また、陸羽東線は内陸部を走る路線ですので、冬季に乗車すると、小牛田から先に行くにつれて、雪深くなっていく様子が見られます。「雪見旅」にはぴったりの路線ですね。
今冬も2月に運転! 釧網本線「SL冬の湿原号」「流氷物語号」
毎年おなじみとなった真冬の観光列車、釧網本線の「SL冬の湿原号」と「流氷物語号」が、今冬も2月を中心に運転されます。
冬の釧路湿原を走る「SL冬の湿原号」、タンチョウも見られる?
JR北海道では唯一の運転となったSL列車が、冬の釧路湿原を走ります。
- 普通「SL冬の湿原号」
- 運転日: 2020年1月25日(土)~26日(日),2月1日(金)~11日(火),14日(金)~16日(日),21日(金)~24日(月),29日(土),3月1日(日)
- 運転時刻
- 上り: 釧路 11:05発 → 標茶 12:35着
- 下り: 標茶 14:00発 → 釧路 15:40着
- 途中停車駅: 東釧路・釧路湿原・塘路・茅沼
- 使用車両: SL(C11-171)+客車5両(全車指定席)
広大な湿原を眺めるのであれば夏に運転される「くしろ湿原ノロッコ号」のほうがよいのですが、冬の釧路湿原では、その姿が優麗な「タンチョウ」を眺めることができます。
各客車にはダルマストーブが設置されていて、暖を取ることができますし、車内でスルメを購入して、焼いて食べることもできるそうです。
「SL冬の湿原号」の詳細については、JR北海道のWebサイトをご確認ください。
流氷のオホーツク海を眺められる「流氷物語号」
釧網本線の北側、オホーツク海に面した網走~知床斜里間では、車窓から流氷を眺められる「流氷物語号」が運転されます。
- 普通「流氷物語号」
- 運転日:2020年2月1日(日)~3月1日(日)
- 運転時刻
- 1号:網走 09:45発 → 知床斜里 10:40着
- 2号:知床斜里 11:30発 → 網走 12:30着
- 3号:網走 12:45発 → 知床斜里 13:35着
- 4号:知床斜里 13:48発 → 網走 14:46着
- 使用車両:キハ54形2両
1号・3号は、途中の北浜駅で10分停車、2号・4号は、浜小清水駅で20分停車があります。
北浜駅は、オホーツク海に最も近い駅で、ホームから線路を挟んで、すぐにオホーツク海の海岸線です。ホームには、展望台があり、少し高い位置からオホーツク海を一望することができます。
一方、浜小清水駅の20分停車の間には、駅に隣接する「道の駅 はなやか」でお買い物ができます。
あたたかい車内から流氷を楽しみつつ、網走に到着したら、流氷観光砕氷船「おーろら号」に乗船して、間近で流氷を体感するのがおすすめです。
「流氷物語号」の詳細については、JR北海道のWebサイトをご覧ください。
夜行快速「ムーンライトながら」、今冬は年内のみ11日間の運転!
ここしばらく、使用されている185系の引退に関連して、その動向が注目されている夜行快速「ムーンライトながら」ですが、今冬も無事に運転されることになりました。
- 快速「ムーンライトながら」
- 下り(東京 → 大垣)
- 運転日: 2019年12月20日(金)~12月30日(月)
- 運転時刻: 東京 23:10発 → 大垣 05:45着
- 上り(大垣 → 東京)
- 運転日: 2019年12月21日(土)~12月31日(火)
- 運転時刻: 大垣 22:48発 → 東京 05:05着
- 使用車両: 185系10両 ※全車指定席
無事に運転されることはよかったのですが、運転日数が昨年より減っています。ここ数年の冬季の運転日・運転日数は以下のようになっています。
年 | 運転日 | 運転日数 |
---|---|---|
2016年 | 12/22-1/2 | 12日間 |
2017年 | 12/22-1/2 | 12日間 |
2018年 | 12/21-1/2 | 13日間 |
2019年 | 12/20-12/30 | 11日間 |
※運転日は東京発大垣行き
運転日数が昨年から2日間減っています。さらに、いつもは年明けの1月2日まで運転されていたのですが、今冬は年内の12月30日(大垣行き)、31日(東京行き)が最後の運転となります。年末の帰省には利用できますが、年明けのUターンには利用できないということになります。
2019年は夏の運転日もかなり減ってしまい、ここ3年間では30日→23日→17日と急激に減っています。
前述のように、現在「ムーンライトながら」に利用されているJR東日本の185系車両は、近いうちに引退が見込まれています。185系が引退してしまうとき、「ムーンライトながら」はどうなってしまうのでしょうか?
「ムーンライトながら」については、以下の記事でも書いていますので、興味がありましたらご覧ください。
もう定期列車でいいのでは? ほぼ毎日運転される臨時列車「富士回遊90~93号」
2019年3月のダイヤ改正でデビューした、富士急行線直通の特急「富士回遊」。外国人旅行者の富士山人気を反映してか、定期列車の「富士回遊」(1日2往復)に加えて、常に臨時「富士回遊」が1往復運転されるような状況になっています。
冬の臨時列車としても、12月中旬から2月末まで、臨時特急「富士回遊」が運転されます。
- 臨時特急「富士回遊」(土休日)
- 運転日
- 2019年12月~2020年2月末までの土休日
- 年末年始は 12月28日(土)~1月5日(日)の毎日
- 運転時刻
- 富士回遊91号: 新宿 07:35発 → 河口湖 09:39着
- 富士回遊92号: 河口湖 16:00発 → 新宿 17:59着
- 使用車両: E257系5両(全車指定席)
- 臨時特急「富士回遊」(平日)
- 運転日
- 2019年12月16日~2020年2月28日の平日
- 12月28日(土)~1月5日(日)は「富士回遊91号/92号」を運転
- 運転時刻
- 富士回遊93号: 新宿 11:32発 → 河口湖 13:35着
- 富士回遊90号: 河口湖 14:03発 → 新宿 16:03着
- 使用車両: E257系5両(全車指定席)
土休日と平日で臨時「富士回遊」の時刻は異なりますが、12月16日~2月29日の2か月半、年末年始も含めて、毎日、臨時の富士回遊が1往復(定期列車を含めると3往復)運転されることになります。
ここまで毎日運転されるのであれば、2020年3月のダイヤ改正で、定期列車に格上げされる可能性もありそうです。
北陸新幹線、年末年始は例年の90%の運転本数に! 指定席の購入は早めに!
台風19号により長野新幹線車両センターに留置してあった車両が水没する被害のあった北陸新幹線ですが、その直後に発表された冬の臨時列車のダイヤでは、「北陸新幹線の臨時列車は未定」となっていました。
その後、改めて北陸新幹線の臨時列車の運転計画が発表されました。
11月15日に発表された年末年始期間(12/27~1/5)の運転本数は、定期列車+臨時列車の合計で986本、前年比90%の運転本数となっています。
また、帰省ラッシュ、Uターンラッシュの時期の各列車の運転本数(下段は前年比)は以下の通りです。
列車名 | 12/28-30 下り列車 | 1/3-5 上り列車 |
---|---|---|
かがやき | 45本 83% | 48本 89% |
はくたか | 42本 100% | 42本 100% |
あさま | 69本 82% | 69本 92% |
全体としては前年比90%の運転ですが、列車によって偏りがあります。
帰省ラッシュの12/28-30は、東京→金沢は90%以上が確保されていますが、あさまが82%と、昨年に比べるとかなり本数が減っています。あさましか停車しない駅へ帰省される方は要注意です。
また、1/3-5は、金沢→東京、長野→東京ともに90%以上が確保されていますが、1/4(土),1/5(日)は週末ですので、Uターンラッシュと旅行客が重なる可能性もありそうです。
いずれにしても、年末年始の帰省で北陸新幹線を利用される方は、できるだけ早めに、可能であれば発売日(乗車日の1か月前の午前10時)に指定席券を購入しておいたほうがよいでしょう。
また、JR東日本・JR西日本は、年末年始の前後の期間で、北陸新幹線が30%引きになる「お先にトクだ値」「WEB早得14」を発売します。14日前までの購入が必要ですが、北陸新幹線に安く乗車できますので、帰省、旅行などの時期をずらせる方は、利用を検討してみてもよいでしょう。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
以上、『【2019-20年冬の臨時列車】JR各社が運転計画を発表! 注目は「海里」冬ダイヤとキハ40系乗り納め「国鉄色羽越」!』でした。各社とも冬の定番の観光列車・臨時列車が多いですが、12月までの新潟・庄内エリアDCに合わせて運転される「国鉄色羽越」「国鉄急行色羽越」は注目です。この機会に、新潟地区のキハ40系の乗り納めをしておきたいところです。
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