JR東日本は、インターネット予約サービス「えきねっと」で購入できる新幹線、在来線特急列車の割引きっぷを大幅に見直すことを発表しました。通年で設定されていた新幹線の「トクだ値」と、首都圏の主要特急で通年設定されていた「在来線チケットレス特急券(トク割)」を廃止し、基本的に特定期間の平日に個別に設定する方向となります。この記事では、JR東日本の割引きっぷの見直しについてまとめ、その代替案について検討してみます。
JR東日本、割引きっぷを大幅見直しへ
JR東日本は、「えきねっと」で購入できる割引きっぷの大幅見直しを発表しました。これまで、チケットレス化の推進とともに、「えきねっと」で購入できる割引きっぷを拡充させてきましたが、その方針を大きく転換することとなります。
以下に、発売終了となる割引きっぷをまとめます。
発売終了となる新幹線の割引商品
- 新幹線eチケット(トクだ値14)
- 新幹線の乗車券と指定席特急券がセットになったえきねっと限定の割引商品で、おおむね30%引き前後の割引率
- 2026年9月16日(水)で発売を終了
- 対象は、東日本エリアを運行する全新幹線(北海道新幹線、北陸新幹線のJR西日本エリアを含む)
- 新幹線eチケット(トクだ値1)
- 新幹線の乗車券と指定席特急券がセットになったえきねっと限定の割引商品で、おおむね5~15%前後の割引率
- 2026年9月29日(火)で発売を終了
- 対象は、東日本エリアを運行する全新幹線(北海道新幹線、北陸新幹線のJR西日本エリアを含む)
発売終了となる在来線特急列車の割引商品
- 特急トクだ値14
- 在来線特急の乗車券と指定席特急券がセットになったえきねっと限定の割引商品
- 「いなほ」を対象に、2026年10月17日(土)で発売を終了
- 特急トクだ値1
- 在来線特急の乗車券と指定席特急券がセットになったえきねっと限定の割引商品
- 「いなほ」「しらゆき」「日光・スペーシア日光」「きぬがわ・スペーシアきぬがわ」「スペーシア八王子日光・スペーシア八王子きぬ」を対象に、2026年9月29日(火)で発売を終了
- ただし、「いなほ」「しらゆき」は2026年10月30日(金)で発売を終了
- 在来線チケットレス特急券(トク割)
- 在来線特急の指定席特急券のみを割り引くえきねっと限定の商品
- 「あずさ・かいじ」「ひたち・ときわ」「成田エクスプレス」「踊り子」「草津・四万」「鎌倉」を対象に、2026年9月30日(水)で発売を終了
- 在来線チケットレス特急券のチケットレス割引
- 在来線チケットレス特急券を利用する際に適用されていた、通常の商品価格からの定額割引
- 2026年9月30日(水)の購入操作分をもって、大人100円引き・小児50円引きでの発売を終了
詳しくは、JR東日本のニュースリリースをご確認ください。
代替となる割引商品
今回発売終了となる割引商品に対して、JR東日本が代替商品として案内している割引商品は以下のようになります。
特定期間の平日に設定される50%引きの割引商品
- 新幹線eチケット(トクだ値スペシャル 28) ︓新幹線停車駅間の乗車券と特急券がセットで50%割引
- 在来線チケットレス特急券(トク割スペシャル28)︓特急列車の特急券が50%割引
- 特急トクだ値スペシャル28︓特急列車停車駅間の乗車券と特急券がセットで50%割引
いずれも割引率は高いのですが、利用できる期間はかなり限定されています。今回のニュースリリースでは、以下の2回が発表されています。
- 2026年10月14日(水)~27日(火)の平日乗車分
- 2026年12月7日(月)~17日(木)の平日乗車分
2回とも需要が比較的少ない特定期間の平日限定となっています。
JRE POINT 特典チケットの交換レート割引
JR東日本の新幹線を対象に、JRE POINT 特典チケットの交換レートを期間限定で35%割り引きます。
- 第2回:2026年9月25日(金)~10月 9日(金)乗車分
- 第3回:2027年1月18日(月)~ 1月31日(日)乗車分
こちらも、基本的には特定期間のみですが、平日だけでなく土休日も対象となっています。
もっとも、この特典チケットの割引については、すでにJR東日本から発表済みのものとなります。今回の割引商品の見直しとともに、改めてアナウンスしているものとなります。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。

割引商品大幅見直しの影響
今回の「えきねっと」割引商品の大幅見直しの影響はどの程度あるのでしょうか?また、割引商品発売終了後に、お得に乗車する方法はあるのでしょうか?
新幹線
新幹線については、「トクだ値14」「トクだ値1」の発売終了の影響はかなり大きそうです。「トクだ値14」は2週間前までの購入で乗車券+特急券がおおむね30%引き、「トクだ値1」は前日までの購入で同じく5~15%引きの区間が多く設定されていました。「トクだ値14」は発売と同時に売り切れてしまうことも多かったですが、「トクだ値1」は列車によっては残っていることも多く、前日まで購入できることもあって、使い勝手のよい割引きっぷでした。
これらが発売終了となると、通年発売の新幹線の割引きっぷは基本的になくなります。 代替として、期間限定で、50%引きの「トクだ値スペシャル28」が発売されますが、かなり期間が限定されていること、平日のみであること、ほぼ1か月前までの購入が必要であることなど、代替として利用できる方はかなり限られそうです。
在来線特急列車
在来線特急列車については、現時点で「在来線チケットレス特急券」に移行している首都圏の大半の列車と、まだ移行していない「いなほ」「しらゆき」、東武直通特急(東武日光・鬼怒川温泉方面)で影響が異なります。
在来線チケットレス特急券に移行している以下の列車では、通年利用できたチケットレス特急券の割引きっぷ(トク割)が廃止となり、特定期間の平日のみ設定される「在来線チケットレス特急券(トク割スペシャル28)」に移行します。
- 通年の「トク割」が廃止される列車: 「あずさ・かいじ」「ひたち・ときわ」「成田エクスプレス」「踊り子」「草津・四万」「鎌倉」
在来線チケットレス特急券は、えきねっとで特急券を購入後、紙のきっぷを受け取らずにそのまま乗車できるきっぷです。列車や席数、区間限定で、「在来線チケットレス特急券」が35%引きとなる「トク割」がこれまで設定されていましたが、2026年9月30日で発売終了となります。通年で利用できた割引が廃止になるという意味では影響は大きいです。
一方、代替は、新幹線と同様に、特定期間の平日限定の「在来線チケットレス特急券(トク割スペシャル28)」 となります。割引率は50%と高いものの、28日前までの購入が必要であったり、そもそも設定される時期が極めて限られるということから、「たまたま利用できれば利用する」くらいの割引きっぷとなりそうです。
また、地味に影響がありそうなのが、「在来線チケットレス特急券」の100円引き(小児は50円引き)がなくなる ことです。「在来線チケットレス特急券」は、チケットレス推進のため、通常の特急券より、常に100円安く購入することができたのですが、その割引がなくなります。いつ、どの区間で購入しても適用されていた割引がなくなりますので、実質的には値上げということになりそうです。特に、近距離利用では影響が大きそうです。
- 通年の「特急トクだ値1」「特急トクだ値14」が廃止される列車: 「いなほ」「しらゆき」・東武直通特急(東武日光・鬼怒川温泉方面)
現時点で「在来線チケットレス特急券」が導入されていない 「いなほ」「しらゆき」・東武直通特急(東武日光・鬼怒川温泉方面)では、乗車券+特急券がセットで割引となる「特急トクだ値1」・「特急トクだ値14」(いなほのみ)が利用できましたが、これも2026年10月に発売終了となります。
一方で、「いなほ」「しらゆき」も「在来線チケットレス特急券」に移行し、あわせて、「在来線チケットレス特急券(トク割)」(特急券が25%引き)が発売されます。
乗車券も含めて割引が効いていた「特急トクだ値1」「特急トクだ値14」がなくなり、代替として特急券のみ25%引きの「在来線チケットレス特急券(トク割)」に移行するという形です。
新幹線・特急列車にお得に乗車するための代替方法
「トクだ値」や「在来線チケットレス特急券(トク割)」の通年発売終了後に、JR東日本の新幹線・特急列車にお得に乗車する方法としては、以下の3つがあります。
- JRE POINT 特典チケット
- 株主優待券・JRE BANK 優待割引券
- ダイナミックレールパックで宿泊施設と一緒に予約
以下でそれぞれ見ていきます。
JRE POINT 特典チケット を利用する
1.のJRE POINT 特典チケットは、JRE POINTの特典として、新幹線や特急列車に乗車できるチケットに引き換えることができるものです。JR東日本のエリア内に限られますが、列車や区間、期間の制限がないので、いつでも利用できます。必要ポイント数も、正規運賃・料金できっぷを購入するよりも優遇されています。ただ、新幹線の場合は、乗車券+特急券がセットになった商品であるため、必要ポイント数がそれなりに多く、年に何度も利用できる方は少ないでしょう。在来線特急列車の場合は、特急券のみの商品のため、必要ポイント数は比較的少なくなっています。
例として、東京~仙台の東北新幹線の特典チケットと、新宿~松本の特典チケットの交換に必要なポイント数は、以下のようになります。
- JRE POINT特典チケット(新幹線eチケット): 東京~仙台(普通車) 9,500ポイント
- JRE POINT特典チケット(在来線チケットレス特急券): 新宿~松本(普通車・特急券のみ): 2,100ポイント
JRE POINT 特典チケットについては、以下の記事でわかりやすく紹介していますので、ぜひご覧ください。

株主優待券・JRE BANK 優待割引券を利用する
2.の株主優待券、JRE BANK 優待割引券は、それぞれ1枚の利用で乗車券・特急券が4割引きになります。
株主優待では、300株以上で1枚、400株以上で2枚、... などとなっています。300株以上となると、それなりの金額になりますので、投資の一環としてであれば良いですが、株主優待券だけを目当てにしての購入はあまりおすすめできません。
JRE BANK 優待割引券は、JRE BANKに口座を開き、ビューカードの引き落とし口座、給与の振込口座に指定することで、最大で半年に5枚をもらうことができます。つまり、年間に最大で10枚をもらうことができます。銀行口座の開設と、各種条件の達成だけで優待割引券がもらえますので、今後もJR東日本の新幹線・特急列車にお得に乗車したい方には、まず検討すべき候補となります。
JRE BANK の特典の詳細については、JRE BANK のWebサイトをご確認ください。
ダイナミックレールパックを利用する
3.は、JR東日本系列の旅行申込サイト「びゅうトラベル」で発売している、往復鉄道と宿泊施設を組み合わせて予約できる「ダイナミックレールパック」 を利用する方法です。宿泊施設がセットとなるため、きっぷだけを購入できる方法と比べると自由度は減りますが、ダイナミックレールパックは、往復で違う駅からの列車を指定したり、1泊目と2泊目で別の宿泊施設を指定できたりします。そのため、あるエリア周辺での観光旅行であれば、十分検討に値します。
価格は時期によって大きく異なります。需要の少ない時期の平日であれば、往復新幹線の価格+α程度でホテルも付いてくるくらいのお得感があります。一方で、週末や三連休などの繁忙期はそこまでお得感はありません。

以上、「JR東日本が通年の新幹線・特急の割引きっぷ「トクだ値」「トク割」を廃止! 影響と代替案まとめ」でした。通年トクだ値の廃止の影響は大きいですが、JRE POINTを活用するなど、他の方法で、できるだけお得に旅をしたいものですね。
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