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【青春18きっぷ 1泊旅】東京発、11年ぶりに全線で運転を再開した只見線に乗車する周遊ルート

汽車旅
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2011年の豪雨被害で長らく一部区間で不通となっていた只見線が、2022年10月に全線で運転を再開しました。只見線は東京に比較的近いわりには、ローカル線の醍醐味を味わうことができる路線です。この記事では、青春18きっぷで只見線に乗車する1泊旅のルートを紹介します。

11年ぶりに全線で運転を再開した「只見線」に乗車する青春18きっぷ1泊旅

雪が舞う冬の会津川口駅

雪が舞う冬の会津川口駅

只見線は、上越線の小出駅と磐越西線の会津若松駅を結ぶ路線です。全長135.2kmにも及ぶ長距離の路線ですが、途中の区間では1日に3本しか列車が走らない超閑散路線でもあります。

只見線の車窓の見どころは、田園風景が広がる会津盆地、会津盆地から山間部へと入っていく区間の里山の風景、そして、何といっても只見川の渓谷美です。

青春18きっぷの旅でぜひ訪れたい路線ですが、東京から青春18きっぷだけで日帰りは不可能です。そこで、今回は、会津若松で1泊する行程でのルートをご紹介します。

【1日目】東京~郡山~会津若松(泊)

路線 区間 所要時間
東北本線
(宇都宮線)
東京 → 郡山 約4時間半 宇都宮、黒磯、
新白河で乗り換え
磐越西線 郡山 → 会津若松 約1時間

【2日目】会津若松~小出~高崎~東京

路線 区間 所要時間
只見線 会津若松 → 小出 約4時間半 里山・只見川
の車窓を満喫!
上越線 小出 → 高崎 約3時間 水上で乗り換え
高崎線 高崎 → 東京 約2時間 グリーン車がおすすめ

今回紹介するルートは、すべでの列車に青春18きっぷだけで乗車できます。東北本線(宇都宮線)、高崎線の普通列車では、別途、グリーン券を購入して、グリーン車に乗車するのがおすすめです。

なお、只見線の全線運転再開に際して、只見線のダイヤ改正が実施されています。詳しくは、以下の記事をご覧ください。

【只見線ダイヤ改正】2022年10月1日に全線で運転再開する只見線のダイヤを発表! 会津川口~只見間は1日6.5往復から3往復へ!
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【1日目】東北本線と磐越西線を乗り継いで会津若松へ

1日目は、東京から東北本線(宇都宮線)で郡山へ出て、磐越西線に乗り換えて会津若松へ向かいます。東北本線は、宇都宮駅、黒磯駅、新白河駅の各駅で乗り換えが必要です。東京~宇都宮間は、普通列車にグリーン車が連結されていますんので、グリーン車利用がおすすめです。

東北本線の普通列車を乗り継いで郡山へ

普通列車に連結された2階建てグリーン車

普通列車に連結された2階建てグリーン車

東京駅から宇都宮線(東北本線)の普通列車で、まず宇都宮駅へ向かいます。宇都宮駅までの普通列車には、グリーン車が連結されていますので、グリーン券を購入して、グリーン車に乗車するのがおすすめです。宇都宮駅から先は乗り継ぎが多くなりますので、グリーン車でしっかり休んでおきましょう。

東北本線 黒磯~新白河を走るE531系電車

東北本線 黒磯~新白河を走るE531系電車

宇都宮駅で黒磯行きに乗り継ぎ、黒磯駅からは新白河行きに乗り継ぎます。黒磯駅から新白河駅の間は、常磐線でおなじみのE531系電車が走っています。

新白河駅に停車中の郡山行きの列車

新白河駅に停車中の郡山行きの列車

新白河駅では郡山行きに乗り継ぎます。新白河駅では、黒磯方面の列車と郡山方面の列車に同一ホームでの乗り換えができるように、これらの列車が車止めを挟んで縦列に停車します。一番前の車両に乗っていると、乗り換えが楽ですし、混雑している時期でも郡山行きの列車で座席を確保しやすいです。

新白河駅から約1時間で郡山駅に到着です。

東北本線は、このように非常に乗り継ぎが多くなっています。特に、お盆休みや年末年始などの繁忙期の乗り継ぎのコツについては、以下の記事もご覧ください。

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東京から郡山へは、東北本線を北上するルート以外に、常磐線を経由する以下のルートもあります。

  • 東京(常磐線)水戸(水郡線)郡山
  • 東京(常磐線)いわき(磐越東線)郡山

東北本線を乗り継ぐよりも時間はかかりますが、水郡線や磐越東線はローカル線の雰囲気を味わえます。会津若松周辺で観光するよりも、乗り鉄を楽しみたい場合には、これらのルートもおすすめです。

東京~郡山間の常磐線経由のルートについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

東京~仙台の長距離移動は旅情・車窓重視の水郡線・磐越東線・常磐線ルートで! 青春18きっぷで遠回りの汽車旅を楽しんでみませんか?
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磐越西線の快速列車で会津若松駅へ

磐越西線 快速「あいづ」

磐越西線 快速「あいづ」

郡山駅では、磐越西線の会津若松行きの列車に乗り換えます。会津若松行きの列車は、1時間に1本運転されていて、2時間毎に快速列車が運転されています。快速列車のほうが所要時間が短いですが、途中で普通列車を追い抜くことはないため、列車種別にかかわらず、すぐ乗り継げる列車に乗るのが早いです。

磐越西線 猪苗代付近から眺める磐梯山

磐越西線 猪苗代付近から眺める磐梯山

磐越西線の郡山~会津若松間の車窓の見どころは、猪苗代駅の前後で見られる磐梯山です。会津若松行きの列車であれば、進行方向右側の車窓から見ることができます。

磐越西線 快速「あいづ」の半室指定席

磐越西線 快速「あいづ」の半室指定席

磐越西線の快速列車のうち、上り・下りとも3本には快速「あいづ」という列車名がつけられています。列車名がつけられている理由は、指定席があるためです。リクライニングシートの指定席が、半室(1両の半分、14席分)だけですが設けられています。指定席券530円が別途必要になりますが、時間があうのであれば、車窓を眺めやすいので、指定席がおすすめです。

快速「あいづ」の指定席については、以下の乗車記をご覧ください。座席表や指定席の予約方法も紹介しています。

【磐越西線 快速「あいづ」乗車記】E721系リクライニングシートの指定席でゆったり会津路の旅!(座席表あり)
2020年のダイヤ改正で、郡山~会津若松間に快速「あいづ」がデビューし、リクライニングシートの指定席が設けられました。半室指定席のため、列車あたり14席と少ないですが、会津路の旅を楽しむにはぴったり。そんな、快速「あいづ」の指定席の乗車記を...

会津若松駅に到着したら、1日目の行程は終了です。到着が早ければ観光をしてもいいでしょう。会津若松駅近くのホテルに宿泊して、翌日の只見線の乗車に備えましょう。

【2日目】只見線の旅を満喫して上越線で帰京

2日目は、只見線の始発列車に乗車します。終点の小出駅まで、4時間半をかけて只見線を走破する列車です。会津川口駅で10分、只見席で23分の停車時間がありますので、ホームに降りると良いでしょう。小出駅に到着したら、上越線、高崎線を乗り継いで帰京します。途中の越後湯沢駅や水上駅で途中下車して、観光やグルメ、温泉を楽しむのもおすすめです。

只見線の始発列車に乗車、会津盆地を西へ!

会津若松駅から只見線の始発列車に乗車

会津若松駅から只見線の始発列車に乗車(現在は車両が異なります)

会津若松駅から只見線の始発列車に乗車します。午前6時過ぎと早い時間ですので、冬の青春18きっぷの旅では、まだ夜明け前の暗い中を発車していきます。この列車は、会津若松駅近辺に宿泊しないと乗車することが難しいので、旅行者や乗り鉄は少なめ。比較的空いていておすすめです。

上の写真の車両(キハ40系)は只見線から引退してしまい、現在はキハE120系、キハ110系が走っています。

会津盆地の田園風景の中を進む只見線

会津盆地の田園風景の中を進む只見線

西若松駅で会津鉄道を南に分けると、只見線は田園風景が広がる会津盆地の中を走っていきます。いったん南下して、再び北上する形で、会津盆地の北西端にある会津坂下駅に到着します。

里山の車窓が素晴らしい只見線

里山の車窓が素晴らしい只見線

会津坂下駅を出発すると、会津盆地から小さな峠を超えて行きます。登りきったところにある塔寺駅を出ると、再び下りになり、会津柳津駅へ。会津柳津駅がある柳津町は、只見線の沿線では比較的大きな町です。平日に乗車すると、この駅で下車していく方がそれなりにいます。

蛇行する只見川を何度も渡って運転再開区間へ

蛇行する只見川を何度も渡ります

蛇行する只見川を何度も渡ります

会津柳津駅を出発すると、何度も川を渡ります。この川が、ここから只見駅近くまで只見線と並走する只見川です。只見線の撮影スポットとして有名な第一只見川橋梁は、会津桧原駅と会津西方駅の間にあります。

只見川沿いを走る只見線の車窓

只見川沿いを走る只見線の車窓

蛇行する只見川に沿って、只見線も蛇行しながら進んでいきます。小出方面行きの列車に乗車すると、只見川の上流側に向かって進んでいきますが、ところどころで川幅がとても広くなっているところがあります。只見川にはあちこちにダムがあり、そのダムの上流側は水量が多く、まるで湖のようになっているのです。

会津川口駅に停車中の只見線

会津川口駅に停車中の只見線

会津若松から約2時間で会津川口駅に到着します。2011年の豪雨被害以降、この駅で代行バスに乗り換える必要がありましたが、前述のように2022年10月に運転を再開しました。

復旧工事中の第六只見川橋りょう

復旧工事中の第六只見川橋りょう(2019年12月撮影)

この先は、2011年の豪雨被害で流失し、再建された3つの橋梁(第五~第七只見川橋梁)を渡っていくと、会津若松駅から約3時間で只見駅に到着します。

田子倉湖と末沢川の渓谷を抜けて終点の小出へ

冬の只見駅

冬の只見駅

只見駅で23分の停車時間がありますので、ホームに降りて休憩しましょう。只見駅を出発すれば、長かった只見線の旅もあと1時間余りです。

只見線から眺める田子倉湖の車窓

只見線から眺める田子倉湖の車窓

只見駅を発車してすぐに全長3,712メートルの田子倉トンネルに入ります。トンネルを抜けると、そこが田子倉湖です。只見川に作られた田子倉ダムによってできたダム湖です。

田子倉湖が車窓に見えるあたりには、田子倉駅があったのですが、2013年3月のダイヤ改正で廃止されてしまいました。冬季は豪雪のために全列車通過となっていた駅です。今は駅はないのですが、積雪が増える2~3月になると、雪崩の危険性があるということで、この区間は不通となることがあります。それだけ豪雪地帯で、かつ、地形が険しいところを通っているのです。

末沢川の渓谷の車窓

末沢川の渓谷の車窓

田子倉湖を過ぎると、再び長いトンネルへ。全長6,354メートルの六十里越トンネルです。トンネルを抜けると、末沢川の渓谷沿いへ。この六十里越トンネルは、福島・新潟県境であるとともに、分水嶺にもなっています。只見川は阿賀野川水系ですが、末沢川は信濃川水系です。どちらも新潟市で日本海に注いでいますが、川が流れる経路は全く異なります。

そんな末沢川の渓谷に沿って只見線は走ります。

終点の小出駅に到着した只見線

終点の小出駅に到着した只見線

渓谷から田園風景へと車窓が変わり、小出の街並みが見えてくると、終点の小出駅に到着です。会津若松駅から約4時間半の旅でした。車窓を眺めていると、意外とあっという間に時間が過ぎていってしまいます。

上越線・高崎線を乗り継いで帰京

上越線を走るE129系電車

上越線を走るE129系電車

小出駅に到着したら、あとは上越線、高崎線を乗り継いで東京に戻ります。

上越線の越後湯沢~水上間は列車の本数が少なく、1日5~6往復しかありません。そんなときは、越後湯沢駅で途中下車をして、温泉や食事を楽しむのがよいでしょう。エキナカや駅の周辺に食事処や温泉があります。

高崎駅で発車を待つ高崎線の電車

高崎駅で発車を待つ高崎線の電車

高崎駅からは高崎線で東京へと戻ります。東京までは約2時間。普通列車に連結されているグリーン車がおすすめです。

上越線沿線の観光スポットや、おすすめの途中下車駅については、以下の記事もご覧ください。東京から上越線沿線への青春18きっぷ日帰り旅の記事ですが、おすすめの途中下車スポットも掲載しています。

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只見線を満喫する青春18きっぷ1泊周遊ルート

東京発で只見線を全線乗りとおす青春18きっぷ1泊周遊ルートをご紹介しました。

青春18きっぷでの日帰りは難しいルートですが、1泊すると比較的余裕がありますので、ルートの途中で観光をしたり、沿線のグルメを味わったりすることもできます。

ただし、只見線は列車の本数が極めて少ないため、途中下車しての観光が難しいのが残念です。只見線のどこかで途中下車をしたい場合には、会津若松泊ではなく、只見線沿線に宿泊するのが良いでしょう。

只見線は、沿線で観光をしなくても、乗りとおして車窓を満喫するだけでも価値のある路線だと思います。この記事でご紹介したように、会津若松始発の列車は、現地に宿泊しないと乗ることが難しいので、繁忙期でも比較的空いています。ゆったりとした車内で車窓を楽しむには最適の列車です。

全てJR東日本の普通列車のみの行程ですので、宿泊費は必要になりますが、それ以外は青春18きっぷ2日分(4,820円相当)だけで旅ができます。(快速「あいづ」の指定席や、宇都宮線・高崎線のグリーン料金は別途必要)

沿線は豪雪地帯でもありますので、春や夏だけでなく、冬の青春18きっぷでの乗車もおすすめです。季節を変えて乗車することで、全く違った景色を楽しむことができる路線です。


以上、「【青春18きっぷ 1泊旅】東京発、11年ぶりに全線で運転を再開した只見線に乗車する周遊ルート」でした。比較的東京に近いにもかかわらず、ローカル感が素晴らしく、車窓が美しい只見線。青春18きっぷを活用して、ぜひ乗りに行ってみてください。

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