青森~函館航路を運航する津軽海峡フェリーが、2023年10月2日に青森港と室蘭港を結ぶ航路を新規に開設します。室蘭発は夜行便で所要時間は約7時間。運賃はスタンダードで5,090円~。北海道と本州を青春18きっぷなどで行き来する鉄道旅行にも使えそうです。
津軽海峡フェリーが室蘭港~青森港を結ぶフェリーを2023年10月2日に運航開始!
津軽海峡フェリーは、2023年10月2日に、室蘭港と青森港を結ぶフェリー航路を新規に開設すると発表しました。
2023年6月1日に運航の詳細が発表されました。概要は以下のとおりです。
- 航路: 室蘭~青森(205km)
- 運航開始: 2023年10月2日 室蘭港発20時の便
- 運航ダイヤ
- 室蘭 20:00発 → 青森 翌03:00着(7時間)
- 青森 09:00発 → 室蘭 15:45着(6時間45分)
- 運航日(1日1往復)
- 室蘭発: 日曜日を除く毎日1日1便
- 青森発: 月曜日を除く毎日1日1便
- 運賃
- スタンダード(大人): 5,090円~
- 使用船舶: ブルーマーメイド
詳しくは、津軽海峡フェリーのプレスリリースをご覧ください。
津軽海峡フェリー 室蘭~青森航路の運賃と割引
津軽海峡フェリーが運航する室蘭~青森航路の運賃は以下のとおりです。
区分 | A期間 | B期間 | C期間 |
---|---|---|---|
スイート | 12,730円 | 14,000円 | 15,400円 |
コンフォート | 10,180円 | 11,200円 | 12,320円 |
ビューシート | 7,640円 | 8,400円 | 9,240円 |
スタンダード | 5,090円 | 5,600円 | 6,160円 |
室蘭~青森航路ではシーズン運賃を採用します。A~C期間は主に以下のようになります。
- A期間: 1月~5月、10月~12月(GW期間、年末年始期間を除く)
- B期間: 6月~9月(夏期繁忙期間を除く)、年末年始期間
- C期間: GW期間、夏期繁忙期間
運賃は、いわゆる雑魚寝の「スタンダード」が5,090円~6,160円、リクライニングシートの「ビューシート」が7,640円~9,240円となっています。
また、室蘭~青森航路の開設に合わせて、割引商品「海割ウォーク」が登場します。
- 海割ウォーク
- 対象期間: 2023年10月2日(月)~12月31日(日)
- 予約開始: 乗船日の3か月前の午前9時~
- 価格: 大人 4,000円、小人 2,000円(スタンダード)
- 差額: スイート+6,000円、コンフォート+4,000円、ビューシート+2,000円
- 利用条件: 徒歩乗船客限定、乗船の5日前までの予約・事前決済
「海割ウォーク」を利用すると、「スタンダード」に4,000円で乗船できます。試乗にはぴったりの割引ですね。
シルバーフェリーの室蘭・八戸航路の休止を契機に新規航路開設へ
津軽海峡フェリーは、青森~函館と青森~大間の2つの航路を持つフェリー会社です。特に、青森~函館航路は1日8往復(16便)を運航していて、北海道と青森・本州の間の物流を支えています。
プレスリリースには記載されていませんが、報道によると、今回新たに開設する室蘭~青森航路は、シルバーフェリー(川崎近海汽船)が運航していた室蘭~八戸航路が2022年1月末で休止したことを契機に検討を開始し、開設に至ったということです。

シルバーフェリーは、2018年6月に室蘭港と宮古港を結ぶ航路を開設。2018年10月には八戸港へ寄港するようになり、2020年4月からは室蘭港~八戸港を結ぶ航路へと変更になっていました。利用が伸び悩む中、2022年1月末をもって同航路は休止となりました。

シルバーフェリーの室蘭~八戸航路のダイヤは、以下のようになっていました。
- 室蘭港 20:30発 → 八戸港 翌03:30着
- 八戸港 06:45発 → 室蘭港 14:00着
今回、津軽海峡フェリーが発表した室蘭~青森航路のダイヤは、シルバーフェリーの室蘭~八戸航路にかなり近く、室蘭~八戸航路の代替航路として開設を計画していたことがうかがわれます。
就航船舶は青函航路で活躍中の「ブルーマーメイド」

室蘭~青森航路で利用される「ブルーマーメイド」
(出典)【プレスリリース】室蘭/青森 フェリー航路開設のご案内【NEW】(津軽海峡フェリー プレスリリース 2023年2月2日)
新たに開設される室蘭~青森航路で使用される船舶は、青函航路で活躍している「ブルーマーメイド」です。
船内は以下のようになっています。

津軽海峡フェリー「ブルーマーメイド」の船内マップ
(出典)津軽海峡フェリーWebサイト 船舶のご紹介 ブルーマーメイド
青函航路は所要時間が3~4時間の短距離の航路ですので、客室は比較的シンプルです。個室は「スイート」(定員2名×7室)と、ファミリー向けの「コンフォート」(定員4名×7室)だけで、基本的には雑魚寝タイプの「スタンダード」またはリクライニングシートの「ビューシート」となります。
所要時間が7時間程度ですから、これで十分との判断でしょう。昼行便となる青森→室蘭は問題ないでしょうし、夜行便の室蘭→青森も仮眠程度は取ることができそうです。
「ブルーマーメイド」の設備については、津軽海峡フェリーのWebサイトをご覧ください。
室蘭港は室蘭駅のすぐ近く、普通列車で札幌まで3時間!
鉄道の旅の観点から考えてみると、室蘭港は札幌に比較的近いのが特徴です。
本州から北海道へ旅行に行く場合の目的地が札幌周辺、あるいは、札幌や南千歳から鉄道を乗り継いで道北・道東方面へと足を延ばす場合には、北海道新幹線で新函館北斗駅に到着するよりも便利です。
青森→室蘭のフェリー便を利用すれば、室蘭港に到着したあと、鉄道を乗り継いで、当日中に札幌や旭川はもちろんのこと、釧路や稚内まで到達することができます。
また、青春18きっぷや北海道&東日本パスを利用した格安旅行でも、室蘭~青森航路を活用できそうです。普通列車の乗り継ぎでも札幌までは3時間程度ですので、18時前後には札幌に到着できます。また、あとで紹介するように、室蘭港は室蘭駅のすぐ近くで、徒歩でアクセスできます。その点でも、鉄道旅との相性はよさそうです。
青森県と北海道を結ぶフェリー航路として鉄道の旅で活用できそうな航路としては、シルバーフェリーの八戸~苫小牧航路もあります。

これに、今回開設される津軽海峡フェリーの室蘭~青森航路が加われば、鉄道とフェリーを利用した本州・北海道の行き来がさらに便利になりそうです。
室蘭港・青森港への公共交通機関でのアクセス
鉄道の最寄り駅から室蘭港フェリーターミナル、青森港フェリーターミナルへのアクセスを紹介します。
室蘭港フェリーターミナルへのアクセス
室蘭港フェリーターミナルの鉄道最寄り駅はJR室蘭本線の室蘭駅です。室蘭港フェリーターミナルと室蘭駅は約1kmしか離れていませんので、徒歩でも十分アクセス可能です。
14時に室蘭港に到着したあと、普通列車を乗り継いでも、札幌駅には18時前後に到着することができます。
青森港フェリーターミナルへのアクセス
津軽海峡フェリーの青森港フェリーターミナルは、青森駅または新青森駅からタクシーかバスでアクセスできます。
タクシーは以下のように均一料金となっています。
- 「海峡タクシー得々プラン」(都タクシー、成長タクシー、一番・リンクタクシー)
- 青森駅西口~津軽海峡フェリーターミナル: 1,200円
- 青森駅東口~津軽海峡フェリーターミナル: 1,700円
- 新青森駅~津軽海峡フェリーターミナル: 1,200円
予約方法など詳しくは津軽海峡フェリーのWebサイトをご確認ください。
青森駅・新青森駅と主要観光施設を巡る『あおもりシャトルdeルートバス(ねぶたん号)』が運行されています。1乗車300円で、青森駅から津軽海峡フェリーのフェリーターミナルまで12分、新青森駅からは9分です。
ただし、今回発表された室蘭~青森航路の青森港発着時刻に使えそうなバスは運転されていません。詳しくは、青森観光バスのWebサイトをご覧ください。
以上、「【室蘭・青森航路】 津軽海峡フェリーが室蘭・青森航路を2023年10月に開設へ! 鉄道の旅でも北海道・本州の移動に便利に使えそうです!」でした。北海道~本州を移動する手段が増えるのはありがたいですね。鉄道の旅でも積極的に利用していきたいところです。
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津軽海峡フェリーと青函フェリーが運航する青森~函館航路の記事です。2社あわせて1日16往復、夜中を含めて1日中運航されていますので、旅程に合わせて利用することができます。青春18きっぷ利用での北海道~本州の行き来であれば、北海道新幹線オプション券を使うよりも早い場合もあります。

北海道と本州を結ぶ、鉄道主体の旅行で利用できそうなフェリーのまとめです。かつての夜行列車の代わりに使えそうな航路を選んで紹介しています。

青春18きっぷの旅で、本州~北海道を移動する手段をまとめた記事です。鉄道以外にもフェリーなども含めて紹介しています。

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