えちごトキめき鉄道は、JR信越本線・北陸本線の一部を引き継いだ第三セクターです。北陸地方を青春18きっぷで旅するときには、どうしても避けられない路線ですが、運賃はかなり高め。そこで活用したいのが、青春18きっぷを提示すると購入できる「トキ鉄18きっぷ」です。1,000円でえちごトキめき鉄道全線が1日乗り放題となるお得なフリーきっぷです。この記事では、「トキ鉄18きっぷ」の詳細と、お得な使い方をご紹介します。
えちごトキめき鉄道のフリーきっぷ「トキ鉄18きっぷ」とは?
えちごトキめき鉄道は、北陸新幹線金沢延伸開業時に、新潟県内のJR信越本線・北陸本線を引き継いだ第三セクター会社です。以下の2路線を運行しています。
- 日本海ひすいライン: 市振~糸魚川~直江津(旧北陸本線)
- 妙高はねうまライン: 直江津~上越妙高~妙高高原(旧信越本線)
「トキ鉄18きっぷ」は、この2路線の全線が1日1,000円で乗り放題となるフリーきっぷです。青春18きっぷの期間に合わせて発売されています。当日有効な青春18きっぷを提示すると購入できるという、まさに青春18きっぷユーザーのためのフリーきっぷなのです。
2023-24年も、春・夏・冬の3シーズンとも「トキ鉄18きっぷ」が発売されます。
概要は以下の通りです。(利用期間・発売期間は2023-24年シーズンのもの)
- 利用期間・発売期間
- 春季
- 利用期間:2023年3月1日(水)~4月10日(月)
- 発売期間:2023年3月1日(水)~4月10日(月)
- 夏季
- 利用期間:2023年7月20日(木)~9月10日(日)
- 発売期間:2023年7月20日(木)~9月10日(日)
- 冬季
- 利用期間:2023年12月10日(日)~2024年1月10日(水)
- 発売期間:2023年12月10日(日)~2024年1月10日(水)
- 春季
- 有効期間: 発売当日限り
- 発売条件: 当日有効の「青春18きっぷ」を提示
- 当日のスタンプが入っているもの
- フリーエリア・きっぷの効力
- えちごトキめき鉄道全線
- 日本海ひすいライン(市振~糸魚川~直江津)
- 妙高はねうまライン(直江津~上越妙高~妙高高原)
- フリーエリア内の普通列車・快速列車の普通車自由席に1日乗り放題
- 「えちごトキめきリゾート雪月花号」には乗車できない
- えちごトキめき鉄道全線
- 発売箇所
- 妙高高原、関山、新井、上越妙高、高田、春日山、直江津、能生、糸魚川の各駅窓口(窓口営業時間内)
- えちごトキめき鉄道の列車内
- おねだん: 1,000円(※こども用の設定はなし)
発売期間、利用期間ともに、青春18きっぷの利用期間と同じです。利用当日のみの発売となっていますので、事前に購入することはできません。利用する当日に、当日有効の(その日の日付印が押されている)青春18きっぷを提示すると、購入することができます。
詳しくは、えちごトキめき鉄道のお知らせをご覧ください。
「トキ鉄18きっぷ」は通常のフリーきっぷの半額!
えちごトキめき鉄道では、平日に利用できる「トキ鉄ツアーパス」や、通年利用できる「ホリデーツアーパス」も発売しています。「トキ鉄18きっぷ」と比較してみると、以下の表のようになります。
きっぷ名称 | トキ鉄18きっぷ | トキ鉄ツアーパス | ホリデーツアーパス |
---|---|---|---|
利用期間 | 青春18きっぷ 利用期間中 | 平日 | 通年 |
有効期間 | 1日 | 1日 | 1日 |
フリーエリア | 全線 | 全線 | 全線 |
乗車できる 列車 | 普通列車 快速列車 | 普通列車 快速列車 特急しらゆき | 普通列車 快速列車 特急しらゆき 観光急行列車 |
おねだん | 1,000円 | おとな 2,000円 こども 1,000円 | おとな 3,000円 こども 1,500円 |
「トキ鉄ツアーパス」は、平日に利用できます。新井・上越妙高~直江津間の特急しらゆきの自由席にも乗車できます。「ホリデーツアーパス」は土休日にも利用でき、観光急行にも乗車できます。
一方で、おねだんは、「トキ鉄18きっぷ」が1,000円なのに対して、「トキ鉄ツアーパス」は2,000円、「ホリデーツアーパス」は3,000円。青春18きっぷ1日分が2,410円であることを考えると、この価格の差はかなり大きいですね。
「トキ鉄18きっぷ」は、青春18きっぷユーザーの通過ニーズに合わせて設定されたきっぷということになりそうです。
「トキ鉄18きっぷ」は糸魚川~妙高高原の通過だけでもお得!
「トキ鉄18きっぷ」はフリーきっぷですが、一部区間を片道通過するだけでもお得になります。えちごトキめき鉄道の普通運賃と比較してみましょう。
区間 | 普通運賃(片道) |
---|---|
糸魚川~直江津 | 900円 |
市振~直江津 | 1,310円 |
糸魚川~上越妙高 | 1,140円 |
糸魚川~妙高高原 | 1,780円 |
市振~妙高高原 | 2,260円 |
大糸線~信越本線を乗り継ぐために、糸魚川~直江津間を片道乗車するのであれば、普通にきっぷを買ったほうが安いです。一方、それ以外のJR線、他社線との連絡で利用する区間については、片道乗車だけでも「トキ鉄18きっぷ」を購入したほうがお得になります。
糸魚川にはJR大糸線が、上越妙高には北陸新幹線が、妙高高原にはしなの鉄道(北しなの線)が接続しています。
筆者は、2020年夏の青春18きっぷの旅で、大糸線で糸魚川に出たあと、「トキ鉄18きっぷ」を購入し、直江津経由で妙高高原まで利用しました。普通にきっぷを買うと1,780円しますから、780円もお得になりました。
このように、青春18きっぷの旅で、他社線との接続駅間を片道乗車するだけの使い方でも、十分にお得になります。
えちごトキめき鉄道の乗車記については、以下の記事もご覧ください。

「あいの風とやま鉄道」「IRいしかわ鉄道」も乗車するなら「北陸おでかけパス」も考慮しよう!
直江津から旧北陸本線区間を、富山・金沢方面へ乗り継ぐ場合には、複数の第三セクター路線に乗車できるフリーきっぷの利用も検討してみましょう。
JR西日本が発売する「北陸おでかけパス」は、土休日しか利用できませんが、直江津~金沢の第三セクター3社の路線と、JR西日本の北陸エリアに1日乗り放題で2,580円というフリーきっぷです。3日前までにJR西日本のインターネット予約サービス「e5489」で購入する必要がある点には注意しましょう。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
※「北陸おでかけパス」は2023年3月23日で発売終了となります(3月26日利用分まで有効)

また、「トキ鉄18きっぷ」と併用するのであれば、「あいの風とやま鉄道」「IRいしかわ鉄道」が発売するフリーきっぷ「あいの風・IR1日フリーきっぷ」「IR・あいの風1日フリーきっぷ」も検討しましょう。金沢~越中宮崎間が1日乗り放題で2,000円というフリーきっぷです。こちらも土休日のみ(年末年始、ゴールデンウィーク、お盆休みは毎日利用可能)利用できるきっぷです。
「あいの風・IR1日フリーきっぷ」「IR・あいの風1日フリーきっぷ」など、青春18きっぷと併用したい第三セクター路線のフリーきっぷ・割引きっぷについては、以下の記事をご覧ください。

「トキ鉄18きっぷ」の購入方法は? 乗り継ぎ時間がないときは列車内でも購入可能!
「トキ鉄18きっぷ」は、えちごトキめき鉄道線内の主要駅の窓口で購入できます。乗り継ぎに時間があれば、窓口で購入するのが良いでしょう。
一方、他社線からの乗り継ぎ時間があまりないときは、窓口まで買いに行くことができません。特に、糸魚川駅や直江津駅では、乗り継ぎが考慮されたダイヤになっていて、乗り継ぎ時間が数分しかないこともあります。そのようなときは、えちごトキめき鉄道線内で運転士や車掌から購入しましょう。このとき、おつりがないように1,000円札を準備しておきましょう。
以上、「【トキ鉄18きっぷ】えちごトキめき鉄道全線乗り放題で1,000円! 青春18きっぷを提示すると購入できるお得なフリーきっぷ!」でした。北陸地方は第三セクター路線が多く、青春18きっぷだけでは旅がしにくいエリアですが、「トキ鉄18きっぷ」を併用して、お得に旅をしてみましょう!
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