青春18きっぷの旅で遠出を考えていらっしゃる方も多いでしょうが、JR各社の一部路線では、現在も、長期間にわたって運転見合わせ・不通となっている路線があります。青春18きっぷ旅の計画を立てる際には注意したいところです。
この記事では、現時点で、災害などにより長期間の運転見合わせ・不通となっている路線・区間を、JR各社ごとにまとめます。また、代行バスの有無、本数や、鉄道で迂回する経路についても紹介します。
JR北海道
JR北海道では、以下の路線で運転見合わせとなっています。
路線 | 区間 | 代替交通等 | リンク |
---|---|---|---|
根室本線 | 東鹿越~新得 | 代行バスあり | JR北海道 |
根室本線 東鹿越~新得の代行輸送・迂回経路
根室本線は、滝川~釧路~根室を結ぶ長大な路線ですが、その一部の東鹿越~新得間が運休となっています。
根室本線に沿って旅をするのであれば、代行バスを利用するのがよいでしょう。
区間 | 本数 | 備考 | |
---|---|---|---|
下り | 東鹿越→新得 | 4本 | - |
上り | 新得→東鹿越 | 5本 | 早朝の1本は 落合始発 |
東鹿越~新得間の代行バスは1日4往復のみとなっています。東鹿越駅で滝川・富良野~東鹿越間の鉄道に接続しています。
東鹿越駅での列車の接続を含む代行バスの時刻表は、JR北海道のサイトをご確認ください。
根室本線の不通区間を含む滝川・富良野~新得間を経由せずに迂回する経路として、札幌・旭川から釧路方面へ向かうのであれば、
- 札幌経由(函館本線~石勝線~根室本線)
- 網走経由(石北本線~釧網本線)
を利用することができます。
ただし、いずれも普通列車の本数が極端に少ない区間があります。特に、石勝線の南千歳~新得間、石北本線の上川~遠軽間は、普通列車に限定すると1日に数本しかありません。
もし、この迂回経路を利用するのであれば、青春18きっぷの旅でも、一部区間で特急列車を利用するなどしたほうがよいでしょう。
なお、上記の運休区間を含む根室本線の富良野~新得間は、JR北海道の「単独では維持困難な線区」に含まれ、その中でも輸送密度が少なく、バス転換を模索している線区の一つになっています。
JR東日本
JR東日本では、以下の路線で長期間の運休となっています。
路線 | 区間 | 代替交通等 | リンク |
---|---|---|---|
陸羽西線 | 新庄~余目 | 代行バスあり | 2022年5月14日~ 2024年度中 1/1~ |
磐越西線 | 喜多方~野沢 | 代行バスあり | 11/21~ |
米坂線 | 今泉~坂町 | 代行バスあり | 12/19~ |
津軽線 | 蟹田~三厩 | 代行バスあり | 12/12~ |
花輪線 | 鹿角花輪~大館 | 代行バスあり | 冬季ダイヤ 12/12~ |
2022年8月の豪雨で一部区間が運転見合わせとなっていた五能線は、2022年12月23日に全線で運転を再開しました。
上記は、長期運休となりそうな区間のみ掲載しています。上記以外にも運休している路線や、運休が発生している区間、臨時ダイヤで運行している区間などがありますので、JR東日本の最新の運行状況をご確認ください。
陸羽西線 新庄~余目の代行輸送
陸羽西線の新庄~余目間(新庄~酒田間と直通する列車含む)は、2022年5月14日~2024年度中にかけて、国土交通省のトンネル工事の影響で、運転取りやめ、バスによる代行輸送となっています。
代行バスは、新庄~酒田間で運転されています。代行バスの運転本数は以下のとおりです。
区間 | 本数 | 備考 | |
---|---|---|---|
下り | 新庄→余目 | 11本 | ※1 |
余目→酒田 | 6本 | ※2 | |
上り | 酒田→余目 | 5本 | ※3 |
余目→新庄 | 10本 | ※4 |
※1: 新庄~酒田間直通の5本を含む。11本のうち2本は快速余目行きで古口駅に飲み停車
※2: 新庄~酒田間直通の5本を含む
※3: いずれも酒田~新庄間直通
※4: 5本は酒田~新庄間直通、5本は余目~新庄間の運転
代行バスの時刻表など、詳しくはJR東日本のニュースリリースをご確認ください。
磐越西線 喜多方~野沢間の代行輸送
2022年8月3日の大雨の影響で、磐越西線の喜多方~野沢間が運転見合わせとなっています。喜多方~山都間の橋梁が倒壊したため、運転再開まではかなりの時間がかかるとのことです。
磐越西線 会津若松~新津間の運転状況は以下のとおりです。(2022年8月25日~)
- 会津若松~喜多方間: 臨時ダイヤ(折り返し運転)
- 喜多方~野沢間: 代行バス
- 1往復のみ山都~野沢間で列車を運転
- 野沢~新津間: 臨時ダイヤ(折り返し運転)
いずれの代行バスも、喜多方駅で会津若松方面の列車と接続しています。
代行バスの運転区間、運転本数は以下のようになっています。(2022年11月21日~)
区間 | 本数 | 備考 | |
---|---|---|---|
下り | 喜多方→野沢 | 12本 | |
喜多方→山都 | 1本 | ※1 | |
上り | 野沢→喜多方 | 12本 | ※2 |
山都→喜多方 | 1本 | ※1 |
※1: 山都~野沢間で運転される列車に接続
※2: 夜間の1本は野沢→会津若松での運転(喜多方駅の次は会津若松駅に停車)
代行バスと列車の臨時ダイヤについては、JR東日本のお知らせをご覧ください。
運転再開時期については、2023年春ごろと発表されています。詳しくは、JR東日本のニュースリリースをご覧ください。
米坂線 今泉~坂町間の代行輸送
2022年8月3日の大雨の影響で、米坂線の今泉~坂町間は運転見合わせとなっています。橋梁倒壊などの大きな被害が出ており、長期間で運転見合わせとなる見込みです。
米坂線の運転状況は以下のとおりです。
- 米沢~今泉間: 臨時レイヤ(折り返し運転)
- 今泉~坂町間: 代行バス
今泉~坂町間の代行バスの運転区間・運転本数は以下のとおりです。
区間 | 本数 | 備考 | |
---|---|---|---|
下り | 今泉→坂町 | 4本 | |
今泉→小国 | 4本 | ||
今泉→羽前椿 | 1本 | ||
小国→坂町 | 2本 | ||
越後下関→坂町 | 1本 | ||
上り | 坂町→今泉・米沢 | 4本 | ※1 |
坂町→小国 | 2本 | ||
小国→米沢 | 1本 | 快速 | |
小国→今泉 | 1本 | ||
手ノ子→米沢 | 1本 | ||
手ノ子→今泉 | 1本 | ||
羽前椿→今泉 | 1本 |
※1: 1本は米沢駅まで直通
ダイヤ等については、JR東日本のお知らせをご確認ください。米沢~今泉間の列車の臨時ダイヤも掲載されています。2022年12月19日から、米坂線の一部列車・代行バスの時刻と、乗り場の一部が変更になっています。
津軽線 蟹田~三厩間の代行輸送
津軽線の蟹田~三厩間は、2022年8月の大雨にの影響で運転を見合わせています。以下のとおり、代行バスが運転されています、
区間 | 本数 | 備考 | |
---|---|---|---|
下り | 蟹田→三厩 | 3本 | |
上り | 三厩→蟹田 | 3本 |
また、予約制乗り合いタクシー「わんタク」による振り替え輸送も実施しています。代行バスの時刻等については、以下のJR東日本のおしらせをご覧ください。12月12日以降、2023年3月17日まで、代行バスは冬季ダイヤでの運転となります。
花輪線 鹿角花輪~大館間の代行輸送
花輪線の鹿角花輪~大館間は、2022年8月の大雨の影響で、路盤流出等の被害が出ています。代行バスが運転されています。
区間 | 本数 | 備考 | |
---|---|---|---|
下り | 鹿角花輪→大館 | 4本 | |
上り | 大館→鹿角花輪 | 4本 |
また、秋北バス「大館花輪線」の路線バスで振り替え輸送を実施しています。
花輪線の鹿角花輪駅~大館駅間の復旧見込みについては、JR東日本から、2023年4~5月頃と発表されています。詳しくは、JR東日本のニュースリリースをご覧ください。
代行バスの時刻等については、以下のJR東日本のおしらせをご覧ください。12月11日~3月17日の間は冬季ダイヤでの運転となります。
JR九州
JR九州では、以下の路線で運転見合わせとなっています。
路線 | 区間 | 代替交通等 | リンク |
---|---|---|---|
日田彦山線 | 添田~日田 | 代行バスあり | JR九州 |
肥薩線 | 八代~吉松 | 一部区間 代行輸送あり | JR九州 |
日南線 | 福島今町~志布志 | タクシー代行あり | JR九州 |
日田彦山線 添田~日田の代行輸送
日田彦山線の運休区間の添田~日田間で代行バスが運転されています。(2023年1月時点)
区間 | 本数 | 備考 | |
---|---|---|---|
下り | 添田→彦山 | 13本 | ※1 |
筑前岩屋→日田 | 7本 | ※1 | |
添田→日田 (直通) | 4本 | ||
上り | 日田→筑前岩屋 | 6本 | |
彦山→添田 | 14本 | ※2 | |
日田→添田 (直通) | 4本 |
※1: 添田→日田間を直通する代行バスも含む
※2: 日田→添田間を直通する代行バスも含む
添田駅を発着する代行バスは、日田彦山線を経由して田川後藤寺や小倉発着の列車に接続しています。
代行バスは本数が多そうですが、添田~彦山間の区間運転が多いだけで、添田~日田間を直通するバスは1日に4往復しかありませんので、この区間を移動する場合には、あらかじめ前後の列車を含めた行程を作っておきましょう。
添田~日田間の代行バスについては、JR九州のWebサイトをご確認ください。JR九州は、2022年9月23日にダイヤ改正を実施しましたので、代行バスの時刻も一部変更となっています。
なお、日田彦山線の添田~夜明間は、鉄路ではなく、BRTによる復旧となることが決まっています。
肥薩線 八代~吉松間の代行輸送・迂回経路
「令和2年7月豪雨」の影響で、肥薩線の八代~吉松間が運休となっています。
代行バスはありませんが、以下の区間でタクシー輸送(平日のみ)が実施されています。
- 八代~葉木(下り/上りともに3本)
- 一勝地~人吉(下り/上りともに2本)
タクシー輸送は、朝と夕方・夜間のみです。代行タクシーは、肥薩線の一部区間のみでの運転となりますので、肥薩線の八代~吉松間を移動することはできません。タクシーの本数を考慮しても、肥薩線を旅行するのは現実的ではありません。
なお、乗降場所、ダイヤなどは、JR九州のWebサイトをご確認ください。
肥薩線を走る観光列車の運転状況は以下の通りです。(2023年1月時点)
- かわせみ やませみ(熊本~人吉): 運休 ※豊肥本線 熊本~阿蘇~宮地間で運転中
- いさぶろう・しんぺい(熊本~人吉・吉松): 運休
- SL人吉(熊本~人吉): 運休 ※熊本~鳥栖間で運転中
肥薩線の八代~隼人間を迂回するルートとしては、
- 九州新幹線(八代~鹿児島中央) → 日豊本線(鹿児島中央~隼人)
のルートがあります。
日南線 福島今町~志布志間の代行輸送
日南線の福島今町~志布志間は、2022年の台風14号の被害により運転を見合わせています。宮崎~福島今町間は2023年1月21日に運転を再開しました。
福島今町~志布志間では、ジャンボタクシーによるタクシー代行が実施されています。
区間 | 本数 | 備考 | |
---|---|---|---|
下り | 福島今町→志布志 | 8本 | |
上り | 志布志→福島今町 | 8本 |
なお、復旧時期については、JR九州から以下のように発表されています。
- 福島今町~志布志間: 2023年3月末頃に運転再開予定
詳しくは、JR九州のニュースリリースをご覧ください。福島今町~志布志間のタクシー代行の時刻表も掲載されています。
以上、『JR各社の長期運休中・不通となっている路線・区間と代行バス・迂回経路まとめ』でした。青春18きっぷなどでローカル線に乗車する際には、長期不通となっている区間に注意しましょう。
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