東京唯一の都電「都電荒川線」と、高架からの車窓が見どころの「日暮里・舎人ライナー」。いずれも東京都交通局が運行する路線ですが、飛鳥山公園や舎人公園など、都内の桜の名所を通ります。都営に1日乗り放題の「都営まるごときっぷ」(700円)を活用して、都内の桜の名所めぐりをしてみてはいかがでしょうか?
※2019.03.24更新(一部リライト・追記)
「都営まるごときっぷ」とは?
「都営まるごときっぷ」は、東京都交通局が発行するフリーきっぷです。
- 利用可能期間: 通年(いつでも利用可能)
- 発売期間: 通年(いつでも購入可能)
- 有効期間: 1日
- 価格: 大人700円、小児350円
- 発売箇所:
- 都営地下鉄、日暮里・舎人ライナーの自動券売機
- 都電荒川線、都営バスの車内
- フリーエリア
- 都営地下鉄 浅草線、三田線、新宿線、大江戸線(全線)
- 都電荒川線(全線)
- 日暮里・舎人ライナー(全線)
- 都営バス(23区・多摩地区)
詳しくは、東京都交通局のサイトをご覧ください。
どのくらい乗ればおトクなの?
「都営まるごときっぷ」はどれくらい乗ればお得になるでしょうか?
「都営まるごときっぷ」で乗車できる交通機関の料金は以下のようになっています。
- 都営地下鉄(浅草線、三田線、新宿線、大江戸線): 180円~430円
- 都電荒川線: 170円(均一運賃)
- 日暮里・舎人ライナー: 170円~330円
- 都営バス: 210円(均一運賃)
(出典)東京都交通局のWebサイト
初乗り料金(都電・バスは1乗車)が170円~210円ですので、対象の交通機関に4回以上乗車する場合は「都電まるごときっぷ」のほうがお得になります。
単純な往復ではおトクになる区間は少ないですが、都営の交通機関を二つ以上組み合わせて往復すれば(例えば、都営地下鉄と都営バス、日暮里舎人ライナーと都営バスなど)、合計4回乗車となりますので、おトクになります。
都営バスは23区内のあちこちに走っているので、この「都営まるごときっぷ」を購入したら、電車の代わりに、普段は乗らないバス路線に乗ってみるのも楽しいです。
都電荒川線と日暮里・舎人ライナーに乗って桜名所めぐりに行こう!
今年も桜の季節がやってきました。そこで、「都営まるごときっぷ」を利用して、都内の名所を巡るルートをご紹介します。気候も良くなってくる時期ですし、お花見がてらでかけてみてはいかがでしょうか。
都内有数の桜の名所! 飛鳥山公園(都電荒川線 王子~飛鳥山)
まずは都電荒川線の王子駅へ。都内でも有数のお花見の名所、飛鳥山公園の最寄り駅です。
飛鳥山公園は、江戸時代からの桜の名所として有名です。8代将軍、徳川吉宗が桜を植えて、庶民に開放したことが由来だそうです。
王子駅から階段を登るか、あすかパークレール「アスカルゴ」(無料)に乗って、小高い丘の上に登れば、そこが飛鳥山公園です。
園内には600本ほどの桜の木が植えられています。満開の時期には、お花見客で大賑わいになります。
21時まで開いていまして、夜はライトアップもされます。夜桜見物もよさそうですね。
王子~飛鳥山間は、都電荒川線で唯一の併用軌道(道路に線路が敷かれているところ)です。クルマやバスと一緒に都電も走ります。
王子駅と反対側の出入口から飛鳥山公園を出て、すぐ目の前にある飛鳥山駅から都電荒川線に乗って、王子方面へ行かれることをおすすめします。
紅葉の時期に飛鳥山公園を散策したときの記事を公開していますので、よろしければご覧ください。
ライトアップされた桜が美しい音無親水公園(都電荒川線 王子)
飛鳥山公園のすぐ近く、都電荒川線が走る道路を渡った反対側に「音無親水公園」があります。
石神井川の旧流路に整備された公園で、桜の本数は多くないですが、夕方から夜にかけてライトアップされますので、飛鳥山公園でのお花見の帰りに散策されるのがおすすめです。
水路の両側には歩道が整備されています。水車や行灯が配置されていたり、通路には東屋もあって、ちょっと散歩するにはちょうどいいですよ。
都電荒川線 → 日暮里・舎人ライナーの新旧公共交通の乗り比べ!
さて、次の目的地、舎人公園へ向かいましょう。王子から都電荒川線の三ノ輪橋方面への電車に乗って13分、熊野前駅に到着したら、日暮里・舎人ライナーに乗り換えます。
1911年から1913年にかけて開業し、100年以上もの歴史がある都電荒川線。それに対して、2008年に都市の新たな公共交通システムとして開業し、ようやく10周年を迎える日暮里・舎人ライナー。新旧の公共交通を乗り比べてみるのも面白いですね。
この熊野前は、都電の線路が道路を渡ります。道路を横切るところ以外は、王子~飛鳥山とは違って、道路の真ん中に設けられた専用軌道を走ります。
頭上にある高架に日暮里・舎人ライナーが走っています。日暮里・舎人ライナーの駅は、都電荒川線の電停から信号を渡った反対側にあります。
日暮里・舎人ライナーは、日暮里~見沼代親水公園間を結ぶ路線です。専門用語では「案内軌条式鉄道」という鉄道に分類されますが、「新交通システム」とも呼ばれています。ゴムタイヤの小さな車両が専用の軌道上を走る鉄道ですね。


熊野前から見沼代親水公園行きの列車に乗ると、すぐに日暮里・舎人ライナーの車窓のハイライト区間へ! 高架の首都高速環状線を越えるために、そのさらに上を通るため、急坂を登ったり下ったり。まるでジェットコースターのようで楽しいですよ。
日暮里・舎人ライナーの乗車記は、以下の記事で紹介していますので、よろしければご覧ください。
「千本桜」が見どころの舎人公園(日暮里・舎人ライナー 舎人公園)
熊野前から10分ちょっとで、舎人公園駅に到着します。
舎人公園駅の周囲には、都立舎人公園が広がります。日暮里・舎人ライナーは、ビルやマンションが立ち並ぶ市街地や住宅地を通るのですが、舎人公園一帯だけは建物が少なく、広々としています。
舎人公園では、毎年桜が満開になる時期に「千本桜まつり」が開催されます。その名の通り、舎人公園には1000本に及ぶ桜が植えられています。
2019年は、4月6日(土)、7日(日)に開催されます。
東京の桜は、最近は3月20日前後に開花することが多いので、2週間以上先の4月6日まで桜が残っているのか、若干不安ではありますが…。
また、レーガン大統領夫人が来日した際に贈られた桜の苗木を植樹した「レーガン桜」も見どころの一つです。
日暮里駅から徒歩5分! 谷中霊園の「さくら通り」
舎人公園から、日暮里・舎人ライナーの日暮里行きに乗車して17分で、終点の日暮里に到着します。
日暮里駅から徒歩5分ほどのところに「谷中霊園」がありますが、そのメインストリートとなる「さくら通り」は、その名の通り桜の名所でもあります。
JR日暮里駅の南改札口前の跨線橋を渡り、「もみじ坂」と呼ばれる階段を登り、道なりに進むと谷中霊園です。そのまま道なりに進めば、谷中霊園のメインストリート「さくら通り」に出ます。
2月に訪問したときの写真ですので桜は咲いていませんが、この道が「さくら通り」です。道の両側には桜並木が続きますので、満開の時期には素晴らしい光景になりそうですね。
以上、『「都営まるごときっぷ」で都内の桜名所めぐりへ! 都電荒川線、日暮里・舎人ライナーがおすすめです!』でお届けしました。都電荒川線、日暮里・舎人ライナーの沿線には桜の名所がたくさんあります。「都営まるごときっぷ」で乗り歩きをしながら、お花見がてら散策にでかけるのもよさそうですね。
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