東武鉄道は、2020年6月6日に実施するダイヤ改正の概要を発表しました。注目は、鬼怒川線の「SL大樹」。「SL大樹」「DL大樹」の2編成化により、土休日には4往復8本を運転します。また、「中期経営計画の推進」(2020年5月15日発表)によれば、2020年度中にはSL2機運行を開始、将来的には東武日光への乗り入れも検討しているとのことです。
※2020.05.21更新
東武鉄道が2020年6月のダイヤ改正の概要を発表!
東武鉄道は、2020年6月6日に実施するダイヤ改正の概要を発表しました。
主な内容は以下の通りです。
- 東武線・日比谷線相互直通の座席指定制列車「THライナー」の運転開始
- 特急アーバンパークライナーの増発
- 土休日を中心に「SL大樹」「DL大樹」4往復8本へ増発(平日の運転日は2往復4本)
- 「リバティ会津」の速達性向上
「THライナー」については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ご覧ください。
ダイヤ改正の詳細については、東武鉄道のニュースリリースをご確認ください。
「SL大樹」3往復から、「SL大樹」「DL大樹」2編成で4往復へ!
今回のダイヤ改正での注目は、下今市~鬼怒川温泉間で運転されている「SL大樹」の増発です。
単純な増発ではなく、これまで1編成で運用されていた客車を2編成化し、「SL大樹」「DL大樹」として、土休日にはあわせて4往復(8本)を運転します。
ダイヤは以下の通りです。
「SL大樹」「DL大樹」下り(下今市 → 鬼怒川温泉)ダイヤ
- | SL大樹1号 | DL大樹3号 | SL大樹5号 | DL大樹7号 |
---|---|---|---|---|
下今市 | 09:33発 | 10:29発 | 13:00発 | 14:55発 |
東武ワールド スクウェア | 10:03着 | 10:59着 | 13:41着 | 15:25着 |
鬼怒川温泉 | 10:09着 | 11:05着 | 13:48着 | 15:32着 |
「SL大樹」「DL大樹」上り(鬼怒川温泉 → 下今市)ダイヤ
- | SL大樹2号 | DL大樹4号 | SL大樹6号 | DL大樹8号 |
---|---|---|---|---|
鬼怒川温泉 | 11:10発 | 12:54発 | 15:37発 | 16:43発 |
東武ワールド スクウェア | 11:15発 | 12:59発 | 15:42発 | 16:48発 |
下今市 | 11:45着 | 13:29着 | 16:14着 | 17:18着 |
「SL大樹」「DL大樹」の行き違いも実現! 客車列車同士の交換が日常的な風景に!
これまで、「SL大樹」は、一つの編成が下今市と鬼怒川温泉の間を行ったり来たりして、1日に3往復(6本)の列車を運行していました。
それが、2020年6月のダイヤ改正以降は、「SL大樹」と「DL大樹」の2編成の列車になります。
しかも、「SL大樹5号」と「DL大樹4号」は、ほぼ同じ時刻で逆向きに運転され、途中駅ですれ違うダイヤになっています。
東武鬼怒川線は単線ですので、途中駅で行き違い(交換)をすることになるはずですが、SL列車とDL列車同士の行き違い、客車列車同士の行き違いを、日常的に見られることになりそうです。
また、鬼怒川温泉駅では、SL列車とDL列車が並ぶ様子も見られそうです。
- 「DL大樹3号」が11:05に鬼怒川温泉に到着、「SL大樹2号」が11:10に鬼怒川温泉を出発
- 「DL大樹7号」が15:32に鬼怒川温泉に到着、「SL大樹6号」が15:37に鬼怒川温泉を出発
「DL大樹」が到着してから、「SL大樹」が出発するまでの5分間、鬼怒川温泉駅では2本の列車が並ぶことになりますね。
JR北海道から購入した客車を新たな編成に利用?
現在、「SL大樹」の客車は、主にJR四国から購入した12系客車を利用しています。日にち限定で、JR北海道の元急行はまなすの「ドリームカー」(14系客車 オハ14-505)も連結されます。
一方、東武鉄道には、「ドリームカー」と同じくJR北海道から購入した14系客車が複数あります。これらの車両は現在利用されていませんが、今後整備して、2編成目の客車として利用するのではないかと考えられます。
蒸気機関車が牽引する客車列車と、ディーゼル機関車が牽引する客車列車が、行き違う姿を見られることになりそうです。
2020年度中にはSL2機運行開始で全列車をSL化! 将来的には東武日光駅への乗り入れも検討!
2020年5月15日に発表された『「東武グループ中期経営計画」の推進(2019年度)』によれば、
- 2020年度中にはSL2機運行を開始
- SL大樹の東武日光駅乗り入れを検討
という記載があります。(下記PDF資料のp.2およびp.6)
SL2機体制で全列車を「SL大樹」として運転!
現在、「SL大樹」の牽引機として利用されている蒸気機関車は「C11 207」ですが、東武鉄道はSL複数機体制を目指していて、すでに真岡鉄道から「C11 325」を購入しています。
真岡鉄道を走っていた頃の「C11 325」の様子は、以下の「SLもおか」の乗車記をご覧ください。
さらに、現在、東武鉄道は、北海道で静態保存されていた「C111」の復元に取り組んでいます。
つまり、真岡鉄道から購入した「C11 325」や、復元中の「C111」を「SL大樹」の牽引機として利用し、2020年度中に、4往復8本の列車をすべて「SL大樹」として運行するということです。
前述のとおり、2020年6月のダイヤ改正以降、「SL大樹」と「DL大樹」の2編成での運行となりますが、2020年度中には「SL大樹」2編成での運行となるわけです。
そうなると、鬼怒川温泉駅でSL列車が2本並ぶ様子や、途中駅でSL列車同士が行き違いをする様子を見られることになりそうです。
「SL大樹」の東武日光駅乗り入れも検討
こちらは時期は明記されていませんでしたが、現在、下今市~鬼怒川温泉間で運行している「SL大樹」を、将来的には東武日光駅へ乗り入れることを検討するとのことです。
下今市~東武日光間は7.1km。現在、「SL大樹」が走る下今市~鬼怒川温泉は12.4kmですので、SL列車を運行するにはかなり短い距離になります。どのようなダイヤを組むのかや、東武日光駅には転車台がないのでどうするのかなど、検討すべき点は多くありそうですが、中期経営計画に記載しているくらいですから、まずは実現に向けて動き始めるのではないかと期待されます。
東武鉄道のSLへの力の入れようが半端ではないことが伝わってきますね。
以上、『【【東武鉄道 2020年ダイヤ改正】 SL大樹・DL大樹の2編成で4往復8本に! 2020年度中には全列車SL化でSL同士の行き違いも!』でした。客車列車同士の行き違いに、将来はSL同士の行き違い。東武鉄道もなかなかニクいことをやってくれます。SL大樹の運転日、東武鬼怒川線の沿線では、昭和の中ごろに逆戻りしたような光景が見られそうです。
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「SL大樹」の乗車記です。車内や乗車時の様子だけでなく、鬼怒川温泉駅や下今市駅での転車台の様子や、蒸気機関車の付け替えの様子も詳しくレポートしています。
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