昨年の秋に初めて運転された東武日光への夜行列車「日光夜行号」。今年も10月に運転されます。注目はその車両です。昨年までは、尾瀬夜行やスノーパルと同様の300系でしたが、今年はなんとスペーシア(100系)が利用されるそうです。昨年の300系と比べると居住性は格段に向上しそうです!
東武日光への臨時夜行列車「日光夜行号」
「日光夜行号」は、日光の紅葉シーズンの週末に運転される東武鉄道の夜行列車です。旅行商品専用の臨時列車として運転されるため、乗車するためには旅行商品を購入する必要があります。
- 運転日:2017年10月14日(土),20日(金),21日(土)
- 運転時刻・停車駅:
- 日光夜行号: 浅草 24:55発 → 北千住 24:10発 → 新越谷 24:26発 → 春日部 24:42発 → 東武日光 02:16着
- 専用バス: 東武日光 04:00発 → 中禅寺温泉 04:40頃 → 竜頭の滝 04:55頃 → 赤沼 05:00頃 → 湯元温泉 05:15頃
- プラン内容:
- 乗車駅~東武日光駅の往復乗車券(復路のみ2日間有効)
- 往路(日光夜行号)の特急券
- 湯元温泉までの往復バス(往路は専用バス・復路は路線バスです。復路のみ2日間有効・同一方向に限り何度でも乗り降りできます。)
- 以下の割引券:
- 日光自然博物館の入館料・低公害バスの割引
- 中禅寺湖機船の割引
- 中禅寺金谷ホテルの日帰り入浴割引
- 日光アストリアホテルの日帰り入浴割引
- 料金(浅草発の場合): 大人 7,800円,子供 2,590円,個室料金 2,590円
- 発売箇所: 東武トップツアーズ各支店
- 発売期間: 9月14日~当日17時まで
詳しくは、東武鉄道のニュースリリースをご覧ください。
日光の紅葉シーズンに、臨時夜行列車「日光夜行号」を運行します!(PDF:862KB)(東武鉄道ニュースリリース 2017年9月7日)
日光夜行号、専用バスの運転時刻は、昨年と同じようです。プラン内容もほぼ同等ですが、料金は大人で300円高くなっています。
今年は「スペーシア」(100系電車)での運転!
今年の注目は、何といっても「日光夜行号」に利用される車両でしょう。昨年は300系(6両編成)でしたが、今年はなんと「スペーシア」(100系,6両編成)が利用されるそうです。
スペーシアは、現在でも東武鉄道のフラグシップ特急車両です。今年春には新型特急リバティがデビューしましたが、スペーシアのほうが、設備は古いものの、グレードは一段上になっています。
昨年の「日光夜行号」は、300系での運転でした。その300系とスペーシアの設備を比べると以下のようになります。
スペーシア (100系) |
300系 | |
---|---|---|
座席種別 | クロスシート | クロスシート |
リクライニング | あり | なし |
シートピッチ | 1,100mm | 960mm |
個室 | あり | なし |
いずれもクロスシートであることには変わりありませんが、スペーシアの座席はリクライニングすることと、シートピッチが格段に広いことが特徴 です。夜行列車では、座席がリクライニングするかは重要なポイントで、これによって睡眠の質がだいぶ変わると思います。また、シートピッチ1,100mmは、最新の新幹線(N700系、E5系など)の普通車が1,040mmですので、新幹線の座席よりも広い のです。
この車両変更の影響なのか、旅行商品の料金が昨年より300円高くなっていますが、列車内での居住性の違いを考えると、むしろおトク感が増したと考えてもよいでしょう。
東武鉄道さん、グッジョブです!!
今後の東武の夜行列車もスペーシアで運転??
日光夜行号は10月の3日間だけの運転ですが、東武の夜行列車としては、冬季に運転される「スノーパル23:55」、夏季に運転される「尾瀬夜行23:55」があります。これらの列車は運転日も多く、運転距離も日光夜行号よりも長くなっています。
昨年までは、「スノーパル23:55」「尾瀬夜行23:55」は300系での運転でした。今年4月のダイヤ改正で300系が引退したのを機に、今年の「尾瀬夜行23:55」からは、350系(4両編成)での運転になっています。
今後の注目は、「スノーパル23:55」「尾瀬夜行23:55」もスペーシアで運転されるようになるのか?、ということでしょう。
東武のニュースリリースを見る限りは期待できそう?
今年の「日光夜行号」のニュースリリースを見ると、わざわざ下線付きで、
当社では、昨年運転した「日光夜行号」や、「スノーパル23:55」等の臨時夜行列車において300 系車両を使用してきましたが、お客さまにより快適にご乗車いただけるよう、このたび特急車両 「スペーシア」を初めて夜行列車として運転します。
※出典:日光の紅葉シーズンに、臨時夜行列車「日光夜行号」を運行します!(PDF:862KB)(東武鉄道ニュースリリース 2017年9月7日)
と書かれています。これは、今後の臨時夜行列車は「スペーシア」を利用するとも読めます。
懸念は野岩鉄道へのスペーシアの乗り入れか
今回の日光夜行号の運転で、スペーシアを夜行列車として運転する実績はできるものと思います。
懸念としては、「スノーパル23:55」「尾瀬夜行23:55」の行先が、日光夜行号とは異なり、会津高原尾瀬口であるということです。これらの夜行列車は、下今市から東武鬼怒川線に入り、新藤原から野岩鉄道線に乗り入れます。
日光夜行号の運転経路は、普段、特急「けごん」としてスペーシアが頻繁に走っています。それに対して、東武鬼怒川線方面は、鬼怒川温泉までは普段からスペーシアが乗り入れていますが、それより先には乗り入れていません。特に、新藤原からは他社の野岩鉄道線になります。「スノーパル23:55」「尾瀬夜行23:55」をスペーシアで走らせるためには、野岩鉄道線にスペーシアが乗り入れる必要があるのです。
ちなみに、4月にデビューした特急リバティは、「リバティ会津」として、野岩鉄道、会津鉄道に乗り入れ、会津高原尾瀬口よりもさらに先の会津田島まで走っています。つまり、東武の特急車両の乗り入れ実績はあるということです。リバティは3両、スペーシアは6両という違いはありますが…。
まず普段から頻繁に走っている東武日光線での夜行列車「日光夜行号」で、スペーシアを夜行列車として走らせる実績をつくり、その次のステップとして、野岩鉄道への乗り入れを考えているのでは、と勝手に期待しています(笑)。
以上、今年の「日光夜行号」がスペーシアで運転されるという話題をお届けしました。リバティの投入で、スペーシアの運用にも余裕が出てきているものと思いますので、今後の東武の夜行列車の標準車両になることを期待したいですね!