東武鉄道が「東武グループ中期経営計画 2017~2020」を発表しました。乗り鉄的に気になるのは特急関連でしょう。リバティ(500系)がデビューしたばかりですが、フラッグシップ特急車両を導入するとのことなので、スペーシアの後継になると思われます。
東武の中期経営計画
東武鉄道が、「東武グループの中期経営計画 2017~2020」を発表しました。
「東武グループ中期経営計画2017~2020」の策定について(PDF:291KB)2017年04月28日
いろいろな観点での経営計画が書かれていますが、乗り鉄的に気になるのは、「輸送サービスのレベルアップ」の項目です。特に気になるポイントについて、考えてみたいと思います。
フラッグシップ特急車両の導入
まずは「フラッグシップ特急車両の導入」です。詳しいことは書かれていませんが、特急車両としてはリバティ(500系)が導入されたばかりですので、この「フラッグシップ特急車両」とは、スペーシアの後継車両のことであるのは間違いないでしょう。
リバティ(500系)は、快適性よりも、観光・通勤両面での利便性を前面に押し出しています。例えば、
- 観光では、浅草から会津方面への直通列車(リバティ会津)の新設
- 通勤では、浅草方面~アーバンパークラインへのライナー的な列車の導入
が挙げられます。
一方、スペーシアは、リバティが導入された現在でもフラッグシップ特急という位置づけです。シートピッチが広かったり、個室があったりするのが特徴です。
ただ、スペーシアもデビューしてからかなり経っていますので、車両が古くなってきていますし、リバティに導入された座席のコンセントやWiFiといった最新の設備がないなど、時代遅れになっている部分もあります。
今回の「フラッグシップ特急車両」の導入により、最新の設備を備えた快適な特急車両が導入されることが期待できますね。
特急500系の増備
フラッグシップ特急車両の導入と並行して、リバティ(500系)の増備も計画されています。こちらも、詳しい内容は記載されていないのですが、考えられる用途としては、
- 特急りょうもうに利用されている200系車両の置き換え
- 主に団体列車に利用されている1800系車両の置き換え
- 通勤ライナー的な列車の増発用
といったあたりでしょうか? 200系や1800系もかなり古いですので、これらを一気に置き換えることも考えられそうです。また、最近、大手私鉄各社が有料座席指定列車を導入していますが、東武でも通勤時の着席サービスを強化するといったことも考えられると思います。東上線のTJライナーとの関係は不明ですが…。
特急車両の地下鉄乗入れに向けた検討
特急車両を地下鉄に乗り入れさせるとなると、候補は、
- 東武スカイツリーライン~東京メトロ日比谷線
- 東武スカイツリーライン~東京メトロ半蔵門線(~東急田園都市線)
- 東武東上線~東京メトロ副都心線(~東急東横線)
あたりでしょうか。
特急が既に運転されているスカイツリーラインからの乗り入れのほうが可能性が高そうですが、半蔵門線への乗り入れは、田園都市線の混雑問題とも関連して難しそうに思います。となると、日比谷線への乗り入れでしょうか。
あるいは、西武のS-TRAINと同様の形態で、東上線から副都心線・東横線経由で横浜まで走らせるという可能性もありそうです。観光向けにはこちらのほうが需要がありそうですね。
「~に向けた検討」とされているので、実現されたとしても少し先のことになるのかもしれませんが、楽しみです。
春日部駅ジャンクション機能強化
特急以外で最も気になるのは、春日部駅のジャンクション機能強化です。
- 東武スカイツリーラインと東武アーバンパークラインの相互乗り入れ強化によるアクセス性向上
- 都心からの速達性向上
といったことが書かれています。
現在、スカイツリーラインからアーバンパークラインに乗り入れているのは、平日夜に浅草~大宮・野田市で運転されている「特急アーバンパークライナー」のみです。
このようなライナーを増やすのか、あるいは、普通列車も乗り入れるようにするのか、どちらでしょうか。普通列車が相互に乗り入れるということになれば、かなり大掛かりなダイヤ改正が必要になりそうです。
都心および空港へのアクセス性向上に向けた検討
これは具体的に何かはよくわかりませんでした。
都心へのアクセス性向上という意味では、上記の春日部での相互乗り入れもその一つと思いますが、わざわざ別項目にしているので、これだけではないのだと思います。
地下鉄との乗り入れは、すでに日比谷線・半蔵門線・副都心線に乗り入れていますが、これをさらに拡大するということかもしれません。とはいっても、これ以外には、東上線~東京メトロ有楽町線くらいしか思い浮かびませんが…。
空港へのアクセス性向上は、羽田空港への新アクセス線構想の一環でしょうか? 東武単独ではなく、JRや他社に乗り入れて、ということを計画しているのかもしれません。
以上、東武の中期経営計画の内容について考察してみました。それにしても、リバティ導入やSL運転の開始など、ここ数年、かなり積極的に新しい施策を進めている東武ですが、この中期経営計画を見ると、この先もしばらくは目が離せませんね。
コメント
初めまして。
東京メトロ日比谷線への新特急が直通するのでは?と仰っていますが「北越谷駅にしか急行線・慣行線の渡り線がない」と思いますが、北千住駅北側に渡り線を作るスペースは無いと思われます。
中期経営計画にある「空港の利用者対策」を考えると「押上駅・水天宮駅」を指している様にも思われますので、東京メトロ半蔵門線への直通を考えているのではないでしょうか?
押上駅・・・京成電鉄、都営地下鉄、京急電鉄の乗換駅
水天宮駅・・・成田空港、羽田空港への高速バスが走るバスターミナルの最寄り駅
匿名希望さん、コメントありがとうございます。
急行線から日比谷線へは、配線の問題があるのですね。
「都心および空港へのアクセス性向上に向けた検討」「特急車両の地下鉄乗入れに向けた検討」の二つは別々の可能性もありそうですね。
特急の地下鉄乗り入れは、半蔵門線でも日比谷線でも、都心から日光や会津方面へ直通できるようになるので、旅行客には利便性が上がりそうですね。
東上線にフラッグシップ特急というのはない気がします。だったら、50090系車両を地下鉄対応にして増備する方がいいでしょう。横浜方面への直通をするにしても、スカイツリーラインから日比谷線経由で元町・中華街へと向かうのではないでしょうか?
あと、空港連絡というのが水天宮前でしたら、半蔵門線~田園都市線と日比谷線~東横線~みなとみらい21線の双方に直通する可能性もあります。押上を指しているくらいなら、日比谷線でも人形町や東銀座で浅草線に乗り換えできます。ひょっとしたら、蒲蒲線構想を指していたりとか考えてしまいました。
東横線の日比直急行さん、コメントありがとうございます。
横浜~日光・会津方面もあるかなと思ったのですが、新宿発着の特急を横浜まで伸ばしたほうが圧倒的に速いかなと思ったのですよね。
空港連絡は、新アクセス線構想絡みや蒲蒲線構想なんかとの関連を考えてみたのですが、結局わかりませんでした。