今年4月の東武鉄道のダイヤ改正で、浅草~会津田島を結ぶ快速・区間快速が廃止されました。代わりに、東武日光~南栗橋を結ぶ区間急行が新たに設定されています。今回、会津方面から東京への復路で、この区間急行を含む普通列車(特急料金不要)での乗り継ぎをしてみました。そのレポートを旅行記風に書いてみました。
会津若松から「AIZUマウントエクスプレス」でスタート!
会津若松駅前のビジネスホテルに宿泊し、翌朝、07時52分会津若松発・東武日光行きの快速AIZUマウントエクスプレス4号でスタートです。
AIZUマウントエクスプレスは、南会津と日光を直通で結ぶ列車であるとともに、鬼怒川温泉で特急きぬ(浅草行き)・特急スペーシアきぬがわ(JR線経由新宿行き)に接続するリレー列車の役割も果たしています。会津鉄道所有の2両編成の気動車です。
この「AIZUマウントエクスプレス」には乗車券のみで乗車できますが、リクライニングするクロスシートを備えた乗りドクな列車です。上の写真のように、シートピッチはそれほど広くはありませんが、かなりグレードの高いリクライニングシートが使われています。
また、日中時間帯のAIZUマウントエクスプレスでは車内販売もあります。
この日は5月2日、ゴールデンウィークの谷間の平日でしたが、まだ観光には早いのか、車内はがらがらでした。普通列車代わりに利用する乗客もちらほら見られましたが、乗車・下車ともにそれほど多くなく、車内は空いたまま下車駅の湯野上温泉駅に到着しました。
普通列車乗り継ぎの旅
ここから先、乗り継いだ列車をあげておきます。
- 湯野上温泉 12:02 → 会津田島 12:31 (会津鉄道、普通会津田島行き・リレー132号)
- 会津田島 13:27 → 新藤原 14:27 (会津鉄道・野岩鉄道、普通新藤原行き)
- 新藤原 14:36 → 下今市 15:17 (東武鬼怒川線、普通東武日光行き)
- 下今市 15:44 → 南栗橋 17:08 (東武日光線、区間急行南栗橋行き)
- 南栗橋 17:11 → 新越谷 17:42 (東武日光線・伊勢崎線、急行中央林間行き)
普通列車(リレー132号, 湯野上温泉→会津田島)
湯野上温泉で途中下車したのは、大内宿を観光するためです。大内宿の様子については別記事にまとめる予定です。
上の写真のように、ちょうど桜が散り始めのときにあたり、茅葺屋根の雰囲気のいい駅舎と相まって、とても美しい光景でした。クルマで乗り付けてきて、写真を撮っていく観光客も多く見かけました。
大内宿観光から戻り、湯野上温泉12時02分発の普通列車に乗車します。この列車は「リレー132号」という名称がついています。会津田島で特急リバティ会津に接続する普通列車に、リバティ会津と同じ号数をつけて「リレー〇〇号」と呼んでいるようです。
この列車も車内は空いています。ゴールデンウィークといえども、谷間の平日とあれば、こんなものかもしれません。塔のへつりなどの観光地を経由して、12時31分に終点の会津田島に到着です。
普通列車(会津田島→新藤原)
会津田島では特急リバティ132号に接続します。リバティ会津には、会津田島から下今市までであれば、特急券なしで乗車できます。ただ、今回はあえて普通列車での乗り継ぎを試してみたかったので、リバティを見送り、次の普通列車に乗車することにしました。
会津田島を13時27分に出発する普通列車の新藤原行きに乗車します。今回の旅で一番空いていた列車です。会津方面からの接続列車がないためだと思います。ここからは電化区間になるため、東武の6050系が活躍しています。
会津鉄道と野岩鉄道の境界駅、会津高原尾瀬口で、下りのリバティ会津と行き違いのため停車しました。この駅も含め、途中駅からの乗車も数えるほどで、2両編成の電車に合わせて10名ちょっとの乗車でした。
14時27分に終点の新藤原に到着しました。
普通列車(東武日光行き, 新藤原→下今市に乗車)
新藤原では、同じホームの向かい側に接続列車となる普通東武日光行きが止まっていました。会津田島からの列車の乗客のほとんどが乗り継いだと思いますが、東武日光行きは6050系の4両編成。より一層がらがら感が増してきました…。
14時36分に新藤原を出発します。鬼怒川温泉からの乗客が多いのかと思いきや、時間が中途半端なのか、観光客は特急を使うためか、数えるほどの乗車しかありませんでした。
結局、がらがらのまま、15時17分に下今市に到着しました。この列車は下今市で進行方向が変わって東武日光まで行きますが、私はここで下車です。
区間急行(南栗橋行き)
下今市では少し乗り継ぎ時間があります。
ちょうど、下今市機関区の開業イベントをやっていました。JR北海道から借りてきたSLに、3両の客車、SLと反対側にはディーゼル機関車という構成の列車が停車していました。客車内はイベントの参加者に開放されているようでした。
さて、下今市からは、快速廃止の代替列車として設定された区間急行南栗橋行きに乗車します。始発は東武日光のため、座席は半分以上埋まった状態で到着。何とかボックスシートの通路側を確保しましたが、観光シーズンの週末だと、下今市からの乗車では座れないかもしれませんね。ちなみに、東武6050系の4両編成です。
下今市を15時44分に発車します。区間急行といっても、栃木までは各駅停車、その後は急行運転になりますが、停車しない駅は、静和、藤岡、桐生、新古河の4駅のみです。廃止された快速は、停車駅が特急並みに限られていたので、所要時間はかなり異なります。
途中、新鹿沼や栃木などの主要駅からはかなり乗車があり、大勢の立ち客が出るまでに混雑してきました。17時08分に終点の南栗橋に到着です。
急行(半蔵門線・田園都市線直通中央林間行き)
南栗橋では急行中央林間行きに接続します。乗り継ぎ時間は3分しかないのですが、中央林間行きは到着したホームの反対側に来ますので余裕で間に合います。こちらの列車が到着した後、中央林間行きが入線し、すぐに出発しました。
急行中央林間行きは10両編成ですが、ちょうど学生さんの帰宅時間帯にあたっていたようで、途中駅からどんどん高校生が乗り込んできて、あっという間に立ち客が出るほどの混雑に。ここまで来ると首都圏の通勤通学路線の雰囲気になり、汽車旅感は薄れてきました。
快速廃止後の普通列車乗り継ぎはおすすめしません!
ということで、会津若松から特急料金不要の列車のみを乗り継いで帰ってきたのですが、結論としては、
- 下今市まではのんびりした雰囲気の汽車旅が味わえる
- 下今市から先は遅い・座席確保できるかが微妙!
- 南栗橋で通勤電車への乗り換えが必要で汽車旅感なし!
ということで、下今市までの会津鉄道・野岩鉄道・東武鬼怒川線はともかく、下今市以南は特急列車の利用価値が高そうに思いました。
会津方面から乗り継ぐ場合、快速の代替として設定された区間急行が東武日光発着というのが問題です。下りの乗車であればよいのですが、上りの場合には下今市で座席の確保ができるか微妙です。観光シーズンの週末は難しいのではないかと思います。
また、前述のように、区間急行といいながらほとんど各駅停車ですので遅いです。下今市→栃木は特急であれば30分程度ですが、区間急行では1時間弱かかります。
下今市~浅草・北千住の特急料金は1,340円(スペーシア)、下今市~春日部は1,130円と、それほど高くありませんので、特急券が確保できるのであれば、素直に特急に乗ったほうがよさそうです。
ちなみに、下りについては、過去記事に乗り継ぎパターンをまとめていますので、よろしければご覧ください。
以上、会津方面からの普通列車乗り継ぎをやってみた!の記事でした。
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