JR各社は、2021-22年冬(2021年12月~2022年2月)の臨時列車の運転計画を発表しました。「SL冬の湿原号」は客車がリニューアルされるなど、定番の観光列車にも変化が見られます。また、常磐線~仙台エリアの長距離を走る臨時特急列車が多く設定されているのも特徴的です。
JR各社の2021-22年冬の臨時列車の運転計画・指定席の発売状況まとめ(12月27日時点)
JR各社は、2021-22年冬の臨時列車について発表しました。10月15日時点での運転計画の発表状況は以下のとおりです。
※一部を除きPDFファイルが開きます。
- JR北海道
- JR東日本
- JR東海
- JR西日本
- 冬の臨時列車の計画および指定席発売見合わせについて(10月15日発表)
- 岡山エリア 米子エリア
- 【山陽新幹線】臨時列車の運転のお知らせ(12/1~1/10) (10/29発表)
- 【北陸新幹線】11月分臨時列車の追加運転のお知らせ(11/5発表)
- 【北陸新幹線】臨時列車の運転のお知らせ(11/16発表)
- 【在来線特急】臨時列車の運転計画について(11/19発表)
- 北陸新幹線「つるぎ」・在来線特急 12・1月分の運転計画のお知らせ(11/19発表)
- 特急「やくも」 12・1月分の追加運転のお知らせ(11/26発表)
- 【山陽・北陸新幹線】臨時列車の追加運転のお知らせ(11/30発表)
- 【山陽新幹線】臨時列車の追加運転のお知らせ(12/10発表)
- 【北陸新幹線】臨時列車の追加運転のお知らせ(12/14発表)
- 特急「サンダーバード」 臨時列車の運転計画について(12/15発表)
- 【山陽新幹線】2月の臨時列車の運転のお知らせ (12/27発表)
- JR四国
- JR九州
なお、定番の観光列車(JR東日本の「のってたのしい列車」、JR九州の「D&S列車」など)については、各社のWebサイトにて運転計画が公表されています。
冬の釧網本線を走る「SL冬の湿原号」「流氷物語号」今冬も運転!
毎年恒例の、冬の釧網本線を走るSL列車「SL冬の湿原号」と「流氷物語号」が今冬も運転されます。「SL冬の湿原号」は、今年は一部リニューアルされた客車での運転となります。
1号車・5号車はリニューアル客車で運転!「SL冬の湿原号」
冬の釧路湿原を走るおなじみのSL列車「SL冬の湿原号」が、今冬も運転されます。今年は、客車の一部がリニューアルされた編成での運転です。
- 快速「SL冬の湿原号」
- 運転日(2022年)
- 1月22日(土),23日(日),28日(金),29日(土),30日(日)
- 2月4日(金)~13日(日),18日(金)~20日(日),23日(水・祝)~27日(日)
- 3月4日(金)~6日(日),11日(金)~13日(日),18日(金)~21日(月・祝)
- 運転区間・時刻
- 釧路 11:05発 → 標茶 12:35着
- 標茶 14:00発 → 釧路 15:42着
- 途中停車駅: 東釧路、釧路湿原、塘路、茅沼
- 全車指定席(乗車券1,290円に加えて、指定席券1,680円が必要)
- 運転日(2022年)
毎年おなじみのSL列車の運転ですが、今年は、5両編成の客車のうち、1号車と5号車がリニューアルされています。
(出典)【社長会見】「SL冬の湿原号」客車のリニューアル第1弾が登場します!(JR北海道ニュースリリース 2021年10月14日 PDF)
通路を挟んで、川側(湿原側)には窓側を向いたカウンター席を、山側には高床化したボックスシートを設置する座席配置に変更になっています。また、車端部の機器室のある通路の窓を大型化し、展望通路を設置します。
JR北海道は、「SL冬の湿原号」の客車のリニューアルを2年がかりで進めていて、今冬は、前述の1号車と5号車が、来年度には2号車~4号車のリニューアルを実施する計画になっています。
今冬は3月の運転も予定されていて、乗車できるチャンスも増えています。リニューアルされた「SL冬の湿原号」で、冬の北海道を旅してみるのもよさそうです。
「SL冬の湿原号」の客車のリニューアルについては、JR北海道のニュースリリースをご覧ください。
今冬は「北海道の恵みシリーズ」車両で運転!「流氷物語号」
冬のオホーツク海沿岸を走る臨時列車「流氷物語号」も運転されます。オホーツク海の流氷を眺めることができる列車です。
- 普通「流氷物語号」
- 運転日: 2022年1月29日(土)~2月27日(日)の毎日
- 運転区間: 網走~知床斜里(1日2往復)
- 運転時刻
- 1号: 網走 09:45発 → 北浜 10:00着/10:10発 → 浜小清水 10:22発 → 知床斜里 10:41着
- 3号: 網走 12:45発 → 北浜 12:58着/13:08発 → 浜小清水 13:17発 → 知床斜里 13:35着
- 2号: 知床斜里 11:30発 → 浜小清水 11:47着/12:07発 → 北浜 12:16発 → 網走 12:30着
- 4号: 知床斜里 13:48発 → 浜小清水 14:04着/14:24発 → 北浜 14:34発 → 網走 14:46着
- 使用車両: 北海道の恵みシリーズ(2両編成、一部指定席)
こちらも、毎年恒例となった臨時列車の運転ですが、今冬は、「北海道の恵みシリーズ」で運転される予定となっています。
「北海道の恵みシリーズ」は、キハ40形の内装・外装をリニューアルした車両で、4両が各地で運転されています。
また、これまで「流氷物語号」は全車自由席でしたが、今冬からは一部指定席も設けられるようです。それほど混雑する時期ではないとはいえ、流氷を眺められる海側の座席を予約できるのであれば、指定席券を購入する価値はありそうです。
「SL冬の湿原号」「流氷物語号」については、以下の記事もご覧ください。

梅が見頃の偕楽園へ仙台から直通!「ひたち92号(水戸偕楽園号)」
偕楽園の梅が見頃となる2月下旬に、仙台から偕楽園へ直通する臨時特急列車「ひたち92号」(水戸偕楽園号)が運転されます。
- 特急ひたち92号(水戸偕楽園号)
- 運転日: 2月26日(土)
- 運転時刻: 仙台 08:36発 → 水戸 11:59着 → 偕楽園 12:27着
- 途中停車駅: 岩沼、亘理、原ノ町、いわき、湯本、泉、勝田、水戸
- 使用車両: E657系10両編成(全車指定席 ※水戸~偕楽園は全車自由席)
仙台から梅の名所「偕楽園」に直通する臨時特急列車です。偕楽園駅は、偕楽園の梅まつりの時期にあわせて開設される臨時駅です。臨時駅を目的地とする特急列車もなかなか珍しいですね。
この特急「ひたち92号(水戸偕楽園号)」ですが、運行形態が興味深いです。
(出典)冬の臨時列車のお知らせ(JR東日本水戸支社 2021年10月15日 PDF)
特急列車としては水戸駅までの運転で、水戸駅~偕楽園駅の間は、全車自由席の快速「水戸偕楽園号」として運転されるということです。
ところが、偕楽園駅には上りホームしかありません。水戸方面から到着した列車は、偕楽園駅に停車できないのです。そのため、次の赤塚駅まで運転したあと、偕楽園駅へ折り返すという、珍しいルートになっています。
東北方面や福島県から、偕楽園の梅を見に行かれる方は、偕楽園駅に直通するこの列車を利用してみてはいかがでしょうか。便利なだけでなく、珍しい運行ルートを体験することもできそうです。
常磐線から東北本線への臨時特急列車を運転! 5時間越えの長時間運転も!
12月と1月の週末に、常磐線から東北本線の小牛田駅への臨時特急列車が運転されます。
- 特急「冬をまるごと仙台松島号」
- 運転日: 12月18日(土),25日(土)
- 運転時刻
- 下り: 水戸 08:27発 → 仙台 12:22着 → 松島 12:45着 → 小牛田 13:02着
- 上り: 小牛田 18:24発 → 松島 18:49発 → 仙台 19:26発 → 水戸 23:26着
- 途中停車駅: 勝田、日立、高萩、泉、いわき、原ノ町、仙台、松島
- 使用車両: E653系7両編成(全車指定席)
- 特急「冬の宮城ホッと温泉号」
- 下り(土浦→小牛田)
- 運転日: 1月15日(土),22日(土)
- 運転時刻: 土浦 07:54発 → 仙台 12:22着 → 松島 12:45着 → 小牛田 13:02着
- 上り(小牛田→土浦)
- 運転日: 1月16日(日),23日(日)
- 運転時刻: 小牛田 12:20発 → 松島 12:48発 → 仙台 13:16発 → 土浦 18:06着
- 途中停車駅: 石岡、友部、赤塚、水戸、勝田、日立、高萩、泉、いわき、原ノ町、仙台、松島
- 使用車両: E653系7両編成(全車指定席)
- 下り(土浦→小牛田)
水戸駅、土浦駅から、東北本線の松島駅や小牛田駅へと直通する臨時特急列車です。常磐線沿線から、冬の仙台周辺の観光地、温泉地へ向かう観光客のための列車でしょう。
注目は、土浦発着の特急「冬の宮城ホッと温泉号」で、上り・下りともに、運転時間が5時間を超えます。常磐線では、品川~仙台を結ぶ長距離運転の特急「ひたち」が運転されていますが、この「ひたち」よりも所要時間が長いのです。臨時列車だからということもありそうですが、なかなか乗りごたえのある列車になりそうです。
三陸鉄道リアス線と直通運転!「冬のさんりくリアス号」
1月中旬の週末、盛岡~宮古~釜石間を直通する「冬のさんりくリアス号」が運転されます。
- 快速「冬のさんりくリアス号」
- 運転日: 1月15日(土),16日(日)
- 運転時刻
- 釜石行き: 盛岡 09:01発 → 宮古 11:57発 → 釜石 13:36着
- 盛岡行き: 釜石 09:59発 → 宮古 11:18発 → 盛岡 13:40着
- 使用車両
- JR東日本 キハ110系(2両編成,1/15釜石行き,1/16盛岡行き)
- 三陸鉄道車両(2両編成,1/15盛岡行き,1/16釜石行き)
- 全車自由席
三陸鉄道移管前のJR山田線を彷彿とさせる快速列車の直通運転です。JR東日本のキハ110系と、三陸鉄道の車両(36形)が、それぞれお互いの線区に乗り入れる形で運転されます。
現在は、盛岡~宮古がJR山田線、宮古~釜石が三陸鉄道リアス線と、会社が分かれてしまい、基本的に直通列車は運転されていません。とはいえ、盛岡、宮古、釜石は、いずれも岩手県内の主要都市。観光客を含めて、それなりに人の流動があるでしょうから、このような直通列車の需要もあるのでしょう。
だるまストーブで暖をとれる「風っこストーブ」を東北各地で運転!
トロッコ列車というと、窓がなく、風を浴びながら乗る夏の列車というイメージですが、冬季にも運転されています。今冬は、仙台エリアを中心に、臨時の「風っこストーブ号」が設定されています。
- 快速「風っこストーブ湯けむり号」
- 運転日: 1月29日(土),30日(日)
- 運転時刻
- 下り: 仙台 09:09発 → 鳴子温泉 11:01着
- 上り: 鳴子温泉 13:15発 → 仙台 15:02着
- 快速「風っこストーブ喜多方号」
- 運転日: 2月11日(金・祝),12日(土)
- 運転時刻
- 下り: 郡山 09:50発 → 喜多方 11:55着
- 上り: 喜多方 14:49発 → 郡山 16:55着
- 快速「風っこストーブ女川号」
- 運転日: 2月19日(土),20日(日)
- 運転時刻
- 下り: 仙台 09:57発 → 女川 11:58着
- 上り: 女川 14:16発 → 仙台 16:49着
列車名が示すとおり、トロッコ列車の中にはだるまストーブが設置されます。トロッコ列車ではありますが、冬季は、はめ込み式の窓をつけて運転されるので、寒くはないでしょう。
鳴子温泉など陸羽東線沿線の温泉地へのアクセスや、会津若松・喜多方、女川などへの観光地へのアクセスにも利用できる時間帯での運転です。
毎年恒例の成田臨、2022年は全列車E257系で運転!
<成田臨>
毎年、関東各地から成田へ運転される初詣列車、いわゆる「成田臨」ですが、2022年も運転されます。
- 快速「成田山初詣青梅号」
- 運転日: 1月8日(土)
- 運転時刻
- 往路: 青梅 09:49発 → 成田 12:23着
- 復路: 成田 16:48発 → 青梅 19:19着
- 使用車両: E257系9両(全車指定席)
- 快速「成田山初詣やまなし号」
- 運転日: 1月9日(日)
- 運転時刻
- 往路: 小淵沢 06:27発 → 成田 11:12着
- 復路: 成田 15:05発 → 小淵沢 19:10着
- 使用車両: E257系9両(全車指定席)
- 快速「成田山初詣むさしの号」
- 運転日: 1月10日(月・祝)
- 運転時刻
- 往路: 府中本町 09:45発 → 成田 11:38着
- 復路: 成田 15:28発 → 府中本町 17:40着
- 使用車両: E257系5両(全車指定席)
- 快速「早春成田初詣号」
- 運転日: 1月8日(土),9日(日)
- 運転時刻
- 往路: 宇都宮 07:58発 → 成田 11:08着
- 復路: 成田 15:00発 → 宇都宮 18:09着
- 使用車両: E257系5両(全車指定席)
- 快速「成田山初詣ぐんま号」
- 運転日: 1月15日(土),16日(日)
- 運転時刻
- 往路: 前橋 08:13発 → 成田 11:38着
- 復路: 成田 15:28発 → 前橋 18:59着
- 使用車両: E257系5両(全車指定席)
例年、お正月の翌週、翌々週の週末に運転されている、関東各地から成田へ臨時列車です。成田山新勝寺への初詣に便利な列車です。
2022年の成田臨は、すべてE257系(5両または9両)での運転です。2021年は、185系やE653系での運転もありましたが、2022年はE257系のみとなりました。
また、2021年には、「成田山初詣常磐号」(いわき~成田)、「成田山初詣伊東号」(伊東~成田)、「成田山初詣横須賀号」(横須賀~成田)も設定されていましたが、2022年は運転されないようです。
成田への初詣に便利であること以外に、鉄道ファン的には、珍しいルートを通る臨時列車としても注目です。例えば、「成田山初詣ぐんま号」は、両毛線~上越線~高崎線~東北貨物線(連絡線)~武蔵野線~(連絡線)~常磐線~成田線というルートを通ります。ふだん、定期列車が運転されていない武蔵野線~常磐線の連絡線を経由する珍しい列車です。
「成田山初詣ぐんま号」については、以下の乗車記もご覧ください。復路の成田発の列車に大宮まで乗車したときの乗車記です。

以上、『【2021-22年冬の臨時列車】定番の観光列車に加え、長距離を走る臨時列車も新規設定!』でした。定番の「SLの冬の湿原号」「流氷物語号」なども客車リニューアルや車両変更などで、例年とは違った旅を楽しめそうです。
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