JR各社が、2017年秋(10月~11月)に運転する臨時列車、増発列車の運転計画を発表しました。この記事では、乗り鉄に注目の列車と、紅葉など秋の観光と合わせて乗車したい列車をご紹介します。
2017年秋の臨時列車・増発列車を発表
2017年8月24日に、JR各社が秋の臨時列車、増発列車の運転計画を発表しました。対象期間は10月~11月の2か月間です。
JR各社のリリースへのリンクは以下の通りです。JR西日本以外はPDFファイルが直接開きますのでご注意ください。
- JR北海道:秋の臨時列車のお知らせ
- JR東日本:秋の増発列車のお知らせ
- JR東海:“秋”の臨時列車のお知らせ
- JR西日本:秋の臨時列車の運転
- JR四国:秋の臨時列車運転のお知らせ
- JR九州:秋の増発列車のご案内
きらきらShu*Kuraリレー号 + 柳都Shu*Kura号
- 運転日: 10月27日(金)~29日(日)
- 運転時刻(上越妙高→新潟→秋田)
- 柳都Shu*Kura: 上越妙高 10:02発 → 新潟 13:06着
- きらきらShu*Kuraリレー: 新潟 14:37発 → 秋田 19:09着
- 運転時刻(秋田→新潟→上越妙高)
- きらきらShu*Kuraリレー: 秋田 09:33発 → 新潟 14:02着
- 柳都Shu*Kura: 新潟 14:46発 → 上越妙高 18:38着
- 必要なきっぷ:乗車券+指定席券
羽越本線の観光列車「きらきらうえつ」、信越本線・上越線の観光列車「越乃Shu*Kura」は、いずれもおなじみの臨時列車ですが、この秋は、この二つの列車の乗り継ぎができるようになるようです。しかも、きらきらうえつは秋田発着で運転されるようで、新潟県の上越地方から秋田まで、日本海側の鉄道を縦断する旅が楽しめそうです。
どんな列車なの?
「柳都Shu*Kura」は、通常は上越妙高から信越本線、上越線、飯山線経由で十日町まで運転されている「越乃Shu*Kura」を、新潟行きに変更したものです。これまでも運転日数は少ないものの、運転されてきました。
新潟の地酒と食をジャズの生演奏を聴きながら楽しめるという、なんとも天国のような列車です(笑)。地元の酒蔵の振る舞い酒なんかもあったりして、とても楽しい列車です。
一方のきらきらうえつは、新潟~酒田で運転されている観光列車です。2001年のデビューから既に15年以上運転されていて、昨今の観光列車ブームを先取りしたような列車です。
こちらの列車も、車内に販売カウンターがあり、沿線の地酒やつまみを楽しむことができます。
ということで、新潟や山形の日本酒を楽しめる列車を乗り継ぐことができるようです。列車に乗ったらお酒を飲みたい! という方は、ぜひ乗車してみてはいかがでしょうか?
東京からの日帰りは無理?
この「きらきらShu*Kuraリレー号 + 柳都Shu*Kura号」の乗り継ぎですが、東京からの日帰りは難しそうなので、どこかで1泊することになりそうです。
上越妙高→秋田方向の乗り継ぎでは、東京06:28発の北陸新幹線「はくたか551号」に乗車すれば、上越妙高に08:31に到着しますので、余裕で間に合います。ところが、東京行きの秋田新幹線の最終列車が秋田19:10発で、「きらきらShu*Kuraリレー」の秋田着19:09から1分しかありません。1分での乗り継ぎは通常は無理ですので、おそらく乗り継ぎ列車になっていないと思われます。
秋田→上越妙高方向の乗り継ぎでは、「きらきらShu*Kuraリレー」の秋田発の09:33には、東京始発の秋田新幹線こまち号に乗車しても間に合いません。
いずれにしても、日帰りとなると、丸一日列車に乗りっぱなしになってしまうので、秋田か新潟のどこかで一泊して、翌日は観光をして帰るのがよさそうですね。
この夏にデビューした「〇〇のはなし」「HIGH RAIL 1375」は秋にも運転を実施!
この夏は、JR西日本の山陰本線で「〇〇のはなし」、JR東日本の小海線で「HIGH RAIL 1375」という新たな観光列車がデビューしましたが、10月以降も週末を中心に運転されることが発表されました。
山陰本線の観光列車「〇〇のはなし」
- 運転日:10月1日~11月26日の土曜・休日
- 運転時刻:
- 新下関 09:59発 → 東萩 12:57着
- 東萩 14:13発 → 新下関 17:50着
- 必要なきっぷ: 乗車券+指定席券
2017年8月にデビューした山陰本線の西部を走る観光列車「〇〇のはなし」(まるまるのはなし)。これまで「みすゞ潮騒」という観光列車として走っていた車両(キハ47形)をリニューアルしたものです。
「みすゞ潮騒」は新下関~仙崎間で運行されていましたので、「〇〇のはなし」は運転区間が延長されたことになります。
山陰本線は日本海の沿岸に沿って走っていますので、あちこちで日本海を眺めることができるのですが、この「〇〇のはなし」が走っている区間は、仙崎湾から深川湾、そして、響灘の車窓が美しい区間です。(上の写真は2011年夏に「みすゞ潮騒」に乗車した時に撮影したものです)
さらに、車内には販売カウンターがあり、沿線の名物を購入できるほか、事前予約にはなりますが、沿線の素材を使ったお弁当をいただくこともできるようです。
萩や下関の観光と合わせて乗車してみるのがよさそうですね。
詳しくは、以下のサイトをご覧ください。
小海線の観光列車「HIGH RAIL 1375」
- 運転日: 10月1日,6~9日,13~15日,20~22日,27~29日,11月3~5日,17~19日,23~26日
- 運転時刻:
- HIGH RAIL 1号:小淵沢 10:30発 → 小諸 12:31着
- HIGH RAIL 2号:小諸 14:22発 → 小淵沢 16:54着
- HIGH RAIL 星空:小淵沢 18:12発 → 小諸 21:51着
- 必要なきっぷ:乗車券+指定席券(820円)
2017年7月に小海線にデビューした観光列車「HIGH RAIL 1375」。夏の運転では指定席を確保するのが大変なほどの人気列車になりましたが、この秋も金曜・土曜・休日を中心に運転されることが発表されました。
運転時刻は夏の運転と変わりはないようで、1日に1.5往復運転されます。それぞれの列車で、車内サービスやイベントの内容が異なっていますので、初めての方はもちろんのこと、2度、3度乗っても楽しいのではないかと思います。
HIGH RAIL 1375については、下記の乗車レポートをご覧ください。指定席券や車内サービスの購入方法についても詳しく解説しています。
野辺山や清里の観光に加えて、標高の高い小海線では、10月になれば車窓からの紅葉も楽しめると思いますよ。
最新の「旧型客車」がデビューする「SLやまぐち号」
- 運転日:10月~11月の土休日(11月23日を除く)
- 運転時刻:
- 新山口 10:50発 → 津和野 12:59着
- 津和野 15:45発 → 新山口 17:30着
- 必要なきっぷ:乗車券+指定席券(1号車はグリーン券が必要)
C57形蒸気機関車が客車を引くSL列車「SLやまぐち号」です。今でこそ、各地でSLが走っていますが、この「SLやまぐち号」は、国鉄がSLをすべて廃止した3年後の1978年に復活運転を開始した、SL観光列車の元祖でもあります。
そのSLやまぐち号の客車が、この9月より新製されたものに変わります。新製されたのは、35形という「旧型客車」。鉄道に詳しくない方にとっては、新しく造られた「旧型客車」って、日本語として成り立っていない、と思われるかもしれません。
特に厳密な定義は存在しないようですが、Wikipediaによると、20系以降を「新系列客車」として、それ以前の客車を「旧型客車」と呼ぶ、とあります。
今回、JR西日本が、当時の設計図を元に、旧型客車を再現して製造しました。SL全盛期の客車をほぼ完全に再現しながら、LED照明や電源コンセント、空調、バリアフリー対応トイレなど、現代風の設備を盛り込んだ車両になっているようです。5両編成で、1号車はグリーン車、2~5号車は指定席車になっています。詳しくは、JR西日本のSLやまぐち号の案内をご覧ください。
沿線では、紅葉を楽しめる名所「長門峡」があります。SLやまぐち号のほぼ中間地点の駅にあたります。紅葉シーズンに訪ねて、途中下車して紅葉狩りを楽しむのもよいかもしれませんね。
北東北をぐるっと一周、車窓から紅葉を楽しむ「リゾートあすなろ周遊号」
- 運転日・運転時刻
- 10月14日(土):盛岡 13:25発 → 秋田 16:40着
- 10月15日(日):秋田 08:55発 → 八戸 14:40着
- 必要なきっぷ: 乗車券+指定席券
主に、北東北の津軽線や大湊線を走っている「リゾートあすなろ」という2両編成の観光列車を使用した臨時列車です。
2日間運転されます。それぞれ別の列車ですが、この2日分をセットにして北東北を一周するようになっているようです。秋田支社のプレスリリースには停車駅が掲載されていましたので、経路がわかります。
運転日 | 経路と停車駅 |
---|---|
10/14 | 盛岡~北上(東北本線) 北上~ほっとゆだ~横手(北上線) 横手~大曲~刈和野~羽後境~和田~秋田(奥羽本線) |
10/15 | 秋田~八郎潟~森岳~東能代~二ツ井~鷹ノ巣~大館~ 碇ヶ関~大鰐温泉~弘前~新青森~青森(奥羽本線) 青森~浅虫温泉~野辺地~三沢~八戸(青い森鉄道) |
1日目は、北上線経由で盛岡から秋田まで。北上線の沿線には、紅葉の名所として有名な錦秋湖がありますので、北上線経由としたのでしょう。
2日目は、秋田から奥羽本線で青森まで。青森からは青い森鉄道を経由して八戸までという行程です。奥羽本線の秋田・青森県境の矢立峠(やたてとうげ)付近や、弘前の紅葉が楽しめそうです。
二日間とも乗車すると、合計で9時間もの乗車時間になります。「リゾートあすなろ」は座席がゆったりとしているのでそれほど疲れることはないと思いますが、「ずっと乗りっぱなしはちょっと」という方は、途中で下車して観光するのもありですね。
この「リゾートあすなろ周遊号」が運転される10月中旬は、「秋の乗り放題パス」という、青春18きっぷの秋バージョンとも言えるフリーきっぷが発売されます。リゾートあすなろ周遊号は、秋の乗り放題パス+指定席券(2日間とも乗車するなら2枚)で楽しめますね。なお、青い森鉄道線内は、青森~八戸の通過利用の場合のみ青春18きっぷや秋の乗り放題パスで乗車可能という特別ルールがあります。浅虫温泉や三沢で下車する場合は、青い森鉄道線内の乗車券が別途必要になると思います。
ディーゼル機関車が客車を牽いて走る!「磐越東線・陸羽東線全線開通100周年号」
- 磐越東線全線開通100周年号(DL+旧型客車3両)
- 運転日:10月8日(日)
- 運転時刻:
- 郡山 10:22発 → いわき 12:40着
- いわき 14:15発 → 郡山 17:05着
- 必要なきっぷ: 乗車券+指定席券
- 陸羽東線全線開通100周年号(DL+12系客車3両)
- 運転日:11月3日(金・祝)
- 運転時刻:
- 仙台 09:09発 → 新庄 12:32着
- 新庄 14:55発 → 仙台 18:04着
- 必要なきっぷ: 乗車券+指定席券
磐越東線、陸羽東線それぞれの全線開通100周年を記念した臨時列車です。いずれも、普段はSLなどの客車列車が走らない路線ですので、ディーゼル機関車(DL)の牽引とはいえ、客車列車が走るのは珍しいことです。
いずれも紅葉の名所を通りますが、磐越東線沿線の夏井川渓谷は、紅葉シーズンには少し早いようです。一方、陸羽東線の鳴子峡は、10月下旬~11月上旬が紅葉の見頃ということで、11月3日に運転される「陸羽東線全線開通100周年号」に乗車すれば、紅葉も楽しめそうです。
以上、2017年秋の注目の臨時列車をご紹介しました。各地で運転されている観光列車は、秋の行楽シーズンにも運転されます。紅葉狩りなどとともに、秋の旅行の計画を立てる参考にしていただければと思います。
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