新型コロナウイルスの影響で、一時発売が危ぶまれていた2020年夏の青春18きっぷですが、7月1日から無事に発売が開始されました。これで、この夏も青春18きっぷの旅を楽しむことができます。ただし、観光列車や臨時列車の運転状況など、例年とは異なる点もあります。この記事では、この夏の青春18きっぷシーズンが例年とどう違うのか、そして、何に気を付けなくてはならないかをまとめてみました。
2020年夏の青春18きっぷ、7月1日から無事に発売を開始!
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、2020年夏の青春18きっぷの発売が危ぶまれていました。
5月時点では、JR各社の観光列車や臨時列車はもちろんのこと、新幹線の定期列車までも一部運休になり、新幹線や特急列車の乗客は例年比90%以上減と、惨憺たる状況でした。このような状況でしたので、夏の青春18きっぷの発売も危ぶまれていました。
その時に書いた記事が↓です。
その後、全国に出されていた緊急事態宣言が解除され、6月中旬以降は県をまたぐ移動の自粛も緩和されました。
6月19日の時点で、JR各社は改めて夏の臨時列車を発表しています。一時は、この夏の臨時列車を運転しないとしていたJR西日本やJR九州も、改めて臨時列車の運転を発表しました。
そして、7月1日から、2020年夏の青春18きっぷの発売が始まりました。これで、この夏も青春18きっぷの旅を楽しむことができます。
とはいえ、新型コロナウイルスの影響は続いていて、例年とまったく同じ夏というわけにはいかないようです。
そこで、以下では、2020年夏の青春18きっぷが例年と異なる点をまとめ、青春18きっぷの旅を楽しむうえでのポイントを紹介したいと思います。
なお、青春18きっぷの最新情報は、以下の記事をご覧ください。
JR各社の観光列車は順次運転再開、JR北海道は例年より少なめ
例年、夏休みシーズンを中心に、多くの観光列車が運転されます。ふだんは週末にしか運転されない観光列車も、8月には平日に運転されることがよくあります。
6月まではJR各社ともに、観光列車やSL列車の運転を中止していましたが、7月から順次運転を再開します。夏休み本番となる8月には、多くの観光列車の運転が再開される予定です。それでも、例年より運転日が少ないなど、新型コロナウイルスの影響は多少残るようです。
2020年夏のJR各社の観光列車の運転計画概要は、以下の通りです。
観光列車の運転再開 | 夏シーズンの運転計画 | 備考 | |
---|---|---|---|
JR北海道 | 7月18日以降 順次運転再開 | 例年は平日の運転も多いが 今年は土休日を中心に運転 | |
JR東日本 | 7月3日以降 順次運転再開 | 運転再開以降は おおむね例年通り | 車内イベント・販売カウンター などは、一部サービス変更あり |
JR東海 | - | - | |
JR西日本 | 7月1日時点で発表なし | - | |
JR四国 | 7月4日以降 順次運転再開 | 運転再開以降は おおむね例年通り | |
JR九州 | 6月19日から 運転再開 | 運転再開以降は おおむね例年通り |
JR各社とも、7月後半の4連休までには観光列車の運転が再開される見込みです。つまり、夏の青春18きっぷシーズンが始まる7月20日の時点では、ほぼ運転が再開されているとみてよいと思います。
運転再開後の運転本数は、JR北海道が少なめとなっていますが、JR東日本、JR四国、JR九州は、ほぼ例年通りの計画です。
青春18きっぷ+指定席券で乗車できる観光列車が多いのは、JR東日本、JR北海道ですが、JR北海道の観光列車に乗車しようと考えていらっしゃる方は、運転日に注意しましょう。「富良野・美瑛ノロッコ」「くしろ湿原ノロッコ」ともに、運転再開後の7月18日から9月末までは、ほぼ土休日のみの運転となっています。
2020年夏の臨時列車については、以下の記事に概要をまとめていますので、ぜひご覧ください。
中央本線の貴重な長距離列車「ホリデー快速ビューやまなし」、今夏の青春18きっぷ期間中は運転なし!
首都圏・関東地方を青春18きっぷで旅するときに気をつけたいのが、今夏は「ホリデー快速ビューやまなし」の運転がないことです。
新型コロナウイルス拡大の影響で運休となっていますが、運転再開は9月19日(土)からとなっています。
青春18きっぷを利用できる期間が7月20日~9月10日ですので、この間の「ホリデー快速ビューやまなし」は1本もありません。
中央本線を青春18きっぷで旅するときに、新宿から大月以遠、甲府や小淵沢へ乗り換えなしで移動できる便利な列車なのですが、今夏は普通列車を乗り継いでいくしかなさそうです。
青春18きっぷユーザーご用達「ムーンライトながら」は運転なし!
青春18きっぷとは切っても切れない列車、夜行快速「ムーンライトながら」。今夏は、残念ながら運転がありません。
ムーンライトながらで青春18きっぷの旅をスタートするという方も多いと思いますが、今シーズンはそれができません。青春18きっぷだけで長距離を移動するのはなかなか難しくなっていますので、適宜、新幹線や特急列車、夜行バスなどを組み合わせたほうが、予定に余裕ができると思います。
なお、「ムーンライトながら」に使われているJR東日本の185系電車は、車両更改の時期を迎えています。この夏の運転がなかったことを機に、「ムーンライトながら」が廃止される恐れもあります。そうならないことを願いますが……
「ムーンライトながら」の今後について考察した記事を書いています。興味がありましたら、ぜひご覧ください。
JR各社が今夏限定で発売する格安フリーきっぷも併用しよう!
外出自粛や県境をまたぐ不要不急の移動の自粛によって、甚大な影響を受けたのが観光業界です。その観光業界を支援する形で、この夏には、国や地方自治体がさまざまな観光キャンペーンを計画しています。
また、それに合わせるように、JR各社も、今夏限定の格安のフリーきっぷを発売します。
現時点では、JR四国とJR九州が、新幹線や特急列車に乗り放題で1万円以下ののフリーきっぷを発売することが発表されています。
JR四国は、JR四国全線・土佐くろしお鉄道全線・阿佐海岸鉄道全線の特急列車の普通車自由席に3日間(最低1日は土休日を含むことが条件)乗り放題で8,000円の「四国満喫きっぷスペシャル」を発売します。
JR九州は、土休日の連続する2日間、九州新幹線、特急列車の普通車自由席に乗り放題となる「みんなの九州きっぷ」を発売します。普通車指定席にも6回まで乗車できます。
このような格安のフリーきっぷが発売されますので、ふだんは青春18きっぷだけで旅行をしている方も、この夏は、青春18きっぷと併用することを考えてみてもよいと思います。
例えば、平日は青春18きっぷでローカル線の旅を楽しみ、土休日に上記のフリーきっぷを利用して、新幹線や特急列車で移動する、といった形です。特急列車として運転されているJR九州の「D&S列車」や、JR四国の「ものがたり列車」に乗車するのもよさそうです。
お盆休みの東海道本線・東北本線の混雑には注意!
例年、夏休み期間中は、青春18きっぷで旅行や帰省をする人たちで、普通列車も混雑することがあります。特に、東海道本線や東北本線といった本線系統は、普通列車で東京から各地へ移動する最短ルートとなるため、混雑する傾向があります。
今年はどうなるでしょうか?
新型コロナウイルスの感染状況がどのようになるかも影響しそうですが、現状のような小康状態が続くとすると、お盆休みを中心に混雑するのではないかと考えられます。
例えば、JR東海は、お盆休み期間中(8月7日~17日)に東海道新幹線で4,743本の臨時列車の運転を計画しています。これは、昨年比103%、つまり、昨年より列車の本数が多くなるのです。それだけ帰省の需要があると想定しているのでしょう。
東海道新幹線は青春18きっぷの旅に直接関係ありませんが、これだけ帰省の需要があるということだとすると、東海道本線の普通列車も混雑する可能性が高いです。
普通列車の混雑はどうしようもありませんが、少しでも空いている時間帯に移動するとか、混雑していてもなるべく座席を確保できるように行動することが重要になりそうです。
東海道本線、特に静岡県内の乗り継ぎのコツについては、以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。
東北本線 東京~福島間をお盆休みに移動したときの記録です。これも参考にしてみてください。
以上、「2020年夏の青春18きっぷ発売開始! 例年とはちょっと違う2020年夏シーズンの鉄道旅行を楽しもう!」でした。感染防止対策をしっかりしたうえで、青春18きっぷを使って夏の鉄道旅行にでかけましょう!
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