西武鉄道は、S-TRAINで利用されている40000系車両を利用した臨時夜行列車によるツアー「元町・中華街駅発の夜行列車で行く秩父絶景ツアー」を開催すると発表しました。5月26日(金)のプレミアムフライデーの夜から翌土曜日の朝にかけて実施されます。40000系を利用したツアー列車、しかも夜行列車は初の運転と思われます。
4社直通のツアー限定夜行列車を運転!
西武鉄道、西武トラベル、ビクセン、サッポロビールは、横浜高速鉄道、東急、東京メトロの協力を得て「元町・中華街駅発の夜行列車で行く秩父絶景ツアー」を開催すると発表しました。
ツアーの概要は以下の通りです。
- 実施日: 2017年5月26日(金)夜~翌27日(土)朝にかけて
- 夜行列車の運転時刻は非公表
- 乗車可能駅(旅行代金)
- みなとみらい線 元町・中華街駅(12,500円)
- 東急東横線 多摩川駅(12,300円)
- 西武池袋線 練馬駅(10,000円)
- 旅行の行程
- 上記3駅で40000系利用の夜行列車に乗車、西武秩父へ
- 西武秩父駅に到着後、貸し切りバスで三峰神社へ移動
- 三峰神社にて、スターパーティ(星空観賞会)、雲海鑑賞、御祈祷、朝食
- 27日(土)9:00頃西武秩父駅、9:30頃長瀞駅で解散(復路の運賃は含まれない)
ツアーの主催は西武鉄道・西武トラベルとなっています。申し込み場所は、
- 元町・中華街、多摩川発は西武トラベルのWebサイト
- 練馬発は、練馬駅観光案内所
となっています。練馬発だけ旅行代金が安いところや、直接練馬駅の窓口に申し込むことから、元町・中華街と多摩川発は西武トラベル扱い、練馬発は西武鉄道扱いになっているのかもしれません。
詳しくは、西武鉄道のニュースリリースと、西武トラベルのWebサイトをご覧ください。
「元町・中華街駅発の夜行列車で行く秩父絶景ツアー」初開催!(西武鉄道ニュースリリース, 2017年4月25日)
4/27(木)12時受付開始5/26(金)深夜発 西武鉄道新型通勤車両40000系使用 秩父・三峯神社で絶景の雲海&星空鑑賞を目指す!「元町・中華街駅発の夜行列車で行く秩父絶景ツアー」
西武鉄道のWebサイトでは、過去のツアーの様子なども公開されています。
秩父・三峯神社で絶景の雲海&星空鑑賞を目指す! 「元町・中華街駅発の夜行列車で行く秩父絶景ツアー」 :西武鉄道Webサイト
S-TRAIN車両初のツアー列車・夜行列車に注目!
乗り鉄的に注目なのは、何といってもS-TRAINに利用されている40000系電車を利用したツアーであることです。しかも、臨時ではありますが、4社直通の「夜行列車」というのにも惹かれます。
ほぼ同内容のツアーは、池袋発のレッドアロー利用で8回実施されていますが、今回の4社直通の夜行列車は、S-TRAINが運転を開始したからこそ実現できるようになったものですね。
大手私鉄の夜行列車といえば、東武鉄道のツアー限定「尾瀬夜行23:55」「スノーパル23:55」が有名です。当ブログでも何回か取り上げていますが、定期的に運転されている私鉄の夜行列車はこれだけです。西武の夜行ツアーも何回か実施されていますが、今回の4社直通の形態で今後も実施されるかが注目です。
運転時刻は非公表
今回の夜行列車の運転時刻は非公表となっています。ツアー列車なので公表する必要はないですし、深夜の運転なので、安全上公表しないことにしたのでしょう。
レッドアローを利用した過去のツアーでは、
- 23:40頃に池袋を出発
- 03:00頃に三峰神社に到着
となっていました。ツアーの内容が同じことから、ほぼ同じ時間帯での運転になるのではないかと思います。
西武秩父駅から三峰神社までは、日中時間帯に運転されている急行バスで1時間30分ほどかかります。となると、西武秩父駅には01:30頃には到着していないといけませんので、夜行列車の乗車時間は、通常のS-TRAINと同様に2時間程度ということになりそうです。乗車時間が短すぎて、眠れないかもしれませんね。
設備的にはレッドアローに軍配! トイレが少ないのが心配かも?
以前、S-TRAINの乗車レポートを投稿しましたが、車齢は古いものの、設備的にはS-TRAIN(40000系)よりもレッドアローのほうがかなり上です。
S-TRAIN(40000系)利用の夜行列車として問題になりそうなのは、
- クロスシートではあるが、リクライニングしない
- デッキがないため、騒音が気になるかも?
- 10両編成でトイレが1か所しかない
といったあたりでしょうか。逆に、コンセントがついていたり、WiFiが利用できるのは、最新型の電車ならではです。
S-TRAINの車端部です。通勤型電車なのでデッキはありません。さすがに、この車端部の3人掛け席は、今回のツアーには使わないのではないかと思いますが…。隣の車両に見えているのが、S-TRAINの編成で唯一のトイレです。
今回、サッポロビールが共催となっていたので、夜行列車の中でビールが飲めるのかと思ったのですが、上記の西武鉄道のニュースリリースには、
・星空のもと、サッポロ★生ビール黒ラベルでカンパイ!(1 人 1 本、成人希望者限定で配布)
とありましたので、現地での提供となるようですね。さすがに夜行列車ですし、トイレも少ないので、列車の中での提供は控えたのかもしれません。
40000系利用のツアー列車に今後も期待!
首都圏の大手私鉄は、広い路線網を持つ東武鉄道以外は、夜行列車が運転できるほど長距離の路線を持っていませんでしたが、大手私鉄同士が東京メトロを介して直通運転を実施するようになったため、かなり長距離の列車が運転できるようになりました。
今回のS-TRAINを利用したツアーのように、夜行列車も運転できるとなると、これからの観光シーズンに向けて、いろいろなツアー列車の企画が期待できそうですね。
以上、S-TRAINの車両を利用したツアー限定夜行列車が元町・中華街~西武秩父で運転されるという話題をお届けしました。