みなさま、明けましておめでとうございます。
2019年も、これまで以上に、乗り鉄に関する情報発信をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて、今年、2019年は、おおさか東線(JR西日本)の開業や、新生三陸鉄道の運行開始、相鉄・JRの直通運転開始など、注目のイベントが多数予定されています。その一方で、JR北海道の石勝線夕張支線の廃止が予定されるなど、地方のローカル線にとっては厳しい状況が続く見通しです。
この記事では、2019年の鉄道業界で予定されている出来事のうち、乗り鉄にとって注目のイベントをご紹介します。
新線開業・直通運転開始
2018年は新線開業がなかったのですが、2019年は、いくつか予定されています。
- おおさか東線全線開業(新規開業区間:新大阪~放出:JR西日本)
- 新生三陸鉄道の運行開始(宮古~釜石間運行再開:三陸鉄道)
- 相模鉄道~JR線の直通運転開始(相模鉄道・JR東日本)
おおさか東線全線開業、新大阪から奈良への直通列車運転開始!
一番の注目は、JR西日本の「おおさか東線」の全線開業です。2019年3月16日のダイヤ改正に合わせて開業します。
既に開業している久宝寺~放出間と合わせて、今回、新大阪~放出間が開業することで、全線開業となります。
基本的には大阪圏の通勤路線ですが、乗り鉄や旅行に使えそうなのが、1日4往復設定される新大阪~奈良間の直通快速列車です。特に、山陽新幹線方面から奈良へは、この直通快速列車に合わせて乗り継げば、これまでよりも所要時間が短縮されそうです。乗り換えが不要になるのもメリットですね。
新生三陸鉄道の運行開始! 宮古~釜石間は震災後8年を経てようやく復旧
東日本大震災の津波被害により被災・長期運休となっていた宮古~釜石間の運行が再開される予定です。これに伴って、同区間をJR東日本から三陸鉄道に移管、同区間を含む久慈~盛間の163kmが、新生三陸鉄道「リアス線」として生まれ変わります。
この運転再開は、三陸地方の復興にとっても大きな出来事です。被害が大きかったことに加えて、黒字会社のJR東日本の路線であるからこそ、国からの補助金が出ずに復旧が遅れていました。結局、復旧工事をJR東日本が実施、その後、三陸鉄道に移管するということで工事を開始、ようやく復旧にこぎつけたという経緯があります。
乗り鉄としての注目ポイントは、久慈~盛間の全線を直通する列車が1日5本(上り3本、下り2本)も設定されたことでしょう。ローカル線で163kmもの距離を走破する列車は、JR各社を見渡してもそれほど多くはありません。所要時間は4時間超。三陸海岸の美しい景色を眺めながら、のんびりと汽車旅を楽しんでみたいところです。もちろん、三陸地方の復興応援も兼ねて。
相模鉄道・JR直通運転開始
「2019年度下期」と予定されているので、実際には2020年になるのかもしれませんが…。
相模鉄道とJR東日本の直通運転が予定されています。
(出典)http://www.chokutsusen.jp/info/soutetsu_jr/index.html
「神奈川東部方面線」という事業名称で整備が進められてきた路線の一部で、相鉄本線の西谷駅と、JR東海道貨物線横浜羽沢駅付近に設けられた新駅「羽沢横浜国大駅」を経由して結ぶ約2.7kmの新線を建設。その新線を経由して、相模鉄道相鉄本線からJR東日本の大崎・新宿方面へと直通列車を走らせる計画です。
開業時期やダイヤなどの詳細は発表されていませんが、開業が2020年になるとしても、2019年中には詳細が発表されるでしょう。新宿方面へ直通するために、途中から現在の湘南新宿ラインと同じ線路を走ることになる予定です。新宿より先、どこまで乗り入れるのかなど、興味深い点がありますし、首都圏の鉄道網へも大きな影響がありそうです。
JR北海道の石勝線夕張支線が3月末で廃止
新たな路線ができる一方で、消えていく路線もあります。
2019年3月末に、JR北海道の石勝線夕張支線(新夕張~夕張間)が廃止されます。
明治25年に、北海道炭礦鉄道室蘭線の支線として開業。夕張炭鉱の活況とともに栄え、そして石炭産業の衰退とともに消えていくことになりました。昭和50年には輸送密度2,318人/kmもあった路線ですが、平成28年には80人/㎞まで落ち込んでしまいました。
夕張市の破綻も記憶に新しいところですが、この夕張支線の廃止は、夕張市側から廃止・バス転換の提案があったそうです。全線が夕張市を走っていることや、そもそも札幌からの直通列車が一本もない状況からして、バス転換したほうが夕張市民の足としてはメリットが大きいという判断があったのでしょう。
鉄道の廃止というのは、鉄道ファンとしては寂しいことですが、夕張市の英断が報われるといいですね。
有料着席サービスが近畿圏へも拡大! JR西日本が導入へ
首都圏の大手私鉄で導入が相次いでいる通勤列車の有料着席サービスですが、2019年には近畿圏へも拡大しそうです。
JR西日本は、3月のダイヤ改正に合わせて、新快速列車に有料座席サービス「Aシート」を導入するほか、姫路~大阪間に通勤特急「らくラクはりま」を新設します。
これまで、大阪を中心とする近畿圏では、特急列車を通勤時間帯も運行することで、通勤客の着席サービスを提供してきましたが、ここへきて、有料着席サービスの拡大に大きく舵を切ってきました。
「Aシート」は、12両編成の新快速列車の1両を有料座席サービスとして運行する形態で、イメージとしては、JR東日本の普通列車グリーン車に近いです。当初は2編成のみの導入ですが、状況を見て拡大していくものと思われます。
一方、首都圏では、通勤客向けのホームライナー(通勤ライナー)の廃止が予定されています。
3月のダイヤ改正で、中央線・青梅線の「中央ライナー」「青梅ライナー」は特急へ格上げ、総武快速線の「ホームライナー千葉」は廃止される予定です。残るは、「湘南ライナー」などの東海道本線の通勤ライナーだけとなります。
JR西日本の「らくラクはりま」も特急列車として投入されますので、JR各社の通勤ライナーは、今後特急化される方向になるのかもしれません。
中央線特急が大幅刷新、富士急行線直通の「富士回遊」がデビュー!
当ブログでもすでにお伝えしましたが、中央線の特急列車「あずさ」「かいじ」の車両が、新型E353系に置き換わるのを機に、着席サービスやダイヤなど、大幅に刷新されます。
大きな影響がありそうなのが、「新たな着席サービス」の導入です。
普通車のすべての座席を指定できる制度です。そのため、混雑する時期、たとえば連休初日の午前中の下り列車などでも、指定席を確保しやすくなりそうです。
料金については、現行の指定席特急料金と比べると若干の値下げになります。ただし、「えきねっとトクだ値」の改悪や、あずさ回数券の廃止など、これまでお得に利用していた人にとっては、実質的に値上げになりそうです。
また、E353系3両編成を利用した新たな特急「富士回遊」(新宿~河口湖)がデビューします。大月で「かいじ」と分割・併合する形で運行されます。1日2往復と本数は少なめですが、首都圏から観光に使いやすい時間帯に設定されていますので、富士山観光にはぜひ利用したい列車ですね。
今年も続く観光列車の投入
ここ数年、JR各社をはじめ、大手私鉄や第三セクターなどでも、観光列車の投入が相次いでいます。この流れは、2019年も続きそうです。
JR東日本では、羽越本線の観光列車「きらきらうえつ」の後継として、ディーゼルハイブリッド車両の観光列車「海里」(かいり)を2019年10月に投入します。
最大の注目は、ダイニングカーが連結されること。「きらきらうえつ」でも、沿線のお酒や軽食、お弁当などが購入できるカウンターがありましたが、わざわざダイニングカーと銘打つからには、よりきちんとした食事を出す列車になるのではないかと思います。
また、西日本鉄道では、2019年3月から、レストラン列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の運行を開始します。
金・土・日祝に、以下の3コースがそれぞれ運行されるようです。
- 地域を味わうブランチの旅: 西鉄福岡駅 → 大宰府駅
- 地域を味わうランチの旅: 西鉄福岡駅 → 大牟田駅
- 地域を味わうディナーの旅: 大牟田駅 → 西鉄福岡駅
手軽に利用できるブランチのコースから、じっくりと料理を味わえるディナーのコースまで、予算や旅行の日程に合わせて選べそうです。
以上、「2019年乗り鉄業界はどうなる? 新線開業・有料着席サービスの拡大、夕張支線廃止など多くのイベントが予定されています」でお届けしました。新線開業など、鉄道業界全体にとっても大きな出来事が予定されている2019年。新線の初乗りなどを含めて、このブログでもレポートしていきたいと思いますので、今年もよろしくお願いいたします!
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